
「まさかグレコで」 寺田が嬉し驚き準優勝/全日本大学グレコローマン選手権
それが如実に表れたのが、惜しくも敗れた決勝戦。相手は全日本3位の経験を持つグレラーの高橋(日体大)。開始から体を激しく当ててくる高橋に対し、横に揺さぶり続け主導権を握らせない。思うように攻撃を仕掛けることができない高橋はたまらずパシーブから1ポイントを寺田に献上した。寺田はその後の攻撃もしのぐと第1ピリオドを1―0で折り返した。迎えた第2ピリオドでは相手に連続で投げられテクニカルフォール負けも、フリーが本職の寺田はそこに大きな爪痕を残した。
試合後のコメント
多賀副部長
「(寺田が準優勝)グレコを練習してない中で2位になったのは良かった。彼はやっぱり動きがいい。相手よりたくさん動くってのがいい。だけど逆に腰が浮いたりして、トリッキーな動きにつながって自分から墓穴を掘ったりすることがあるんだけど。グレコはさされたら終わりだから、手をもっとくっつけたらよかった。1点だけだと向こうもうまいから、やっぱりさされちゃったよね。よかった点は動き負けなかったこと。あと押し負けてもいなかった。押して崩して、押して崩してというのができていた。(グレコとフリーの共通点は)いなしから前へ出ていくとか、前後の動き、左右の動き。それはグレコもフリーも一緒だから。あとフリーでも離れてばっかりじゃなくて、くっつく時があるんだよ。やっぱりグレコもある程度強くないと。そういった意味ではグレコの練習をするのも必要なこと。(1年生2人が入賞)永井は力がないわけじゃない。崩しとかができなくて単発で技に入っちゃってるからなかなか取れないんだけど。あれを覚えればそこそこにはなる。うまくいけばチャンピオンにだってなれる。前後左右の動きを覚えなきゃだな。それはこれから徹底的に指導していきますよ」
寺田
「やっちゃたって感じ。びっくりしている。まさかグレコで、の一言につきる。運もあったし。国体でインカレ3番の山本(日体大)を倒していて、それが自信にはなっていた。国体から1か月ぐらいやっているので、明治の中で練習している方だった。運というのはトーナメントがクジで、強い選手が完全に下の山にいっていたこと。明治杯3番に準決勝で当たりはしたが、そこまでではなかった。くっついたら反られる、とわかっていたのでくっつく前に処理しようと臨んでいた。相手のペースになる前にこっちのペースに持ち込み、突き放すことができたのが勝因かなと思う。(グレコは)足が使えないのと、明治は正攻法のグレラーを取っていない。フリーの選手でも勝てるように投げやがぶり返しを中心に、フリーの選手がグレコでも使える技というのを練習していた。グレコは足を触れないから厳しい。片足タックルを出せない。ただ僕みたいなフリーの選手はグレコ専門の人からしたらやりづらいんじゃないかなと。グレラーの人はがつがつした練習しかしていないので。横に振ったり足を使ってくる人とはあまり練習していないと思う。モチベーションは周りの応援。成績残したことで『頑張ってるね』って言ってくれる。逆にそこで成績が落ちたらなんだ練習してないのかってなってしまうと思う。試合を見に来られない人にはウェブ上の数字が全てだと思うので、そこを落とさないように気をつけている。そういう意味で完全にメンタル面の充実が試合で出せているのかなと。強みはどんな状況でも思い切り技を出せることだと思っているので。(内閣は)僕はやっぱりフリーの選手なので、決勝に立って優勝したい」
関連記事
RELATED ENTRIES