
早大に雪辱勝ち ベスト4進出&全日本出場権獲得!/全日本学生選手権
絶対に外せなかった。後半25分、2―2の場面でつかんだPCの好機。シューター・谷光が振り抜いたボールは、ゴール右下に突き刺さる。決勝ゴールにも、喜びは控えめ。それ以上にエースは安堵(あんど)の表情を浮かべていた。
相手は秋季リーグ順位決定戦で敗れた早大。そして、2年連続のベスト4と全日本出場権、4年生の引退を懸けた試合。「今日負けたら引退だったので、このユニフォームを着てもう少しやりたいという気持ちがあった」(大嶋雄飛主将・文4=今市)。「ジョークも含め『引退じゃないですか』って笑いながら話しつつも、いつもと違う雰囲気だった」(川村敬亮=政経2・今市)とそれぞれの思いが胸にあった。前半に2点を先取して以降は早大ペース。自陣でのプレーを余儀なくされたが、執念で守り切る。終わってみれば3―2。シュート3本で3点という結果が明治の「強さ」を物語った。
「今日の勝利は非常に価値のある勝利」と宮田知監督。準決勝の相手は王座優勝校・天理大だが、もう受けに回る相手ではない。2年連続のインカレベスト4と全日本選手権への出場権を手にし、チームの強さは証明した。「1年間全国優勝というのを目標にやってきた集大成として、勝ち気で臨みたい」(大嶋主将)。悲願の全国制覇へ。真っ向勝負で突き進む。
[萬屋直]
試合後のコメント
宮田監督
「とにかく勝てたので良かった。2年連続のベスト4は長い明大ホッケーの新たな時代の始まりをつくる土台ができたと思ってる。私自身今日の勝利は非常に価値のある勝利になったと思う。ただ相手が関東の雄・早稲田ということでそう簡単には勝たせてくれなかった。同点に追い付かれたが最後に谷光が決めてくれて何とか逃げ切れた。トーナメントなのでどんな試合でも勝てば御の字。次は大学王座のチャンピオンの天理にチャレンジできる。立命大グラウンドに場所に移して明治のホッケーを展開していきたい。天理と明治の相性はいいと私の現役時代から感じてる。これで全日本選手権の出場権を得てこの4年生がつくったチームが12月までやれせられることが何よりもうれしい。本当に選手たちは良くなった。ここまできたからには28年ぶりの優勝をつかんで残り2つ頑張りたい。70分間で1点でも多く取れたというのは良かった。SO(シュートアウト)でも勝てると思うが、やはり70分間で勝ったほうが気持いい。でも明日以降は勝つチャンスがあればSOでもなんでもいい。うちには失うものは何もない。選手たちはこの2戦でとてもいい経験をしたと思う。2年前に天理とは王座でやって5―5でSO戦でやられてしまった。いかに失点をしないで取られたとしても2点目は取られないようにしないといけない。点が決まりだすと相手は止まらないので注意したい。どっちが勝ちたいかという気持ちの勝負だと思う。とにかく次は粘り強く相手の好きなことをさせずに少ないチャンスを勇気を持って選手たちにはチャレンジしてもらいたい」
小池文彦コーチ
「とりあえず全日本行き決めたのでホッとしてます。でもこれで終わりじゃなくて、明治大学は頂点を狙ってるので、明日強い天理と当たるけどなんとか勝って決勝に行きたいですね。先週は早稲田にやられたけど、お互いに何度もやって知り尽くしているので、相手の主になる選手をしっかり抑えるということでやらせた。前半はいい形で先制して2点目も取れた展開だったんだけど、返された後が良くなかった。まだまだゲームコントロールの仕方が良くない。そこが課題。これからのミーティングで修正していけばなんとかなると思ってます。決めるところ決めてくれたのが佐々木、あとはうちの強みのPCで谷光が決めてくれたってところが動きうんぬんより良かったかな。明日はもし先制されることがあれば、2点目を取られないこと。これまでも失点が早いとどうにもできなくなる。あと、明治の良さのパスホッケー。外側を使った攻撃をさせればかなりのチャンスが出てくる。ここ何試合か天理の試合見てるけど、外側が特に弱いのでそこを付いていけば点も取れるんじゃないかな。明日も勝って全日本に行きたいですね」
大嶋主将
