亜大に完敗 1部昇格ならず/関東大学女子リーグ1部2部入替戦

2015.10.06
 1部昇格の壁は厚かった。2部優勝で迎えた亜大との1部2部入替戦。佐野真代(文3=津田学園)・森美咲(法3=富士見ヶ丘)組と井上鈴袈(国際2=城南学園)・福田志帆(国際1=幕張総合)組のダブルスで2敗すると福田、佐野、斎藤佳帆(文1=拓大紅陵)、森、熊谷ひかる(文2=浦和学院)の出場したシングルスでも勝ち星を奪えず全敗した。2年前の2部3部入替戦では日体大に勝利し2部昇格、昨年は2部最下位で法大との入替戦に掛かったが5―2で勝ち抜き2部残留。悲願の1部昇格を成し遂げる好機だっただけに悔しい一戦となった。 

 大きな重圧がのしかかった。序盤から1部昇格のプレッシャーでミスを連発し、いい出だしを切ることができなかった井上・福田組。第1セットは悪い流れを断ち切れず2―6と取られたが「自分たちのテニスをしよう」(井上)。そう気持ちを入れ替えると、2人の粘り強さを発揮。続く第2セットはシーソーゲームになるも、4―3から一気に突き放し、6―4と第2セットを奪取した。しかし第3セットは「絶対に1部に昇格したい」(井上)と気持ちが緊張につながり、大一番で強気に攻めることができず、相手にそのスキを突かれてしまう。流れを完全に持っていかれ0―6と反撃の余地もなく敗北を喫した。しかし決して試合は無駄にはならず「課題が分かった」と福田。浮き彫りに出た短所を修正し、次戦に向けさらなるパワーアップを目指す。

 エースペアが勝利をつかみ取れなかった。佐野・森組は「チャレンジャーの気持ちで挑んだ」(佐野)と第1セットを6―2で先取するも、第2セットはサービスゲーム5ゲームのうち3ゲームをブレークされ4―6。「ただ打つだけじゃなくてしっかりスピンを使って後ろの人を揺さぶって前でもしっかりポーチを決める形が確立されていた」(森)と1部校の強さを痛感した。最終セットは2―6と圧倒され敗戦。ダブルス2の負けが決まっていたためダブルス2戦とも黒星となった。

 逆転負けを喫した。ダブルスを2敗で迎えたシングルスは2戦落とした段階で1部昇格の挑戦は閉ざされる厳しい展開に。シングルス4で出場した森は第1セットを「打つテニスを抑えて相手のバックの高いところを打たせることを意識した」と6―1で圧倒。しかし第2セットは相手の田中(亜大)が修正し先に前に入られドライブボレーで決められる展開が続き1―1から1ゲームも取れず最終セットに回った。その時点でシングルス5の熊谷のストレート負けでチームスコアが0―3とあとがない状況。「なかなか勇気も出なくて悪い流れのまま立ち直すことができなかった」と1―6でゲームセット。この敗戦で明大の2部残留が決まった。

 挑戦は終わっていない。入替戦では全敗を喫したが7戦中5戦が最終セットまでもつれた試合だった。来年2部で勝ち抜く力は十分にある。この試合を最後に引退する沼尻泰代主将(法4=茗渓学園)は「私一人なのにみんな良く付いてきてくれた」と後輩に感謝の気持ちを述べた。「来年私たちが1部昇格する瞬間を見てもらいたい」(森)と新チームでも2部優勝を達成し1部昇格へ、チーム力を武器に戦い続ける。

[橋本杏菜]

試合後のコメント
上原監督

「亜細亜大学が強豪だというのは分かっていましたし、しっかり仕上げてきたなという印象ですね。そういう意味では一枚上手だったと思います。戦える戦力ではありましたが、何かそれぞれ一つキーワードが足りなかったのかなと思います。亜細亜大学の選手は最後の最後まで打って来る強さがあったんですかね。自分たちがやってきたことをぶつけてきた感じを受けましたね。それでエースになってしまったり押されてしまう部分があったのかなと思います。そこは我々のほうがチャレンジャーだったはずなのにそこを大事にいきすぎた部分があったのは否めないですね。ダブルスとかも最初きっちり取れてれば舵が切れたと思います。夏関からの流れは悪くなかったと思いますし、我々はできることはやったと思います。基本から全部やり直してチームをつくっていきたいと思います。今年やってきたことはまたそれで一つの財産になったと思うのでまた0から、体力作りからまたスタートしていきたいと思います」

