前田最後の全日本ターゲット 強敵相手に健闘/全日本ターゲット選手権

2015.10.26
 前田悠帆(法4=東福岡)の最後の全日本ターゲット選手権は決勝ラウンド1回戦敗退に終わった。全国からトップアーチャーたちが集まった今大会。前田は苦しみながらも予選を突破。しかし決勝ラウンドでは初戦の鬼山(近大)に敗戦。上位進出はならなかった。

 「このシーズンの中で一番大きな試合」(前田)と臨んだが、大きな壁に阻まれた。近大のエース鬼山との決勝ラウンド1回戦。「攻め切れていけた」と互角の試合展開もナショナルチームにも入る格上相手に一歩及ばず。4―6で惜敗し前田の全日本の舞台での挑戦が終わった。「全国はいくらでも上はいるなと感じた」と改めて全国レベルを痛感する大会となった。
 意地の巻き返しを見せた。予選、前半36射は308点と今までにないくらい悪いというほどの結果に。しかし「ここで諦めたら終わりだ」。ハーフタイムにコーチとして同伴していた牧口和樹(政経2=明大中野)の撮ったビデオを見てすかさず修正。すると後半は335点を記録し、順位も前半終了時の77位から一気に24位に。決勝ラウンド進出を決めた。「そこだけはよかった」と苦しい状況から立て直せたことについては納得の表情を見せた。12月からはインドア競技も始まる。学生競技生活のラストスパート。今大会の経験を糧に上位進出を狙う。

試合後のコメント
前田

「予選ラウンド70mの前半36射が今までにないくらい悪かったです。自分は試合に結構強いタイプで、いつも練習以上の点が出るんですけど、今回は練習では調子や感覚は全然悪くなかったんですけどいざ本番になってみると射つ瞬間に緩んで、全然黄色に入らないという状況が続いて308点という点数でした。77位とかで前半折り返して決勝に残るのも絶望的だったんですけど、ここで諦めたら終わりだと思いビデオ取ってもらっていたのでハーフタイム中にずっと見て、何とか悪いところを見つけて修正した結果、後半335点でかなり上げられました。順位も24位まで上げられて何とか予選通れたので、そこだけはよかったです。修正できて諦めないで後半まで持ちこたえられたのはよかったかなと思います。自分のリオオリンピックへの道は今回完全に閉ざされてしまって、悔しくて予選前半終わった時点で心折れかけたんですけど、それで何もつかまずに帰ってったらただの馬鹿者なので、絶対諦めることはしないと思っていました。今大会はこのシーズンの中で一番大きい試合ということでここにピークを合わせていこうとしていた試合なのですが、それが出し切れなかったのは自分の準備不足などがあると思います。私の東京において母代わりだった人が13日に亡くなってしまいまして、かなり自分の全日本優勝やオリンピック出るというのを本当に楽しみにしていた人でした。できれば生きているうちに果たしたくて本当にやってやりたいなと思って心に留めてやっていたのですが、そういうのも逆に硬くなってしまった要因なのかなと思います。気合い入りすぎても駄目というのがあります。予選終わってトータル見たときには本当に諦めなくてよかったと。あそこで諦めていたら絶対残れなかったですし、自分が70位とかから24位まで巻き返せたことも自信にはなります。自分の今回の試合の中でそこだけは評価しています。やっぱりまだトーナメントになると平打ちより点数が下がってということはあります。ただそこでいかに自分を強く保てるかというのが大事なんですけれども、今回は自分の中でも攻めていたなと感じていて、相手が現ナショナルチームの鬼山君という近畿大学のエースなんですけど、その子相手に6ー4まで渡り合えて。相手がかなり格上の存在だったんですけど、攻めていかないと勝てないと、置きにいくことはせずに攻め切れていけたかなと思います。トーナメントに対してはいつもみたいに自分が追い込まれすぎて外してしまうとかではなかったので、攻め気で外したりとか、悪い内容ではなかったかなと思います。いつもだとびびってしまって引き込みが甘くなったりだとか、ホールディングでの伸びが一切止まってしまったりというのがいつものトーナメントで、今回はリズムよく射てました。あとはやっぱり単純に地力の差が出たのではと思います。全国はいくらでも上はいるなと感じます。関東でも慶大の大井であったり立大の大貫であったりは自分よりも上かなと思いますし、そいつらには最低限関東で勝ってからではないと全国では通用しないなと思います。(全国トップ選手との差は)まずフォームの完成度であったり必要な筋肉の発達具合であったりとか圧倒的に負けていますね。あとは彼らは自分が強いということが分かっているので、やっぱり世界を経験した人たちは場慣れ感もあると思います。ただその人たちは重圧もあると思うので、そういう意味ではイーブンなのかなと思います。今年の1年間の目標は日本代表というのを設定していたので、12月の世界室内選手権の選考は日本代表を獲得できる今年最後のチャンスかなと思います。今この試合で自分のシーズンが一段落したので、10月、11月は追い込んで練習しようと思います」

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