
中大との天王山は痛み分け リーグ前半戦は2位で折り返し/関東大学リーグ戦
弱点と収穫
立ち上がりの悪さを中大につかれた。第2ピリオドで2点を奪い、逆転に成功して迎えた第3ピリオド。立ち上がりの甘くなったチェックを昨季リーグ戦の得点王の中島(中大)が逃さず、簡単に突破され個人技で得点を許した。失点直後のキルプレーでも我慢し切れずに失点し、第3ピリオド開始わずか3分で逆転された。前節に続き好セーブを続けていたGK前北恵介(政経2=埼玉栄)も「なくてもいい失点が続いてしまった」と悔やんだ。逆転された後も明大にペナルティーが続き、第3ピリオドは立ち上がり7分までに4つのペナルティー。立ち上がり、ペナルティーといった明大の弱点が露呈。主導権も中大に渡ってしまった。
しかし、この劣勢で踏ん張りが効いた。逆転を許した後は、キルプレーの連続を無失点で耐えた。すると、今度は13分に中大が反則。この第3ピリオド最初のパワープレーをものにした。DF大澤翔(政経4=苫小牧工)のシュートを相手GKがはじいてこぼれたパックを、大津がすかさず押し込みガッツポーズ。劣勢をはね返すゴールで同点に。大崩れせずに試合を立て直したことは、後半戦につながる収穫となった。
試合が振り出しに戻った試合終盤は、お互いチャンスをつくったが、決め手を欠いた。明大はFWに大津、FW大椋舞人(法4=白樺学園)、FW川村一希(商3=北海道清水)を並べ、勝ち越し点を狙うも得点は生まれず。今年2連敗中だった中大との3度目の対戦は、引き分けに終わった。
守備と攻撃
中大に次ぐ2位での折り返しとなったリーグ前半戦。課題としてきたのは守備の意識だったが、総失点はリーグ最少の11失点(2位は中大の14失点)で前半戦を終えた。優勝した昨年は同時点で15失点。今年のリーグ前半戦では、それを上回る守備力を見せたと言える。前節の東洋大戦では完封勝利。この日のキルプレーを1失点で抑えてその後の同点ゴールにつなげるなど、勝ち点につなげる守備力が出てきた。「守れるチームが上がっていくと思うので、守備の部分はもっとこだわっていければいい。もう守備力が課題とは言わせない」とDF松金健太(法3=釧路江南)。攻撃力が伝統の明大だが、守備力が新たな強みとなりつつある。
一方、リーグ前半戦では自慢の攻撃力が鳴りを潜めた。3戦目の慶大戦でこそ二桁得点を奪い、総得点数も中大の39得点に次ぐ36得点と、得点力自体に陰りはない。しかし、その中でも「攻撃は点が入らない」と間中朗監督が言うのは、強い相手に勝負どころで1点が遠かったためだ。その最大の要因がパワープレー。この日はパワープレーから一時勝ち越しとなる1得点を奪ったが、敗れた早大戦では2人多いパワープレーを逃したことが敗因の一つとなった。この日の中大戦後も「早稲田に負けた時もパワープレーが駄目だった。そこは気を付けてやりたいと試合後に言った」(間中監督)とあらためて課題に挙げた。
勝ち点4差に4チームが並ぶ混戦で折り返した今年のリーグ戦。明大は2位ながら、自力優勝の可能性も残し、まずまずの折り返しとなった。後半戦は一つの取りこぼしが致命傷にもなるため、安定した守備力は心強い。攻撃力もFW陣には屈指のタレントが揃っている。きっかけ一つで爆発力を見せられる可能性は十分だ。「後半戦は一つ一つ勝ち抜き、明治の強さを見せつけたい」と大津。連覇を懸けて、勝負のリーグ後半戦へ挑む。
[高田悠太郎]
試合後のコメント
間中監督
「1ピリで今日はいけるかなというのはありましたが、2ピリで逆転できたところで安心してしまって、3ピリでばたばたして立ち上がりで2点入れられてしましました。ただ、最後はよく追いついてくれたなと思います。1ピリの失点はキルプレーからで、そこはしょうがないかなというのもありました。今週は中大の球出しを意識して練習していたので、守備に関してはどうすべきなのかという部分を出来ていたと思います。攻撃は点が入らないね。それがこういう結果になっていると。パックのキープ率は明治の方があって、崩せているとは思うのですが、決め切れていないところが駄目ですね。今日は取りましたが、早稲田に負けた時もパワープレーが駄目だったので、そこは気を付けてやりたいということを試合後に言いました。セットに関しても東洋戦くらいからは固定してできるようになってきました。(前半戦を終えて)チームのまとまりは出てきたと思います。課題はパワープレー、あとはディフェンスの守る意識ですね。優勝が目標なので、取りこぼしが無いように、しっかり決めたいと思います」
大津
「出だしは中大ペースになってしまいました。そういった中でも2ピリは大椋のゴールで盛り上がって、良いプレーができたと思います。3ピリは流れが悪く、スペシャルプレーをさせたり、反則してしまったり、自分自身も反則を3回してしまったので、感情的なプレーはしないようにしていきたいです。ちょっとしたところを抑えれば、流れも常にこっちになると思うので反省してやっていきたいです。(中大の中島選手と試合前話していましたが)代表に行けばいつも一緒にやっているプレーヤーで『負けねえよ』みたいな声掛けであったり、表向きには頑張ろうなみたいな感じですけど、中ではバチバチ『本当は負けたくないんだぞ、勝つぞ』と。(リーグ戦前半戦を終えて)波があるなと思いました。その波はスコアリング、チャンスを生かしきれてない。決めるところは決めて、あとは時間帯を見てしっかりプレーする、そうやってコントロールしながらケアマネージメントができればいいかなと思います。気持ち、戦略的な面から考えてやっていきたいと思います。(後半戦への意気込み)早大戦を落としたのは気持ちのおごりだとおもいます。モチベーションも劣っていたと思います。後半戦は一つ一つ勝ち抜き、今日は荒々しいプレーになったのですが、相手をリスペクトしつつ、明治の強さを見せつけたいです」
