成長の手応えもインカレに課題 1勝1敗で2位/全早慶明定期戦

2015.11.09
成長の手応えもインカレに課題 1勝1敗で2位/全早慶明定期戦
 68回目となる全早慶明定期戦が、明大和泉体育館で行われた。各大学から卒業生も出場する今大会。全明大は2戦目から登場し、全慶大に2─1で勝利するも続く全早大戦には0─2で敗れた。3年ぶりの優勝とはならず、全日本インカレ前哨戦ともいえる大会で課題が見えた。

 粘りが光るも快勝とはならなかった。今季秋季リーグ戦2部4位の全慶大に対し「勝つときに相手を徹底的にたたかないと」(岡崎吉輝監督)と、リーグ戦の課題を打破したい一戦。第1セット、相手サイドの攻撃に対しセンター線を中心に徹底マーク。3本目を決めさせない粘りの展開へ持ち込み、明大ペースへ。さらにレフトでスタメン復帰を果たした加藤寛樹(政経2=創造学園)の決定力の高いスパイク、エース與崎風人(政経4=鹿児島商)のライトからのスパイクなどで着実に得点をものにした。圧倒的な流れで25─18とする。しかし課題の第2セットで、またしても流れを失う。18─11の場面、レシーブで完全に崩され試合を展開できず。リベロの瀧野頼太主将(政経4=創造学園)がカバーに入るも、6連続失点で1点差にまで詰め寄られた。結局ジュースとなり25─27でこのセットを落とす。第3セットはレシーブも立て直し、第1セットと同じく守備から終始リズムをつかんだ。最後は25─15、セットカウント2─1で勝負を決めた。

 奮い立つ敗戦となった。続くは今年度勝利のない全早大との対戦。第1セット、全慶大戦と同じく粘りで流れを呼ぼうとするが相手も引かず。拾い合う我慢の展開が続いた。しかしバックアタック、サイド、高いセンターと豊富な相手の攻撃に対し、明大はレフトの加藤へトスが集中する。打数が増えると「バックセンを下げられてしまった」(加藤)と得点につなげたいスパイクを拾われミスが生まれた。中盤の13─14から4連続失点すると、その点差を縮めることができないまま21─25でセットを落とした。第2セット、第1セットの悪い流れのまま試合が進むと5─9の場面で與崎が気迫のライトスパイク。コートに覇気が戻ると一時は点差を並べ直した。しかし最後は「(早大選手の)全員が勝負どころを分かっていた」(瀧野)。20─25で力の差を実感する結果に終わった。

 「全員が流れをつかむバレー」(瀧野)。力の差のある慶大、実力派ぞろいの早大とともに、持ち味の守備が光った明大。しかし最後に勝負を呼ぶ力に欠けた。全日本インカレまで1カ月を切ったチームに活躍が待たれるのは、加藤をはじめとするサイド陣、それを操るセッターの辰巳遼(文2=清風)らだ。勝機を呼び込むキ―プレーでチームの新たな火付け役となりたい。

[川合茉実]

試合後のコメント
瀧野

「いいプレーもでていたが、ミスもあって、悪い部分もすごく多かった。もっと悪い部分を減らしていかないと。粘りの面では明治らしい形ができつつある。流れがいい時にミスが出ると流れが相手に傾いてしまうこともあるので、全員が流れをつかみながらバレーができるようにしていかないとと思った。(早稲田戦)向こうの方がバレーを知っているというか、試合の運び方もうまい。全員が勝負どころを分かっているように思った。そこが明治にはない。技術的には差はないと思うが、そういうところで差が出ている。(調子)上がってきているが、もっと流れを知るとか、インカレまでに勉強しなければならないことはある。いろんなチームと練習をして、学んでいきたい」

