未来を背負うルーキーたちが初舞台で大健闘/関東学生新人個人選手権

2015.11.10
 1年生にとって初めての公式戦となる新人戦が2日間にわたって行われた。未経験者の部において男子では米谷洋祐(商1=県立座間)が4位、女子では溝口美里(法1=都立日野台)が3位と大健闘を見せた。経験者の部では高田健太(営1=関西大倉)が13位にランクインし、安定した成績を収めた。スポーツ推薦者を擁する他大を脅かす存在となった明大勢の躍進。今後チームの戦力として輝きを放つ姿に期待が寄せられる試合となった。

[男子]
 見事なデビュー戦だ。大学入学までアーチェリー未経験の米谷。降りしきる雨によりコンディションが悪かったことや、レストアップのミスを悔やんだ。自身にとってはほろ苦さが残るデビューとなったが、終わってみれば未経験者の部で堂々の4位。強豪がひしめく他大に肩を並べる好結果を収め、初の戦いは幕を閉じた。「今日が1つの目標」。先輩からも言われたこの言葉を胸に挑んだが「もうちょっと頑張れたかな」。この結果に慢心することなく、今後に向けて練習に励む。

 1年生の中で唯一春のリーグ戦で射線入りするなど一歩抜きんでた存在の高田は経験者の部で13位。最近の調子が悪く「射つのが怖かった」と高田。不安な気持ちや天候の悪さを逆手に取り「自分の射ち方にしよう」。射ち残しで得点を稼げなかった50mからうまく切り替え、30mでは340点という高得点をマーク。思い切り吹っ切れて臨んだことが功を奏し、これから行われる定期戦や冬のインドアに向けた自信をつけるきっかけをつかむ機会となった。

[女子]
 女子未経験者の部で溝口が3位と健闘した。2年前の上位の点数を聞き「1位を狙っていた」という。惜しくも届かなかったが、存在感を放った。
 50m途中で4位に食い込むと「感覚は微妙だった」というものの30mで盛り返し、一つ順位を上げた。581点は目標の最低限の点と納得はいかなかったが「自信を持って射てるように」と課題も見つけ、試合後には充実の表情を見せた。
 目標は「4年生の前田先輩(悠帆・法4=東福岡)」と話す溝口。前田は1年次の新人戦男子未経験の部で優勝し、その後チームを率いるまでに成長。また2年前には渡邊里奈(政経3=聖徳大附女子)も女子未経験の部で3位となり、現在も主力として活躍している。「アーチェリーは楽しい」と、楽しさを原動力にさらなる成長を見せてくれるだろう。「第二の前田」誕生の日は近いかもしれない。

 明大アーチェリー部のこれからを担う。結果や手応えはそれぞれであるものの、次につなげていくための重要なターニングポイントになった今大会。将来この中からどれほどの選手が射線入りを果たし、チームを導く存在となるのだろうか。先輩たちが築き上げた歴史を、期待のルーキーたちがその手で塗り替えていけるか、期待はふくらむばかりだ。

[板橋洋子・石渡小菜美]

試合後のコメント
倉本那央(理工1=津田沼)

「道具の準備をきちんとできてなくて、焦ってしまった。それでも平常心を取り戻して射つことができた。雨という悪いコンディションの中で大変でした。射形を固めることを意識して数週間前から取り組んでました。今日やって手応えがありました。(新たな課題は見つかったか)まだ反省しきれてない。アーチェリーは高校から。なんとなく始めましたが、真面目に取り組んでた。明治に受かったらアーチェリー部に入ろうと決めていました。練習はとてもしやすい。(今後の目標)大学の名前を背負って春のリーグ戦で明治の一員として戦うこと」

高井智久(商1=実践学園)
「今日は自己ベストは出せなかったが、試合であまり緊張せずに射てたので、良かったかなと思っている。前半はあんまり良くなかったんですけど、後半は尻上がりに良くなっていたので、良かったかなと感じる。3年間部活を通して身を投じて1つのスポーツに青春をささげられるというとありきたりになってしまうが、そういう風に部活やりたいなと思って、初心者から入れるアーチェリー部に入った。高校は野球をやっていた。小学校からずっと野球をやっていた。結構部として全国大会に出る目標を持っていて部だなという感じ。後はチームメート同士で切磋琢磨(せっさたくま)しながら、日々練習を友達と楽しくやっている。ここで点数が出せればいいなと思っていたので、毎日授業終わったら練習に来るようにしていた。今後はさらに練習して、チームの軸になれるような選手になれればと思っている」

