学芸大に勝利し勝ち越し 秋リーグ7位で終える/秋季関東大学男子1部リーグ戦

2015.10.19
学芸大に勝利し勝ち越し 秋リーグ7位で終える/秋季関東大学男子1部リーグ戦
 秋季リーグ最終戦を白星で締めくくった。学芸大相手に第1セットを献上するも、続く第2、3セットをリズムよく取り切ると、第4セットは最大6点差をひっくり返し3―1で勝利。最後のリーグ戦となった4年生が奮闘し、最終戦を笑顔で終えた。これで約1カ月半にわたる秋季リーグ戦が閉幕。6勝5敗と勝ち越し、最終順位は春季リーグより一つ上げ7位となった。

 立ち上がりが課題の第1セット。「ちょっとしたミスで流れがつくれなかった」(瀧野頼太主将・政経4=創造学園)と1―4と先行を許す展開でスタートした。両サイドを中心に得点を重ねていくも、ところどころセッター辰巳遼(文2=清風)とスパイカー陣とのトスが合わない場面も見受けられる。連続得点で点差を詰めてもミスを出してしまい、22―25と先取される。
 我慢の展開を制した。前日に続きセッターを政井拓歩(営3=市立尼崎)に代え挑んだ第2セット。チームとしてもようやくエンジンが掛かり始め、濱中俊生(商3=弥栄)が鋭いスパイクとフェイントを織り交ぜ相手を翻弄(ほんろう)。政井も両サイドいっぱいまで使った強気のトスワークで相手に的を絞らせない。11―8の場面でのラリーを落とすとやや雰囲気が悪くなったが、與崎風人(政経4=鹿児島商)がこの試合2本目となるサービスエースを決める。すると小野寺徹(営4=東洋)も「雰囲気を上げるためにも何かやりたいなと思った」と意地を見せ相手スパイクをシャットアウト。25点目を取り切り、次のセットにつながる形で勝負を振り出しに戻した。続く第3セットも勢いそのままに得点を重ねていく。これまでの両サイドからの攻撃に「クイック中心に攻めていこうと考えていた」(政井)と原潤一(文4=習志野)のクイックや時間差攻撃などを加え多彩なコンビバレーを展開し25―19と勝利まであと1セットとする。
 失速するも勝ち切った。序盤からサーブで乱されダイレクトに叩き込まれるなど、それまで見せていた粘りのバレーが影を潜めた。サービスエースを決められ3―9と、点差は6点に広がりたまらずタイムアウト。それでも濱中のライトからのスパイクを皮切りに相手のミスも重なり6連続得点で逆転すると、ピンチサーバーとして入った山中奏(法3=駿台学園)も強烈なジャンプサーブで相手を崩しチームを勢いづける。最後まで流れを渡すことなく、原のシャット、與崎の時間差攻撃と最後は4年生で締めくくった。

 初戦・東海大にストレート勝ちといい流れで開幕した秋季リーグ。前半戦はフルセットでの敗戦が続き1勝4敗と苦しい戦いを強いられ「入替戦も見えていた」(瀧野)。それでも後半戦初戦となった筑波大戦でフルセットの末勝利するとチームは徐々に上を向き、後半戦は5勝1敗。しかし「結果としては勝てたが、見ていてミスばっかりのチームだった」(岡崎吉輝監督)と、勝利するも相手のミスに助けられた試合は多く、出だしの悪さやミスの多さなどが課題として残る。インカレまでは残り1カ月半。課題を修正し、リーグを通して見せた層の厚さも武器に「思い切ってやるだけ」(瀧野)。勝利に貪欲に、一発勝負のインカレで頂点を目指す。

[板橋洋子]

