
開幕戦ぶり2勝目 筑波大とのフルセット戦制す/秋季関東大学男子1部リーグ戦
攻撃のミスで流れを呼ぶことができなかった。第1セット、相手のミスで得点を重ねながらも、高さを意識しすぎたスパイカー陣のアタックミスで流れをつかむことはできず。この日、明大スタメンの平均身長180cmに対し、筑波大スタメンの平均身長は186cm。大きく点差が開くことはなかったが、終盤には完全に勢いを失い21─25でセットを落とす。続く第2セットは4─7の追いかける場面で與崎、中盤には野村を投入。相手のミスに助けられながらも攻撃の乱れで勝機につなげることはできなかった。23─25でセットカウントを0─2とする。
「ここぞの一本で決めてくれた」(瀧野)。第3セット「雰囲気を立て直すことに徹した」という野村のスパイクで得点を奪い盛り上がりを見せると、それまでスパイクに苦しんでいた濱中俊生(商3=弥栄)が「(野村、與崎が)声を掛けてくれたりして、気持ち的にも楽にできた」と息を吹き返す。4─4からはレシーブで粘りの展開に持ち込んでから最後を濱中に託し、レフトスパイク、フェイント、バックアタックと多彩な攻撃で3連続得点。筑波大のタイムアウト後も與崎のアタックなどで13─5と大きく突き放した。その後も続くラリーからラストボールを相手コートに次々とたたき込み完全に明大ペースへ。最大10点に開いた点差を逃げ切り25─18でこのセットをものにした。第4セットは終盤まで点差の開かない攻防が続くも、筑波大は1セット目からミスが減らずサーブミスだけで8本。対して明大はわずか2本と攻撃陣の好調に加え、ミスの数が終盤に響いた。26─24で接戦を制しフルセットに持ち込んだ。
勝負のフルセットへ。明大はここまでの4敗中国士大、順大、早大の3敗をフルセット負け。何度も目の前の勝ち星を逃してきたが「負けるっていう雰囲気がなかった」(與崎)「絶対に勝てると思っていた」(野村)。3セット目でつかんだ流れは勝利への確信へと変わっていた。これまではミスなどから連続失点で流れを完全に断ち切る展開がほとんどだったが、粘りの展開でもスパイクミスはなくサーブミスも1本のみ。点差は開かずとも確実に流れを呼んでいた。最後は「読みが当たって良かった」と原潤一(文4=習志野)のブロックで15─11。待ち望んでいた1勝をつかんだ。
待望の勝利もまだ危機感はぬぐえない。今試合、勝利につながったのは「肉体的にも精神的にも追い込んだ」(瀧野)という空き週期間でのブロック、レシーブの強化練習からの粘り。しかし「このチームは負ける要素が結構多い」と與崎が話すように流れを最後まで保ち続けるには不安定さがあるのは事実だ。粘りの次に求められるのは、持ち味の一つであるコンビ。次戦の相手は3勝3敗で5位の専大との対戦となるが「どういう形でも勝つ」(瀧野)。成長を続ける明大の快進撃が始まる。
[川合茉実]
日付 | 対戦相手 | 場所 | スコア | ●2{18―25、19―25、28―26、31―29、12―15}3 | ○3{21―25、23―25、25―18、26―24、15―11}2 | ― | ― | ― | ― | ― |
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試合後のコメント
瀧野
「1、2セット目取られたが自分たちのミスで流れを悪くしていることは分かっていた。雰囲気さえよくなれば勝てると思っていた。メンバーを代えて、雰囲気がよくなったし、セットを取られても全員が勝てると信じていた。(3セット目からよくなった要因)1、2セット目はスパイクミスが多かった。3からはミスもあったが、野村、與崎を入れたことでミスが少しは減った。ここ一本というときにスパイカー陣が決めてくれたのが大きかった。そこで連続失点も防ぐことができた。(鬼門のフルセット)5セット目の入りがよかった。全員が声出して、相手のミスに助けられたところはあったが集中してチームとしてまとまれた。今後にもつながるし、フルセットになっても強気で戦えると思う。そういう意味では勝てたことはよかった。(相手ブロック高いが)僕はレシーブを上げたりスパイカーにブロックの数を言うことが仕事。自分のプレーはしっかりできた。セッターもトスを振ってくれた。(明大のブロック)レフトに対してのブロックはすごく強い。