
6人が表彰台へ インカレに向けて助走開始/東日本学生個人・新人選手権
◆9・11~13 第39回東日本学生個人選手権・第12回東日本学生新人選手権(日大生物資源科学部体育館)
▼個人62㎏級
3位 永原
4位 後藤
5位 佐藤彰
▼個人69㎏級
1位 小川
3位 齋藤
5位 中野景
8位 美島
▼新人69㎏級
4位 朽名
▼個人77㎏級
9位 二村
12位 大皿
13位 中野雄
▼新人77㎏級
5位 佐藤匠
8位 佐藤右
▼個人85㎏級
7位 中田
▼個人94㎏級
針生 記録なし
▼新人94㎏級
3位 元木
▼個人105㎏級
山本 記録なし
▼個人+105㎏級
1位 上野
▼新人+105㎏級
2位 中島
個人戦62㎏級には佐藤彰紀(営3=常翔学園)、永原祐志(法3=熊本西)、後藤将(政経2=県立川口)の3人が出場し、永原が3位入賞の成績を残した。
スナッチ98㎏、ジャーク118㎏を挙げた永原だが、入賞にも苦い顔を見せた。「夏バテ気味で体調がよくない」と、夏休み期間中の合宿でも気持ちが乗らず「ただ練習をこなしているだけだった」という。今大会ではスナッチ、ジャークともに1本目のみの成功にとどまり「力の使い方の感覚が分からなくなってしまってしっくりこなかった」と思うような結果を残すことはできなかった。ふがいない試技内容に肩を落とすも、課題として「メンタルの強化とフォームの見直し」を挙げる永原。インカレへ向け再スタートを切る。
[69㎏級]
小川が表彰台の真ん中に立った。しかし記録はスナッチ115㎏、ジャーク145㎏のトータル260㎏と東日本インカレでの記録と変わらず。「この記録ではインカレで意味がない」と優勝にも笑みはなかった。今月末の国体に向け、今大会は他大の強豪選手が不出場。勝たなくてはいけない試合との位置付けで臨み、見事に優勝を果たしたが「スナッチ120㎏、ジャーク150㎏を取っていないといけない試合だった」と悔しさだけをのぞかせた。5本成功にもジャーク3本目の失敗を「甘えや気の緩みがあるということ」とひたすら自身に厳しさを求める。常々の目標はスナッチ120㎏、ジャーク150㎏のトータル270㎏。現在の試合ベストの4㎏上と決して届かない記録ではない。「しっかりと練習から組んでいかないと伸びない」と最後の全日本インカレに向け、飽くなき挑戦を続ける。
力を発揮できなかった。小川に続き、斎藤竜磨(農2=金足農業)が個人69㎏級3位入賞した。表彰台に上がったものの、試技を振り返っては「全然駄目でした」と一言。結果はクリーン105㎏、ジャーク133㎏のトータル238㎏。試合前の調整の感覚が悪かったため普段より低めの重量でスタートを切ったが、それでも取れるところを落とした。東日本インカレ以降積み上げてきた補強トレーニングの成果が表れ始めていただけに、成果を試合につなげられなかったことに悔しさをにじませた。大会を終えて、まず感じたのはトップの選手との体格差。より一層補強に力を入れ、目標とするクリーン120㎏、ジャーク150㎏達成に向けて練習あるのみだ。
新人69㎏級に出場した朽名泰河(法2=名城大付)はスナッチ95㎏、ジャーク121㎏のトータル216㎏で4位に。調子が上向きの朽名はスナッチ、ジャークともに自己新記録を狙って試技に入ったが、自己ベストの更新はジャークのみ。両方とも3本目を落とした原因を「フォームが定まっていない」と分析した。「次の大会では6本全部取って次につなげたい」と今後重点的に取り組むのは下半身強化。一緒に練習をする吉川琢磨(政経4=明石南)に「教えてもらいながらフォームを固め」、スクワットの回数を増やしてパワーアップを図る。上がり調子の朽名がどこまで成長するか注目だ。
[77㎏級]
二村岳周(営4=名城大付)は個人77㎏級に出場し、9位。スナッチ110㎏、ジャーク137㎏のトータル247㎏という数字に「この4年間で一番ひどい記録」とうなだれた。ジャーク1本目を落としたことが大きかった。3本目も挙げられなかったが「1本目から3本目にかけて修正ができた」と次につながる要素もある。ケガに悩まされ、思うように練習ができずに挑んだ今大会。2週間前から試合前の調整を始めたが常に痛みを感じていた。「悪化しないようにケアを続ける」と話す二村の目には焦りの色。最終学年として有終の美を飾ることも望むが、現状はケガとの戦いが続くばかりだ。
