シーズン初戦でアベック優勝/東京選手権

 いよいよフィギュアスケートシーズンが開幕。シーズン初戦となった今大会にて女子は西野友毬(政経4=私立武蔵野)が2連覇し、男子は野添紘介(商4=東福岡)が初優勝を飾った。またルーキー・梶田健登(政経1=明大中野)も3位入賞と健闘した。

女子
 明大の女子エース・西野は初戦から見せた。躍動感のある演技を披露し54.71点と好スタートを切ったSP。迎えたFSではジャンプを全て決め、体の柔軟さを生かしたスピンや持ち前の表現力で他を圧倒した。そして最後は2位に10点以上の差をつけ158.41点で2連覇を達成。「シーズン初戦でここまで良い演技ができたことはすごくびっくりしている」(西野)と、シーズン初戦を笑顔で終えた。

男子
 念願の大学初優勝となった。おととしはFSで順位を落として表彰台を逃し、昨年はSPの結果で悔しい思いをした野添。ラストシーズンである今年こそはと臨んだ今大会、会心の演技で優勝を勝ち取った。「あと一歩というところで逃してきて、最後のシーズンで一回でも優勝できたのはすごく自分にとって大きい」(野添)と笑みがこぼれ、好調な出だしを切った。
 また今大会は3位に梶田が入った。「1年生の勢いがすごくて良い刺激を受けた」(野添)と、今大会を欠場しJGPにおいて7位という結果を収めた鎌田英嗣(営1=獨協)をはじめ、今大会3位の梶田、5位の佐上凌(商1=武蔵野)と期待のルーキー3人からはますます目が離せない。

[石塚真維]

試合後のコメント
他を寄せ付けない演技を見せた西野

「シーズン初戦でここまで良い演技ができたことはすごくびっくりしているし良い始まりだと思うので、このままどんどんシーズン通して出てきた課題をこなしていきたい。昨年のこの時期よりは回っているが少し回転不足があったり、ステップの部分でまだ100%動いていないのでそこを直していきたい。点数は良かったと思える点数が出たのでうれしい。夏からの練習はすごく良いように詰めていてFSも練習でノーミスをすることができたのでそういうところが自信と今回の結果につながったのではないかと思う。野辺山での3回の合宿で体力づくりだったりジャンプの感触をつかんだりした。短期集中で練習して就活とスケートを両方やっていた。今年のシーズンオフは就活の割に詰めていたのかと思うくらいだった。SPの方がFSより自信がなかったのでループを外していて不安だったがそれが入って、全部決められたことは自信につながるかなと思う。2本目のジャンプが決まってそこで波に乗れた。ルッツは練習でも入っていたからあまり心配ではなかったがループの調子が悪くて、でもこれから良くなっていくと思う。今までクラシックでゆっくりした曲が多かったので、こういうフラメンコに挑戦するのは初めてで自分でこなせるのか不安だった。全然できなかったのでバレエの先生とか社交ダンスの先生に教えてもらった。昨年のこの大会でSPもFSもシーズン通してまあまあ良い演技ができたのでそれが自信になった。初戦が良くてもずっと続けることができるのだと自信から今回合わせられたと思う。東日本の方が枠が少なくて今回以上に集中して今シーズンがラストシーズンなので全日本に出られるように頑張っていきたい。楽しく悔いなく、一つ一つの試合を自分のできることを全て出してノーミスとかでやっていきたい」

