
有終の美飾れず 総合12位でシーズン終える/全日本学生選手権
思い通りにレースを展開できなかった。両クラスともに3艇での情報共有を重視していたが、共有したものをレース内で実行することが難しかった。「共有と実行が全部のレースを含めてできていた大学が結構前で帰ってきていた」(脇坂尊・法4=鵠沼)と戦略はあっていたものの結果には結びつかず。振れやすく片方の海面だけが前に出てしまうという特徴的な北風と波の影響でなかなか思うように船を走らせることができなかった。その風の中でも上位校はまとめてきたため「風どうこうではなく単純に自分たちの力がなかった」(林拓郎主将・商4=逗子開成)と実力不足を痛感させられることとなった。
今まで以上の走りも見せた。スナイプ級では1、2番艇がまとまった順位を獲得。一桁順位を取るレースもあり2艇で計355点にまとめ成績を引き上げた。3番艇が360点と上位に食い込めずチームとしては反省点が残ったが、最後の大会で今までの成果も見せた。
来年への希望も感じた。来年度主将の直井洸耀(法3=土浦日大)と梅本寛之(営2=江戸川学園取手)の艇は7レース中3レースでリーダー艇に乗る脇坂/増田喜一(農3=藤枝明誠)組より高順位を獲得。「ある程度は速いのがいるので安心できる」(脇坂)と来年に向けての布石となった。しかし、来年度はスナイプ級のクルーが不足するなど2、3番艇に乗る選手の成長が必須となる。4年生の思いも背負い、新たなシーズンを迎える。
[谷澤優佳]
試合後のコメント
林拓主将
「北風のすごく振れる風で結構難しかった。葉山と違って波もあって船を走らせることも難しくて、いろいろ難しかった。全然前を走るレースができなくて、いいところがあまりなく終わってしまった感じなので悔しい。最後の試合なので楽しんで、目標としていた総合優勝に向かってやっていこうということでやっていた。全日本に向けて周りもよくなってきて、雰囲気としても明るく元気にという感じでよかった。チーム全体としてはそういう感じだったけれど僕たちの技量があまりなくて、それをレースで表現してチームに少しでも結果で恩返しすることができなかったのが悔しい。戦術というほどのものではないけれど3艇でしっかり情報共有をして、それぞれ目標としているチーム全体としての目標の点数があるので、それに向けて各艇が何点ずつ取ろうみたいなそういったことは話してはいたけれど、その通りにできなかった。特に1レースごとに情報を共有してみんなでできる限りのことをやった。最高でも8ノットとかで今までヨットレースやってきた中でも一番風弱かったのではないかという感じで、4日間通しても風がなかった。風はなかったとしてもレースは7レース消化して、その中で速いチームは速いチームでしっかりまとめて結果出しているので、風がどうこうというのではなくて単純に自分たちの力がなかったのではないか。(主将として1年間を振り返って)長いようで短かった気がするけれど、春から始めてなかなかチームの目標としていたことに対して全然結果が出せなくて、悔しいのとみんなに申し訳ない気持ちでいっぱい。それでも自分としては全力でやり切ったので悔いはない。(4年間を振り返って)4年間長かった。なかなか結果が出せずに4年間経ってしまったけれど、自分たちなりにはいろいろ努力もしてきてちゃんと練習とかもやってきたので、結果が出なかったのは本当に悔しいけれどやってきたことには満足している」
脇坂
「上の2艇は結構今までにない位まとまっている順位が取れていたのでその2艇は結構よく仕上がっていたなと思う。あとの3番艇が常に悪い順位を取ってしまっていたので、3艇まとまった順位でちゃんと上位で帰ってくるというチームにできてなかったのでそこが反省点だと思っている。特徴的で片方の海面だけが前に出てしまうという場面が多かったけれど、それもチームでちゃんと情報共有できてそれが実行できていれば前に行けたという場面もあった。それが全部のレース含めてできていた大学が結構前で帰ってきていたのではないかと思うので、そういうところも含めてうまい大学はうまくやっていたなと思う。レース始まる前に意見交換してどういうコースを引こうということの共有はしているけれど、場面場面で変更しないといけないような場面があってそこでうまく対応できないとプラン通りに行かなくなってしまう。特徴ある海面だとプラン通りいかないと前で帰ってこれないので、プラン通りに走らせるということも含めてうまくないといけないと感じた。2番艇だった直井が走ってくれたので、3番艇があんまり走らなくても成績的にはそんなに悪くはなっていなかった。来年は今ある程度は速いのがいるのでそこは安心できるかなと思うけれど、次に2、3番艇になってくる選手が成長しないといけないと思っている。結果通りではないけれど前の2艇はそれなりに走れたのかなと思っていて、3番艇がどれだけ少ない点数で保てるかなと思っていたけれど、思っていたよりも走らせることができなかったのでそこの部分は反省しないといけないと思っている。3艇含めた点数が結果になるので、3艇まとめると上位の大学とは力の差を感じた。(自身の艇の走りは)特別よくもなかったけれど最低限の走りはできたかなと思う。(4年間を振り返って)今までは1人でやる種目だったけれど2人で乗るヨットをやるのが大学に入ってからが初めてだった。2年から4年までレギュラーで使ってもらって少しずつ活躍はできるようになってきて、次のリーダーもそれなりに上達させることはできたと思っているので、そこの部分は満足はしている」
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