川村勝ち越し弾で駿河台大に勝利 予選プール突破決める/関東学生秋季1部リーグ戦

2015.09.19
 息詰まる接戦を制した。前半はスコアレス。後半も膠着(こうちゃく)状態が続いたが、後半21分に流れの中から川村敬亮(政経2=今市)が勝ち越しゴール。この得点を守り切り、駿河台大に1―0で勝利した。今年から日本リーグに参戦した強敵を下し、これでチームは開幕連勝。予選プール突破を決めた。

 鮮やかなパスワークが均衡を破った。0―0で迎えた後半21分、サークルインした大嶋雄飛主将(文4=今市)から松山隼也(政経1=丹生)へのパス。受けた松山からの絶妙なラストパスに川村が反応した。スティックを体ごと投げ出すと、ボールはゴール右隅へ。この夏は連携の強化を重視し練習に取り組んできた川村。さっそくの結果に「自分が欲しいというタイミングと隼也(松山)のパスが最高に合いました。完ぺきです」と笑顔を見せた。
 「どこかで点を決めなきゃいけないという気持ちが自分の中であった」(川村)。前半、終始ボールを支配しながらも無得点。引いて守る相手に対し突破口を見出せずにいた。「相手は引き分け狙いで引いてきていたので、うちはもっと細かいパスでつないでいかなきゃいけなかった。相手の術中にはまったかな」と宮田監督。後半はこの得点が生まれるまでシュートわずか1本。徐々に流れを失いつつあった。予選首位通過に勝ち点3は絶対条件。苦境に追い込まれたチームを救う勝ち越しゴールだった。

 これで開幕2連勝、予選プール突破を確実にした。「次も勝って3連勝で勝ち点9、プール1位通過でむこうのリーグ2位と当たりたい」と宮田監督。学習院大戦に向け、修正点は2列目の連係。確実に勝利をつかむためにも、今回の得点シーンの再現度を高めていきたい。関東制覇を達成した春ですらつまずいた開幕2戦を連勝で乗り切ったことは大きい。3連勝で決勝リーグへと弾みをつける。

[萬屋直]

宮田知監督
「勝ったのでね、それは良しです。相手は引き分け狙いで引いてきていたので、うちはもっと細かいパスでつないでいかなきゃいけなかった。相手の術中にはまったかなと。こういう膠着(こうちゃく)状態になるとフィールドゴールで決めなきゃいけない。川村くらいうまくないと、と思ってポジションを上げたことが功を奏して決めてくれたので、先に入れられていたら危なかった。次も勝って3連勝で勝ち点9、プール1位通過でむこうのリーグ2位と当たりたい。まだチーム状況に物足りないところがある。2列目の組み立てができていないのをここから修正して、厚みのある攻撃、チームの状態を上げていきたい。練習の時から調子が良くなかったので、しっかりやれとは言っていたんだけどね。うちの武器はPCなので、あれを決められていたらもっと楽な試合だったかなと。あいつ(川村)はチャンスでね、度胸があるんですよ。ホッケーに対する向上心も持っている。谷光と川村はジュニア代表の方に昨日まで行っていて疲労困憊(こんぱい)だったはずなんですけど、今日は良く決めてくれました」

小池文彦コーチ
「勝ち点3で首位通過が見えたので非常に良かったと思う。予選はとにかく勝つことが大事で去年の秋は負けから始まって結果が出なかった。今年は春優勝して相手チームも簡単な試合ができないと思ってかなりきつい試合をしているが、そこを跳ね返して良かった。相手が引いてきていたが、それに合わせていたのは良くない。前半に最低でも1点、あとはPCの数をもっと取れないといけなかった。得点を取ったあとは相手も前に出てきたのでそのあとはだいぶ楽に攻められた。もうちょっと両サイド攻撃で、うちのホッケーをして押していくというプレーが足りなかった。ディフェンスは割とよくやっていた。大きなミスをしないで、気持ち的にもこういうゲームはじれったくなったりもするけど抑えながらできた。先週の法政も今回の日本リーグで調子を上げてきている駿河台に対しても1点差で勝てるというのはそれだけ彼らの気持ちが強くなってきた証拠。学習院は確実に勝ち点3を取って首位通過。あくまでもリーグ戦優勝を目標にしているのではなくて、そのあとにあるインカレ優勝を目指している。意識を強く持って練習していく」

大嶋主将
「とりあえずリーグ戦予選で勝ち点3取るというのが最低条件だったのでそこは良かった。相手も守備を固めて引き分け狙いだったので、点数を取れなくても失点を抑えるという形だった。攻めは難しかったけどもうちょっと崩し方もあったと思う。相手は引いて守っていたから、攻守の切り替えトランジションを早くして、カウンター気味で相手がセットしてないところじゃないと崩せないなと思ったのでそれが良い形になった。守備を固めてくるのは多分学習院もそうだと思うんですけど、もうちょっと相手を引き出してスペースをつくって、ずっと攻めるのではなく緩急付けてやっていきたい。学習院は実力差はあると思うけどなめてかかったりせず、最後まで気を抜かず勝ちに行きたい。個人的にもFWとしていっぱい得点を取ってリーグ戦優勝につなげていきたい」

川村
「点が入らないような厳しい試合の中、0-0のまま試合が進んでいて、どっかで点を決めなきゃいけないという気持ちが自分の中でありました。今日の試合はFWで起用される時間が長く、点を取れるチャンスは多かったです。最高のラストパスがきました。タイミングも良くて自分が欲しいというタイミングと隼也(松山)のパスが最高に合いました。自分のパスの欲しいタイミングと、パスがあってゴールが決められた。何が何でも点を決めたいという気持ちがあったので、ゴールを決められてめっちゃ嬉しいです。狙うというよりは、泥臭く、どん欲にゴールを決めたいという思いがありました。完璧な連携でした。隼也にボールがつながるまでのチームの連携も良かったので、チーム全体で取った点だと思います。秋リーグ始まって色んなポジションで起用していただいて、そのポジションにあったプレーをしなきゃいけないので難しい部分もある。だから調子がいいかって言われたら何とも言えない部分もあるんですけど、良くても悪くても1試合1試合勝っていかなきゃいけないので、常に全力を出せるように普段の練習から努力していきたいなと思います。(夏の取り組み)個人の目標としては、チームメイトとの連携をとれるように考えました。基礎技術であるパス、レシーブの向上とパス精度をあげていくことを意識しました。試合中に何回もチームメイトとの連携がぴったり合うという場面は多くあるものではないので、その何回かのチャンスを確実にものにできるようにこれからの練習に取り組んでいきたいし、数少ないチャンスをしっかりゴールに決められるようにしたいです。春リーグ優勝したのは大きかったとはいえ、それでも王座は結果を残せなかった。秋リーグは始まって今のところ2連勝できていて、去年より全然いいと思います。とりあえず秋リーグ優勝を目標に置いて、その次はインカレ優勝。その次の全日本選手権も出られるように練習から取り組んでいきたいと思います」