史上初! 上位3人独占入賞/全日本学生個人拳法選手権

2015.10.27
 全国から強者が集い、学生日本一を決める今大会。そんな中、下級生の百合草春男(文2=愛知県私立桜丘)が決勝で石田圭吾主将(文4=大商大堺)を下し、学生チャンピオンに輝いた。また、同大会で明大の選手が優勝するのは8年ぶりとなった。また原田優介(法3=朝倉)も高谷(大阪市大)と同率3位入賞。上位4人中3人が明大勢となり、圧倒的な実力を見せつける形となった。

 会心の一本を決めた。先輩である石田を相手に迎えた決勝戦。1分も経たないうちに抑え面で1本選手される。それでも「絶対に取り返す」(百合草)。強い気持ちで再びマットに戻ると、残り30秒に胴蹴りで1本取り返し、試合はイーブンに。その直後石田の蹴りを百合草がつかみ、そのまま石田をマット上に押し倒し、抑え胴突きを決めた。この技ありの1本で勝負を制した。

 準決勝でも熱戦は繰り広げられた。石田と原田の明大対決。互いに積極的に攻めるも、有効打が生まれず、時間だけが過ぎていった。しかし残り40秒に石田が胴蹴りで先制すると一気に試合が動いた。すぐさま原田が面突きで取り返すも、最後は石田が主将の意地を見せラスト10秒で抑え面突き。原田を下し、決勝に駒を進めた。

 総合力が光った。全日本の舞台でベスト4に明大勢が3人食い込む実力を見せつけた。しかし石田は「3人は勝っても4人勝たなくては府立は勝てない」ときっぱり。悲願の府立4連覇に向けてさらなるパワーアップを図る。

[島村昭二]

試合後のコメント
石田

「やっぱり最後の全国大会の個人戦。去年も出れず、今年やっと出れて優勝するつもりでしたのでやはり悔しいですね。素直に悔しいです。後輩で、負けれないプレッシャーで手の内ばれている中でどう戦うか、どう一本取ろうか。やはりプレッシャーにも負けたし、気持ちでも負けましたね。スタミナも7回戦ったので完全にばてましたね。(明大同士の対決について)前日にもみんな上がってきて戦おうなとか言ってたんですよ。でもうれしい反面、つらいですね。(百合草の成長)今回ケガをしていて、あんまり防具練習とかもしてなかったですよ。それでも今大会出たいですって言っていて。府立大会に影響がでないのであればいいよって言いました。でもピンピンしてましたよね。個人戦の全国で力を試したいと言ってました。でもうれしいですよ、自信も出ました。でも満足はしていないです。現状維持は後退ですからね。常に向上心を持っていかないと。(個人インカレに向けて)トーナメントなので、スタミナが必要なんで、防具練習多くしたり、追い込みの期間は回し稽古をいっぱいしましたね。(今回の課題は)胴の守りですよね。全部突き蹴り食らっていたので、そこを改善すればもっと楽に勝てたと思います。やっぱり府立大会。関西の大学は強いのでここ1、2、3取れてもほかみんな強いですし、そこ3人取れても4人以上取らないと勝てないので、もっと成長してほかのメンバーも底上げして絶対4連覇。現状に甘んじることはないです。常に向上心もっていきたいと思います」

原田
「4人中3人も明治なので形としては良かったですけど、個人的には自分が一番下なんで悔しいですね。石田先輩に負けてしまったので悔しいですね。(石田さんとの試合)びびることは全く無くて、1年生の時に負けてたんで楽しみにしてました。今までやってきた中で楽しい試合でしたね。安定して打てるような練習は今大会に向けてしてきました。(夏合宿での自衛隊との練習などは今大会に生かせたか)スタミナ面、精神面での練習が聞いたのかなと思います。きつい中で頑張れたほうが審判も優先して判定をあげてくれると思うので、今日はそういう試合ばかりでした。スカッと勝ちたかったですが、泥仕合になった感じです。(府立に向けての課題)団体戦だと引き分けは引き分けってついてしまうのでしっかり一本とっていけるようにしたいです」

百合草
「実感がわかないです。こういう大会では小学校も中学校も2位までしかなったことがなくて、うれしいですけどまだ実感がわかないです。今日は運が良かったと思います。今回優勝してこれからは狙われるというか研究とかされると思うのでもっと頑張らなくちゃいけないなと思います。大会の3週間前くらいから腰のケガをしていて、練習にはあまり参加できなかったので他のことをしてました。(大会を辞退しようとは)この大会は名古屋の大会で親とかも来やすいし、友達とかも見に来てくれたので。それもあるのですけど、個人戦で優勝したことってないなって思ってちょっとでもチャンスがあるなら痛くなくなったら出ようと思いました。結果大丈夫って自分で判断したので出場しました。いろんな先生に言われたのは無理な動きができないから、力が抜けてたから今日は勝てたと思う。ケガしていていつもと違う動きだったんですけど、逆にああいう動きができたから勝ったのかなと思います。準決勝でもいい左を当てることができました。左が当たると自然と右も当たりました。いつもは右中心になるのですが、今日は無理できないのもあって左もよく使えたのでそれが結果につながったと思います。石田先輩は強い人と戦っていて疲れていたから勝てたというのもあると思います。石田さんに最初一本取られたんですけど、それでも絶対一本取りかえそうと思いました。ここでやらないと絶対後悔するなと思って、今までそれで負けてきたんで最後ちゃんと前に出ました。それが結果につながったと思います。(過去の敗戦から今大会に生かせたこと)全国選抜の決勝戦は今見ても。いいところで出してもらっても、全国選抜のように悔しい思いをしたところがあります。ああいうのがあったから今勝ててると思います。だから絶対負けないよう絶対かつようにします。昔からつめが甘い部分があったと思うので練習では意識するようにしました。自衛隊との夏合宿。自衛隊は組み技が強いからどうしよってテンパってたんですけど、秋葉さん(洋一選手・第一普通科連隊)ていう全国優勝してる人が、もっとパンチ打てばいいのにとか言われて、もっと打つようにして。秋葉さんに合宿後良くなったねと言われました。組みに対して対処できるようになったのは良かったと思います。(優勝した要因)自分で考えて練習を取り組んでいたり、練習以外でもできることはしました。そういうのが要因だと思います。今回の結果に満足せずに、運もよかったので、研究されたりすると思うので、次は誰にでも勝てる拳法をして府立も新人戦とかも優勝して頑張ります」