立ち上がりの勢いを継続できず 2点差で初戦敗退/全日本学生選手権

2015.11.08
 無念の初戦敗退となった。一発勝負で決まるトーナメントで初戦の相手は西日本学生選手権で3位の朝日大。前半は途中6点差をつけるも終盤に追い付かれ同点で折り返す。後半は朝日大のリードを明大が追い掛ける形となりあと一歩というところで及ばなかった。

 好調な出だしとなるもキープできなかった。前半3分、エース・吉野樹(政経3=市川)が正面からゴールを狙い、先制点を奪取。その10秒後には池田稔主将(農4=藤代紫水)がパスカットからこれまで課題だったノーマークシュートを決めると思わずガッツポーズが飛び出した。前半17分には最大6点差までリードを広げたがタイムアウトを挟み吉野にマンツーマンディフェンスが付かれると突如苦戦。じわじわと追い上げられ、前半残り1分30秒には16―16と追い付かれた。
 流れを作ることができなかった。16―16と同点で迎えた後半戦。開始早々朝日大に勝ち越しを許すも2分後に「調子が良かった」と言う岩上義之(政経4=氷見)が右サイドからのシュートで再び同点にした。しかしその後4点連続で朝日大にゴールを許すとやはり課題だったノーマークシュートのミスに加え、エース・吉野への厳しいマークで攻撃力に欠けた。残り30秒で岩上がシュートを決め2点差まで追い上げたが選手たちに笑顔はなく、27―29で試合終了となった。

 今大会をもって引退となった4年生。就職活動の影響で十分な練習を積めず、最後のハンドボールの試合を勝利で飾ることはできなかった。「不完全燃焼だ」と池田は後悔をにじませ「今年の悔しさを忘れずに頑張ってほしい」と後輩たちに思いを託した。松本勇監督は今回の就職活動による影響から来年は考え方を改めるという。また「勝とうという気持ちが弱い」と勝利への執着を強化し、この敗北を機に新たなチームを作り上げる。

[村田萌衣子]

試合後のコメント
松本監督
「秋リーグの後半の課題のノーマークシュートがとうとうクリアできずに終わったという感じ。やっぱり攻撃力が吉野に集中して、今日はサイドも良かったけど他の得点力がない。そういう意味では速攻も含めて点を取りに行かないといけないっていう話をしていて、その中でも前半でも後半でもやっぱりノーマークシュートチャンスがいくつかあったところを外している。そういうところが得点が伸びない原因。今の試合の流れからいって30点は取らないと勝負するにはなかなか厳しい。今日は全体的に戻りも悪いし、勝とうという気持ちの強さも弱いと思う。戻りの速さとかは練習からしっかりやっていないとできない。そういう部分でやっぱり足りなかったと思う。もっと勝ちたいっていう気持ちと日頃の練習のところがきちっと合っていなかったっていうことだと思う。それなりの練習はしていたけど、全員が一つになって勝ちたいっていう形になったかっていうね。去年堤がいて、あれだけ勝ちたいってがんがん言ってて、それでもやっぱり勝てなかったっていう。去年に比べてその反動もあってもっと雰囲気としてぬるいというか甘かった。それはそれで仕方がないが、そういうのが結局試合の中での厳しさにつながっていけなかった。あれぐらいの気持ちの弱さではまあ勝てないだろうな。もっと必死になって帰ったり、もっともっと熱いものもってやらないと。見てる方にうわーっというものがあるかないかだから。自分のチームでいうのもおかしいけど、監督でもない。集まってがーって言うんだけど、実際にコートに出てプレーしているとどうなのかっていうとちょっとやっぱり足りない。本当に必死になってがむしゃらになってっていうのがあるかっていうとちょっとクエスチョンがつく。まあ下級生が良い勉強になったと思う。4年生がやっぱり言うことも言うけど、やることもやるっていうチームじゃないと。4年生が言うけども、全然外すはミスするとやっていたらチームは成り立たない。やっぱり就活があるからそれはそれで仕方がないが、同じ4年で同じ就活していて違うところがあるっていうのは、どれだけハンドボールで勝ちたいっていう気持ちなのかな。来年からは就活に対する考え方をきちんと整理しないと。今回は就活が8月になっちゃったから、大概春はダメでも、秋は少しはきちっとある程度できていたが今年はきちっとしたチームを作るのにうまくいかなかった。中途半端にしてしまったっていう僕の責任かも分からないけど。来年は就活に関して整理してチーム作りをしていかないといけない。良い意味で今回は前例ができた。練習が基本。春から4年生はほとんど抜けて、1年生を使ってという台所事情あって使ってやってきたけど、結果的には出たり入ったりっていうことで、台所事情で1年生使うけど、やっぱり1年生だからね。練習をずっとやってきてもやっぱり4年生は出たり入ったりだからね。結局就活が決まったのが8月末だからからのチーム作りになった。1カ月ぐらいだからね。そういう意味ではやっぱチームとしては負けてかーっていうほどではない。やっぱそういうものがない。一生懸命やって負けたなら悔しいってあるけど、十分(試合に向けて)準備して最後の1年間やってきたって俺は思ってないし、本人たちも思ってないと思う。悔しいのは悔しいけど、そんな甘いものじゃないだろうやっぱり。どこも一生懸命練習してくるわけだからね。4年生は4年生たりものをきちっとやるっていう、学年の役割を果たすということをしっかりしないとチームっていうのはできない。そういうことをみんなに確認して、新しいスタートを切りたい。下級生は良い勉強になったと思う」

