(2)齊藤佑弥、鈴木貴勝

2015.11.02
 下克上を起こす。11月7~8日に行われる全国大学選手権。今年も「インカレ優勝」を目標に明大は一年間稽古を積んできた。6月の東日本インカレの結果によりBクラスからのスタートとなったが、目標はぶれない。ここでは全6回にわたってインカレに挑む相撲部を特集する。

 第2回は4年生2人を紹介する。齊藤佑弥(政経4=兵庫県私立市川)は最終学年となった今年、大将としての大会出場が多くなった。経験を積んだ今季の最後、インカレでは中堅を務める。

――インカレが近づいてきましたが、調子はいかがですか
 調子は、今日は悪かったけど大丈夫です。いい感じです。今日はなんかアカンかったね、分からんけど。特にどこも痛いとかないし、いい感じです。

――今年の大会を振り返っていかがですか
 手応えは感じています。手応えはあるから、インカレも割といいとこまでいけそう。当たりもいいし。たぶん(笑)

――手応えを一番感じるのはどの部分でしょうか
 勝てそう! みたいな。全く歯が立たないじゃないし、なんか勝てそうみたいな。

――今年の大会は東日本リーグ戦、全日本選抜と何度も大将を務めました
 なんやろね、経験させてもらった感じかな。経験させてもらったのが、かなりいい感じに生きてくるのではないかと思います。なんか緊張せんようになった。前はするタイプで、でも今でもかなり緊張する。インカレももうだいぶ前からしてる。考えてまうよね、こういう相手だからこうしようと。

――去年のチームは9年ぶりにベスト8まで勝ち上がりました
 今年はたぶんくじ運次第では、去年は越えると思う。まあ2部から上がるのがまずは一番やねんけど。根拠はない。勝負事やしね。けど宇佐とか宇和島でやったところもあるし。

――最終学年ですが
 いつも通りやれば大丈夫じゃないかと思ってます。

――4年間意識してきたことはありますか
 毎日トレーニングはやっとったね。ずっとジム借りてやって、それの実が結んできたかな。(鍛えてきたのは)全部満遍なく、筋力アップ。

――インカレではどういった相撲が取れたら理想ですか
 秒殺。秒殺できたら理想やね、しんどくないしね。

――秒殺するには
 タイミングの問題やね。練習でも気にしてきた。自分の呼吸を良いように持っていく。感覚やね、完全に。瞬殺は出足、立ち合いが大事。筋トレもつながってきてる。

――Bクラスからということで試合数が多くなりますが
 気持ちでしょ。負けん気が大事。稽古してきたから大丈夫です。

――監督からはどういったことを言われていますか
 「気持ちだ」って。攻める気持ち。自分はおとなしいって言われてる。そんなん、もう無理よね。昔っから言われとうし。それはもう人の性格。けど表に出ないだけかもしれんね、内に秘めた何かあるかも。

――インカレの目標は
 目標は優勝。団体優勝。もちろんAクラスで。地元の関西やしね、インカレは。完璧でしょ、最後の年に地元って。

――堺市の土俵に思い入れがあるのですか
 まあ特にはないけど(笑) 中学校の時とかその場所で試合したことあるから、慣れてるっちゃ慣れてるけど慣れてないっちゃ慣れてない。まあ慣れてなくはないかな。

――最後に、インカレの意気込みをお願いします
 頑張ります。全力でやろうと。当たって砕けろ。当たって砕けろで、砕けなかったらラッキー! いや、砕けないように頑張ります。

――ありがとうございました

◆齊藤佑弥(さいとう・ゆうや) 政経4 兵庫県私立市川高出 181cm・130kg
 インカレ団体戦は初めての出場。インタビューはおおらかな口振りで行われたが、土俵では持ち味の思い切りのいい相撲で白星を狙う。

 学生最後の秋、鈴木貴勝(商4=東洋大牛久)はさらなる成長を遂げた。鈴木にとって今年は試練の一年間。結果が出ず苦しんだが、一から鍛え直した。副将としてチームを勝利に導く。