「先週早稲田に負けているのでリベンジできたのは大きいし、全日本選手権に出場が決まったというのもチームとしても本当に良かったなと思う。後半最初足が止まるだろうなとは思っていたが、切り替えられずに失点してしまったのは課題だなと思うし、その後も2点目を取られてしまったが、今日は切れずに落ち着いてその後切り替えられたのは良かったと思う。今日負けたら引退だったので、このユニフォームを着てもう少しやりたいという気持ちもあったので、気持ちでは早稲田に負けないようにと思ってプレーした。去年頑張ってベスト4取ってシードを獲得できたので、それを簡単に渡したくないという気持ちはあったし来年にもつながると思う全日本では社会人のチームともプレーできるので、それは1年生も今までなかったと思うのでいい経験になると思うし、チームにとってもいいと思う。この前の早稲田戦ではPCが取れなかったので、今回はチャンスをつくってつなごうとやった結果うまくつなげてよかった。試合前から全員で意思統一してやろうということを確認して、それがしっかりうまくいって守れたかなと思う。天理とは日本リーグで対戦したことがありとても強いチームだが、ここまできたら監督を胴上げしたいと思うし、このチームでいけるところまではいきたいという思いも強いので、1年間全国優勝というのを目標にやってきた集大成として勝ち気で臨みたい」
佐々木
「川村のパスがすごい良くて、それを僕は決めるだけだったので当然のことをしたのかなという感じですね。川村のパスが良かったので、決めて当然だと思います。明日は天理なので勝ちたいと思います。4年生とプレーできるのが1カ月伸びてうれしいです」
川村
「最初岩井(宏将・営4=岐阜総合学園)さんからボールがきて、何としてでもゴールを決めなきゃいけないっていう責任がありました。トラップした瞬間ゴールしか考えてなくて、ちょうど遼〈佐々木〉さんが走ってきてくれるのが見えたので、とりあえず遼さんがいるから逆のクロスコースに、ポスト向けて打ちました。遼さんがいいところにいて、決めてもらうって感じだったので遼さんのポジショニングが良かったってのが1番大きかったと思います。いつも監督に逆ポストにはいつも人がいるように言われていてそれができていたので、先制点につながったかなと思います。トラップしてからシュートまでいく速さは自分でも良かったように感じました。今まで春リーグ秋リーグと早稲田とやってきて、1勝1敗で迎えた今日の試合なので、ここで負けたら今年早稲田に負け越して終わっちゃうってのもあったし、全日本にも出れないってのもあって、チーム全体勝つ方向に向けての意識が良かったし、みんなしっかり声が出していて、いいムードで試合には入れたので良かったと思います。試合の流れとしては初戦もそうだったんですけど失点してからがバタバタしちゃうので、失点した後の5分をまず集中して落ち着いたプレーができるようにならないと、今後このような形で危ない試合になっちゃうのでそこが課題だと思います。今日の試合負けたら4年生が引退ってのもあって、4年生が全日本選手権に出て、それで引退してもらいたいのでここでは負けられないってのが後輩たちはあったと思います。ジョークも含め『引退じゃないですか』って笑いながら話しつつもみんなけっこう引退が懸かっているから、いつもと違う雰囲気だったのかなと思います。強豪になるのでまずは先制点を取れるか取れないかってのが重要になる。明日どこのポジションでスタートするかは分からないんですけど、もしFWだったら、積極的に動いて今日のように得点シーンに絡めるように全力で頑張っていきたいと思います」
谷光
「今日はベスト4を懸けた試合でこの間負けた早稲田相手ということでどちらが勝ってもおかしくはない試合だった。その中で勝てたというのは良かった。2本目は右下に打つって前の日から同期に宣言していた。結果ゴールになって決勝点になったのはうれしかった。ホッとしたのは少しコースは悪かったが入ったから。自分はただ自分の力を出すだけなのでみんなが頑張ってくれるので自分も頑張らないといけない。試合全体の自分のプレーとしてはイージーミスが多かったのでもらう前や出す前に周りをしっかり見ていくことが明日から大事だと思う。天理はトップレベルのホッケーをしていて、差はあると思う。最悪引き分けでSO戦で勝つ。強い相手にも食らいついていきたい。相手のGKは去年一緒に日本代表遠征でニュージーランドに行った先輩なのでいろいろ知られていると思うが、そういう相手にゴールを決めて勝利に貢献していきたい」
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