法大の勢いにのまれ惨敗 2部2位との入れ替え戦へ/関東学生秋季1部リーグ戦

2015.09.23
 有終の美を飾ることはできなかった。負けたチームが入れ替え戦に回る決して負けられないこの対戦。前2試合を良い内容で白星をつかんでいた明大は、その勢いのまま法大を圧倒するかと思われた。しかし試合は終始法大ペースに。前半8分にリードを許すと、その後1度も追い付くことができず29―32で敗戦した。この結果明大は9位となり、1部2部入れ替え戦の出場が決定。10月11日に2部2位の順大と対戦する。

 ディフェンスの穴が敗戦につながった。法大ボールで始まった前半。法大の1本目の攻撃でチャージングを誘うとすばやくボールを運び、岩上義之(政経4=氷見)がサイドシュートを沈める。続いて吉野樹(政経3=市川)がシュートを決め2―0とし波に乗ったかと思われた。しかし明大ペースの試合運びもここまでだった。「ディフェンスが全然機能しなかった」(池田稔主将・農4=藤代紫水)と法大の勢いのある攻撃を止めることができない。高間(法大)らの猛攻は明大ディフェンスをかいくぐり、ゴールに迫っていった。最後までディフェンスが改善することはなく、逆転はかなわなかった。
 ペースを手繰り寄せるチャンスは幾度もあった。法大の3連続得点で松本勇監督がタイムアウトを取ったあと、池田主将が難しいブラインドシュートを正確に沈めた。前半27分には糸泰裕(営3=氷見)が滞空時間の長いロングシュートを決めチームを盛り上げた。キーパー八木信之輔(政経4=国分寺)もファインセーブを連発した。しかしペースをつかみかけた重要な場面でパスミスやシュートミスを犯しチャンスを手放してしまった。「ミスが多かった」(松本監督)と、ミスに泣いた試合だった。リーグ戦が終盤になるにつれミスも減っていただけに、悔しい結果となった。

 「敗因は4年生」。東謙佑(法4=法政二)はそう言い切った。就職活動の影響でなかなか練習に参加できず、秋リーグ前半戦はなかなかメンバー入りできなかった。戻ってきた後半戦も体力不足が目立った。「あと1ヵ月で4年生の体力を戻さないと」と池田主将。脅威のシュート力を持つ東や、巧みなパス回しで周りを生かす田中周平(商4=長崎日大)など実力も経験もある4年生は、入れ替え戦やインカレでの勝利に必須となる。ベストな状態に戻し、ラストシーズンを駆け抜ける。

 吉野がエースとしてさらなる成長を遂げた。高い打点から放つゴールに吸い込まれるようなロングシュートで幾度もチームを救った。どんな状況でも落ち着いてシュートを決めていく姿は頼もしいものだった。松本監督も「吉野はものすごく伸びた」と評価した。他大からのマークが厚い中、次々と得点を挙げ92点で得点王に輝いた。それでも吉野は「得点王というのはすごくうれしいがチームが勝たなければ意味ない」と、チームを第一に考える。

 秋季リーグ戦は2勝2分5敗の9位に沈んだ。この結果11季ぶりの入れ替え戦出場が決定した。「入れ替え戦は絶対に落とせない」(松本監督)。2週間後には入れ替え戦、1ヶ月後にはインカレが待ち受ける。「修正するところはいっぱい見つかったので次につなげるチャンスはある」と福本桃子主務(営4=氷見)。この結果を無駄にせず、プラスに変えていく。最後に笑うのは明大だ。

◆福本主務 理事長賞受賞◆
 ハンドボール部に全てを捧げてきたマネージャー・福本主務が理事長賞に輝いた。この賞は4年間チームのために尽力してきた主務に送られる。誰よりも部のために動き、選手に元気を与えてきた福本主務。「私は外から見ることしかできない。すごく辛かったけど、自分のできることをやって次につなげていきたい」と、ラストシーズンを選手と共に戦っていく。

[保屋松彩佳]

試合後のコメント
松本監督

「ミスが多かった。シュートミスも含めて。ディフェンスも良くなかった。法大のポストをケアするようにしていたけど、結局やられてしまったり、退場も出てしまった。今季は4年生の練習が足りてなかった。東は使わざるを得ないけど(就職活動で)ほとんど練習していない。来年以降も就活はあるが、4年生になる前に練習との両立を考えてほしい。メンバーで練習ができていないが試合では使わなければいけない。それらが吉野の負担になってしまった。宮崎も途中良かったけど。吉野はものすごい伸びたね。今日はちょっと気負いがありすぎて肝心なところでパスミスしてしまったけど。もっと周りでの得点を増やすようにしないと。あと守って速攻。今日負けたのは実力。入れ替え戦は絶対に落とせない。もう一回練習して、4年生がしっかり動けるようにしてほしい」