◆秋季関東大学1部リーグ戦日程表◆
(スコアをクリックすると試合の記事に飛びます)
日付 対戦相手 場所 スコア
9・6
東海大
専大生田総合体育館
○3{25―21、25―21、25―21}0
9・12
国士大
専大生田総合体育館
●2{25―22、15―25、25―19、20―25、12―15}3
9・13
順大
専大生田総合体育館
●2{19―25、25―23、25―22、20―25、11―15}3
9・19
早大
専大生田総合体育館
●2{18―25、19―25、28―26、31―29、12―15}3
9・20
中大
専大生田総合体育館
●0{21―25、17―25、20―25}3
10・3
筑波大
町田市立総合体育館
○3{21―25、23―25、25―18、26―24、15―11}2
10・4
専大
町田市立総合体育館
○3{25―21、25―22、25―27、15―25、15―10}2
10・10
駒大
日体大健志台米本記念館
○3{25―23、25―19、25―20}0
10・11
日体大
日体大健志台米本記念館
●0{21―25、13―25、19―25}3
10・17
法大
日体大健志台米本記念館
○3{18―25、25―23、25―22、25―23}1
10・18
学芸大
日体大健志台米本記念館
○3{22―25、25―19、25―19、25―22}1

試合後のコメント
岡崎監督

「結果としては勝てたが、見ていてミスばっかりのチームだった。反省すべきところは反省して全日本インカレに向けてつなげられる一戦になればいい。(リーグ通して)初戦ストレートで勝って入りも良かったし、波に乗れるのかなと思っていた。そこから4連敗して、3敗がフルセット負け。勝てる試合を落としているし、相手を調子づかせる戦い方をしていた。フルセットで勝つ試合もあったが、勝つときに相手を徹底的にたたかないと。このリーグ通して自分も学んだし、学生もどう感じたかが気になっている。(選手起用の多さ)層が厚いというよりは相性の良さがあるのかなと思っている。普段の練習でそういう相性とかが出ているようではだめ。誰とでも合わせられるようにできるチームを目指さないといけない。(インカレに向けて)リーグと違って負けたら終わり。11月も練習試合を多めにこなして、強いチーム相手には修正点を確認しながら、勝てる相手には徹底的に全勝するようにスケジュールを組みながらやっていく」

瀧野
「ミスで助けられた試合。自分たちもミスが多かった。内容としては良くはなかった。勝ち切れたのでそこだけは評価できる。(1セット目)チャンスボールが少しずれたり、トスが少しずれたりというちょっとしたミスで流れがつくれなかった。(セッター交代からリズム)リズム変わった。クイック、時間差が使えていた。(我慢できたか)ワンタッチも取れていたし、攻撃までの形はつくれていた。つなぎの精度とかスパイカーが打つまでがまだまだ。そこが良くなればもっと楽に試合ができる。ラリーになって気持ちが切れる場面が多かった。スパイカー陣が無理して打ってアウトになるとか、そういうミスにつながっているので、相手のセッターが嫌がるようなところに返したり、1本目をセッターに返したり、ブロックでリバウンドをもらうとか。そういう失点につながらないプレーを全カレに向けてほしい。(リーグ戦通して)力の差で負けているというよりは自分たちの気持ち、勝ちに対する執着心の差で勝敗が決まることを感じた。後半戦は苦しい、自分たちの流れではないときに粘って勝ち切れたのは収穫。リーグを通して、一人一人が自分でモチベーションを上げることができるようになったのが結果につながった。特に4年生は最後のリーグ戦で負けたくない気持ちが全面に出ていていい方向に向かってくれた。(インカレに向けて)技術的なこととかチーム力は上げないといけないが、まずは自分たちが気が緩んでしまう、精神的な面で変えていかないといけない。(最後のリーグ戦)全カレがあるので終わったという実感はない。最後もっと上にいきたかったが、6勝5敗で勝ち越せたのはよかった。前半戦1勝4敗から挽回できたのはほっとしている。入替戦も見えていたので、後半戦は伝統も感じていたし、プレッシャーだった。個人的には自分にとって大学バレー最後なので思い切ってやるだけ。あとは他の人、下級生をいかについてこさせるか。主将である自分がチームをまとめて一つにしたい」

