奥田&永井が5位入賞 新人戦へと弾みつける/全日本大学グレコローマン選手権

2015.10.15
 ルーキーたちが躍動した。各大学各階級1人が出場して行われる今大会。初日は66、75、85、130kg級が行われ、75kg級の奥田海人(政経1=霞ヶ浦)、85kg級の永井基生(営1=八千代松陰)がともに5位入賞を果たした。11月に行われる秋季新人戦制覇に向け、大きく期待を膨らませた。
 収穫と課題は明確だ。2回戦、準々決勝をともにテクニカルフォールで勝ち進んだ奥田。迎えた準決勝では阪部(神大)の前に一歩及ばなかった。カウント2-1で第1ピリオドを終えるも、第2ピリオドが始まると相手にバックを取られペースを崩される。2―6から「狙っていた」と投げ技を決め、反撃といきたいところであったが、最後はローリングで8点差のテクニカルフォールとなり試合終了。敗者復活戦では開始1分を待たずにテクニカルフォールで敗れ5位の結果に終わった。しかし、やられるだけでは終わらないところに奥田の強さがうかがえた。試合後には投げ技を決めた後の姿勢の崩れを課題に挙げた。悔しい表情を見せるも「思い切りのよさを出せた」と手応えは十分だ。
 粘り強く戦い抜いた。永井が初戦となる2回戦に迎えた相手は、今年のインカレでグレコローマンスタイル3位の村山(大東大)。試合が始まると一進一退の攻防を展開し、第1ピリオドを1-0で終えた。第2ピリオドでも攻めの姿勢を貫き「自分の動きでできた」と見事に技を決め5-0で勝利。強敵相手につかんだ1勝は大きな自信となった。その後も「調子が良かった」と準々決勝では第1ピリオドでフォール勝ちを収める。勢いのままに準決勝突破を狙ったが、0-2で惜しくも敗退。腰から上だけを使うグレコローマンスタイルの中で、技をしかけることに苦戦した。敗者復活戦でも敗れるが、本業ではないスタイルで5位の結果には「上出来」と笑顔を見せた。
 「優勝」の文字を虎視眈々(こしたんたん)と狙う。今春の新人戦で奥田はフリー3位、グレコ準優勝、永井はフリー3位と、ともに表彰台へと上っている。11月に控えている秋季新人戦へ向け、両者が懸ける思いは人一倍だ。「もう少し専門的にやることができれば秋新人での両スタイル制覇が見えてくる」(奥田)。頂点へと上り詰めるため、期待のルーキーはさらなる成長を遂げていく。

[土屋あいり]

試合後のコメント
奥田

「グレコの練習は1、2週間ぐらいだった。5位という結果は思っていたより下。準決がヤマだと思っていたのでそこで勝って決勝にいきたかった。(準決勝は)相手が全日本級の選手だったので、思い切ってやらなければ勝てないと思っていた。できる限りの技をやった結果、思ったより点も取れた。思い切ってやるのが1番なのかな、と再確認した。小さくなったらだめなので、そういう意味でいい試合はできた。首投げ、大きい技でとるというのは常に狙っていた。(敗者復活戦は)自分の中では相手が強いというイメージはしいた。前半思ったよりもいい勝負ができたので、そこまで遠い存在ではないのかなと。思い切りのよさを出せたところもあった。(今回見えたグレコの課題は)グレコならではのがぶりや技があるので、そういった対策をしていかないと、力入れてやっている人には技をかけられてしまう。もう少し専門的にやることができれば秋新人での両スタイル制覇が見えてくると思う。(セコンドの先輩からアドバイスは)技を掛けた後の処理が甘くて、そこでカウンターをやられてしまう。もう少し粗をなくせと言われた。やはりそこはグレコにもフリーにも通ずるところ。投げの後に態勢が崩れているので、そこをすぐに直さないとカウンターを食らってしまう。改善したい。次戦の内閣では本業のフリーの方に戻るので、しっかり専念して高いところを目指してやっていく」

永井
「グレコローマンスタイルだったので、先輩に一緒に練習をしてもらっていた。フリースタイルみたいにタックルを意識して、フリースタイルに使える技をやってきた。(調子)すごくよくて、筋肉痛も全部無くて本当に調子は良かった。(初戦から強敵だったが)逆に強い相手だったので、当たって砕けるようなイメージで、挑戦という気持ちが自分のなかにあった。あんまり緊張しないでできたので、自分の動きでできた。やっぱり強い相手だから勝ちたいという思いもその分大きかった。競ったところで粘り強く戦うことができた。(準決勝)相手も強いけど、自分のスタイルを貫けず、相手のスタイルで戦ってしまって守り切られたという感じ。(5位)悔しいけど、上出来。今回は1回戦目で勝つのが一番の目標だったので、悔しいけどまた次勝てるように頑張っていきたい。グレコの選手ではないので、フリースタイルに役に立つグレコの技をこれからも勉強していけたらいい。(新人戦に向けて)優勝を目指しているし、強い先輩がいっぱいいるので相手してもらって当たりにいきたい。今回みたいに調子よく戦えればいい。(技術的には)組み手が重要になってくる。相手を崩すとか、タックルに入るために崩していくのが自分はあんまり得意ではないので、そこをやっていく。練習を努力して、勉強もして、絶対に優勝したい」