
獲れなかった日本一 山梨学大に敗れ28年ぶり快挙逃す/全日本学生選手権
同じ関東地区の王者の勢いを止めることはできなかった。27年ぶりの決勝進出で優勝へ王手を懸けた一戦は準々決勝、準決勝で強豪校相手に9得点と波に乗る山梨学大のFW陣に翻弄(ほんろう)され4失点。大会を通しての課題だった、失点後の冷静なゲームコントロール。この試合でも後半最初の失点から焦りが生じ、その後相手を完全に崩すことはできなかった。さらにここまで僅差の戦いで決勝まで上がってきた選手たちは疲労困憊(こんぱい)。攻守において山梨学大に圧倒され、体力面でも上回れることができなかった。
開始直後に観客を驚かせた。相手のサークル付近で大嶋雄主将がボールを奪取するとそのままドリブルで運びサークルの外で相手のファウルをもらう。セットプレーから谷光未有(法2=天理)がサークル内へ鋭いパスを送ると大嶋雄主将がタッチシュートで合わせゴールネットを揺らした。「先制できたのは良かった」と大嶋雄主将。だが、その後逆転を許し、優勝を逃したことに悔しさをにじませたが「てっぺんとるだけなので。今のメンバーならやれると思う」。今年逃したインカレ制覇の夢は後輩たちに託された。
インカレベスト4に残ったことにより12月開幕の全日本選手権の出場権を獲得した。全日本選手権ではALDER飯能、天理大、名古屋フラーテルと同組になる。なかでも「名古屋フラーテルとの対戦はやはり楽しみ」(山本圭佑・法4=名古屋国際)。日本No.1チームと昨年同様同じグループに入り、昨年の全日本選手権では0-3で敗れたが「今年はもっといい勝負ができる」(岩井)と今回のインカレで上がったチーム力に自信を持つ。さらに4年生最後の大会になり、今大会でベンチ入りを果たせなかった中道、松崎歩(商4=横田)も虎視眈々(たんたん)とレギュラー復帰をうかがう。「まずはグループステージ突破が目標」(福田大輔・理工4=横田)。1カ月間今年最後のレギュラー争いを制した18人で全日本選手権決勝トーナメントを目指す。
[常光純弘]
試合後のコメント
大嶋主将
「優勝が目の前にあったので悔しい気持ちでいっぱい。先制できたのは良かったけど、前半に2点取られてよくない時間が続いてしまった。4日目ということもあって、優勝したい気持ちは強かったけどどうしても足が動かないところがあった。その点では山梨のほうが日頃追い込んでるということだと思う。(天理大に勝利)一番大きい壁を越えられたのはうれしいことだけど優勝できなかったので意味のないことになる。でもそれは今年だけじゃなくて4年間やってきた積み重ねで勝てたと思うのでそこは誇りに思いたい。日々の練習の質も上がって、良い選手も入ってきた。関東に優勝旗を持って帰れることはうれしいですけどそれが山梨というのは本当に悔しい。(後輩には)てっぺんとるだけなので。今のメンバーならやれると思う」
岩井
「先制して流れは良かったが最終的には走り負けてしまった。インカレ通してあまり調子が良くなかったなか今日は良かったほうだが、FWにつなげるパスがうまいことつなげなかったのは失敗だった。今回のインカレは僅差やSOで勝ち上がったのでみんな疲れ切っているなか、後輩たちもよくやってくれた。久しぶりの決勝進出できたことはうれしいが、ここまできたからにはトロフィーを東京に持って帰りたかった。うれしさと悔しさは半々。準優勝は満足ではないがうれしい。来年後輩が優勝してくれると思うのでそれに期待しています。全日本選手権へ向けてまずは疲れを癒して走力から少しずつトレーニングしていきたい。メンバーも一新されてレギュラーが決まるので今回インカレで出れなかった選手たちにもレギュラーを目指してチーム力を押し上げてほしい。フラーテルは昨年の全日でやって0-3で負けたが、今年はもっといい勝負ができると思う。ALDERもあまり対戦したことがないので分からないですが、社会人は全員技術が高いので油断せず自分たちのホッケーをしていきたい」
中道
「先制したタイミングは良かったし、1点差で折り返したのは悪くはなかったと思う。ただ山梨学院はワンチャンスをものにしてきたが、うちはPCや流れの中のチャンスをつかめなかったのが点差になったと思う。骨折はまたかよって感じだった。去年からケガが多くて秋リーグの決勝トーナメントやインカレ前の大切な時期にケガするのかと思った。リーグ戦は諦めていたが、インカレに間に合わせようとしたが無理だった。覚悟はしていたが正直悔しかった。早稲田戦に勝利したあとはチームメイトに感謝の気持ちしかない。自分は何もできてなくて、チームメイトに任せるしかなかったので、引退時期が伸びてもう一度明治のユニフォームを着てホッケーができるのは感謝するしかない。全日本が最後になる。リーグ戦、インカレと出れなくてフラストレーションが溜まっているので全部ぶつけて悔いのない最後の大会にしたい」