與崎
「慶應に関しては相手に対して自分たちのバレーを流れよくできた。次の早稲田になった時に、自分たちの気持ちがつくれていない。相手にのまれている部分がすごく多いとやっていて感じた。流れもなかったし、勝っていても勝っている雰囲気がなかったので、そういう面でも気持ちの面で負けていた。技術で負けていても気持ちの面で勝っていれば何か起こるかもしれないので、気持ちだけでもしっかりやっていけたらよかったのかなと思う。苦手意識は特に持ってない。チームの問題ではあると思う。僕的にはセッターが肝心なポジションになると思う。あれだけレフトに寄ってしまうとどうしてもブロック付かれやすくなる。もう少し考えてやってもらえれば展開も変わってくると思う。(早稲田との差は)総合力も、つなぎの面も、ブロック1本取ってもすべてにおいて向こうが一つ上。勝ってるものがない。何か一つでも秀でたものをつくらないとこれからも勝てない。(リーグ終わってからの取り組み)ブロックとレシーブの関係性をしっかり練習している。抜かすコースにはしっかりレシーブに入るようにとか。まだまだ関係性がきっちりしていなくて、抜けてきたコースに人がいないとか、ブロックできるコースにできないとかそういう面があるのでまだまだ詰めていけると思うので、全カレまでにしっかりやっていきたい。(インカレの組み合わせ)まだ実感はないけれど、ベスト4狙えるトーナメントだと思うのでしっかり狙っていきたい。いろんなメンバーを試してみている部分がある。その日その日に調子いいやつが出てやっている。誰が出ても同じことができるチームを目指してやっているので突き詰めてやっていきたい」

小野寺
「早稲田には技術で少し負けていて、つなぎやセッターの技量、コンビができていた。うちのやっていることは悪くなかったけど、力の差があってこういう結果になった。個人としては速い攻撃に対応し切れていない部分があった。拾ってチャンスボールを返してもそれを一本で決め切られるパターンが多かった。あとはこちらの速攻攻撃が少なかったから、全カレに向けてもう少し(試合で)本数が増やせるように要求していきたいと思う」

加藤
「久々にレフトで入った。大学入ってから初めてくらい。2段トスが上がってくることも多いので、ブロックアウトで飛ばして、飛ばしてというのがどれだけ通用するかなと。慶大では思った以上に決まってくれた。逆に早大の時は対策でバックセンを下げられてしまった。その次をどうするのかというのがなかった。(インカレまで)レパートリーを増やしていきたい。秋のリーグ戦と比べてガタ崩れというのがなかったのはいいところ。細かくつめていきたい。前は2段トスを打つこともあるが、裏にいったときこそバックアタックで前の選手のカバーにいけるようにしたい」

辰巳
「ユニフォームを着て、こういう雰囲気で試合ができるのが、全カレ(全日本インカレ)までで今日が最後。勝つことはもちろん、全カレに向けて課題だったり、どれほど成長しているのかという点で確認したかった。(その手応えは)リーグ途中からレシーブのフォーメーションを変えて、ボールもつながってきた。(早大戦は)リーグの時よりも拾い合いというか、粘りの部分を出せた。(慶大戦は)点差もついていた中で取らなければいけなかったセットで落としてしまったのは課題。サーブカットで崩されて、2段トスの打ち切り、決め切る技術は慶大、早大のほうが優っている。明大は高さがないチームなので、相手の大きいセンターの攻撃を通され始めたら厳しいのに、それを通されてしまったというのは、自分たちのサーブで決め切れていなかったという勝負だった。(加藤選手が固定メンバー入りしていたが)コンビに不安というのはなかったが、加藤が入ることによってチームの雰囲気は上がってくると思う。盛り上がりというのを僕たちでやっていきたい。緊迫した場面でレフト、レフトになりがちだったのを今日は與崎さんがトスカバーしてくれて、ライト側も自信を持って使うことができた。(インカレまで1カ月を切っているが)気持ちはいくらでも高められると思うので、もっと戦う準備をしていきたい」