大椋
「自分たちのペースで試合を進めた中で、3ピリオドは反則で苦しい展開になってしまったと思います。パワープレーはまだ練習して改善できると思いますが、反則は無くしていかないとこの先勝てないと思います。最後は大津が点を決めてくれたので、いい気持ちでプレーすることができました。いらない反則で崩された場面がありましたが、5対5でやれば自分たちのプレーができて勝てると思います。もう負けられない状況で、中大がリードしているので、中大に負けないように、他の試合では明治らしいホッケーをすれば負けないと思うので、落とさないよう勝ちたいと思います」
松金
「チャンスは中央の方があったと思うので、負けなくてよかったなと。ただ、春と夏に負けた後でのこの試合だったので、チームは成長したのかなと思います。チャンスを確実に決めること、パックを簡単に取られないことという部分ではサマーカップより良かったので、こういう試合に出来たのだと思います。キルプレーでも気持ちを切らさず、我慢してパワープレーのチャンスで同点に追い付けたのは精神的に成長している部分と言えるのではないかと。今日も2失点した後にも守りの意識があって、ブロックの入れていた部分もあるので、それは良かった部分なのではないかと思います。(リーグ戦折り返しですが)守備は全然悪くなかったです。失点は最少ということはデータに出ているので、もう守備力が課題ということは言わせません。完封も2試合していますし。大崩れしないですし、連続失点も少ないですし。明治は点取りゲームが得意ということはありますが、今年はそれほど取れていませんし、守れるチームが上がっていくと思うので、守備の部分はもっとこだわっていければいいと思います。まだDFの下がりすぎや、FWの方向付けの仕方など課題もあるので、さらに失点は減らせると思います。(2次リーグに入りますが)波があるのはしょうがないので、悪い時にはセーフティーに、ターンオーバーを少なくホッケーを出来るかどうかという部分が大事になっていくと思います」
FW桂川涼(政経2=白樺学園)
「1ピリよりは2ピリの方が明治に勢いがあって、逆転して3ピリでも流れ的にはいけるかと思いましたが、先に2点決められて完全に流れが中大にいってしまいました。2失点目は完全にコミュニケーション不足で、中島さんにフリーで裏に回られてしまいました。3失点目は審判がアドバンテージで手を挙げている状態で、こっちは時間がもったいないということで触らずにいたら、そのまま持っていかれてポンと打たれました。2点目、3点目は完全に事故みたいなものです。逆転された時点でみんな焦ってしまったけど、あそこで誰かが落ち着くように声をかければ、まだわからなかったかなと思います。(焦っていた中での同点弾は)ベンチでまだいけるという声があり、ちょうどPPのチャンスで1点をものにできたので、残り7分くらいで自分もこのままいけるかと思いました。ですが、惜しいチャンスでも決められずもったいなかったです。PPという絶対的チャンスを決めないと中央には勝てないと思います。(自身の得点シーンは)あれは大澤さんと練習の時から、DFのシュートに自分が合わせることをしていて、初めて中大戦で決まってよかったです」
前北
「1ピリ、2ピリは良かったのですが、3ピリになって、なくてもいい失点が続いてしまいました。(今日の自分の内容に)自分では納得いかないです。調子良い、悪いはないのですが、流れの問題かよく分からないですけど、ちょっと集中できていない部分があったのかなと今は思います。まだまだできます。3ピリに(集中力が)切れてしまったところがありました。結果的に連続で失点してしまったので集中できていなかったからだと自分で思います。(リーグ前半戦を振り返って)あんまり良くないですけど、まだまだ優勝を狙えるので、後半は全部勝つぐらいの気持ちでいきます。(リーグ後半戦に向けて)後半も自分が出れるように頑張って、GK次第で勝ち負けとかも決まってくると思うので、自分が勝たせられるように後半も頑張りたいです」
FW府中裕也(商1=武修館)
「前回の東洋大戦で完封して流れに乗って、今回の中央戦に向けて良い練習をしてきました。春の大会と夏のサマーでは中央に勝ってないので一番は中央に勝ちたいという気持ちが大きかったですね。(3セットは)プラマイゼロで終わるのが一番ですけど、プラスを作ればよいと思います。それで、この前の試合みたいに3セットがプラスをつくれればいい試合運びになったのですが、今日は得点ができませんでした。(チームのまとまりは)悪かった早稲田の試合で周りの声からは『明治ベンチ静かだよ』と言われて、そこからまずやっていこうと思いました。ベンチから声を出してやじではなく声を出していこうとそういう流れをつくっています。個人的には今日も決められるところがあったので、もっと確実に決められる選手になって、2次リーグ全勝して優勝したいです」
FW松本昂大(商1=北海道清水)
「先輩に頼らず自分たちでいこうと府中と話していて、ガツガツいっていました。府中とは1年生同士なので、通じ合うところがあるし、気を使うところがなく声を掛けあってプレーできたことで、コンビネーションが良かったのだと思います。3つ目としてのプレーはできていたし、反則しないこと、チームの流れを良くするために走るということはできました。ですが、決められるところで決めきれず、チャンスを潰していた部分があったので直していきたいです。チームとしては、反則が多くて、キルプレーでの失点もあったし、パワープレーで得点できないこともあったので、パワープレーとキルプレーの精度を上げることが必要だと思います」
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