武政が堂々の3位入賞/全国学生個人体重別選手権

2015.09.20
 エース・武政進之介主将(政経4=埼玉栄)が全国の舞台で3位に入賞した。明大勢としては無差別級で32年ぶりとなる快挙だった。全国学生体重別選手権は7月に行われた東日本、西日本の予選を勝ち抜いた16名のみが出場できる大会。85kg未満級の森田拓巳(商2=流山南)、115kg未満級の小川俊己(政経3=流山南)はともに1回戦敗退に終わった。
 ヤマ場はいきなり訪れた。初戦の相手は過去に3戦全敗の長内(近大)。実績のある相手だったが「勝ちのイメージができていた」と正面からぶつかる。押し合いから相手が前に出たところを冷静にはたき込んだ。「狙い通りかと言われるとそうではないですけど、あれが本来の僕の相撲」と勝負強さを見せて難敵を撃破した。
 勢いそのままに準決勝まで勝ち進むが、惜しくも小柳(東農大)に敗戦。攻め急ぎ頭を下げたところをはたかれて「悪い癖が出ちゃって、ああいう結果になった」と敗因を挙げた。

 明大勢として32年ぶりとなる無差別級入賞には価値がある。優勝した小柳が184cm、160kgというように、大きな選手がそろう無差別級の中で武政は166cm、116kgの小柄な体格。それでも持ち前の低く鋭い当たりで圧力をかけ、冷静に勝機をものにした。大舞台でも自分の相撲を取り切り「当たって押し込めたというところが僕にとって大きな一歩です」と満足の表情を浮かべた。

 チームは2週間前の東日本リーグ戦で2部に降格。11月のインカレに向けて試練の日々が続いているが「僕がこうやって結果を出して刺激になってくれれば」と主将の相撲から勢いを付けたい。集大成となるインカレへ残り2ヶ月弱。成長し続けるエースが古豪・明大をのし上げる。

[坂本寛人]

試合後のコメント
小川総監督

「今日の武政はしっかり立ち合いで当たった。1回戦で勝てば準決勝にいけるかなというところで、1回戦が強敵でヤマ場だった。しっかり当たっていた。リーグ戦は2勝しかできていなかったので、内容が良くても情けない話。ずっと肩を痛めているけど、稽古も悪いなりにやっている。小さいのはあいつのいい点だから、重心も低い。いつも弱気で墓穴を掘るけど、今日は攻めたことで相手が嫌がって墓穴を掘っていた。小柳とやったときも当たって、でもちょっと頭を下げすぎたからはたかれた。今日は当たって攻める、大きい相手でも押せるということが分かったと思うので、キャプテンとしてもチームを盛り上げてインカレに向けてやってほしい。リーグ戦で2部に落ちてチームとしては沈むところだけど、沈めないからここから振り子を大きく振り戻さないと」

武政
「運が良かったです。組み合わせが上手いこといきました。1回戦がヤマで、そこに集中していました。いつも悪い癖が出て負けていたんですけど、今日はしっかり当たれと言われていたので、勝とうという気持ちが強かったです。狙い通りと言われるとそうではないですけど、あれが本来の僕の相撲です。しっかり当たって、あとは流れです。勝ちのイメージができていました。不思議と落ち着いていました。準決勝は相手が大きかったので、それこそ自分の本来の相撲をやろうと思っていました。でもそこで悪い癖が出ちゃって、ああいう結果になりました。当たって押し込めたというところが僕にとって大きな一歩です。腰を引いて頭を下げるという悪い癖です。僕には3つの悪い癖があるんですけど、勝った相撲は全く当てはまらなくて、負けたときは3つのうち2つが当てはまって負けました。癖なので出ちゃいました。自分の中でそういう相撲は減っていると思います。稽古から意識して、一番一番。僕には一番一番無駄にできないので。一番一番、一日一日を大切にしています。もっと2、3年生に頑張ってもらいたかったんですけど、僕がこうやって結果を出して刺激になってくれればいいなと思います」