
秋季リーグ戦開幕 法大相手に劇的な勝利を収める/関東学生秋季1部リーグ戦
試合終了間際に主将が見せた。前半後半ともに1点ずつ奪い一進一退の攻防が続く。しかし試合終了5分前、その瞬間は訪れた。ルーキー・平井からのパスに佐々木遼(法3=石動)がボールを浮かし、それに合わせ最後は大嶋雄主将がオーバーヘッドで勝ち越しゴール。誰もが目を見張るほどの圧巻のゴールだった。「10年に一度のシュート。奇跡のゴール」(谷光)と仲間からも絶賛の声。劇的なゴールで勝利を飾るも大嶋主将は「ここで気を抜かずにチーム一丸となって戦いたい」と、すでに次を見据えている。「責任感や意識は一番持っている」(宮田監督)と首脳陣からの信頼も厚く、今試合では全体を通してチームを引っ張り、頼もしいキャプテンであると改めて感じさせた。
ルーキーも見せ場をつくった。今季は春にスタメン出場を果たすも、これまで一度もゴールを決められずにいた平井。後半11分、谷光未有(法2=天理)が中盤からゴール前に打ち込みそれをゴール手前で平井がタッチシュート。平井にとって待望の公式戦初ゴールとなった。「嬉しかった」(平井)と素直に喜びをかみしめるも「高校時代から一緒にプレーしていた未有さんのボールが良かったから」と謙虚さも見せる。「コンスタントに点を取り続けて、みんながやりやすいなと思えるような選手になりたい」と意気込む姿に期待が高まる。
春季リーグ戦で優勝し関東王者となったものの、王座決定戦では2回戦敗北と悔しさを味わったシーズン前半。そのリベンジを果たすべく秋季リーグ戦初戦の法大戦に臨んだ。この夏、関西の強豪と練習試合を行った。かなりレベルが高い中、特に立命大との試合では相手が国体のフルメンバーということもあり苦戦を強いられる。そこで見つかった課題を少しずつ修正。夏の練習の成果を秋初戦からいきなり発揮し「接戦をものにできるようなチームになった。」(小池コーチ)とこの夏で大きく成長した。次戦は駿河台大戦が控える。4大戦にて同点で終わった相手に対し、冷静さを保ち自分たちのプレーができるか。それがカギとなってくる。「勝ち点3で学習院戦に進んで予選プール首位通過で順位決定予選に進みたい」(小池コーチ)。そして悲願の春秋制覇を果たすべく、チーム一丸となり突き進んでいく。
[石塚真維]
試合後のコメント
宮田監督
「今日は勝ち点3で勝ちだったから、結果としては良かった。前半は敵が右側から攻めてきていたのに明治は左の攻撃をしっかりやっていたから、右から攻めれば楽に自分たちの形ができるのにそのつなぎができていなかったので、いろいろメンバーを入れ替えて右にボールが回るように後半は軌道修正した。選手自体も初戦は絶対落とさないという風に分かっているだろうし、2ー2に追い付かれたけど勝ちは取るんだという気持ちが後半を良くしたのではないか。体力的にはお互いきついんだけど明治の方がフィジカル的にも勝っていたのではないかと思う。ここ2年程秋のスタートが良くなかったので、本当に試合開始1分とか2分とかじゃなくて1秒後からもう全員が一つになれって言い聞かせてきた。今日の試合では最後はキャプテンがきっちり決めてくれて、そういう意味じゃこれからのことを考えると良い経験かなと思う。(大嶋主将に関しては)キャプテンとして責任感というか意識は一番持っているので、空回りしなければいいかなと思うけど、最後はもうあいつ(大嶋主将)が点を入れて、これからも気持ち良くチームを引っ張ることができると思う。今日の試合は本当は、明治の強みは谷光のPCなので、それが開始2分でとにかく初っぱな絶対決めろという気持ちで臨めと言って、そのプラン通りに決めてくれたんだけど、その後にもう1点取るという厚かましさが明治にはまだなくて、相手に合わせてしまった。まあでも法政だって日本リーグに出ているチームだし、そんなに簡単には勝たせてくれるということもないだろうから、結果はまあ1点でも勝ってたんだということは褒めてやりたい。今後の課題としては、明治の武器はフィールドゴールも取れるしわざわざPCを取りにいくような攻めをして、PCとフィールドゴールで得点を積み上げていく。どことやったって前半に2点取って後半に2点取って4点取れば、5点取られることはないだろうから、そういうゲームプランでいきたいんだけどなかなかそれが実現しない。王座は山梨学院にしたら明治がリーグ戦で2ー1で勝ってて、打倒明治で来ていた。