池田主将
「悔しいというか、応援してくれた人に申し訳ないという気持ち。今年は春も秋も結果を残せなかったのでインカレだけは残そうと挑んだが駄目だった。たくさんの人が応援してくれて、あんな幕まで用意してくれたのに申し訳ない。今日の試合は出だしは良かったが、相手に流れがいった時に自分たちでミスをしていつもの負けるパターンで負けてしまった。相手の流れの時に踏ん張れなかった。個人としては全然駄目だった。(地元の函館での開催について)ハンドボールを始めたのはここなので、ついているなと。より勝ちたい気持ちはあった。今年は新チームが始まった12月から8月までまともに4年生がそろっていなかった。就活一本でやっていればこうなるし、練習量が足りていなかった。それが今年の全て。就活が8月になったということもあるけど、後輩には何のために明治に入ったのかをしっかり考えてやってほしい。今年の3年生はやってくれると思う。今年は主将としてチームを引っ張ってきて、常に無力さを感じていた1年だった。自分が就活をしてから練習に行ったときに後輩はしっかりと練習をやっていた。しっかりやってきていたのに結果を残せなくて本当に悪いと思っている。後輩には感謝している。これで13年間のハンドボール生活は終わりだが、中学を卒業して茨城に行かせてくれた両親や、中学校の先生など、みんなに感謝している。高校ではしんどい思いもしたけど、あれがなければ今明治には来られていなかった。13年間、本当にありがとうという気持ち。(明大での4年間は)不完全燃焼。1年生の頃から試合に出させてもらっていて、私生活でも先輩たちにお世話になっていたので、先輩たちの分までも今年1年頑張りたいと思っていたのに結果を残せなくて申し訳ない気持ちでいっぱい。(後輩には)4年生がしっかりやれば良いチームになると思う。就活もあると思うがスーツ着ながら練習に来て、そういう姿勢を4年生全員が見せていけば後輩たちは付いてくると思う。今の3年生ならできると思う。後は練習もきついと思うし、これから走る時期になると思うけど、切り返しのところで50cmでもラインまで行くとかそういう細かいところまでしっかりやってほしい。後輩たちには感謝しているので、何かしらで力になりたい。今年の悔しさを忘れずに頑張ってほしい」

藤本寛史(営4=法政二)
「あっけなかった。ミスで負けたので自分たちらしいといえば自分たちらしい。悔しさよりもどかしさがある。追い付かれるまでは良かったが、その後の悪いリズムを脱せなかった。追い付くのであれば後半の1点差にできたところ。あそこでシーソーに持ち込んでいれば分からなかった。たらればを言っても仕方ないが。1―2―3は日が浅かった。後は戻れなかったディフェンス。シュートまでいけないミス、シュートを当てちゃうミスが多かった。最後まで結果を出せずに終わってしまった。後輩には迷惑を掛けたが、それでも諦めずにやってくれて感謝している。4年間は楽しかった。人間としても、プレーヤーとしても成長できて。一つの自分の中の考えになった。結果は出せなかったけど満足のいく4年間。(3年からポジション定着)ただただプレッシャーだった。1を引き継ぐということだし、自分が何をできるかと言ったら何もできなかった。開き直ってやった。出場した試合では思った以上にできたと思う。レベルアップして、質を高められた。もうハンドボールを握ることはないと思うので、とにかく楽しもうと思って、何か一つでも残せたらと思って最後の1年過ごした。ただそれを具現化する力があまりなかった。それを今日突きつけられた。吉野と糸(泰裕・営3=氷見)に期待している。エースとリーダーとして。後は飛知和(龍哉・営2=法政二)。つらい1年になるのは分かっているので、彼ならできると思うし頑張ってほしい。本当ならもっと上のレベルで戦えるようにしてあげないといけなかった。4年間は楽しかった。人の支えがあって周りに恵まれていた。やり残したことはない」

