
法大に4―1快勝! 次節首位国士大戦に勢いつける/関東大学1部リーグ戦
流れを引き寄せる1発だった。前半35分、右サイドを突破した室屋の緩く曲がるクロスボールを「抜くのを信じてポジション取りをするだけだった」と抜群のタイミングで走り込んできた和泉が頭でねじ込んだ。キックオフから積極的にゴールを狙う明大だったが、得点にまでは至らず。徐々に法大に攻め込まれるシーンが増えてきた時間帯での先制点だった。「その前にかんちん(服部)が止めてくれたり、守備陣も体張ってくれていたので」(和泉)と守備陣の粘りに応える主将のゴールがチームに火を付けた。
バリエーション豊富な攻撃を見せた。多くの選手がボールに関わる流動的なサッカーを展開した後半は法大を翻弄(ほんろう)。後半18分には、カウンターからボールを持った和泉が左サイドを駆け上がってきた河面旺成(政経3=作陽)に送ると、河面の左足でのクロスに藤本が飛び込んで2点目を挙げる。この日2列目からの飛び出しを再三見せていた差波は、終了間際にペナルティエリアにまで顔を出し和泉の折り返しに合わせて4点目をゲット。両サイドからの崩しと、中央選手の飛び出し。引き出しの多さと決定力の高さを発揮した得点シーンに「クロスに対して枚数が入ってというのは練習の成果だと思う」と栗田大輔監督も満足の表情を見せた。
チームを引っ張る4年生が勝利に導いた。今節得点を挙げた4選手は全員が4年生。「リーグ戦は最後になるし、4年生がしっかりと引っ張っていくこと、得点だったりで貢献していくことが大事になる」と差波。勝負どころで必要になるのは最上級生の力だ。後期戦得点を量産する和泉、藤本に加え、好調を維持する瀬川、復帰した守備の要・山越康平(法4=矢板中央)ら4年生の活躍が逆転優勝へのカギを握る。
大一番へ弾みをつけた。次節は現在首位をひた走る国士大との対戦となる。リーグトップの得点数43を誇り、今節も5-1の大勝で駒大を退けた。爆発力のある相手に対し、不用意なミスは命取り。終了間際での失点には「しっかりと振り返ってトレーニングの中で反省していきたい」と栗田監督。ポイントとなる守備は後期5試合で3失点と好調を維持しているだけに、細部の修正で精度を高めたい。「まずは負けたくないとか絶対勝つという気持ち、強い気持ちだと思う」(和泉)と大一番に懸ける意気込みは十分。後期戦折り返しのヤマ場に向けて、今節の反省を含めて1週間しっかりと準備をしていく。
[鈴木拓也]
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試合後のコメント
栗田監督
「(今日のゲームを振り返って)先週神大に引き分けて、これから負けられないゲームが続いていく中で良いゲームができて勝つことができて非常にほっとしている。うちはポゼッションをするサッカーなので、ボールをつないだり相手を見ながらサッカーをやるんだけれども、目的はそこではなくてゴールを奪うところにあるので、全員がボールに寄ってしまうとサッカーが小さくなって相手に捕まってしまってカウンターを食らってしまうので。まずゴールから見ようという意識は常に練習から共有している。終了間際の失点もサッカーなので、またそこはサッカーなのでしっかりと振り返ってトレーニングの中で反省していきたい。(前節からの変化は)ずっとやってきている練習の精度を高めていることを意識している。先週の反省は選手たちもよくやっていたので、それと同時に我々がやり続けていることをもう一回精度を高めたり、自信を持ってやるということをこの1週間に当てていた。(多くの選手がボールに絡んだ得点シーンだったが)やっぱりペナルティエリアに入っていくことを全員の共通のテーマにしているので、後ろから越えていくということもずっとやっていたので、得点シーンはクロスに対して枚数が入ってというのは練習の成果だと思う。(後ろのリスク管理は)山越と小出がセンターの部分で安定しているというのと、ここにきて河面が左サイドで非常に安定しているので、それが大きいかなと思う。(来週の国士大戦がポイントになると思うが)今ずっとやり続けていることの精度を高めることに尽きると思うので、それを選手がどう感じてどこに成長できる部分があるのかを追求していきたい」
三浦佑介ヘッドコーチ