新人77㎏級に出場した佐藤匠(政経1=宮城農)は108㎏、135㎏のトータル243㎏で5位に食い込んだ。スナッチでは「デットの引き方がよくなかった」と、アップまでの好調さは影を潜め1本目のみの成功にとどまり、プラット上で悔しさをあらわにした。続くジャークは3本目で、成功すれば自己記録を1㎏更新する137㎏に挑むも失敗。それでも「最近ジャークの調子が悪い割には取れた」と、満足げな表情を見せた。合宿中にケガをしてしまい最後まで練習をし切れなかったというが、それでも合宿を通して20㎏記録が伸びているだけに、今後の成長にも期待が持てる。来年の今大会で「新人の記録を塗り替えたい」と意気込む佐藤匠。4年間でさらなる進化を遂げる。
[85㎏級]
中田耀介(農3=能代工)はスナッチで118㎏、ジャークで142㎏を挙げトータル260㎏で7位となった。「6本成功しようと思っていた」中、惜しくもジャーク2本目で右肘のプレスアウト判定を受けたが3本目でしっかりと取り5本成功。練習では調子が悪かったというが「悪かった割にいけた」と笑顔も見せた。これで個人規定記録を突破し、来年度の個人インカレへの出場権も獲得した。今回の試技でもジャークで145㎏まで取る予定だったという中田。今後の記録の伸びに期待が懸かる。
[94㎏級]
「合宿の成果が出た」。開口一番にそう語った元木雅人(農1=奈良雀)は新人94㎏級に出場。スナッチ118㎏、ジャーク146㎏のトータル264㎏を挙げて3位につけた。この夏の合宿では下半身の持久力強化に着手。課題としていたスクワットの弱さに向き合い、本数を意識して取り組んだトレーニングの成果が表れた。しかし3位の結果に満足せず「ジャークが不安定」と新たな課題も明確にしている。今後はスクワット強化に加え、腹筋など体幹を鍛えるメニューを増やしていくという元木。今大会は1年生らしく「緊張した」が、次なる舞台では「リラックスして自分らしくやりたい」と、次なる舞台へと意気込んだ。
[+105㎏級]
圧倒的な記録で注目を浴びた。+105㎏級に出場した上野のジャーク3本目。ジャーク2位の選手の記録が160㎏に対し上野の3本目は180㎏と、観客も驚く数字だ。2本目に挑戦した177㎏で自己新記録を1㎏更新。さらに3㎏増量して挑んだ180㎏は「今日は絶対に触りたいと監督に言っていた」。見事に180㎏を挙げた上野に向け、他大の選手が拍手する場面も。「順位よりも記録にこだわっていきたい」と試技に臨んだ上野には申し分のないスナッチ131㎏、ジャーク180㎏のトータル311㎏。しかし「出場していない強い選手はいる。課題はたくさんある」と満足にはまだ遠い。12月のインカレで再び表彰台の中央に再び立つ姿を期待する。
中島要(営1=栃木湘南)は新人+105㎏級で2位入賞した。スナッチ110㎏、ジャーク140㎏のトータル250㎏という数字に「満足のいかない記録」と悔しげな表情。確実に挙げるつもりで臨んだスナッチ3本目を「焦りがあった」と落とした。「次の大会では納得のいく記録を出したい」と重い口調で語った中島だが、夏の成長も感じている。クリーンが遅く失敗が多かった中島は、集中的にクリーンの練習を重ねた。わずかではあるがジャークに手応えを実感。「新記録を狙って来年、再来年に向けて強くなりたい」と話すルーキーの成長が楽しみだ。
インカレまであと約3カ月。表彰台に立った選手も、立てなかった選手も、それぞれが課題を見つけることができた。当然チームワークも大切だが、それ以上に個人のレベルアップも必要となる。いざインカレ優勝へ。明大の挑戦が始まる。
[板橋洋子・谷澤優佳・星川裕也]
そのほかの出場選手のコメント
個人62㎏級4位(S89㎏ J120㎏)
後藤
