法大に粘り勝ち 光る層の厚さ/秋季関東大学男子1部リーグ戦

2015.10.17
法大に粘り勝ち 光る層の厚さ/秋季関東大学男子1部リーグ戦
 競った展開を全員バレーでものにした。秋季リーグ最終週、最初の相手はここまで2勝7敗と波に乗り切れていない法大。ミスから1セット目を落とすも、2セット目からセッターを政井拓歩(営3=市立尼崎)に代えると流れを取り戻し、白星。試合展開に応じて選手交代をうまく利用し、逆転勝利を呼び込んだ。5勝5敗と勝率5割復帰を果たし、最終戦に勝ち越しを懸ける。

 苦しんだ序盤だった。粘りのバレーを見せる法大にペースを握られ、点差をつけられた。ノータッチでのサービスエースを2本許すなど「勢いに押されていた」と瀧野頼太主将(政経4=創造学園)。その後も焦りからかスパイク、サーブミスが続き18―25と7点差で1セット目を落とした。

 流れを変えたい2セット目、セッターを辰巳遼(文2=清風)から政井に交代。「リズムだけでも変えようと思っていた」(政井)と、オープントスが中心の単調になっていたトス回しをクイックや時間差攻撃を軸に組み立て直し、相手のブロックに的を絞らせない展開を生み出した。中盤の打ち合いも制し、相手の勢いに負けない勢いで得点を重ねた。
 3、4セットも主導権を握り続けた。接戦の中でも政井の強気なトス回しから多彩な攻撃を見せた。特にセンター陣が速攻で得点を稼ぐとブロックでも奮起。「ブロック面でもスパイク面でもプレーで貢献できた」(小野寺徹・営4=東洋)と充実の表情で試合を振り返った。4セット目はリードを許すも加藤寛樹(政経2=創造学園)、頼金大夢(法2=東福岡)を続けて投入し1点差をキープ。終盤に與崎風人(政経4=鹿児島商)の3連続得点で逆転し、全日本インカレにつながる重要な一戦を制した。

 光ったのは層の厚さだ。この日も途中出場の政井、加藤、頼金が相手に行きかけた流れを引き戻した。リーグを通して途中出場の選手が活躍する展開は多い。「自分がだめでも次がいるというのは、悪い点でもありいい面でもある」(瀧野)とレギュラーが固定できない現状には不安もある。しかし、展開に合わせてさまざまな選手を使い分けることで「簡単に負けないチームがつくれている」(政井)。昨年にはなかった層の厚さが今の明大の大きな武器となっている。

 いよいよ秋季リーグも学芸大との一戦を残すのみとなった。今日の勝利で勝率を5割に戻し、勝ち越しを懸けた大きな試合となる。「明日で最後のリーグ戦なので、4年生がどれだけ頑張れるかが勝ちか負けかにつながってくると思う」(與崎)と4年生にとっては最後のリーグ戦での戦いでもある。最上級生がいかに意地を見せるかに注目が集まる。全日本インカレに向けて良い流れを保ちたい。

[石渡遼]

◆秋季関東大学1部リーグ戦日程表◆
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日付 対戦相手 場所 スコア
9・6
東海大
専大生田総合体育館
○3{25―21、25―21、25―21}0
9・12
国士大
専大生田総合体育館
●2{25―22、15―25、25―19、20―25、12―15}3
9・13
順大
専大生田総合体育館
●2{19―25、25―23、25―22、20―25、11―15}3
9・19
早大
専大生田総合体育館
●2{18―25、19―25、28―26、31―29、12―15}3
9・20
中大
専大生田総合体育館
●0{21―25、17―25、20―25}3
10・3
筑波大
町田市立総合体育館
○3{21―25、23―25、25―18、26―24、15―11}2
10・4
専大
町田市立総合体育館
○3{25―21、25―22、25―27、15―25、15―10}2
10・10
駒大
日体大健志台米本記念館
○3{25―23、25―19、25―20}0
10・11
日体大
日体大健志台米本記念館
●0{21―25、13―25、19―25}3
10・17
法大
日体大健志台米本記念館
○3{18―25、25―23、25―22、25―23}1
10・18
学芸大
日体大健志台米本記念館

瀧野
「自分たちのレシーブの粘りといういい面も出ていたが、悪い面も出ていて、その面が出ていた分流れに乗れなかった。勝ち切れたことは良かった。(悪い面)今までスパイクミスで連続失点をしていて、今日も終盤でスパイクミスが多かった。ミスが続いて流れに乗れなかった。向こうも粘りのあるチームなのでこういう競った試合になることは分かっていた。自分たちのミスで点を与えてしまったのは誤算だった。(1セット目)勢いに押されていた。先週の日体大戦と同じような雰囲気だった。(2セット目以降)セッター代えて流れも変わった。それ以上にレシーブが上がり始めて、自分たちの流れをつくることができた。自信を持ってバレーができるようになった。(競った展開)集中切らさずにプレーできていた。そこで勝ち切れたのは収穫。(選手交代の多さ)いいところではあるが、レギュラーが固定できていないという部分で、レギュラーとしての自覚が薄れてしまっているのはある。自分がだめでも次がいるというのは、悪い点でもありいい面でもある。層は厚くなって、チームとしてはいい影響を与えている。インカレに向けてもチーム全体が意識を統一できているし、モチベーションも上がってきている。(最終戦)勝ち越しも懸かっている。全カレに向けてもいい流れを持っていきたい。必ず勝つ」