池田主将
「ミスが多い試合だった。あとはディフェンスが全然機能しなかった。入れ替え戦は絶対負けられない。4年生の練習不足がひびいた。周平(田中)も出してもらえず。悔いの残るリーグだった。今季の課題はディフェンスは自分たち次第だということ。いいときはいいしできないときはできない。あとは4年生の出るべき選手が出してもらえるように、日頃の練習からそういう気持ちを出して、監督に信頼してもらえないと出してもらえないと思うので、信頼を取り戻すのは大事。(今季良かった選手は)吉野はすごいと思う。今日は吉野が15点取っているのにチームとしては30点いっていない。他の選手で取れないと勝てないと思う。あとは瀧澤。速攻とかはまだまだだけどディフェンスは少しは良くなっていると思う。個人としてはディフェンスで引っ張ろうと思っていたが、この結果になったのは自分のせいかなと。この結果をしっかり受け止めてインカレで結果を残せるように頑張りたい。落ち込むけど落ち込んでいる場合じゃない。インカレまであと1ヵ月しかないので、この1ヶ月必死に、他の4年生も引っ張っていくつもりで頑張っていきたい。あと1ヵ月で4年生の体力を戻さないと。東も昨日はすごく良かったが、今日は全然足が動いてなかった。2日体力がもたない。でもそれだとインカレでは1回戦しか勝てないので。まずは4年生の体力を戻して、1試合を走り切れるように戻したい。保護者の方も応援に来てくれるし、マネージャーはもちろん、了徳寺大のトレーナーも周りから支えてくれている。結果で恩返しをしたい。この結果が最低だと思ってインカレまで頑張るしかない。悔いを残したくない。コートの中ではもう1ヵ月しかないと思って、練習時間を大切にしていきたい。コートの外ではまだ1ヵ月あると思ってそれぞれケガをしっかり直したい。この結果をしっかり受け止めて、これが僕らの実力だと思うので。他の4年生も悔しい思いをしている。今までと同じようにやっていたらだめだと思うので、本当に必死になって練習する」

福本主務
「入れ替え戦を頑張るしかない。インカレまでにあと1試合公式戦が増えたと思って。ここまで落ちたらあとは上がるしかない。修正するところはいっぱい見つかったので次につなげるチャンスはあるし、伸びしろも絶対にあると思うので、あと1カ月でどう修正していくか。いつもよりインカレまでの期間は短いので。私としては見ることしかできない。辛かったけど自分のできることをやって次につなげていきたい」


「最悪の結果で終わってしまった。すごい悔しい。敗因は一言で言えば4年生のせい。細かいミスだったり。周りのチームを見ていても4年生が頑張っている。勢い付けられなかったり引っ張り切れなかったところ。入れ替え戦まではあと2週間しかないので、基礎トレ中心に体力を戻したい。リーグ戦を通して、試合の立ち上がりからいかに全力を出せるかというところ。最初から全力でいけてるときは良い試合ができているので、そこだと思う。2部に落ちてしまったらシャレにならないのでチャレンジャーの気持ちで勝ちにこだわってやりたい」

八木
「4年生として不甲斐なかった。前半で乗り切れなかったのが大きかった。エース2人が相手にあんまり相性良くなかった。ミスも多かったので入替戦までに修正しないといけない。後半は止められた時間もあってそのときにチームのミスもあったりしたけど、自分も前半止めてればというシーンもあったので、そこはタイミングの問題。自分は寛史(藤本)より一対一が得意で、その分ロングとかは向こうの方が得意。タイプの違うキーパーで良かった。自分はリーチが長かったりするので。今季は前半から負けが込んでしまって入替戦につながってしまった。法政には春も勝ててなかったけど駿河台に負けたりコケちゃったところはある。すごく波のあるチームなのでメンタル面を強化しないといけない。キーパーが上の先輩ほどじゃないので、その分ディフェンスに負担かかっていたりはするけど、うまく連携は取れていると思う。入替戦では入替にならないように、後輩にしつまかり残せるようにやりたい。東日本インカレとかにいくのも面倒くさいと思うので。とにかく気を抜かずにいきたい」

佐藤亮太(商3=佼成)
「絶対に勝たなきゃいけなかった試合なので、それを落としたってことはやっぱり自分たちの中に甘さとかがあったから、大事な試合で負けたのかなと思う。(練習は)しっかりやっている気にはなっているけど、ミスに対してもっと厳しくいったりそういうところが甘いかなと思う。練習で(手を)抜いていたら試合で結果は出ない。そういうところを1人1人がもっと練習に対する意識を高く持たなきゃいけない。(入替戦は)とにかく勝つしかない。その先にインカレもあるのでしっかり入れ替えで勝ってもっと気を付けて、もう一回チームを一からインカレの優勝を目指してやっていかないといけないと思う。自分たちのディフェンスがちゃんと機能すれば勝てるということは、このリーグ戦でしっかり分ったので、そこをしっかりプラスにもって良いディフェンスができることと、オフェンスとかでミスをしないことを練習のなかからしっかりやっていきたい。入れ替えはしっかり勝って、インカレで本当に良い結果を出すために、チーム一丸となって頑張っていきたい」

吉野
「実力がなかったということなのでもう切り替えてまたチーム作りを一からやらないといけない。全部が全部いい試合できるとは限らないのでそれが今日たまたま出て修正できなかったのが敗因だと思う。どこをどう直すとかは今日は悪いところがかなり出たので一番いらなかったと思うのはミスから取られたこと。それを直していかないと勝てない。正直得点王というのはすごいうれしいがチームが勝たないと得点王も意味ないのかなと。やっぱりチームが勝ってかつ得点王で終わりたかった。明治は最後の方すごく勢いに乗って勝ったりいい試合したりそれを最初から、駿河台に負けたりしたのでそういうのは最初から上げていくチームでないとやっぱり勝てないので。駄目なところは駄目なところで置いといて、良かったところはあったと思うのでマイナス面ばかり挙げてチームの雰囲気を暗くするのではなくてもっと明るく前向きに練習から明るくやっていこうと思う。インカレに向けてもう1試合できると思えばまあいいんじゃないかと。今とても沈んでいるので間に入れ替え戦挟んでうまく上がっていけば。4年生も就活が終わってまだ体力面で戻ったわけではないですけどそういうのはインカレに向けていいことだと思う」