「あと一歩届かなかったという感じ。調整不足です。スナッチもジャークも3本目で新記録に挑戦していたので、力を発揮できるように、自分に勝てるようになりたいです。スナッチの91㎏は駄目だったんですけど、ジャークのほうがもう少し踏ん張れれば…という出来だったので悔しいです。それでも今後につながる失敗だったと思います。クリーンベストは更新できて、クリーンは苦手なので更新できて良かったです。これを次にうまくつなげられたらいいです。夏は補強をしっかりやっていました。種目をセット多めで練習して、力を蓄えたり体重を増やしたりしました。体づくりがメーンです。生活習慣も改善して、朝昼で練習という形でした。まだ(試技には)生かし切れていないので、今後につなげていきたいです。このままの記録だとインカレ出場は厳しいラインだと思うので、もっと記録に貪欲にいきたいです」
個人62㎏級5位(S94㎏ J114㎏)
佐藤彰
「今回はスナッチもジャークも2本ずつで半分以上取れていたのでいつもよりは成功率がいいです。62㎏級で出たけれど試合ベストのどちらも3㎏下いけたので調子悪くはないという感じです。まだ記録がそんなになのでもうちょっとやりたかったところではあります。調子としては良くもなく悪くもなく普通です。3本目はどっちもちょっと重いという感じでした。3本目はやはり自分との勝負なので、それで取れなかったのは悔しいなというところではあります。62㎏級で出ているので上位にはかなわないです。減量してしまうと試合後力が戻りにくいというふうになってしまうのでそれで減量せずに62㎏級で出ました。まだメンバー決まってないけれどインカレでそれなりの重量を挙げられる選手に、今からパワーをつけてやっていきたいです」
個人69㎏級5位(S105㎏ J128㎏)
中野景介(総合2=須磨友が丘)
「火曜にスタート重量を触って、スナッチもきれいなフォームで取れていたけれど、今日は体は動いていたけれど精神的に緊張してしまいました。スナッチで110㎏は狙っていたけれど支えきれずに落としてしまいました。来月の新人戦に62㎏級で出るのですが、112㎏を取れると規定記録を超えられて、今のベストが109㎏なのでまずはここで110㎏を取ろうと思っていました。調子などは仕上がっていたけれど、練習で取れていたのに本番では取れず、プレッシャーに負けてしまいました。合宿では中田さん(健太郎・平26政経卒)に、足が弱いのでスクワットを見てもらっていて、力もついて良くなってきました。今大会ではクリーンで立てるようになったので、成果が出ました。1週間前にも新記録を出していたので今回もいけるかと思ったのですが…。ジャークでも引きの力をつけていかないといけないと思います。来月の新人戦ではスナッチをちゃんと取りたいです。選抜の規定も、来月の新人戦かインカレかしかチャンスが残ってないので取りたいです」
個人69㎏級8位(S95㎏ J120㎏)
美島亮(政経3=名城大附)
「夏は腰が痛くてあまり練習ができず、合宿で少し練習を始めて、今大会も無理せんとこと思いながら出ました。重量も全然触れず、気持ちも下がってしまいました。インカレまでもう100日を切っているので上げていかないといけないですね。新たな感覚的なものはなんとなくつかんできたので、これをつかめればインカレもいい感じでいけると思います。インカレまではフルアクセルでいきたいと思います。任せてください。インカレは、4年生含めみんなが一番懸けている大会だと思うので、そこでやってやりたいという気持ちです。見とってください」
個人77㎏級12位(S100㎏ J131㎏)
大皿健太(法4=明石南)
「合宿で体重83㎏までいって6㎏くらい落としました。自信はあったけれど体がついてこなかったです。減量の最後の最後で体重が落ちなくなってご飯を抜いたりしてしまったので敗因かなと思います。気持ちと体がマッチしなさすぎてつらかったです。ジャークも本当だったら135㎏スタートだったけれど、自分自身アップ場で仕上げている時に無理だなと思いました。でもそこは自分自身の体を把握できたことはよかったです。スタート重量だけで自分の中でふがいなかったです。決め切れなかったです。いつもだったらジャーク120㎏とか軽いけれどそれをアップ場で落としてしまいました。