前田 フィールド連覇ならず/全日本学生フィールド選手権

2015.10.19
 あと一歩頂点には届かなかった。フィールドインカレで連覇を狙った前田悠帆(法4=東福岡)は決勝戦ラスト1標的で逆転を許しまさかの準優勝に。本人も原因が分からないというミスショットでタイトルは逃したが、収穫も得た今大会。来週の全日本にその悔しさをぶつける。

 前田、不覚。連覇を狙ったラストフィールドインカレは、矢の不調というまさかのアクシデントで幕切れを迎えた。1標的につき3射を射ち、4標的を回る決勝戦は2標的を終えた時点で28―30と相手にリードを許して折り返す。それでも3標的目でひっくり返し、昨年王者の意地を見せつけた。多くのギャラリーが見守る中行われたラスト4標的目はそれまでの不安定な場所とは異なり平地の広場での射。大きく外す場面ではないはずだったが、1射目でまさかのミス。急いで弓具の確認をしたものの、時既に遅し。52―55と逆転を許し、目前まで見えていた優勝が消えた。試合後は「(1射目は)もしかしたら悪い矢を射ってしまったのかも」と振り返った前田。「緊張しているなりにいい射はできていた」だけに、何とも悔しさが残る準優勝となった。

 それでも、優勝のタイトル以上に価値のあるものを得た。昨年決勝で対戦した大井(慶大)との準決勝。「去年対戦した因縁もあったので。意識はあった」。普通なら緊張で力んでしまうような場面だが、勝負どころと捉えたこの一戦で前田は一度もリードを許すことなく完勝した。「トーナメントはまだ苦手意識がある」と話すものの、一対一の対戦で勝負強さを発揮した点は大きな収穫だ。アーチェリーの主要大会の決勝ラウンドはトーナメント形式がほとんど。代表入りを目指す前田には一発勝負での強さが今後の武器になるだろう。

 来週末には早速そのトーナメント方式の全日本ターゲットが控える。予選ラウンドで660点以上、決勝トーナメントで3位入賞を果たせば無条件でナショナルチーム選考会へ出場できるため、是が非でも結果を残したいところだ。「決勝ラウンドで3位というのはなかなか難しい。でも3位入るのを目指してるくらいなら、優勝してやるぞと言い聞かせながらやりたい」。エースは力強く言い切った。

[本永雅敬]

試合後のコメント
前田

「(決勝ラウンドはどんな意気込みで)まず準決勝に進める上位4人には絶対残るように。また下位で通過すると上位の選手と準決勝で当たってしまうので、なるべく上位で進めるようにと思っていた。準決勝に進んでからはもう連覇しかないなと。(今大会での調子は)自分の中では当てきれないなというのはあったが、コース自体の難易度が高いのでその分順位では上位でいきたいと思っていた。(全日本でミスをしたアンマークでは)予選ラウンドの最初のポストの1射目で5mほど読み違えてしまって。0点を射ってしまったが、それ以外はしっかりやれたと思う。(準決勝は昨年の決勝と同じ相手)大井さんとは因縁じゃないが、これは油断なんかできないぞと。でもちょっと懐かしくもあり、また今年もやれて楽しかったというのもある。(試合前は)お互いまたか、みたいな。去年負けたんだよなって大井も言っていたし。(決勝戦では3標的目で逆転)これはいけるぞと思ってたが。最終ポストで最初の1射目を外したが、何で外れたんだろうという感じ。これは自分のせいじゃないなと。2射目はきちんとうまくいったので、もしかしたら悪い矢を射ってしまったかもしれない。まあ2、3射目は普通に当て切れなかっただけですけど。(全日本も控える)ナショナルチーム選考会の出場資格が予選ラウンドで660点、決勝ラウンドで3位になればもらえるので狙っていきたい。(自身は)予選ラウンドで660というのは十分狙えるとは思うが、決勝ラウンドで3位というのはなかなか難しい。どうしてもトーナメントに苦手意識があって。でも3位入るのを目指してるくらいなら、優勝してやるぞと、自分に言い聞かせながらやりたい」

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