小野寺
「サイドのブロックポイントは出なかったけれど、抜かすところは抜かせてレシーバーに上げてもらったり、タッチ取るところは取ってセンターレシーブに返したりと、そういうところはブロックとレシーブの関係としてはよかったと思う。1、2本目のトスと3本目が決め切れないというのとミスにつながるというのが今日は多かった。(1セット)今日だけに限らないけれど出だしが。そのまま1セット目が取り切れないで落とすケースが多いのはリーグ通してそこの成長はできなかった。(2、3セット)昨日と似た感じ。結局エンジンが掛かるのが遅いので、毎回2セット目からやっと。それもリーグ通して今までそういう試合が多かったのかな。2セット目終盤少し雰囲気が悪い中で、流れが良くないときに雰囲気を上げるためにも何かやりたいなと思って、最後ブロックで止められた。23点目くらいで仕掛けにいったら相手にリバウンド取られてしまってポイントにはならなかったけど、最後にブロックポイントを出せて3セット目にチームとしての勢いを持っていけたのでよかった。(4セット目)今までの感じだと4セット目をぼこぼこにされてという反省があったので、一人一人意識の面もあるけれど、今日の試合はお互いミスが多い試合だったので点差が開いても結局はミスが多いほうが負けてって感じ。どっちかが仕掛けたというよりもミスで向こうが負けたという感じ。今日はブロックとレシーブの関係とかはできていたけれど、一番やらないといけないコンビの精度であったりミスが多いというところは、小さいチームなのでミスがあるとこの先勝てないと思うしトーナメントで流れも作れないと思うので、まだまだ詰めていくところはある。(リーグ振り返って)前半は出られていなかったけれど、途中から出られるようになって個人的にはそこまで納得のいくプレーはなかったけれど、野村が調子悪くても次の日もスタートから使ったりして上級生主体で戦うことでプレーもそうですけど精神的な余裕、落ち着きもあった。4年間ずっとやってる仲なので、最後交代もあったけど、4年と3年が中心で戦えたのはよかった。そこに途中でもし駄目だったら若いのも出てきてもらって元気よくできて、チーム全体として勝てたのがよかった。今までの明治だとあんまりメンバーチェンジもなかったけど、今回は多くてそれで出てきた人たちもみんな活躍してくれたので、チーム全体で戦えたことは一番の収穫だった。(インカレへ)残り30~40日くらいしか練習できる日がないので、限られた時間の中で、コンビの確認だったりブロックとレシーブの関係だったり、一番はミスを出さないということに重点を置いて詰めていきたい。残りも少ないけどやることをやって後悔のないように12月を迎えたい」


「良くはなかったが、結果として勝てたので良かったかな。(1セット目)昨日も立ち上がりが悪くて、試合に向かう気持ちができていなかった。(セッターが代わって)2人のトス回しのタイプが違うので、相手も少し混乱したのはあった。流れも持ってこられた。(攻守では)相手の3番がいる時に、スパイクにワンチかけられていたが、途中で代わったのでラッキーだった。(我慢のバレー)目指しているところはもっと上なので今のつなぎでは上にいけない。(リーグ通して)勝てる試合を落とし過ぎていた。全カレに向けて一人一人最初から最後まで気持ちをいかにつくれるか。そこを目標に練習からやっていきたい。(多くの選手起用)代わった選手が活躍してくれていたので、そこはこのリーグで得られた収穫。(インカレ)最後だし、悔いがないように練習から悪いところを話し合ってチームとして改善していきたい。インカレに向けてまだ気持ちの高ぶりはない。近づいていく中で上がっていくと思う」