1本目取るだけで試技の流れ変わると思ったのでわざと下げました。1本目取らないとスナッチみたいに追い込まれてしまうので。(これまでの練習は)足が弱かったので合宿では足メーンに。あとは体つくるためにご飯いっぱい食べて、その結果変に体重増えてパワーアップもしたけれど、パワー付いたのに体重落としてしまってもったいないことしました。6㎏減なんてしたことなくてでも自信はあってという感じです。77㎏級で今まで負けていた人たちに勝ちたいと思っていたのでわざとこの階級で出たけれど、ちょっと無理しすぎました。本当だったら85㎏級でもっといい記録出せたのかもしれないけれど。でも自分で選んだ道なので後悔はないです」
個人77㎏級13位(S105㎏ J125㎏)
中野雄介(農4=杵築)
「ふがいない結果になってしまいました。最後の試合だったんですけど少し心残りです。ここのところあまり試合には出ていなくて、今年もまだ3回目くらい。あっけなかったです。4年間頑張ったかなと思いますね。調子はよかったんですけど、スナッチの1本目で肘が崩れてしまいました。これも実力のうちです。合宿の後半には新記録にも触ってたんですけど、やりすぎてしまって肘を痛めてしまった部分があったと思います。最後まで記録を伸ばすことを目指して、インカレ出る人のサポートとかもしっかりしていきたいです」
新人77㎏級8位(S100㎏ J136㎏)
佐藤右規(政経1=宇佐)
「スナッチの2本目がもったいなかったです。あれがなければいい順位に付けていたと思うので…。何で失敗したのかはよく分かっていません。調子も悪くはありませんでした。合宿では回数を多めに練習したり、メンタルの強化などをしました。ジャークの3本目は気持ちで引けたようなものだったので成果は感じました。まさか立てるとは思っていませんでした。これまでのジャークのベストが135㎏だったので、2本目の136㎏で新記録に挑戦して、先輩からも応援してもらったので期待に応えたいなと思って挙げました。今日の試技は80点くらいです。大学の大会は高校までとは雰囲気が違って、期待されてるのが分かるしプレッシャーを少し感じます。今後はスナッチを強化していきたいです。4年間でチームを引っ張るような選手になりたいです」
個人94㎏級記録なし(S0㎏ J148㎏)
針生丈士(政経3=東京学園)
「スタートまで絶好調だったんですけど、初めて減量して今まで通りできなくてフラフラしてしまって、キャッチがうまくいきませんでした。重くはなかったんですけど、集中力不足です。中大の仲のいい選手が94㎏級で出ることになっていたけれど手首を痛めて棄権してしまって、それでも今回自分が記録出して勝てるぞというのを見せたかったけれど駄目でした。スナッチの失敗はキャッチをして止める練習が足りていなかったからだと思います。スナッチで0になってしまったので、ジャークではメンタルのことも考えてスタート重量を下げて自己新を取っていこうとした。成功したのは1本だけになってしまったので、がんがん練習して頑張っていこうと思います。合宿では補強をメインにやっていて調子も良かったです。合宿ではジャークの150㎏を乗せても立てなかったけれど、今日は立てたので成果は感じました。ふがいない結果になってしまったので、次は選抜の規定記録を取る勢いでいきたいです」
個人105㎏級記録なし(S0㎏ J155㎏)
山本琢人(政経3=熊本西)
「再来週に国体があるので、試合慣れの意味も込めて出ました。この大会では自分のやりたい重量をできるので、ベストに近い重量でスタートしました。アップも良くて、調子も良かったんですが、スナッチで0になってしまいました。ジャークも、162㎏に挑戦していったけれど腰と足首をひねってしまって3本目を棄権してしまいました。残念な結果に終わってしまいました。それでも今やれる重量が分かったことはプラスでした。合宿は種目というより補強をメンーでやって、スクワットやデットもいい感じで仕上がっていました。3年という立場で、これからどんどん最後の試合も増えていくので、日頃の生活を正してやっていきたいです」
関連記事
RELATED ENTRIES