ただクイックとかライトとかに対しては抜かれることが多かった。ワンタッチが取れたのはよかった。(週が空いたが)ミーティングをして今後どうするかを話し合った。何を強化すればいいかということでコンビについてとブロックとレシーブの関係について徹底した。ブロックとレシーブに関しては形になったがコンビはまだまだ。継続してやっていかないといけない。この一週間は肉体的にも精神的にも追い込んだのでそれが実ればいい。(後半戦の戦い方)どういう形でもいいから勝つ。いい流れを持って全カレに挑むと全員で共有している。一戦必勝でやっていきたい。今日みたいに気持ちで負けなければ負けることはない。強気でいく」
小野寺徹(営3=東洋)
「内容的にはかなり修正するところもある。でも何よりもフルセットで勝てたというのが大きい。(フルセットでの連敗など前半戦から見て)負けは続いていたが、勝つしかなかったので、勝てたのが本当に大きい。気持ち的に一つにまとまっていたからというのもあるし、相手に比べてミスが少なく攻めれたので勝ちにつながった。(不調の期間)得意だったブロックに力を入れて、最近になってやっと(試合に)出ることができるようになった。でもまだ今までの動きはできていない。まだまだ自分の中ではこれから。4年生中心の方がチームとして強くなるから、早く戻ってこいということを(同期に)言われて練習に取り組んでいた。(修正の部分)しっかりキャッチに入って、サイドに決めてもらうのがひとつの流れの中、なかなかできなかった。しっかり読みと動きと、あとは相手のクイックとマンツーマンになった時に打たれる、出されてしまうことが多かったので、しっかり前に出せるようにすること。それまで負けが続いていた中でひとつ切れたので、自信にはつながる。もちろんまだ2勝なのでここで満足はせずにしっかり後半戦全部勝ち切れるように、切り替えていく。(次戦の)専大はだんだんと調子を上げてきているチーム。負けないように集中してゲームに取り組みたい」
野村
「2セット目中盤、リードされている中で僕が入って。3セット目以降は粘って粘ってという形でいけた。相手のミスが多かったのでそれで点をもらった部分もあったが、粘れるところで粘って、サイドが決め切れていた。気持ちの面で良かった。(途中出場)何か意識というよりは、いつも代わって入ったら元気良く、プリティにやっていく気持ちでいる。雰囲気を立て直すことに徹した。全体的にものっていけたのかなと。(フルセットでの勝利)僕は絶対勝てると思っていた。流れは相手もミスしかしていなかった。自分は(試合の)最後まで、フルセットで試合に出たのが初めて。でも勝てるという気持ちしかなくて。1、2セット目はあまり濱中も決まっていなくて、3セット目から濱中も決まり出した。(與崎の途中出場)風人(與崎)が代わっていろいろ動いて決めてくれてまとめてくれた。そういった面から3、4セット目はチームとしてしっかりできあがることができた。なので5セット目は全員が気持ちが整っていればいけると思っていた。負けるという思いがなく、向かって行けたのが勝ちにつながった。(高さのある筑波大)うまくジャンプを遅らせて、タイミングをずらしたりいろいろ考えながらやっていた。うまくいった。僕も、風人も中盤によく決まって。考えたことが、決めるプレーでつながったのは良かった。(後半戦勝ち星スタート)正直、前半も一発目勝っていたので気を抜けるような状況ではない。でも楽しくやっていこうかなと。2勝4敗で負け越していて、今日でまだ2勝目。目標はインカレ優勝なので、ここでは勝ちを重ねて自信をつけていきたい」
原
「良かった。最後もブロックの読みが当たって良かった。1、2セット目では相手がどんな攻撃するかがイメージ付いていなくて、3セット目以降からパターン見えてヤマが張れた。それでもスパイクのコンビは練習不足でなかなか合わなくてあまり良くなかった。(途中出場の)野村が自分の役割を果たしてチーム盛り上げられたのが結果につながった。今日はどれだけ我慢ができるかがカギだったと思うし、ミスしてたら勝ててなかった。さらに少し攻める気持ちでやれたから勝てたと思う。これができれば今後も勝っていけるはず。(これから春季リーグ戦下位チームと当たるが)春とは変わってるし、逆に自分たちより格上だと思っているから、明日以降もチャレンジャーとして臨んで、ミスを減らして勝ちにつなげたい」
