
女子エペ個人古俣 2度目のインカレはベスト8/全日本学生選手権
ベスト8という結果にも、古俣の顔に笑顔はなかった。準々決勝の相手は大迫(日体大)。海外遠征を経験している実力者に序盤で勝負を決められてしまった。
「相当研究されていた」(長尾康司監督・昭53商卒)。目立ったのは古俣の得意とするフレッシュを見極められ、その後突かれるというパターン。「相手がカウンターを徹底していたので私がリードすることで崩そうと思った」(古俣)と積極的に攻めに出た。だが失点パターンを繰り返すという悪循環に陥り、0―5と序盤で大きなビハインド。その後も大量リードを手にした相手に、攻撃を冷静に対処されてしまった。必死のアタックもドゥーブル(同時突き)で合わせられるなど、終始大差を追う厳しい展開。最後もドゥーブルで合わせられ、見せ場なく6―15でゲームセットとなった。敗因は「精神面」と振り返った古俣。冷静に相手を見てフェンシングをするという、古俣の課題があらためて浮き彫りになった形だ。
予選を危なげなく通過した奥村は2回戦で今大会優勝した黒木(日大)に11―15で敗れるも、15点先取の決勝トーナメントで2回戦まで駒を進めた。これまで5点先取の予選では好成績を挙げるも、決勝トーナメントでは結果を残すことができていなかった奥村。一つ山を越えた印象で、今後の活躍に期待が懸かる。また村上は予選を通過することができなかった。
[柴田遼太郎]
試合後のコメント
長尾康司監督(昭53商卒)
「村上はインカレ来られたので良かった。大学からエペを始めたばっかりだから色々自分で考えるところがあると思う。技術的には向上していかなければならない。奥村は、予選プールは上位で上がってくるが15本勝負になると負けてしまう。それを改善できないかと挑んで決勝トーナメントで勝ち切ったから15本勝負の戦い方が分かったと思う。フェンシングの幅が広がったのでは。古俣については相当研究されていたね。1本目取りに行って取れなくて、2本目3本目4本目も取れなくてどうしたらいいか分からなくなる。あんな結果になってしまった。本当はそこで修正したり、間を置いたりすることもできたが気持ちに余裕が生まれなかった。彼女の戦い方を象徴している。パワーもあるし、スピードもある程度のところまで通用して勝っている経験があるだけに、どこかで挽回できるという動きになってしまっている。密かに頂上を狙っていたが惜しかった。彼女が負けるときは往々にしてあのようなパターン」
古俣潮里(政経2=新潟)
「自分的には優勝するつもりだった。最低目標は達成したがもっと上に行けた。不本意な結果に終わってしまった。(3回戦は)同期で一緒に練習もしていたので何をやってくるかもある程度予想がついていた。今日の予選でも戦って調子も分かっていた。緊張しすぎることもなく、油断するでもなくベストな精神状態で戦えた。(準決勝は)相手が攻めてこないと言われていたのでどうにかして攻めさせてやろうと思い、力んで上手いこと突かれた。5―1になったぐらいで立て直そうとしたが、そこから考えさせてもらえなかった。ゲームメークの上手い相手だった。相手がカウンターを徹底していたので私がリードすることで崩そうと思ったが、大量リードされてしまった。相手が待っているときにガンガン攻めていくのは得策ではない。時間を使って我慢して相手が焦れて出てきたところを確実に1本取れば良かった。実力差があればそこからひっくり返せるが、相手も強くしっかり守られてしまった。やりようはあったが前半で勝負が決まってしまった。ゲームメークが甘い。勝てている試合は私が落ち着いていて、相手が何を狙っているのかしっかり見て、時間を掛けてフレーズをつくっていけている。一番自分に腹が立つところは精神面。最後の最後に切れてしまって相手の作戦にはまってしまった」
関連記事
RELATED ENTRIES