
神大とスコアレスドロー 勝ち点1は確保/関東大学1部リーグ戦
守護神の壁は厚い。今節、明大のシュート数5本に対して神大は9本と2倍近い差があったが、0―0のスコアレスで試合を終えることに成功。その立役者がGKの服部だ。後半開始直後、ペナルティーエリア右前でFKを許してしまった明大。相手キッカーが蹴ったシュートはカーブしゴール右上に飛んでいった。あわやゴールかと思われたが、服部のビッグセーブで阻止。「準備をしていたら当たり前に止められること」(服部)。アミノバイタルカップで開花した守護神にとってビッグセーブなど容易なことだった。
チームが良いとは限らない。GKの活躍が光るのはチーム全体のプレーがうまくいっていないということ。5試合中4試合は無失点で守り抜き、堅守を見せてはいる。しかしGK頼りになってはいけない。チーム全体での組織的守備が必要となる。
優勝するための課題が見えた。前半の立ち上がりからパスでつながず、前へ大きく蹴り出すことで間延びを生み、高さで分がある神大にボールを取られることに。また「判断が遅かった」(和泉竜司主将・政経4=市立船橋)と一つ一つのプレーが遅くボールロストを招き、前半は神大にペースを握られてしまう。「相手のいいところを出させてしまった」(栗田大輔監督)とリズムを作れず、逆に神大らしさを出させることになった。後半になると本来の明大の動きを取り戻しラスト15分には猛攻を見せたが最後まで得点は奪えず。国士大戦、慶大戦など今後控えている強豪校との試合で同じことを繰り返したらドローでは済まない。徹底した修整が求められる。
次につなぐことはできた。勝ち点1を得て、順位を一つ落とし暫定5位となった明大。しかし「負けなかったのは前向きにとらえるべき」(和泉)と敗戦は避けられた。次節は暫定6位の法大戦。優勝の夢を胸に勝ち点3をつかみ取る。
[渡邊弘基]
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試合後のコメント
栗田監督
「10月これから上位対決が控えている中で一発目の10月の試合だったので結果を求めたかったけれど、よく言えばよくドローで終わったし試合の中で反省する部分もいっぱいあってその中でも引き分けでまた次につながったことをポジティブに捉えてまた来週に向かおうかなというところ。立ち上がり、前半の内容がちょっと悪かった。前半にボールを蹴り込んでしまったところが間延びを引き起こしてしまった。あと一つ一つのプレーが少し遅くてミスを誘発していて相手のいいところを引き出してしまった。後半に入ってテンポがだいぶ速くなったので明治のリズムになって、点を取りに行ったけれどそこで点が取れなかったので引き分けになったのかなというのが冷静に分析する部分。(HTにはどのような話を)もう一度テンポを出すこと、セットプレー、一つ一つのプレーを速くする、あと相手を見ながらしっかりとつないでビルドアップしながら前に運んでいくことの確認をした。前半は相手が前がかりに来ていた。後半は明治がゲーム自体は支配したのかなという印象がある。(次節に向けて)早稲田に負けた試合が失点を2しているけれどそれ以外の試合は失点0で来ているので、いい意味でポジティブに捉えて今日のゲームの反省をしっかりして、来週からの連戦に備えて勝ちに行きたい。(今日の試合の反省点とは)単純にミスが多いのと前半の立ち上がりに相手のプレッシャーが速かったりした場合に前がかりで来た時のビルドアップだと思う」
和泉
「勝ち点3が欲しかった試合なので納得はいっていない。けど、負けなかったのは前向きにとらえるべきだし、DFも5試合中4試合無失点というのは頑張っている。前で得点を取りたかったけど、取れなかったのが結果につながっている。納得はしていない。今日は最後の部分よりも1個前の部分。最後のクロスやシュートの部分より、その1個前の判断が遅かったり、サポートも少なかった。そこがよくなかった。ロングボールも多かった。明治は下でつなぐチーム。後半は少し意識してロングボールを少なくしたけど、もっと下からつながないといけない。相手も180越えの選手が多くて、しっかり足に出したりつなぐ意識をもってチームでやるべきだった。間延びもしてしまっていた。それで相手が1番やりたいサッカーをやらせてしまった。ロングボールだとどうしても弾かれてしまう。セカンドの部分でもボランチにきて欲しいシーンでも相手のほうが近くて拾える回数が多かった。相手は前からきていたけど、そこはしっかりつないでいかないといけない。明治は蹴っちゃだめだし、自分たちのサッカーができなくなる。今日はそこがはっきりできなかった。前の選手を考えたら下でつないでいくべきだったのかなと。自分たちが相手のやりたいサッカーをやらせてしまったので、どうすれば相手のプレッシャーを上回って、プレッシャーを上回るサポーツやつなぐ意識を持たないといけない。ミスしたら奪い返せばいいので。リスクを侵さないことが相手にとっては楽で、相手がやりたいサッカーができる状態だった。でもその中で前の選手が1点でも取れば勝てていたので、そこは僕個人も悔しい結果になった。チームとしてはそんなにマイナスにとらえすぎずに、上位陣との直接対決も残っているので。そこを目指して1試合1試合やっていくだけだと思う」。
差波優人(商4=青森山田)