沼尻
「やはり1部に昇格したかった思いが一番にありますが、初めての1部2部入替戦を経験して、来年への課題が部員全員に見えたと思うので、明確になった課題を克服し来年必ず1部昇格に繋げてほしいです。1部で戦ってきた相手に勝つためには3部から2部に上がる時よりもずっと大きな力が必要だと感じました。その差は体力面や精神面にあると思うので、少しの差を1年間で埋められるようにしてほしいです。選手、サポート含めて全員が全力を出せるよう、悔いを残さないようにできたらとチームをまとめてきました。私は選手がやってきたことを自信にプレーしてほしかったので、ミスをしても次につなげられるように雰囲気をつくってきました。正直会場で声を出せなかったのは辛かったです。その分明治は気持ちでつながっていたし、チーム力として高まっていたのであと少し足りなかったことが本当に悔しいです。私は4年間を通して3回入替戦を経験してきて、さらに1個下の後輩は1年生の時から入替戦を経験していて全てを見てきているので、来年必ず1部昇格を果たしてほしいと思います。今回は全員同じ惜しい戦いで負けてしまったので、その悔しさは絶対に来年につながると思います。私が入部した当初は3部で一つでも上に上がりたい気持ちでやってきました。なかなか人数もそろわない環境で戦ってきたので、戦力以前のチーム力はとても重要視してきましたし、チーム力あってこその戦力だと思っています。その部分は後輩がこれから部を築いていく上で一番大事にしてほしいことです。
4年生は私一人しかいなかったので、私に協力してあげようと思ってくれる後輩ばかりで本当に助けられました。この場を借りて感謝の気持ちを伝えられたらと思います。しかし、1人だったからこそ後輩一人一人とたくさんコミュニケーションが取れて、深い絆ができたのかなと思います。私が1年生で入った時は部員が5人で後輩を集めるところからスタートをしました。初めての後輩が5人入ってきてくれた時、それが素直に嬉しくて入部式で泣いてしまったこともありました。リーグ戦も一人二役、三役こなしてやってきたので、3部残留の時はとても悔しい思いをして、2部に上がった時は本当にうれしかったし、2部全敗で死守した時の経験全てが良い糧となったと思います。このステージを築いてきて下さった先輩方には本当に感謝しております。また、私は父がテニス部のOBであったことから、幼少の時から明治大学テニス部に憧れを持っていました。入学をスカウトして下さった上原監督、スカウトの大矢さん、そして部長先生、特に両親にはテニスを通してこのような経験をさせてもらったことにも本当に感謝の気持ちでいっぱいです。4年間社会に出るための最終準備段階として、テニスを通して沢山のことを学び鍛えさせて頂きました。これを自信に、これから迎える社会人でも輝ける人材を目指して成長し続けたいと思います。皆様、本当にありがとうございました」

佐野
「ダブルスは、亜細亜大がペアを崩してきましたが、チャレンジャーの気持ちで挑みました。ファーストセットは出だしが良く、自分たちのプレーができました。そこから相手がラリーをつなげてきたりと展開を変えられ、流れを相手に持っていかれてしまったと思います。ダブルス0―2になってしまい、一気に流れが亜細亜大にいってしまったと思うので、リーグ戦でのダブルスの重要さに改めて気付かされました。(シングルスは)負けが決まってしまっても、絶対自分が勝って1本取りたかったので、本当に悔しかったです。今回の試合で、多くの試合がフルセットにいきながら、勝てなかったのは練習量と体力の差だと思います。(相手は)ホームコートということもあり、また1部と戦ってきているので、今回の結果が現実だと受け止めて、来年に向け頑張りたいと思います。(このチームとして最後の試合となりましたが)沼尻さんがいなくなってしまうのは、本当に寂しいです。沼尻さんの存在は大きく、沼尻さんがチームを引っ張ってくれたから、ここまでやってこられて、チームがまとまったのだと思います。来年こそは1部昇格できるよう、最上級生としてチームを引っ張っていこうと思います」