福田
「一言でいうと悔しい。チャンスがなかったわけではないので、悔しいという一言に尽きると思う。入り方はすごくよくて早い時間帯に先制点を取れてそのままの勢いでいけたらよかったが、向こうもすごく力のあるチームだったので立て直してそこから立て続けに失点してしまって流れを持っていかれてしまったので、こういう結果になってしまったのかなと思う。今日も昨日のように前半終わった段階で負けていても後半で立て直してまず追い付くという話をしていた。後半立て直そうと言っていたが、後半の早い段階で失点してしまって出鼻をくじかれる形になってしまい、早い時間で立て直したかったがまたその後1点取られてしまったので苦しい展開になってしまった。向こうは組織的なディフェンスでなかなかサークルの中に入れさせてもらえない時間帯が多くて、明治のやりたいことがやらせてもらえなかったという苦しい結果にはなった。明治の枚数が足りない時に慌てて飛び出して簡単にかわされるというのがほとんどの失点につながっていると思うので、そこは改善していかないといけないと思う。個人的なプレーや気持ちの面では負けていなかったと思うが、向こうの方が組織的な面で上だったかなと思う。全日本選手権は日本の学生、社会人のトップが集まって行われる大会なので、難しい試合が多くなると思うがそういう試合でも明治のホッケーをして、厳しいとは思うが勝ち切ってまずはグループステージを突破するのを目標にやっていきたい。このチームで春からやってきてフィジカルトレーニングもかなり積んできているし、話し合いも頻繁に行っているので、そういうものを形として結果として残していけたらなと思う。自分たち4年生にとっても本当に最後になると思うので、悔いの残らないように今まで明治で培ってきたものをすべて出し切って終わりたい」
松崎
「厳しい試合になるとは思っていた。均衡した中で山梨学院はしっかりチャンスをものにして、こっちは決めきれなかったりサークルインまで持ち込めなかったのが点差になったと思う。ベンチ入りできなかったのは悔しかった。ベンチに入れなくても自分のできることは大会期間中最低限やってきたと思う。最後4年生で出れる全日本選手権に向けて1カ月練習していきたい気持ちも生まれた。大学入学してから負けても涙流さなかったが今日は本当に悔しかった。今までホッケーをしてきて決勝で負けたのも初めて。メンバー外でもあったがもっとチームに貢献できた部分もあったと思うし、最後に優勝したかったという気持ちがあったんだと思う。少しでもチームのためにやらないよりは何かして貢献したかった。全日本まではまた國友と切磋琢磨していきたい。全日もベンチ枠は18人なのでGKも一人になると思う。その一人に選ばれるように一から頑張っていきたい」
松本晃司(政経4=石動)
「先制点までは良かったが追加点を奪えずに失点したのが良くなかった。実力差はあまりないと思う。今日は運が無かっただけ。自分ももっと強気で前を向けていければ良かった。フラーテルはNo.1のチームなのでそことどれだけいい試合ができるかがカギになると思う。全日本選手権は1カ月あるのでそこで調整して決勝リーグに上がれるようにグループステージでは2勝を目標にしたい」
山本
「最初リードしたが、その後追加点を奪えたら流れは変わったと思うが同点にされて勝ち越し点、追加点と奪われるほどベンチ内でも声が出てなかった。雰囲気も悪かったので2点、3点入れられたところでベンチから声を出していれば流れを変えられていたと思う。自分は1試合目の東農大戦でチャンスを2回ものにできなかったが、チームメイトに助けられた。厳しい戦いを勝ち抜いて流れはあると思っていたが、山梨学大も朝日大に6-1で立命館も3-0で倒してきたので明治よりも勢いがあった。明らかに向こうのほうが勢いあったと思う。全日本選手権は相手が強いってことは分かっているのでそれに向けて普段の練習からレベルアップしていきたい。やっぱり日本一の名古屋フラーテルとの対戦が楽しみ。去年の全日でも戦って0-3という結果で悔しい思いをしているのでその日のビデオで研究していい試合がしたい。1年生の後期からずっとベンチ入りしてきたので最後の全日本でもベンチ入りしてかつもっと確実に試合に出られるように来週からの練習に臨みたい」
國友
「悔しい。1点目で心が折れた。シュートが速すぎて。先制点は取ったけどリズムが良すぎた。優勝しなかったら全部一緒で、今まで勝ったのも全部無意味になってしまった。全く納得いってない。4年生のおかげでちゃんとしたチームになったと思う。このチームをより良くして次の僕らの代で優勝したい。あと一歩がいつも届かないのであと一歩が出るように頑張っていきたい」
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