
接戦制し宿敵・早大に勝利 2位でリーグ戦終える/秋季関東学生1部リーグ戦
シングルスを二つ、ダブルスを一つ落として試合の命運は7番手の滝澤に託された。滝澤はここまで3戦3敗。7番手を任された日大、専大戦でも勝つことができず、このリーグ戦期間は「一番きつくて辛かった」と悩み続けてきた。「先に攻めていこう」と序盤から積極的に仕掛けていく。レシーブミスが重なる場面も見られたが、タフな精神力で集中を切らさない。ミスを恐れず戦う滝澤のプレーにベンチ、そして応援に駆け付けたOBの声援も大きくなる。最後は苦戦していたレシーブがうまく決まり竹岡(早大)が返せず試合終了。「今まで試合して勝った中で一番うれしかった」。試合後の滝澤は満面の笑顔だった。

エース対決に勝利した町
復活を見せた。1番手の町飛鳥(商3=青森山田)が早大のエース・大島に勝利を上げた。町は春季リーグ戦でも大島と対戦し2―0から逆転負けを喫した。「大島さんに勝つことを目標としていた」と、町は以降も大島と対戦したいと言い続けていた。落ち着いたプレーで第1ゲームを奪う。第2ゲームでは途中5―9と大きくリードされるが決して諦めなかった。ここで圧巻の6連続ポイントで逆転でゲームを取る。この勝利で流れに乗った町は続く第3ゲームも奪いストレート勝ちで先陣を切った。リーグ戦3日目の2連敗が精神的に大きく響いた町。自信をなくしたこともあったが「立ち直ることができて良かった」(町)。最後にやっと安堵(あんど)の表情を浮かべた。
次鋒はここまで無敗の松下海輝(商4=希望が丘)。4年生の松下にとってこの試合がリーグ戦最後となった。勝利で終わりたい松下だったが序盤から平野(早大)の放つ速球に大苦戦。「思い通りにやられてしまった」(松下)と成すすべなく第1ゲームを5―11で奪われる。しかし数々の試合を経験してきた松下は簡単には終わらない。第2ゲームからはラリーに持ち込まれる前にサーブレシーブで得点を重ねていく。フルゲームにもつれるが、最後は松下のサーブミスで相手ポイントになり惜しくも敗戦。今試合で負けたものの、4年間でリーグ戦通算30勝を挙げ、特別賞を受賞した松下。「名前が残るものだからうれしい」と素直に喜びを味わった。

今大会全勝の酒井
大物を予感させる。有延大夢(商3=野田学園)が快勝するが続く有延・渡辺裕介(商1=明徳義塾)組のダブルスが敗北しゲームカウント2―2。ここで登場するのは全勝を見据える酒井明日翔(政経1=帝京)だ。得意のバックハンドや、ツッツキなどの多彩な技も光り相手を猛攻。第3ゲームこそ落としたものの、酒井の迷いない攻撃は止まらず3―1で圧勝した。この勝利で秋季リーグ戦全勝を決めた酒井は敢闘賞と優秀選手賞を受賞した。見る者を魅了する堂々としたプレーで明大の未来を背負う。
厳しい戦いだった。国際大会の都合で丹羽孝希(政経3=青森山田)、森薗政崇(政経2=青森山田)が抜けての参戦になった今大会。2人の抜けた穴は大きかったのか、大会3日目には2敗し優勝が消えた。だが悪いことだけではない。町や有延にチームをけん引する責任感が生まれた。そしてこれまで出場の機会がなかった滝澤にもチャンスが回ってきた。来年は現3年生がチームを引っ張る。「グランドスラムを取れるチームにしたい」と町。この経験は今後必ず生きるだろう。
[田中愛]
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