首位との大一番制す! 国士大を2―1撃破で4位浮上/関東大学1部リーグ戦 

2015.10.18
首位との大一番制す! 国士大を2―1撃破で4位浮上/関東大学1部リーグ戦 

 優勝が懸かった大一番を制した。首位・国士大との一戦は、前半から明大がゲームを支配し、サイドからの突破や背後からの抜け出しでチャンスを量産。フィニッシュまではいくもののなかなか決められずにいた明大だが、前半39分に藤本佳希(文4=済美)が放ったシュートのこぼれ球を和泉竜司主将(政経4=市立船橋)が押し込み先制に成功。さらに後半3分には後半最初のチャンスを藤本が冷静に決め追加点。その後相手にスーパーゴールを許したことで国士大が活気づき幾度となくゴールを脅かされるが、2失点目は許さず。最後まで全員が体を張って守り抜き勝ち点3を獲得。これにより4位に浮上し、首位の背中も見えてきた。

 執念の勝利だった。17節を終え、明大は勝ち点28で5位、対する国士大は1位で勝ち点5差。「今日勝たないと優勝が見えなくなってしまっていた」(和泉)と絶対に負けられない一戦だった。前半は終始明大主導で試合が進み、前半終了間際の先制点と後半開始直後の追加点という流れを決定づける時間帯でのゴールに成功。しかし後半14分、クリアボールを拾われると、相手がペナルティーエリア前で強烈なシュート放った。ボールはゴールネットに突き刺さり失点。明大はリズムを失い、つなぐサッカーではなく蹴りにいくサッカーになってしまったが、追加点だけは許さなかった。チーム全体で体を張った守備を見せた。勝利への執着が現れたシーンがある。後半20分過ぎ、左CKに対しGK服部が飛び出すがボールを抑えられず、逆に相手に絶好のチャンスを与えてしまう。GK不在のゴールにシュートを打たれるが「死ぬ気でクリアした」(差波優人・商4=青森山田)。ゴールライン上で相手のシュートを2度に渡りクリア。その後も何度もピンチを迎えるが勝ち点3を手に入れるために、チーム全体で耐え抜いた。「今日の勝ちというのはすごく大きかった」(差波)。つかみ取った勝利が優勝への望みをつないだ。

 狙い通りの得点だった。今試合、明大の総シュート数が14本に対して、国士大は5本。決定機の数は明らかに明大が上回っていた。決め手となったのはサイドからの攻撃。「サイドからの攻撃していくのを1年間追求してきた」(栗田大輔監督)と前節の法大戦でもサイドを起点としたチャンスメークを見せていた。先制の場面でも右サイドの室屋成(政経3=青森山田)と瀬川祐輔(政経4=日大二)が連携で敵DFを翻弄(ほんろう)し、室屋がエリア内へ突破しつつクロスを上げる。藤本のシュートはバーに阻まれたものの、こぼれ球に反応した和泉がゴールへ押し込み先制点が生まれた。現在好調を維持しているサイドからの展開が今後の勝利の決め手となる。

 優勝争いは激化している。今試合を勝利したことで明大は勝ち点31の暫定4位に浮上。国士大から早大へと変わった首位との勝ち点差は3となった。しかし残りの4試合には暫定3位の慶大も控えており、厳しい戦いは続く。次節の相手はライバルの暫定5位の流経大。明大との勝ち点差がたった1しかないライバルには、夏の総理大臣杯で雪辱を果たしたが、死闘が予想される。「どこが相手だろうと残り4戦勝つしかない」(山越康平・法4=矢板中央)。ひたすらに勝ちだけを求めていく。

[渡邊弘基]

日付 対戦相手 会場 キックオフ時間 スコア
◆第89回関東大学サッカーリーグ戦 後期日程◆
(スコアをクリックすると試合の記事にリンクします)
9・6(日) 駒大 ひたちなか 13:50 ○1-0
9・13(日) 早大 味フィ西 13:50 ×1-2
9・19(土) 順大 たつのこ 11:30 ○2-0
9・26(土) 桐蔭横浜大 フクアリ 11:30 〇4-0
10・3(土) 神大 千葉東総 11:30 △0―0
10・10(土) 法大 国士大G 13:50 ○4-1
10・17(土) 国士大 江戸陸 13:50 ○2-1
10・25(日) 流経大 古河 11:30
11・31(土) 中大 味フィ西 11:30
10 11・8(日) 専大 味スタ西 11:30
11 11・14(土) 慶大 川越 13:50
※10月10日時点