「非常に良いゲームだった。自分たちが練習でやってきたことができた。攻撃のつながりの部分が非常に良かった。サポートも早かったし、後ろだけではなく、前にもサポートが日あっていた。練習でやってきたことが、やっと出たなという感じ。練習でやっているのは、前の選手に当たった時に後ろの選手がどれだけ早くサポートに入れるかをずっとやっていた。前回の神大戦はボールを蹴ったりプレーが遅かったので、今週はずっと速くプレーすることを言っていた。速くプレーしながらも前の選手のサポートができていたので、今日はうちのゲームになった。神大戦から切り替えられたのは、『速く』ということを意識できたから。もともと出来ていた部分を神大戦では忘れてしまっていたので、思い出す作業をしただけ。前半は失うシーンもあったけど、相手にも勢いがあったので多少ミスが起こるので、そういう時になるべくミスが起こらないように練習していなければならない(得点のタイミングについて)1点目、2点目のタイミングは非常に良かった。2点目の前は少し前がかりになっていたけど、そういう時こそバランスが必要。選手の中でもそれが意識できていればいいし、前がかりになったら修正できればいい。次節はいつも通りのというのがキーワードなのかなと。精神状態はたかぶると思うけど、そういう時にどれだけ抑えていつも通り練習でやってきたことを出せるのかが大事なのかなと。普段通りにやれば絶対に勝てる。今日の試合をすればもちろん勝てる。でも国士大の守備も堅いので、もっと質は上げていかないといけない。(矢印という言葉をコーチ陣は使うがチームではどのように共有されているか)練習でやってきたことを合わせようという意味で解釈している。やっぱり矢印が揃わないと運動量が少なく見えたり、球際が弱くなったりしてしまうので合わせていこうということ。前にどうつけるかを練習しているので、それを思い出させる言葉」
和泉
「勝ちがほしかったので、とりあえず結果として勝てたのが良かった。みんなが前に走って、動いていた。けど1失点だけはもったいなかったと思うので、次はその1失点をしないために、なんでああいう失点を許したのか反省したい。それを今日良かった部分をチームで確認していくことが大事。矢印という言葉を使うけど、前を向いて、前向きに走って、前向きにサポートするのは練習中から言っていた。前の試合はそこが少し足りなくて、0-0になった。だから今週はとても意識していた。練習でやっていることを出せたから勝てた。チームとして、なぜ今日は出せたのかをチームで話し合うのが大事かなと。(1得点目について)成(室屋)が良い感じで回ってきて、抜くのを信じてポジション取りするだけだった。クロスが良かったので、決められて良かった。もともとあのぐらいはやれると思うので、それをしっかり帰ってきた1試合目で出せたのは本人としても良かったし、チームとしても勝ったしプラスになった。その前にかんちん(服部)が止めてくれたり、守備陣も体張ってくれていたので、やっぱり先制点は重要だった。自分たちの試合に持ってけた要因でもある。そのゴールを決められたのは良かった。でも失点したのは反省点。あの時間帯は遅かったけど、もう少し早ければわかんなかったし、そこは反省しないといけない。(4年生の4得点について)4年生が最後は大事。やってくれると僕は思っているので。僕自身もそうだけど、チームとしても4年生が活躍するのはプラス。(次節・国士大戦ついて)次勝つか負けるかで、優勝できるかできないかが懸っている重要な試合。どんな内容でも絶対に勝つことが重要。国士も気迫のこもった良いチームだし、勝つために練習でしてきたことを出したり技術的な部分もあるけど、まずは負けたくないとか絶対勝つという気持ち、強い気持ちだと思う。メンタル面でどっちが本当に勝ちたいのかをプレーで見せられるかが重要だと思う」
差波
「(今日のゲームを振り返って)勝てたことが良かったし、最近ゼロで後ろが耐えていてくれたので今日は4点取れて少しは後ろに楽をさせることができたと思う。みんなが勝ちたいという気持ちを持ってやっているので、色々な得点パターンで点が取れたので、それはチームの今後の自信になると思う。まだまだ僕自身ミスも多いし、もっと精度の高いプレーをしてチームを活性化していかないとチームをもっと楽にさせることはできないと思うので、もっともっとこだわってやっていきたい。(得点者が全員4年生だったが)リーグ戦は最後になるし、4年生がしっかりと引っ張っていくこと、得点だったりで貢献していくことが大事になると思う。(後半は前に追い越していく回数も増えたが)海(柴戸)との連携もよくなってきているし、お互いがお互いを見て出ていけるところはしっかりと出て、どっちかが攻撃に関わることができれば厚みも増すと思うので、お互いが意識し合っているので、分かり合っているのかなとは思う。(次節国士大戦への意気込みは)負けたらかなり厳しくなるし、絶対に勝ち点3を取らなくてはいけない試合になるので今週良い形で勝ってチームとしても勢いが出ると思うので、その勢いを止めずに国士大戦に向けてしっかりと調整していきたいと思う」