あのゲームも谷光のPCがバーに当たらなきゃ勝っていたかもしれないし、どっちが勝ってもしょうがないレベルだった。だから、天理大が優勝して立命館、山梨学院という順番で、明治がそこに並んでも全然おかしくない。だから夏はやっぱり春の関東王者として秋は堂々としたプレーができるように自信を持ってやろうということをテーマに。今のところ地方の国体選手に選ばれたりで散らばってたりして、全員が集まる時間は結構少なかったんだけど、そこを私とコーチの小池でたるまないように気を付けてやってきたつもりだ。でもその結果が出るのがこの秋なので、まずそこをクリアしてくれたのでまあやれやれかなという感じ」
小池コーチ
「最初から難しい試合になるとは思っていたが自分たちのホッケーができれば負けることはないと思っていた。ただ1点取ってそこから追加点を奪えなかったのがこういった試合展開になった原因。ただ最終的には3-2で試合をものにできて勝ち点3を取れて秋の初戦としては良かった。去年の秋は最初から良くなくて、今年は良いスタートができたので苦戦しながらも勝ち点3が取れたのは大きい。FWは積極的に動けていた。立ち上がりメインのFWを入れて守りながら徐々にうちの形をつくるというのはできていた。夏は立命館、関西の強いチームとどれだけできるか。向こうはかなりレベルが高く、特に立命館と試合したときは相手が国体のフルメンバーできたのでOBの名プレーヤーがいる中で課題を見つけて八幡山に戻って修正した。そして今日結果が出た。接戦をものにできるようなチームになったと思う。欲を言えば2点目の追加点をもっと早く奪えればもっと楽なゲームができたと思う。守りはタックルが甘かった。前線からタックルが甘く入ってマークを空けてしまいファールで相手ボールになることが多かった。もっと早くから準備して前の方でボールを奪えるように、サークルインされる前に。そのようなことをやっていかないといけない。駿河台は今年から日本リーグに参戦して徐々に力は付けていると思う。だが、こっちも力があるので冷静にやれば必ず勝てると思う。冷静にやることが一番大事。先週慶應と日吉ホッケー場でやっているので選手たちは慣れてきていると思う。負けが続いていることは考えていないし選手たちも日吉が苦手という意識はあまりないと思う。冷静にできれば必ず勝てる。今日も最後まで冷静だったから3点目が取れて勝ちきれたと思う。勝ち点3で学習院戦に進んで予選プール首位通過で順位決定予選に進みたい」
大嶋雄主将
「FWは点を取るのが仕事なので、当たり前なところはあるんですけど、同点の状況の中でチームが一生懸命守ってゴール前につないできてくれたので、FWとして点を決められて、それが勝利につながったのが1番良かったなと思います。ボールがたまたまいいところに上がってきた。ゴールポジションは分かっていたのであとは当てるだけだった。僕が決めたというよりも後ろからボールつなげてきてくれて、それがいい形で僕のところに転がってきてくれたかなと思います。応援してくれる方、家族とか応援に来てくれたのでその前で決められて良かったです。決めた時は「よっしゃー」と叫びました。分からないですけど(笑)(試合について)立ち上がり早い段階で点を決めて、流れは良かったんですけど、簡単なミスで良くない流れになってしまった。法政のペースになってしまったんですけど、最終的にはしっかりつないで自分たちのペースにもっていけました。とりあえずリーグ戦は勝ち点3を取るのが大事なので、内容はどうあれ勝ったのが1番大きいです。前半はMFに入ってから前を向けてなかったんですけど、DFからMFにつないで1回前を向こうという話をして、後半はFWにどんどんボールが入るようになりました。次は駿河台大ですが弱い相手じゃないし本当に強い相手なので、自分たちのプレーをしっかりして、リーグ戦3つ取って、ここで気を抜かずにチーム一丸となって戦いたいなと思います」
岩井宏将(営4=岐阜総合学園)
「凡ミスとかで攻めあぐねました。守りはできていたと思うんですけど、攻撃の面で上手く攻められなかった苦しい試合でした。中盤だと相手のチェックが速かったかなと。2枚とかで囲まれるので僕らがパスを出す前にプレスをかけられて取られていたので、もっと連携をとれていたら楽な試合だったと思います。出来るだけ中盤同士でパスを組めるように練習とか声掛けをしてきたんですけど、それでもまだ修正できずにこのリーグ戦が始まってしまったので、今日出た課題も生かして少しずつ調整したいなと思います。中盤としてはまず周りを見て敵が来てもプレッシャーに負けずに簡単にパスが出せるように、そこだけを目標にあと予選2戦あるので、どちらも勝って3勝して上に行きたいと思います」