與崎
「このチームは負ける要素が結構多い。今までで一番多いかなと感じる。勢いに乗れるときは乗れるけど、乗れないときのほうが多いところとか。選手自体の調子は悪くなくても、雰囲気をつくれないところがある。チームの課題としてそれがある。そういうところがもう少し改善できたらと思う。今日は3セット目くらいから流れができていたように感じたので、結果に結びついた。これを持続できるようにしたい。(2セット目からの出場)後半戦初戦を勝てるかどうかでこの後チームの雰囲気とかも変わってくると思うので、雰囲気をしっかり上げて、いい形で勝てればいいかなと思って入った。うまくいってよかった。下級生が主体で入ったチームになると雰囲気が締まり切らないという部分はあるので、代わって入った時はそこをしっかりと意識している。(今日のプレー)まだまだ。合わないトスに対しても決め切ることとか、リバウンドをしっかり取るとか、もう少し泥臭くできたらいい。自分たちで決めたことをしっかりやれば通用すると思う。調子は上がり切ってはいないけれど、1戦1戦気持ち出して上げていけるようにやっていけたらいい。(前半戦との違い)前半戦は5セット目に行ったときに勝てる雰囲気とか勢いが全然なく感じた。今日は5セット目入った時点で負けるっていう雰囲気がなかった。そういうところで勝ち切れたのかなと思う。(空き週)国体でいなかったので離れていたけれど、それなりに改善はできていると思う。まだまだ甘い部分もある。レギュラーが向上心とか、上を目指す気持ちが欠けているのかなと思う。驕りっていうのがレギュラーにあるからチームが伸びていかない。下級生も若さを生かして勢いをつくっていいと思う。自信がないからなのか、やれないのかは分からないけれど、下級生にはそういうこともやってほしいかなと思う。1戦1戦しっかりやって5戦全勝すれば真ん中の位置には行けると思うので、しっかり勝って全カレにつなげていけたら、いい結果につなげられると思う」
濱中
「勝ちは勝ちなので、全然勝ててなかったのですごいうれしいんですけど、内容的には向こうのミスで勝てたような感じ。こっちはレシーブ全然上がってなかったですし、コンビの部分もクイックが使えてなかったりとか、課題はたくさんある。ただ今回は相手がミスしてくれた。気持ち的には少し楽になったと思うので、プレーのほうを修正していければいいと思う。こっちがあんまりサーブとかをミスしなかった。最後お互いサーブ攻めていたけれど、こっちは入って向こうがミスしてたところに差が出たのかなと思う。僕たちもサーブミスしてたら同じことになっていたと思う。そこの差は調子と気持ち。勝ちたかった。向こうが先にミスをしてくれたので攻めやすかった。(途中出場の與崎・野村)出てた二人が調子悪かったので、よくなった。声を掛けてくれたりして、気持ち的にも楽にできた。(今日のプレー)あれだけジャンプサーブ打ってミスしなかったのはよかった。今回からジャンプサーブにして、攻めないと勝てないと思ったので。明治は小さいチームでブロックもいいというわけではないので、守りに入ったら駄目。今回本当によく分かった。(1週間)練習試合とかをいろいろやって、レシーブの新しい形とコンビの関係を確認した。今日は相手の攻撃に対してレシーブの形が整うまでに時間が掛かってしまった。相手の攻撃に合わせて自分たちの形が組めてたらもっと早くからレシーブも上がったのかなと思う。後半戦まず勝てたのはすごいいいと思う。ただ前半戦も1戦目勝ったけど次から駄目だったので、明日かってつながればいいと思います」
辰巳
「連敗が続いていたから、どんな形であれ勝てて良かった。(1、2セット目は)自分たちで点数取れるところでミスしてリズムつかめなかった。お互い打ちにいってミスしていたけど、こっちのミスが減ってからは流れがつかめたと思う。途中から與崎さんと野村さんが出てきて自分が広い体育館で不慣れなところをカバーしてくれた。空き週は常に試合想定して、自分たちがプレッシャーかかる練習をしていた。このまま自分たちのバレーができればいい試合できると思うから自分たちがそれぞれの仕事をできればいい」
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