順位 チーム名 勝点 総得点 総失点 得失点差
◆順位表◆
【第18節暫定】
早大 34 20 15
国士大 33 44 22 22
慶大 33 41 16 15
明大 31 31 21 10
流経大 30 25 17
専大 23 22 17
法大 23 24 27 ―3
順大 22 21 24 ―3
駒大 20 21 31 ―10
10 桐蔭横浜大 19 22 39 -17
11 神大 14 11 22 -11
12 中大 11 25 46 -21

試合後のコメント
栗田監督
「(試合を振り返って)首位の国士大に勝ててよかった。(試合前にどういったことを)相手の攻撃の特徴をきちんとつかんで、そこに対する対応をしようとした。またゴールからしっかり見てそこからしっかりつなげていこうと思った。(失点後は)基本的に明治はビルドアップをしてつないでいくから、それがまずつなげていなかった。また押し上げが遅くなり、間延びをしてしまい、相手に自由にさせてしまったのが反省。(藤本の得点シーンは)前半あれだけチャンスで決められなかった中で、後半の1本目のチャンスで得点が生まれたのは非常にチームにとってよかった。(後半は流れが悪かったが、そういう時に期待するのは)和泉と藤本が目立つが、サイドからの攻撃していくのを1年間追求してきた。そしてサイドからのボックスに入ってきて、和泉や藤本に入ってくる。そういう意味では苦しい修正に回ってしまい、つなげなかったのがFWに入れなかった。(守備はよかったように見えたが)1点をああいうスーパーゴールを押し込まれて、そこから自分たちのリズムに持って行けなかったのが、今日の試合の課題。試合後に選手たちにも言ったが、もう一つギアを持ってこれるようにトレーニングしなければ、この先苦しくなる。(首位と勝ち点3となったがこれから必要なこと)今やっていることの精度を上げて、内容を上げていくこと。

和泉
「とりあえず今日勝たないと優勝が見えなくなってしまっていたので、内容も大事だけどしっかりと勝ち点3を取ることが目標だった。そこをしっかり結果として勝ち点3を取れたので、次につながる試合だった。入りは、後期の最初が少し悪くてチームとして入りを重要視して自分たちのペースでできるようにどうするかをチームで考えてきた。その中でシュートまでいくことがチームとしてスペースをつかめるし、前に走って前にという部分はチームで話している。今日はもう少し早い段階で僕含め決めるチャンスがあったので、その1本目を確実に決めるという部分では今日は決めることができなかったけど、その中でやることを変えずに、焦れずに自分たちがやるべきことをやり続けられた部分が先制点にはつながったのかなと。得点シーンはヘディングでダイレクトで入れようか迷ったけど、確実な方でいった。その前に自分が外していたので、狙っていた。狙い続けることが重要だなと改めて感じた。(試合後倒れこんだことについて)結構きつくて、最初の方に足首をひねって痛めたのもあって、それを抱えながらやって色んなとこに負担がかかった。勝って終わるのと引き分けて終わるので違うので、単純に笛を聞いてほっとした。 次の流経大は互いにライバル心があるし、激しい試合になる。どっちが気持ちが強いかという部分も出てくる。厳しい試合になることはわかっているので、その中でいかに今日の前半に出来たようなサッカー、ゴールから考えてつながりを持って、ペナに人とボールを入れるかを工夫とイメージをすれば、自ずと結果はついてくると思う。しっかり自分たちがいろんな経験を経て積み上げてきたものを出すだけだと思う。試合で練習の成果を出すだけだと思う。次負けるとお互い優勝が見えなくなってくるので、毎試合優勝が懸かった試合になるし、緊張感や背負うものは大きいと思う。1選手としてその中で何ができるのか、結果で表わせるのか、その選手のこれからにつながる部分でもある。痛みは得点取る前までは痛かったけど取ったら痛みはなくなった。終わった瞬間、耐え切れなくなった。こういう試合で得点できるのは自分自身の自信にもなるし、非常に重要な得点。残り全部重要な試合だけど、得点やアシストで結果を残すことが自分に求められている部分。もっともっと伸ばしていきたいと思う。(失点した後の声掛けについて)やることは変えないようにしようと言ったけど、こっちに蹴ってしまう部分が出てしまった。そこで自分たちのペースに持っていけないのは自分たちの実力不足かなと。2-0から1点取られてあのような試合展開を続けてしまうのは苦しいし、耐え抜く部分では褒めてよい部分だけど、あの展開からどのように自分たちのペースに持っていくのかという部分では3点目取るのもそうだし、課題かなと。メンタリティーも課題かなと。今日耐え抜けたのは、単純に勝ちたいという思いが上回っていたから。みんなが負けたら終わり、引き分けでも厳しいという気持ちで取り組んでいたし、最後はみんな体張ってゴールを守ってくれた。そこが一番重要な部分にもなると思うので。」

