全日学直前! ~頂点への挑戦~ (3)松下海輝

2015.10.22
全日学直前! ~頂点への挑戦~ (3)松下海輝
 学生日本一を決める戦いの火ぶたが切られる。10月23日~25日の3日間にわたり、個人インカレである全日本大学総合選手権(全日学)が京都で開催される。日本代表選手も出場し、国内トップレベルの戦いが繰り広げられるだろう。明大からはシングルス10人、ダブルス4組が出場。「卓球界の王者」として、3年連続となる単複制覇を狙う。 今回は3回にわたり、全日学に挑む選手たちを紹介する。

 今回は今季、春秋リーグ戦で8勝1敗の好成績を挙げリーグ通算30勝に到達し特別賞を受賞、最後の全日学に挑む松下海輝(商4=希望が丘)を紹介します。

 「自己最高成績を出したい」。全日学への意気込みとして松下の口から最初に出てきた言葉だ。過去3年間での最高成績はベスト16。最後の年に自分の壁を超える、大きな決意を持って臨む大会になる。

 振り返ってみると、松下の大学での卓球生活は甘いものではなかった。「父と叔父が明大卓球部出身」という肩書で期待され入部。いきなり出場した春季リーグ戦では5勝を挙げチームの全勝優勝に貢献した。その年の団体インカレ決勝・青森大戦でもチームの優勝を決める白星を挙げ、一躍常勝チームの中心に。しかし、一つ上には平野友樹(平27商卒・現協和発酵キリン)、神巧也(平27政経卒・現シチズン)、下には丹羽孝希(政経3=青森山田)、森薗政崇(政経2=青森山田)ら実力者がおり2年次から今春のリーグ戦までは3勝が最高と出場機会に恵まれなかった。大学で一番大きな団体戦である団体インカレでもここ2年は出番がなく、個人戦で結果を残すことで存在を示すしかなかった。

 最上級生になった今季は飛躍の年となった。「昨シーズンは4年生に引っ張ってもらっていた。今シーズンは自分が一番に頑張らなきゃいけない」と気持ちを改めて臨んだ。団体戦では4年生が松下のみの出場ということもあり、後輩を自らのプレーで引っ張った。今季ここまで敗れたのは関東学生選手権の準決勝、有延大夢(商3=野田学園)との同士討ちと秋季リーグ戦の最終戦・早大戦の2度のみという強さを見せている。

 全日学では「競った場面でいかに点数を取れるか」が大事だと話す。目標とするベスト8、そしてさらにその上を目指すには自分より格上の相手に勝利しなければならない。そのために大事な場面で思い切った戦術を取れること、自信のあるプレーを勝負どころで出せるように練習から意識している。

 対戦したい相手は徳永(中大)を挙げた。高校の同級生であり、1年次に一度当たって以来、対戦はない。当たるとすれば準々決勝だ。その一つ手前には昨年ベスト8の山本(早大)との対戦が予想される。「そこがヤマ場」。強敵を倒し、同期との対戦を楽しむ。そんな想像ができている。

 ダブルスでは雪辱を果たす。昨年12月から船本将志(商2=野田学園)と組んでおり、3月の東京選手権ではベスト4。「お互いやることが分かってきた」と半年以上の練習の成果をぶつける。昨季までは先輩である神と組んでいたが、今季は後輩とのペア。「去年は神さんに戦術を決めてもらっていたが、今年は指示することも多いし試合中に次何をするべきか考えている」。過去2年はベスト8止まり。今年こそその先へ進みたいが、ベスト8を決める試合で待ち受けるのは2年連続で敗れている相手、大野・大坂組(中大)だ。因縁の相手に勝ち、見据えるは頂点だ。

 大会ではダブルスの後にシングルスの試合が行われる。「ダブルスで勝てればシングルスにいい流れで入れる」。全日学の戦い方は熟知している。最後の学生大会で大暴れする準備は万端だ。

◆松下海輝(まつした・かいき) 商4 希望が丘高 172㎝・63㎏
関東大学リーグ戦 30勝5敗(12春~15秋通算)
関東学生選手権 15年シングルス3位
全日本大学総合選手権(個人の部) 12年シングルスベスト16、13年シングルスベスト16、14年シングルス4回戦敗退
全日本学生選抜選手権 12年ベスト16、13年3位