田中周平(商4=長崎日大)
「実力が出せなかったことも含めて実力だったと思う。後は樹(吉野)に頼りすぎてしまったし、あとは僕だったり4年生の力が足りなかった。今年はチームにすごく迷惑をかけたのにその分を返せなかったことがすごく申し訳ない。後輩には今年の悔しさを忘れずに来年挑戦してほしい。3年生には就活との両立を頑張ってほしい。僕らはあまりできなかったので。2年生はまず試合に出て、チーム内の競争を高めてほしい。1年生は今年できなかった点を重点的に練習してほしい。明大での4年間は楽しいものではなかった。きついことの方が多かったしうまくいかないこともたくさんあったけど、そこが高校と大学のチーム作りの違いかなと。高校の監督とかがやってきてくれたことをいざ自分たちでやろうとなると苦しかった。でも経験になったので社会人になっても生かしていきたい」

東謙佑(法4=法政二)
「今日は悔いの残る試合だった。春、秋と勝てなくて最後のチャンスがインカレという部分の中でそこで結果を残せなかったというのは悔いが残る。ミスは練習でやってきたことが本番で出たなという感じで常々監督からも言われていたし今日の試合はその通りになった。そういった部分は1年間自分のやってきたことがこの結果につながったのかなと思う。今後の糧にしないといけないと思いつつもすごい悔しくて悔いの残るものだと思っている。この4年間楽しいこともつらいこともあって最後はこの結果になってしまったので今この時間のことを考えると良くなかったと思うこともあるが楽しかった思い出の方が多かったのでやってきて良かったなと思っている。練習は普段監督からの方針でこのようにやろうと毎年言われつつも平日は自分たちでやっていたのでそういった部分で何が必要でどういったことをやらないといけないのか日々練習しながら考えていたのでそういった部分は社会に生きるのではないかと思う」

岩上
「1―2―3のディフェンスが即席だったのもあって、相手にもすぐに対策されてしまった。逆転はしようという気持ちはあったが、それが弱かった。個人的に最近調子が良くて、インカレが近づくにつれて、気持ちも上がってきていた。自分の調子が良かったので、全部自分に集めてくれと思っていた。(チーム最後のシュートを決めたが)最後はほぼ追い付けない状況だったが、追い付けるという気持ちと追い付けないという気持ちの中で、今までやってきたハンドボール人生が走馬灯のように駆け巡っていた。最後決めれたのは良かった。4年間で一番濃かったのは去年。今年は就活があったりして思うようにいかなかった。悔いはあるが後輩にこの負けが刺激になれば。期待する後輩は糸と出口(昴汰・商1=氷見)。氷見なので。周りの支えを今まで以上に感じた4年間だった。感謝という言葉に尽きる」

吉野
「自分らの実力不足というか実力はあったが自滅。自分らのミスから負けにつながったと思う。前半は思うようにシュートが入っていたが途中からマンツーマンディフェンスや高いディフェンスになって結構攻めづらかった。前半の立ち上がりは良くてそのままいきたかったが選手が交代した後にどんどん取られていったのでそういうのを考えないといけないと思った。(来年は最上級生)粘り強いチームにしていきたい。最初調子が良くても後半追い付かれて負けたりして後半弱かったりしていたのでそういうチームではなくて後半逆転勝ちができるような粘り強いチームにしたい。フィジカル的にもそうだがディフェンスを一番安定させて処理することが必要。エースとしてやらせていただいたがエースとしての仕事がまだまだできていなかったのでもっともっと今の試合を振り返ってみるといいプレーができると思うこともあるしすごい申し訳なさ責任感を感じた」