小野寺
「この1週間はブロックとレシーブの関係とかコンビとかの先週自分ができなかったバレーの確認と、残り2戦勝ってしっかりインカレにつなげるということをみんなで意識を統一してやってきた。今日の試合は出だしが悪かった。4セット目にも序盤からミスが出てしまってうまく流れをつかめなかったというのは、リーグに限らずトーナメントになっても大きな1点になってしまうと思うので、まだまだ修正するところは多いと感じた。(2、3セット目)気持ち的な変な余裕が働いて結局苦しい展開に自分たちを持っていってしまった。試合通しても、点差が開いていても追い付かれてしまうところがある。点差が開いてもそのまま突っ走れるようにしていかないと、今後は負けにつながると思うので確認というか、気持ち的に意識していかないといけない。(今日の試合)政井君が結構僕にトスを上げてくれる。個人的に政井のほうがトスが合うし、向こうも上げてくれるので、今日はブロックよりもクイックのほうが多かったと思う。ブロックポイントは全然ないけど、ワンタッチは取れてたのでまあまあ良かったのかなと。セッターの交代は個人的にもチーム的にもよかったと思う。自分がブロックで入っている以上、ブロックができないといる意味がないので、でも今日は政井に代わってくれてスパイクでもうまく使ってくれたので、ブロック面でもスパイク面でもプレーで貢献できたので、自分にとってもチームにとってもメンバーチェンジはプラスだったかな。(明治のブロックは)完成度はまだまだ。全体的に身長が低い分、サイドのストレートブロックが使われてしまったり、今日も自分と政井のブロックでは政井の上から打たれたりワンタッチで飛ばされるケースがあった。タイミングだったり出し方だったりをもう少し詰めていければ、相手の単純なスパイクポイントで終わるのではなくそこからつないで自分たちのバレーで点数を取れるようになると思う。個人的にもチームとしてもブロックはまだまだこれから。(最終戦)変に意識はしていない。ただ明日で別に終わりじゃないんで。明日勝ってしっかりインカレにつないで、インカレの最終日に勝つことが目標なので、特に意識はしないで、でもしっかり勝ってしっかりインカレにつなぎたい。(学芸大)センターに一人大きい人がいるので、まずそこをしっかり攻略したい。対応できないと、終盤でクイックとかを使われたらいやな展開になるので。そんな難しいバレーではないと思うので、ちゃんと自分たちのバレーができればしっかり結果もついてくると思います」

與崎
「日体大戦は雰囲気が悪かったというのがあったので、練習から試合に向けて雰囲気をつくって、最終週気合入れていこうとやっていた。1セット目の立ち上がりはあんまりよくなかったですけど、徐々にエンジンかかっていった。あれを1セット目からできるようにならないといけない。(エンジンがかかるのが遅いのは)自分の気持ちの作り方の問題。試合に入る前につくっておかないといけないと思うけどできてなくてそのまま試合に入ってしまって、やるにつれてだんだん良くなっていく。試合前にしっかり自分の気持ちをつくれるようにならないと。(取り切れない)1点欲しいところでミスとか相手にシャットされたりとかが多かった。24点目で終わりじゃないので、25点取るまでしっかり集中してやらないといけない。(4セット目3連続得点)2段トスでしっかり上がってきていたので、相手のブロックの数とかを見てあわよくばリバウンドもらえればと思って打ったんですけど、点数になったことはよかった。でももう少しそれまでの過程で、セッターにちゃんと返してしっかり攻め込めたらよかった。(セッターの交代)政井とは去年、おととしもやっているので戸惑うことはなかった。辰巳は経験とか、トスの上げどころとかをしっかり勉強してくれればいい。まだ経験が薄いので、これからだと思う。あとはインカレしかないのでしっかりチームをつくっていかないと。(最終戦)すべてが最後。明日で最後のリーグ戦なので、4年生がどれだけ頑張れるかが勝ちか負けかにつながってくると思う。最後しっかり勝っていい流れでインカレに行けるように頑張りたい」

政井
「(1セット目コートの外から見ていて)トス回しが単調だったかなと思っていた。明治の負けパターンの一つとしてレフト、センター、ライトという単純な攻撃を前半でやってしまうと後半苦しくなるというのがある。1セット目はまさにそうだった。(コートに入って)外から見ていて、相手のライトブロックがうまくなかったのでそっちで攻めようと思っていた。1セット目とは違うトス回しを意識した。(流れ変えられたか)リズムだけでも変えようと思っていた。オープンバレーをリズムではなくて時間差、クイックもバックもあるぞ、という。(サーブカット)安定していた。(競った展開)連続失点の時のトス回しが単調になってしまうのは自分もあるので、そこで瀧野さん、與崎さんに一言言われてから考えているので、もっと自分で展開を読んで考えたい(層の厚さ)層は去年よりはるかに厚くなっている。ただ、調子が悪いからすぐ代えてくれ、という弱さを克服できないのはまた違う。でも層が厚いことで簡単に負けないチームがつくれている。(最終戦に向けて)明治らしくボールを落とさない泥臭いバレーをして勝つことが大事。全カレにも向けてもう一度明治のバレーを思い出せればいい」