帝京大に敗戦し2回戦敗退も手応え/関東大学選手権

2015.10.12
帝京大に敗戦し2回戦敗退も手応え/関東大学選手権
 団体戦の大一番は、前年度に引き続き2回戦敗退に終わった。1回戦で関東学大を危なげに通過すると、2回戦は前回王者の帝京大と一戦を交える。結果は0―5と完敗するも各々に手応えを感じ試合を終えた。1回戦を勝ち上がることでベスト16入り。今年も全日本選手権への出場権を獲得した。

 相手が倒れたところに、大将・大隅愛斗主将(法4=日本航空)の突きが華麗に決まった。1回戦の相手は6月に行われた協会主催の全国選手権で大学の部優勝を収めた関東学大。2勝1分1敗と緊張が走る場面で大隅が勝利を決めてみせた。「相手が攻める組手じゃなくて守る組手でカウンターの組手だったので、自分たちから試合をやりづらかった」(大隅)。先鋒(せんぽう)を任された清水一歩(法1=世田谷学園)が敗戦するも続く田坂叡史(政経3=御殿場西)が1―0と善戦。しかし中堅を務めたエース・中野力斗(法2=花咲徳栄高)が引き分けとなるも、山田大樹(政経1=埼玉栄)が勝利を収め、大将の大隅に勝負をつないだ。
 開始1分間は見合う状態が続いた。残り約40秒になると、大隅が攻め込み相手が倒れた。そのスキを見逃さず上段突き一本。大事な場面で3ポイントを獲得した。それでも「3点だと蹴りとか投げもらったらまた追いつかれる」と焦る相手の攻撃を避けダメ押しの上段突き。4―0で2回戦へと駒を進めた。

 確かな手応えを得た。2回戦の相手は前年度王者の帝京大。0勝5敗とスコアを見れば完敗ではあるが「やってて全員が全員技も見えていて、そんな差はあんまりないかなと試合をやっていく中で思った」と大隅が語ったようにしっかりと戦うことができた。中でも次鋒(じほう)の中野は相手の猛攻を何とか防ぎ0―1にスコアを抑えた。さらに、田坂は「一番最初、相手が動く前に動いた」と言うように開始直後に上段突きを一発。相手の不意を突き先制ポイントを奪うことができた。
 この数週間で取り組んできたのは「自分から積極的に入る練習」(田坂)。例年より練習時間を増やし「自分たちで何ができるかっていうのを模索しながらみんなで一緒に考えながら練習ができた」と大隅。練習で思考を重ねることでチーム力も付いてきた。
 試合を終えた後、佐々木誠之介監督も「周りの人から言わせると、選手たちが変わってきたらしい。まだまだだらしないけど、そう言ってもらえるのは成長できている証」とコメント。周りの目にも映るほど、変化は徐々におき始めている。最後の団体戦の試合となる全日本選手権まであと1カ月半。練習をこのペースで重ね、今年のチームの総仕上げに相応しい試合にしたい。

[三浦亜優美]

<試合後のコメント>
佐々木監督

「まだ気迫がもうちょっと足りないかな。関東学院さんは日本空手協会の全国大会の大学組手で優勝していたから、なめちゃいかんということは分かっていたのでできるだけベストメンバーを組んだつもりだった。でもいまひとつ練習場で出せた技が出せてないところがあった。でも帝京戦であれだけ善戦できたのは良かった。0―5だけど、あの試合で選手たちが何か感じてくれればいいと思う。周りの人から言わせると、選手たちが変わってきたらしい。まだまだだらしないけど、そう言ってもらえるのは成長できている証だと思う。さしあたり六大学優勝して和道でも優勝して、今回全日本にも出られることになったから、この1カ月をどう過ごすかが大事になる。彼らがどこまで応えてくれるか。目標はもちろん優勝」

大隅
「1試合目は相手が攻める組手じゃなくて守る組手でカウンターの組手だったので、自分たちから試合をやりづらかった。しっかり副将の山田が勝って、つないでくれたので自分は楽に試合ができた。1試合目はみんな良かったかな。相手が倒れたので、突きが決まれば楽に試合を進められるなと思って本当に決まったので結果オーライです。良かった。3点だと蹴りとか投げもらったらまた追いつかれるので、そこで1ポイント取れたのは良かった。向こうは焦っているというか取りにきていた。(帝京大戦は)やってて全員が全員技も見えていて、そんな差はあんまりないかなと試合をやっていく中で思っていて、審判にもアピールできるようにしっかりポイント取れるようにならなきゃ勝てない。そこは技を磨いていきたい。差は練習時間は絶対短いのでその中でも体力をしっかりつけることと、帝京のようにここぞって時に技をしっかり決めれるようになれば、いい試合ができるかなと思う。今回は試合前の強化練をやって、普段より長い時間練習したがコーチも結構来てくれてその中で自分たちで何ができるかっていうのを模索しながらみんなで一緒に考えながら練習ができた。それが良かった。チームとしてはベスト8に入れたらいいかなと思う。1試合、1試合しっかり勝てるようなチームにあと1か月ちょいでなってその前に体重別があるので、そこでみんな入賞できる力を付けてからいい状態で全日本を迎えられたらなと思う」

田坂
「1試合目は動けてなかった。みんな固くて、何とか取れるとこ取って勝ったって感じ。2番目で、自分も固くて最後の最後ちょっと入ってラッキーパンチと言うかそれで勝った。点差は1―0。帝京大戦は大将だったのでとりあえずもう途中で決まっていたが頑張ろうと思っていて、4―0で回って来たのでできる場所までやってみようと思った。でも全然取れなかった。(先制については)これ行けるんじゃないかと思ったが、あっちもうまくもう二度目はないなって感じで、どんどん取られて取り返す力も技力もこっちは無かった。帝京は気迫がこもっているというか、がっつり前に来て痛いと言うか、勢いもあってすごい技が強い。しょっぱなだったのでスキを突けた。一番最初、相手が動く前に動いた。全日本は4年生も含めて最後なので、1、2回戦から強い相手と当たると思うので最初からみんなで高めていこうかなと思う。今回結構前に比べるとやりこんできたが、まだ足りないのかなという部分はある。時間は限られてるのでその中で密度の濃い練習にしていこうかなと思う。前に出る練習が結構多かったかな。自分から積極的に入る練習。フリーというか自由に組手をするのが多くやった。その中で本当前に比べたら全然前に出ていた。そういう練習が大きく変わったかなと思う」

中野
「今日自分は調子が悪かった。でも相手が強いということを聞いていたので、自分の結果は置いておいてチームが初戦に勝てて良かった。帝京はしょうがない。自分の1試合目は勝ちきれずもったいなかったし、2試合目は帝京大学っていう名前もあるところで、名前だけで(旗が)取れちゃうところもあると思うので、もっと審判が絶対取ってくれるような突きとか技を出せれば良かった。今回は技術面的なところより、体力とかそういうところで劣っていたので後半バテていた。全日本までの残りの1カ月でそういった面を頑張ったいきたい。インカレは4年生が最後なので、誰と一緒に出ても悔いの残らないように力を出し切りたい」