差波
「今日は竜司と佳希が点取ってくれてチームが楽になったし、内容はどうにせよ勝てたということがすごいよかった。(ゴール前のクリアで救われたと思うが)たまたまいたので死ぬ気でクリアした。あそこで追い付かれていたら他のチームと一緒だしそこでしっかり耐えられたということが他のチームとの違いだと思う。まだ残りあるけれど残りの試合を戦う上での今日の勝ちというのはすごい大きかったと思う。(チームとしては)今日は内容どうこうよりは勝ち点3を必ず取ろうというのはチームでの共通理解で、間違いなく勢いは首位のチームの方があるし難しい試合になるとは思っていたけれど結果2―1だけれど勝つことができて勝ち点3を取ることができたので、そこはチームで共通してやれているというのが今日の結果になったと思う。決め切るところだったりシュートの本数だったり、後ろが最少失点で抑えてくれている分、前線の選手たちは点数というところで貢献しないといけないと思うし、今日は和泉だったり藤本だったり取るべき選手が取るとチームは勢いに乗るし、そこに対するアシストや関わりというのは個人的には意識している。(逆転優勝に向けての共通意識は)僕たちはもう勝ち続けるしかないのでしっかり勝ち続けてやることがチームとして大事なことだと思うし、何より部員全員が同じ方向を向いてしっかりとやり続けることがすごい大切なことなのかなと思う。(今日は中盤から試合をつくることが多かったが)今日はミスが多くてうまくいかないことが多かったけれど、最後の精度というところは僕の課題なので、もっとミスを減らしてチームを勢いづけられるようなプレーをしていかないと駄目なのかなと今日の試合を通じて思った。サイドはチームの特徴でもあるので突破できる選手も多いし今調子がいい選手も多いので、そういう中でサイドを使うというのはチームの攻めるポイントの一つではある。そこはチーム全体でやれているのかなと思う。とりあえず勝つというところにみんなのこだわりを持てたので、そこはみんなが強い気持ちを持ってやれたということが勝ち点3につながったと思う。(次節に向けて)間違いなく厳しい試合になると思うし、とにかくもう勝ち続けるしかない。個人的なところで言うとまだまだ今日のプレーでは全然駄目だしもっともっとこだわりを持ってやらないと駄目だと思うし、チームに勢いをつけるようなプレーを心掛けなきゃいけないなと思うので、また一週間いい準備して流経戦に向かっていけたらいい」