「去年のリーグ戦が終わってから、絶対に来年は1部昇格しようとみんなでこの1年頑張ってきましたし、去年の2部6位から今年は優勝まで上り詰め、あと少しで1部に手が届くところまで来ていただけに、そのチャンスを逃してしまってただただ悔しいです。相手は1部で早稲田や慶応と戦ってきたので、ダブルスではどちらともファイナルセットまでもつれ込む形になったものの、簡単には勝たせてくれなく、やはり競った中で相手の方がうまく頭を使って勝負所でも先に仕掛けてきました。私たちはリードしていたのにも関わらず、途中から気持ちが引いてしまって自分から展開することができなくなり、展開しようとしてもその前にミスが出てしまい、ダブルス0―2スタートになってしまいました。その時点で相手に勢いを付けさせてしまったし、最初入ったシングルス3本でも私が真ん中で端にいる後輩たちをもっと盛り上げないといけなかったのにセカンドセットから自分のテニスが崩れてしまって立ち直すこともできなく、悪い流れを明治に持ってきてしまったのは本当に申し訳なかったです。でもほとんどがファイナルまでいってどちらに転ぶか分からない試合ばかりだったので、本当に1本の差だったと思います。アウェーの中でもいつも通りのテニスを展開して勝たないといけなかったんですけど、相手にホームということをうまく利用されてしまって、気合いもテニスも相手の方が一枚上手だったと感じます。(シングルスは)私も相手もバックハンドが苦手で、ファーストセットでは相手より先に自分が回り込んで、今日はいつもの打つテニスを抑えて相手のバックの高いところを打たせることを意識してプレーしたら、うまく噛み合って相手もミスを出してくれました。セカンドセットは相手もうまく修正してきて逆に相手の方が先に回り込んで私のバックを攻めてきて、スライスで返球したとしても切り返されてしまいました。先に前に入られてドライブボレーで決められる展開がずっと続いて、そこで私も何か違うことをしないといけなかったのですが、なかなか何か違うプレーをする勇気も出なくて、悪い流れのまま立ち直すことができませんでした。(2部昇格のときは)1年生でプレッシャーも感じず思い切りできたんですけど、今回は上級生になって後輩を引っ張っていかなきゃという気持ちと自分が勝たないと今日は勝てないと思っていたので、そのプレッシャーがのし掛かってうまく体も動かなくて頭も真っ白になってしまいました。(畠中先生は)私の流れが悪い時に来てくださって、笑ってテニス楽しんで、と声を掛けてくださって気が楽になりました。ずっと高校まで見てくれた人が今日も見てくれて安心感があってそれを結果につなげることはできなかったんですけど、心に余裕を持たせてくれたのは感謝したいです。(このチームとして最後の試合となりましたが)本当にみんな泰代さんが大好きで、私も含め円陣を組んだ時、すでに涙を流してしまう者もいました。泰代さんは1年生の時から一人でやってきて、1年目も一人で仕事をこなしてきたので、私たちの入部式のときに後輩ができたと泣いて喜んでくださったんですよ。その姿を見て、泰代さんのことを私たち3年生が支えてあげなきゃいけないとこの3年間思ってやってきましたし、先輩後輩だけど同期のように一緒に頑張ってきました。泰代さんとの最後の戦いは勝利で終わりたかったんですけど、それができなかったので、来年私たちが1部昇格して新しい歴史ができる瞬間をぜひ見てもらいたいと思います。ついに、私たちが一番上になる年がきたので、1部と試合ができたこの経験を活かし、来年こそは絶対に1部に昇格して後輩たちに有明でプレーできるステージをプレゼントしてあげたいです」

井上
「1部昇格が懸かっていたので勝ちにこだわりすぎて緊張してしまい、2人で頑張ってきたことを全て出し切ることができなかったです。セカンドセットは自分たちのテニスをしようと話してプレーに集中することに徹底しました。ファイナルセットは相手の絶対1部に残りたいという気持ちが前面に出でいてここ一番で強気になれませんでした。緊張した場面でもしっかり自分の持ち味のストロークを打てるようにしたいです。今日まで主将としてチームをまとめてくれた泰代さんのおかげでしんどい練習も乗り越えられました。一人一人に合った言葉を掛けてくれ、一人一人に合ったモチベーションの保ち方をしてくれました。みんな泰代さんのために頑張ろうと思えたことが一番良かったです。再来年1部で活躍できるように、来年こそは1部昇格を必ず決められるようにまた一年頑張りたいです」