「引き分けというのは残念な結果になったけれど、勝ち点1取れたからよかったと思う。服部中心に守備陣が耐えてくれていたので、攻撃陣が点を取れればよかったけれどこういう時もあるので切り替えて良い準備したい。まだまだ連携の部分は合わない場面もあると思うし、練習で落とし込んでもっとやっていかなければいけないところかなと思う。できればもっと早い段階で点を取りたかったけれど、後半までずるずるいってしまったので攻撃陣は反省するところだと思うし、ラスト15分くらいの猛攻をもっと早い段階からやることができればもっと楽な試合になったのかなと思う。球離れを速くして勢いを持ってペナルティーエリアの中に入っていくというところはみんな意識していたと思うし、それがチーム全体で共通でできていた。点入ってないので、そこでもっと点が取れるような攻撃をしていくことができればもっといいと思う。相手の守備が体を張っていたというところもあるし、シュートまでの形というのが前半少なすぎてなかなかシュートまでの形というのがうまくつなげてなくてできていなかったので、後半の残り15分くらいの形を前半の最初からやることができれば点は必ず取れるし、和泉だったり藤本だったり点を取れる選手はいっぱいいるので点を取って試合を楽に進めることができればもっと強いチームになると思う。こういう時もあるしこの悔しさをみんなが受け止めて今後勝ち続けるために良い準備をするというところをみんなが意識してやればいいと思うし、この引き分けでずるずるいくのではなくてこの悔しさをばねにしてまた連勝を続けていければいいのかなと思う」
藤本佳希(文4=済美)
「勝ちたかったんですけれどもスコアレスドローに終わって悔しい。けれどまだまだ試合はあるので、負けなかったということをポジティブに考えていきたい。 相手がかなり前に圧力かけてくるチームで、そのなかで自分たちの意図するボールの回し方だったりサポートだったりがなくて、前節に比べてもあまりボールをつなぐことができなかった。ただそのなかにもチャンスはあったので、やっぱりそこで決めて勝って反省したかった。正直コンディション的にもあまりよくなかったが、それは自分の責任。ベストな状態でのぞめるようにならなくてはいけない。今の明治が点を取るために必要なのはゴールに向かう人数。ペナ内でどれだけ人数をかけられるかだと思う。ただ最終的にシュートを打つのは人なので、打つ選手がどれだけゴールやシュートに対してこだわりを持てるかだと思う。 これからまた強い相手との対戦が続くので、先は見ずに一戦一戦やっていくしかない。ここで気持ちを落とすのが一番良くないので。ここで切り替えて次の試合もいい状態で臨みたい」
山越康平(法4=矢板中央)
「相手が蹴ってくるのに対してうまく対応できず、ずっとこちらの陣地でプレーしてしまった。服部が何回かファインセーブしてくれてなんとか無失点で終われた。前節の相手はつないでくるサッカーだったが、今節の相手は思いっきり蹴ってくる。結果は同じ無失点でもそこの対応で守備の質が違う。うまく守れているところもあったけれど、明治は蹴ってくる相手が得意ではないので、そこへの対応は今後の課題だと思う。 今日は後ろから見ていても、プレーが一度途切れると相手に合わせて蹴ってしまっていた。もっと早くリスタートができていれば違う展開になっていた。 自分自身のプレーにも課題があって、たとえば前半の相手に抜けられたシーンは相手がもっとうまければ決められていたと思うし、上のレベルでやるためにはああいうピンチはまず作っちゃいけない。 今日の引き分けは確かに痛いけれど、終わったことなのですぐに切り替えるのが大事。どの試合が大切とかではなく、一戦一戦確実に勝ち点を積み重ねていくことが大事
服部
「(今日の試合を振り返って)立ち上がりまり良くなくて試合をうまく運べなかったというのが正直な感想。その中でポジティブに捉えるとしたら0―0で終わることができたから、それは前期に比べて良くなったと思う。(ビッグセーブが何度もあったが)そんな僕の中ではビッグセーブってわけではなかった。準備をしていたら当たり前に止められることだと思う。(逆にそれはチームとしてはうまくいっていなかったのでは)やるべきことはしっかり話し合っているし、合わせられているが、それをゲームで出せていないことが現状。あと1週間あるから、その間にまた1から話し直してポジティブにやっていければいい。(ビルドアップがあまりうまくいっていない印象だったが)それがズバリって感じ。前半特に相手に合わせて蹴ってしまうことが多かった。つなぐのが明治のサッカーなのに、ビルドアップからバラバラになってしまった。前の選手はつないでほしいのに、後ろの選手が無理だからって蹴ってしまうと間延びして良いサッカーができなくなってしまう。後半はしっかりつなげていたから、前半からつなぐ意識を持ってやることが大切。(ハーフタイムでは守備陣でどういった話を)悪いなりに0―0でゴールラインを割らせていないから、ディフェンスは前がしっかり点を取ってくれることを信じて割り切ってやろうと話していた。個々も強くなったというのもあるが、山越くんが戻ってきて守備ラインが全体的に安心して守れているって印象はある。(次節に向けて)これ以上離されてしまうと優勝というのが、見えてこなくなってしまうのでしっかり勝ち点3を取れるように後ろは0にししっかりまた1週間頑張っていきたい」
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