與崎
「勝ち越しで終われたので、インカレに向けて流れはできたかなと。レシーブが上がっても3本目で決め切れていないので、もう少し頑張れたらもっといいチームになっていくと思う。(1セット目トスが合わない)辰巳の気持ちの問題だと思う。練習でできていて試合でできないというのは何か自分自身の問題だし、彼自身の成長なしにチームの成長はないかなと思う。(2、3セット)コンビが合えばこっちも攻撃力がないわけではないし、フォローが付いて何本でも攻撃して、決まるまで打てるというようにうまく回っていた。あれが本来の形であって、辰巳が合わなくなったとなってミスを連発してしまったけど、そうならないようにスパイカーが頑張らないといけない。まだまだ頑張り切れない部分があったのでそこをスパイカーが処理して点数になれば、辰巳自身も乗ってくると思うし、そういうところをしっかりやりたい。(4セット)相手のミスにも助けられたというのは大きい。レシーブでつないで、3本目でしっかり決められたことでこっちに流れが来た。あれだけレシーブが上がればどのチームにも勝てると思う。明治の形をつくれたのでよかった。(サービスエース2回)やらなきゃいけない役割を考えてできたのでよかった。(4年生)最後のリーグなので、4年がしっかりやればチームも上がるのでいい形になったかな。今日は自分たちのミスもたくさん出ていて、相手もミスをしていて、どっちもどっち。(リーグ振り返って)フルセット行って負けるというのが一番つらい。気持ち的にも体的にも。そこを勝ち切れていたら上位争いにいたと思うのでまだまだ力不足を感じる。インカレまでにやらなきゃならないことは見えているのでそこをしっかり頑張りたい。3本目の決定率というのが一番大きい。後半戦は割とレシーブが上がって決め切れていたのはよかった。ほかにサーブミスだったり、ミスが先行してしまうところがある。サーブミスだったりスパイクミスだったり。勝ち切れたのはいいけれど、そういうミスをしないことにこだわるのがまだまだだった。(リーグ前後のチームの状態)上がってきていると思うけどまだまだ50%くらい。あと1カ月で埋めていければいい」

濱中
「個人的な調子としては今までよりはひどくなかったと思うけれど、サーブのミスも出ていたし2段トス打ち切れない場面も多々あった。しっかりワンタッチつないでくれて持ってきてもらったボールを決め切れなかったという場面が多かった。もっと得点につなげていきたい。(1セット目)向こうの攻撃に適応するのが遅い。向こうの雰囲気に合わせがちなところもあるし、攻撃パターンに対してブロックがあまり付けなかったり。終盤までCクイックに対応できてなかった。(2、3セット)相手がミスしてくれたので、今日はミスの試合だった。(4セット)向こうのミスが結構助かった。もっと得点力をつけないといけないと思う。(リーグ振り返って)期間が長かったので、コンディションの上がり下がりもあって、自分のベストコンディションを保つのが難しかった。疲労とかのフィジカル的な問題もあって、そういう部分ではまだ全然。反省して次のリーグに生かしたい。(チームとしての成長)総力戦で戦えた。調子悪かったりしてメンバーを交代して誰が出てもできたのはよかった。(インカレへ向けて)コンビの精度、レシーブの精度も上げないといけないと思う。サーブで乱される部分が多かったので、そこを詰めていけたらいい」

政井
「やっぱりミスが多かった。こっちが少し少なかっただけ。昨日よりはよかったが1セット目もサイド中心だったので、なんとかリズムを変えようと思っていた。(3セット目の組み立て)2セット目の終盤に瀧野さんからセンターをもうちょっと増やした方がいいと一言言われて、クイック中心に攻めていこうと考えていた。結果として勝てたことは収穫。(リーグ通して)去年から出させてもらっていた中で、外から見るのは久しぶりだった。何が足りないか、見たうえでこの2試合結果を残せた。外にいても良くなったと思う。自分にとっては収穫の2試合だったがレギュラー取り返すためにやっていきたい。(インカレに向けて)一つ一つのトスも合っていないし、パスでも見えないミスがあるのでなくしていきたい」