瀬川
「やってきた練習の成果が出た試合だと思うし、課題もある試合だった。ゴールはトラップが良かったのでスピードで絶対振り切れると思ったので、隣に竜司(和泉)がいるのも分かってキーパーがそっちをケアしてニアが空いたので。まぁもともとあまりパスを出す気はなかった。前半の途中と後半の最初のところで何回か自分と周りの状況含めて考え過ぎてしまって取られたシーンがあったので、自分が考えたようにやろうと思っていて。あのシーンはそれが出たかなと。室屋は後期初出場だったけれど、守備の部分では大臣杯とかもずっと一緒にやってきたのであんまり戸惑うことはなかった。攻撃も意図は合っていたのでパスミスだったりタイミングだったりがうまくいかないところはあったけれど見えてはいたのでそんなに躊躇せず試合を運べたかなと。次は国士大戦で、まず神大戦で勝てなかった要因として、早大戦もそうだったが、フワッとしたまま勝とうという気持ちがあまりないまま試合に入ってしまったところがあると思うので、まずは勝とうという気持ちをしっかり持つことが大事だし、とにかく幅を使いながらゴールを見ながらやっていけたらと思う」
藤本
「勝ったので良かった。すごく大事な試合とは言っていたので。もうみんなで勝つことだけを考えていたので、勝てて良かった。(2点目について)クロス上がる前に自分ファーサイドに逃げて、そのタイミングで来いと思ったらアキ(河面)が良いボールをくれた。前半、成(室屋)からのクロスをバーに当てた時は、ひねりすぎたので、ひねらずそのままゴールにみたいな感覚で入れた。入って良かった。練習でやってきたことを出せればいいと思っていたので、人がいい距離感でテンポよくやれていた。いい場面もあったし、そこはよかった。神大戦はみんな悪いと思っていたし、それを引きずってもしょうがなかったので、また練習して出すという風に切り替えていた。もう負けられないので、次も勝つだけ。(矢印の先頭として意識すること)DFラインの裏を常に狙うことと、相手を押し下げる意味でも狙っている。常に前にいるので、山越、小出(悠太・政経3=市立船橋)からのパスを受けられたら、中盤の二人が前向きにサポートに来られるので、引き出すという意味でも重要だと思う。前からの守備という部分でも、明治はずっとやってきているので、タイミング良くいってはめるシーンだとか、長い距離走ってDFラインが的を絞りやすいようにはしている。(次節・国士大大戦について)ここで決まると思う。自分たちのこれからが。チームにはまとまりがあるので、出ている選手、出てない選手に関係なく、チームで勝ちにいく。粘り強いサッカーをして、決めるべきところを決めたい」
室屋
「自分が後期試合に出るのが初めてでチームが良い状況にあったのでとにかく勝たなきゃいけないなと。それとずっと早坂(龍之介・法3=浜松開誠館)が出て良いプレーをしていた中で僕が帰ってきて試合に出るって形だったので、自分が力を見せつけなきゃいけないなと思っていたのでしっかりアシストもできたのでよかったと思います。今週はずっと明治でやっている。戦術の部分でこの半年間やってきたことと特に変わっていないので、合わせるのは簡単だった。前半の最初の部分とかで瀬川くんとかとコミュニケーションがうまくいかないシーンがちょっとだけあったが、試合の中で解決できたのでそこは問題なかった。ある程度チャンスを見つけるタイミングってのもうまくできたので、アシストで安心した部分はある。無駄な失点はあったがチームとしてハードワークしていて良かった。残りの試合は全部勝たなきゃ優勝できないと思うので、チームがもっともっと良くなるように、自分が入ったことでチームが良くなるようにしていきたい。(得点シーンは)練習通りで、中は見ていなかったが感覚通りに蹴って、あそこにFWが入るかなと思ったら竜司君がしっかりと決めてくれたので良かった」
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