高田
「30mはこの豪雨の中で340点という高得点を出せたのだが、50mを1本射ち残しをしてしまって射っていない。それで292点という。300越えを自分的には目標にしていたので、それができなくてちょっと残念。でも292を射ったあとに340を出せたっていうのは、切り替えが上手になったと思って、自分の成長だと思っている。昨日も実は距離射って出なくて、全く不安な中で今日試合に来たのだが、そのうえ雨になって。逆に吹っ切れて、今日はもう自分の射ち方にしようと思って射てた。今そんなに射てていないが、そんなに点数は下がらなかったのかなと思っている。最近ずっと調子が悪くて、射つのが怖かった。この試合も出るのがちょっと嫌だったが、この試合に出て逆に自信がついたので、これからの定期戦ないしは冬のインドア頑張っていきたいなと思う。(先輩選手からは)『おまえはしっかりしろ』。『お前は頑張れる』。それしか言われてない。今後は来週から始まる他大学との定期戦を明治は全力で行くので、そのメンバーでまず勝利っていう形と、後は冬場のインドアをちゃんと。たくさんの先輩たちとインカレに行きたいかなと思う。インドアに向けては今年は基礎トレーニングをしようと思う。射つことも大切だが、冬場はかじかんだり射形を崩しやすいので、逆にそういうときに筋トレやランニングなどをして、来年の春に向けた調整をしたいと思う」

橋本大河(情コミ1=桐光学園)
「(試合を振り返って)50mの出来が良くなかったので、最初からいつもの調子が出るようにしたかったです。緊張しました。でも段々と良くなっていったので、慣れの部分だと思います。(未経験からアーチェリー部に入部)高校の時に弓道をやっていたので、ちょっと違いますけどアーチェリーも楽しいです。アーチェリーは点数に表れるので、そこに弓道と違った楽しさがあります。大学入ったときもどちらか迷ったんですけど、新しい方がやりたいなって。この半年間すべてが新しいので新鮮で、同期とも一緒に練習しながらやってきたのが楽しいですね。動機が練習しているのを見て自分もやらなきゃなと思ったりして。切磋琢磨(せっさたくま)しながらやっています。(目標とする選手は)一つ上の千葉先輩」

林大貴(情コミ1=逗子開成)
「(結果)残念とは言わないまでも、あまり良くはなかったです。目標点にも届いてないです。得点を求めて射ち残しちゃったっていう感じです。(今の練習は)今は上級生の先輩とか、監督、ОB・ОGの方から指導を受けて練習しています。前田先輩、中村和音先輩、森田先輩とかに聞きに行くことが多いです。(目標としている選手は)前田先輩とかは正直まねできないなと感じるので、同期の高田とかです。高田はうまいので。リーグ戦にも出てますし、目指すとしたら今は高田です。まだ全然及ばないですけど。(未経験からアーチェリー部に入部した動機は)何か一つやり遂げたいなと思って。ちゃんとしたことをやりたくて体育会に入ろうと。(今後)やっぱりエイトに出ることです。春のリーグに出ることが目標です」

米谷
「雨降ったってのと、50mは悪くなくて30mでいきなりレストアップをして、それで結構気持ち的にはしぼんでしまうことがあった。(距離での違い)どっちか当たらなくてどっちかいっぱい練習しちゃうと、逆に当たってた方が当たらなくなっちゃう。(入部のきっかけ)なんとなくと言ってしまえばなんとなくだが、大学で何か運動しようと思って、だいたいは強くてスポーツ推薦とかのところばっかりで、そういうのではなくて未経験でも入れるところを探したらあんまりなくて、アーチェリー部にしようかなと思い、入部を決めた。中学校では卓球やっていて、高校ではハンドボールをやっていた。部の雰囲気は先輩方皆さんいい方々で、楽しくやらせていただいている。例年夏合宿くらいで辞める方がいるようだが、今年はそういうのがなくていい代だと思う。結構先輩方も『今日が1つの目標だ』みたいな感じで、それに向けて目標にしてやってきたが、もうちょっと頑張れたかなという感じ。課題は30mの最後の方で疲れちゃって、それでクリッカーが切れてっていうのが1つ目と、レストアップしてないかってちゃんと確認しなかった結果として、後ろに矢を飛ばしてしまったっていうのがある。収穫はちゃんとフォロースルーを残せば当たるんだと思った。今日の反省を生かして、今後もっとうまくなれればいいなと思う。たくさん練習する」

大輪結衣(政経1=明大中野八王子)
「とても緊張したが、楽しんで射つことができた。50mの結果があまり良くなかったので、もう一度八幡山の射場に戻ったときにフォームを確認して直していきたい。先輩方にたくさん言われたことを守るようにしました。引き手と押し手のバランスを保つようなこととか。最初の方は意識してできたが、最後の方は疲れに意識を持ってかれた。意識しながら最後のエンドまで射てるように頑張りたい。次は押し手の動きを直していきたい。(アーチェリー部に入ったきっかけ)弓を使ったものをやりたくて。弓道部はスポーツ推薦を取っているので、ついていけないかなと思って初心者を受け入れているアーチェリー部に入りました。高校では水泳をやっていた。(明大の雰囲気)先輩後輩仲が良くて明るい部活。真剣な時はきちんとやっている。(今後の目標)基準としている500点後半を出していけるように頑張っていきたい」