――チームの状態はどうでしょうか
 みんな稽古を十分やっているので、いい感じに仕上がってきていると思います。

――徹底してきたことはありますか
 普段の午前中の稽古に加えて、それとは別に午後にみんなでトレーニングをやるようにしました。自分は下がったら弱いので、悪いイメージは捨てて、前に出ることを意識して稽古しています。それはずっとやっていることなんですけど、インカレではそれが結果に結びつけばいいなと思っています。

――チームにとっても鈴木選手自身にとっても苦しい一年でした
 ああやってリーグ戦全敗して、入れ替え戦でも大将戦を落として落ち込んだりはしました。国体がその直後にあって、茨城代表の大将を任されて1―1の大将戦で自分に回って来たんですけど、リーグ戦の大将戦で慌てて負けたっていうのがあったので、自分の相撲を取ろうということだけを考えていったら、いい相撲で勝つことができました。それは自分の中でも自信になりました。そこをきっかけに上がってきています。

――この秋の収穫はありますか
 以前よりも、一回土俵際に残って前に出るっていうことができるようになりました。相撲の中にめりはりが生まれたと思います。稽古では負けるごとにどこが悪かったかとかを考えるようにしています。

――課題は
 Bクラスのトーナメントからのスタートなので、どちらかというと自分よりも自力が下か、同等の選手と当たることになるので、土俵際の最後の詰めをしっかりしたいです。自分はそこが甘いところがあって、慌てて出て頭下げてっていうリーグ戦みたいな負け方があるので、そこだけ注意したいです。慌てて上体だけでいくのではなく、足をしっかり使って出して落ち着いていこうと思います。

――下級生のころから経験を積んできましたが
 2年生のときに初めて大将としてインカレに出場して、そのときは団体予選全敗だったんですけど、4年生の先輩たちが意地見せて、いい相撲取っていたのが印象に残っています。3年生のときは後輩の橋本が亡くなったということもあってみんな燃えていて、ベスト8に終わりましたが優勝を狙っていました。

――ついに最後のインカレですね
 小学生のころから、こうやって大学までずっと無事に続けることができて、最後もレギュラーとして出られるので、今まで教わってきた先生たちにもそうなんですけど、小川総監督には小学生のころからお世話になっていて。合宿にも呼んでいただいたりと、ずっと可愛がってもらっていました。守重監督も体を張ってぶつかって稽古してくれたので、最後の最後はこの2人に恩返ししたいです。あわよくば優勝して胴上げしたいなと思います。

――今年は予選からのスタートです
 一発目の試合で負けたらそこで終わりで引退になってしまうので、まずそこに集中して。しっかりBクラスを当たり前に優勝して、Aクラスで予選を勝ち上がって優勝を目指したいと思います。

――重圧は感じますか
 プレッシャーはあるにはありますが、ほんとに自分たちは最後なので、それを楽しむことなんてできないですけど、いつも通り、稽古通りの相撲を取るだけです。

――試合前に行うルーティンはありますか
 とにかく試合前に汗をたくさんかくことが、自分にとって一番緊張がほぐせることなのかなと思います。ウォーミングアップで、すり足とか基礎的なことを多めにやって汗かいて息上げてから試合やったほうが、体が動きます。

――インカレへの意気込みをお願いします
 今まで小学生のころからやってきて、両親をはじめ総監督、守重監督、今まで指導してくださった方々、そして自分のためにも優勝を目指して頑張ります。

――ありがとうございました

◆鈴木貴勝(すずき・たかまさ) 商4 東洋大牛久高出 175cm・118kg
 得意技は押し出し。今季は思うような結果を残せず苦しんだ。しかしこの秋にさらなる成長。守重佳昭監督が「力を取り戻してきている」と期待を寄せているキーマンだ。大学最後の大会で復活の躍進を誓う。

[渡辺由理佳・星川裕也]

◆インカレオーダー表◆
先鋒 小川俊己(政経3=流山南)
二陣 武政進之介(政経4=埼玉栄)
中堅 齊藤佑弥(政経4=兵庫県私立市川)
副将 鈴木貴勝(商4=東洋大牛久)
大将 名和闘志(政経3=埼玉栄)