熊谷
「高校時代に一度試合をしたことがある相手で、どんなテニスをするのかは知っていたのですが、自分の得意なタイプじゃないので嫌だと思いながら試合に入ってしまいました。押されて負けるより、攻撃的にプレーした方が良いし、考えてプレーしないと試合には勝てないと思ったのですが、やはりファーストセットは緊張してしまい、ポイントを取ってもゲームを取るに至らなかったのがもったいなかったです。もっとファーストセットからリラックスしてしっかり自分のテニスができていたら、勝てた試合だったと思います。セカンドセットからは緊張がほぐれてきて相手のボールにも慣れてラリーができるようになりました。しかし決められてしまう場面が多く、相手がうまいという感じでした。(監督やコーチからは)相手もうまいけど、最初からセカンドセットの最後のようなプレーができていたら、もっと変わっていたと言われました。自分の打つ球に相手が合っていたので、そこを無理せずしっかりラリーを続けたり、緩急をつけるためにスライスを混ぜることができたら、カウントも違っただろうと言われました。(今までのリーグ戦を総括して)1戦目から勝ち星をつけることができて、その流れで今まで来られたと思います。また、主将がしっかり選手一人一人の身体について細かく気を配ってくれたり、自分たちに合った練習をさせてくれました。そこからサポートしてくれている人たちのためにも頑張ろうという気持ちが一人一人に芽生えてここまでいい結果につながったと思います。監督も仰っていましたが、日々の練習があったからこそ、みんな明治のテニス部のために頑張ろうと思ってここまで来られたのだと思います。(今後の課題は)私は強打して攻めることはできるのですが、ディフェンスや緩急をつけることが得意ではないと前から言われていました。そこがまだ改善できていないので、これからもっと意識して練習していきます。また、サーブ力は大切だと思うので、もっと強化して楽に試合が進められるようにしたいです」

斎藤
「今回みんな1部昇格したい思いが強かったと思うので0―7で負けてしまったのは悔しいですけど、リーグ戦が進むにつれてチームの力や雰囲気が良くなったのは良かったです。主将の沼尻さんも最後ですし、1部昇格して終わりたかったんですけど、沼尻さんのおかげでこのチームが成り立ったと思いますし、その伝統を受け継げるよう頑張りたいと思いました。1部と2部の壁は大きくそんな簡単に上がれないと思いました。それでも明治は食らいついたと思います。決め切るところやトライする気持ちは亜細亜の方が上でしたが1部校との対戦は良い経験になりましたし、次は絶対リベンジしたいです。(1部昇格に不可欠なものは)すべてのチーム力をさらに上げて、練習から一球一球無駄にしないで、1点、1球の重みをしっかり感じながら練習して、試合でも同じことができればいいと思うので、日ごろの練習から変えていきたいと思います。(シングルスは)ダブルス0―2で亜細亜大学に流れをもっていかれてしまったので、最初のゲームは絶対に取ろうと思って挑みました。でも相手は強くて、ゲームを取って取られる繰り返しになってしましました。でも(森)美咲さんが入ってきてくれて、応援ができなかったので選手の声で自分の気持ちを盛り上げていこうと思いました。チームが負けてしまった時は私もファイナルセットの状態でリードされていて、それでも明治は強いんだというのを見せたくて一本でも多く取れるよう食らいつき挽回できた部分もありました。負けてはしまったんですけど、普通に負けるよりは挽回して負けるのとで相手も感じ方は違うと思うので、悔しいですけそういう意味では良かったと思います。(1部昇格に向けて)はじめてのリーグ戦に1年生で経験させてもらったので、来年2年生になって後輩もできて、この経験を忘れずに、絶対に1部昇格する気持ちを強く持って、来年は全部勝つつもりで頑張りたいと思います」

福田
「ただただ悔しいです。ダブルスはセカンドセット取れたのですがファイナルセットを0―6で取られてしまいました。このメンバーで出来る最後の試合だったので悔しいです。主将がすごくまとめ上げてくださって安心して試合ができる環境を常につくってくれました。支えになってくれて、ついていこうと思えました。今日課題が分かったので次の試合に向けて、来年は1部昇格ができるように練習して戦いたいです」