竹腰美緒(政経1=国府台女子学院)
「的に乗せることを目標にしていたけど、全然駄目だった。ぞれでも緊張せずにできた。もっと練習していこうかなと思う。高校ではバンドでギターをやっていた。入部する前からアーチェリーはやってみたいと思っていた。実際やってみると難しい。1試合でも多く出られるように頑張りたい」

濱田真未(政経1=県立星稜)
「今日は572点でした。この結果には正直全然納得いってないです。ちょうど1週間前に625点で自己新が出たので自分的にはいい状態で試合に臨めたかなとは思ったんですけど、試合になるといつも通りにうてないところがあったりするのが現実でした。それが今の自分の実力かなと思います。すごい悔しかったですけどそれが現実だと思っているので、何がいけないとかこれからの練習では試合での自分をしっかりして、試合でどれだけ自分のベスト出せるかというのを突き詰めていきたいなと思います。団体戦では先輩や同期が応援したり指摘したりしてくれますが、個人戦は自分で考えなきゃいけないところがあります。そういう部分がまだまだ甘いかなと思っています。自分は今リーグ戦を重要視していて、リーグを戦う8人の中でも上位4人に入って女子が王座に行く力になりたいと思っています。まだ1年だけど2年生にも3年生にも負けるつもりはないし、自分の点数で明治女子を王座に行けるくらい、チームの力になれるくらい精進していきたいです。まだまだ甘いですけど頑張りたいです」

松本萌菜(農1=大妻中野)
「点数はよくない。腕のあざを増やさないようにすることが目標だった。増えてしまいました…。結果は悪かったけれど、他校の選手と関われてよかった。同的が経験者の人だったので、うまい人の射形を見られたのは収穫になった。高校までは琴をやっていて、アーチェリーやってみたいなって軽い気持ちで始めた。最初は単純に楽しくやっていたけれど、本気になると悔しくなる。もっと練習しないといけない。明治の選手として活躍できるようになりたい」

溝口
「50mの途中で4位で、感覚が微妙だった。1位を狙っていたからやばいなと思って、30mで巻き返そうとしたけれどちょっと微妙だった。目標は、最低でも580点、できれば600点を超えたかった。581点で下回らなかったので最低限よかった。2年前の上位の人の点数が570点くらいと聞いていたので、狙いにいった。もっと練習しないとと思った。びびらないで、自信を持って射てるようになることが課題。同的が日体の選手で、いっぱい喋っていろんな話を聞けたのでいい経験になった。高校まではバスケ部でマネジャーをやっていた。高校でも弓がやりたかったけど、部活になくて、大学で弓道をやろうかと思っていたらなぜかアーチェリー部に入った。アーチェリーは楽しい。10点に入るとうれしい。目標は4年生の前田先輩。すごく丁寧に教えてくれる。あと少ししか一緒にできないので、いっぱい話を聞きたい」

村野希恵(文1=蕨)
「(今日の結果について)目標としていた点数に届かなくて今回は課題が多く見つかったので、今後に生かして行けたらなと思います。背中がそってしまうのと引き手が悪いっていうのを自覚してて、その悪い癖が今日は出ちゃってたなと自分でも感じるのでそれを直していきたいです。自己ベストを出したかったんですけど、それには全然及ばなかったので。まだまだだなと思います。(気になる選手は)竹腰さんていう子で。試合の中でも同じ的を射つことが多くて、あと練習も一緒にすることが多いので。今日も何点だったとか試合中に聞きあったりして、点数も近いので。目標とする選手は2年生の小林先輩。よく指導していただいたりしていて。今先輩も調子が良くない中でエイトに入ったりしてすごいなと思って。とにかく練習して、努力で点数を上げているところを見習いたいなと思います。(目標)エイトに入って試合に出られるようになることです」

吉原彩夏(文1=蕨)
「今日は519点でした。最近調子が悪く、雨も降っていた中でそれなりに頑張れたかなと思います。体調を崩していたのを回復してきたことだったり、メンタル面も安定してきたので、そういうのが出たのではないかと思います。高校3年間は器械体操をやっていました。(アーチェリー部入部は)球技以外の運動部、個人競技で探していて部の雰囲気で決めました。これからは自分が目標設定した点数だったり練習がしっかりとできるようにこつこつやりたいと思っています。今日は50mが悪かったので、まずは50を上げてトータルをプラス20くらいできたらなとは思っています」

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