大学初優勝を果たした野添
「正直優勝できるとは思っていなかった。もちろん表彰台は狙っていこうと思っていたのだが、優勝できたというのはすごくうれしかった。春の関東学生フリースケーティング大会も準優勝だったり、あと一歩というところで逃してきて1位はなかなか取れるものじゃないので自分としてはすごく大きくて、最後のシーズンで一回でも優勝できたのはすごく自分にとって大きくて良い経験ができた。関東の時もほとんど練習はできていなくて、その後もまだ就活が8月まで続いていてなかなか思うように練習できていなくて、終わってからも気持ちを切り替えるのが難しく苦戦していたが、ちょうどその時期に明治の合宿があって1年生たちの勢いがすごくて刺激を受けたので森君とか上級生は1年生から刺激を受けて良い練習になった。そこから集中してやってこられたので何とかここまで持ってこられたと思う。野辺山は高地ということで息が苦しいのだがその中でも止めずに最後まで駆け続けるという練習をしてきて、つらかったがモチベーションも上がった良い機会となった。トリプルアクセルはSPは決まったがFSはうまく決められなかった。ただSPの練習からFSの練習の中で一回も失敗せずにできたので、自分としては失敗するイメージはなかったのだがFSでは失敗した。それでもアクセルの調子は良くてほとんど外さないでこられているのでこのまま東日本、全日本、インカレと続いていけるように頑張っていきたい。1位スタートだったので緊張はしたが気楽にやろうかなという気持ちでそこまで力んだことはなかったので、気持ちの中ではうまくできたかなと思う。最初のアクセルで行けると思っていたが着氷に失敗してしまったのでそこで少し動揺したがその後にしっかりとまとめることができたのでそこが良かった。東日本や全日本の予選では1年生の勢いはすごいがのまれないで主将として引っ張っていけるように、攻めることもそうだがしっかりまとめていくことも大事なのでそこを意識した。体力は今までよりは付いてきたかなと思う。FSでアクセルを2本にしようかなと思っている。2本入れてもその後しっかり滑り切れるようにというのが課題。東日本では表彰台を目指せればいいかなと思う。今シーズンは自分がスケートを続けてきた17、8年の本当の最後のシーズンなので思い切ってやって悔いが残らないようにそして、自分として大きいインカレで最後明治として優勝してそれを最後の試合にしたいという思いがあるので、何としてでも優勝できるように部員と高め合っていきたい。東日本では法政の服部君や東北にはいい人たちが結構いるのでそことも争いになってくると思うので、自分のできることをしっかりと勝つ気で頑張る」

ルーキーながら表彰台に上がった梶田
「SPは必要最低限のことはちゃんとこなせたが、FSの方は普段しないようなミスをいくつかしてしまって、技術的なことじゃなくて精神的なところの弱さが出た試合になった。いつもはあまり外さないジャンプでこけたりした。今大会がシニアデビューだったのだが、先輩たちの中で3位というのは自信にはなるが自分の実力からしてみたら1位だった野添先輩とか2位だった法政の服部先輩にも勝てる位置にいたが結果的にFSで差をつけられて負けてしまったので、4年生の強さを感じた。今日はジャンプはコントロールできていなかった。毎シーズン東京ブロックは公式戦としても一番最初の試合だから練習してきたものを一番最初に披露する場だから、そういう意味では他の大会と比べたら大きい区切りの一つ。合宿はきつかった。高地だったので体力の消耗もすごかった。明治のスケート部として普段一緒に練習しない人たちと練習して、仲間意識が生まれたし楽しかった。鎌田と佐上はみんな3人ともほぼレベルが変わらないので、誰が勝ってもおかしくない状況でライバルとしてはすごい意識もするし切磋琢磨(せっさたくま)できるので、恵まれた環境にいるなと思う。東日本選手権では優勝が目標で、今回負けた野添先輩と服部先輩に勝ちにいきたい。精神的なところと、スピンとかステップのレベルを取りこぼさないことが今回の試合の課題なので、細かいところをしっかり突き詰めてやることが課題。体調が万全の時にしっかり手中して練習の1分1秒を大切にしてやってきた。東日本では先輩だろうが他大学だろうが容赦なくやっていきたい。今シーズンの最終目標は全日本のジュニアの中でトップ3に入って世界ジュニアに出ること。本番だけうまくやろうとしても絶対できないから東日本インカレとか東日本だったり、公式じゃない試合とかで一つ一つ調整していって確実に進歩したと感じられるような結果が出せるように練習をしっかりやっていきたい」