藤本
「(試合を振り返って)残り全部勝つしかないから、国士大との試合がすごく大事な試合になることはわかっていたし、今日負けたら実質優勝できないとみんな思っていた。勝ち点3を取ることだけを考えてチーム全体で取れてよかった。(ゴールシーンを振り返って)自分が竜司に出して、竜司から土居に出た瞬間に、3人目で前に走ればチャンスが自分のところにこぼれてくると思ってた。土居が良い落としをしてくれて、あとは決めるだけだった。次の1点が勝負になるというのはわかっていたから、良い時間に点を取れたと思う。(失点後苦しんでいたが)1点取られてからは、自分たちのサッカーができなかったのはある。シンプルに相手をひっくり返して、自分がそこに走ってキープしたりもっとできれば。でも全員で割り切ってやれたし、できなかったところは次に向けて修整できたらいいかなと思う。国士大は首位を走っているチームだから、最後にとってくるチームだが、そこで自分たちが耐えれたのは自信になった。もっと言えば3点目を取れればもっと楽になったのは間違いない。次は流経大だが勝つしかないから全員でトレーニングして全員で勝ちにいきたい。(1点目は)成がクロス上げたボールが自分の前だったから、自分は飛んでつま先でギリギリ触れるかどうかだった。なんとかつま先に当たったがバーに当たってしまった。まあ竜司がいてよかったが自分で決めたかった。(前半から押し込めていた印象だが、チームとしてどういった入りを意識していたか)最近入りが良くないのはわかっていた。今日はシュートで終わるプレーだったり、背後の動きや相手をひっくり返すプレーなどみんなが前に前にプレーすることができた。だからいつ入るかわからない状況だったが、もう少し決められたと思う。自分たちのプレーを進めていき、先制点できたのは大きい。(国士大に対してはどういうプレーをしようと)相手のCBが前に強いが背後に強くない印象が僕自身前に戦った時もあった。だから自分だったり竜司は背後に出るボールに関してはすごい強みを発揮するから、そういう動きだったり僕と竜司の関係で相手のラインの背後を攻略する動きをし続けて、それをすごく向こうも嫌がっていた。(流経大戦に向けて)毎回僕たちが戦えばバチバチして、死闘になる。また厳しい戦いが予想される。だが粘り強く全員で守備をしながら、チャンスに確実に僕や竜司など攻撃の選手たちが決められれば勝機はある。今日の勝利は忘れていいものとして、またやっていきたい」

山越
「一週間準備してきたことが勝ってるときに出せたのでそこが勝因かなと思う。(松本孝平を止めたが相手に関しては)今関東で一番点を取っていて怖い選手というのは分かっていたのでしっかり抑えられるように相方の悠太(小出・政経3=市立船橋)としっかり声掛け合っていた。スカウティングの時点で松本にボールを入れてくるというのは分かっていたので、そこでファーストをまずしっかりいこうというふうには話していた。何回か負けてしまうところがあったので、もっと上のレベルに行くとああいう選手はもっとすごい人がごろごろいると思うので、余裕で完ぺきに抑えられるくらいにもっと成長したいなというのを感じた。(失点後防ぎ切れた要因は)1失点してやっぱり押し込まれることが予想できていたので、そこで全員守備からということを意識統一していたのが守りきれた要因かなと思う。立ち上がりが最近悪かったのでそこをはっきり相手の裏にボールを蹴ろうということを意識して、今日はそういうところが前半はできていたのかなと感じた。(サイド攻撃が驚異になっていると思うが)そこは一つ自分たちの武器だと思うので、成だったり今サイドハーフの選手も調子がいいので一つ自分たちの動きになっているのかなと思う。(今後に関しては)どこが相手だろうと残り4戦勝つしかないので、やっぱり次の流経戦だけに集中してここの一週間というのをしっかり一日一日練習の部分で一生懸命やって準備していきたい」

瀬川
「とにかく結果にこだわったので勝ててよかった。相手に対しては、浮いたボールで戦ってしまうと負けるので、とにかく下でテンポよく回していくっていうことを徹底していました。あとは前を見るということをこの1週間やってきたので、それが後半の15分くらいまではできていた。失点の後から蹴ってしまった部分があって自分たちのサッカーができなかった。とにかく失点をしないことっていうのが共通意識として試合中もできていたので、それもあって失点を1点で抑えられたっていうのはよかったですし、プレッシャーも最後までかけ続けられていたので、本当に失点しなければ完勝と言っていい試合だったと思う。(後半終了間際、GKをかわしてシュートを外したシーンは)持っていないなと。ポジティブに捉えれば90分+3分とかであそこまでプレスに行けてああやってボールを取れるのはいいことだったと思うので、判断をもう少し慎重にやれれば点を取れていたのかと。1点目は成との距離感をうまくやれて、そこからゴールが生まれたのでサイドの攻撃という点ではできていたと思う。残り4試合、全勝しないと優勝はないので勝ちにこだわっていきたいですし個人的にも今日はシュートを外してしまったので次は点を取って。流経大にはあまり悪いイメージはないので、空中戦に強い相手に対して下で自分たちのサッカーができれば」