國友督仁(政経3=丹生)
「1失点目が最悪でした。それが今日の自分のプレーの全て。早い段階で先制したのに自分のイージーミスで。キーパーはちょっとしたミスが失点に直結するので注意してプレーをしないといけない。失点の場面は最初蹴ろうと思ったんですけど枠外だと思ってスルーしたらボールにスピンが掛かっていてそのまま曲がって入ってしまった。際どいボールはどんどん蹴っていかないといけないが、チーム全体が浮き足立っていたのでマイボールにして落ち着かせようと思ったことが最悪な結果につながってしまった。守備も相手と1対1のときに足そろって一発タックルということが多かったが粘り強く守れていたと思う。夏は自分としてはファーストシュートは止められてもリバウンドを残してしまうということが多かったのでもっとサイドに蹴るように。DFがセカンドボールを一生懸命掃かなくていいようにサイドにクリアすることと前へ行くクセを直して100%止められるように練習してきた。駿河台は練習試合でサブメンバーでもやり合えていた。来週はガツンとかましたい。秋は2年連続で下位リーグに回っているので上で戦えるようにしっかり戦いたい。日吉は芝でボールが弾んだり滑ったりするのでコンディション的にはやりにくいところがあるが、それは言い訳にしかならない。日吉で負けるというジンクスを今回でなくしたい。リーグ戦は春秋連覇。そのために次の試合はキーパーとしてしっかり抑えたい」
谷光
「明治は秋毎年弱いので今年は最初から悪いイメージで入りたくないなと思っていました。勝ちたいという気持ちが強かったです。攻め切れない試合でディフェンスからのつなぎがしにくかったし、中盤からFWからのパスも少なく最後までつなげなかった。(原因は)分からないけど、自分のことしか頭に入ってない。だから人が使うスペースとかも埋めてしまったりとか、一人一人の無駄が多かったのかもしれません。(先制ゴール)いつも通りまぁいけるやろみたいな軽いノリで打ちました。(2点目のアシスト)打ったときは「ミスった」と思いました。全然当たらなくて、でもうまくつながったというか、通ったから結果オーライ、作戦通りです。(打ち込みについて)思った通りにいかない、コースにいかないというのが多かったです。調子はまだ全然です。(夏の取り組み)立命館に行って、色々な部分で差を感じたというのがあって、それを元に一人一人立命のレベルまで近付けるように、大きい目標とかはなかったと思うけど、個人で自分の小さい目標はあったと思うので、それを踏まえて練習していったと思います。個人的にもボールを持ったら周りが見えなくなるという課題がありました。国体予選で2週間ぐらい帰っていたときは、周りがレベルが低かったから、どう動かしたらとかどうやったら効率のよいホッケーができるかを考えて練習してました。(大嶋主将の決勝ゴールは)超珍しい、10年に一度のシュートです。奇跡のゴールです。でも実際、あれは主将の余興で、たまたまスティックに当たったんだと思います(笑)(次戦の抱負)駿河台も格下なので勝つっていう目標じゃなくて、ぼこぼこにして立ち直れないようにするぐらいの気持ちでいきたいなと思います」
平井
「チーム全体として法政が苦手で、個人としては春の時はずっとスタメンだったんですけど、夏落ちていって今日もスタメンじゃなくて途中交代だったので、ワンポイントでそこにチャンスが来たら決めるみたいな感じでやりました。チーム全体的に立ち上がりでいつも点が取れないのだが、今日は未有さんが決めたがあまりFWが決めきれないのでやっぱり前半全体と前半の最初は課題かなと思う。(公式戦での初ゴールを決めて)嬉しかった。春はいっぱい出てはいたけど決めれなかったりもったいないことばかりしてチームに迷惑かけたので、ここで勝ち越し点を決めれてほっとした。未有さんは高校から一緒なので高校の時から同じようなプレーをお互いにしていたので、今日も未有さんのボールが良かったからゴールできたと思う。(大嶋主将のゴールは)ずっと一緒に出てて楽しい先輩なので、自分で行かずに絶対任せようと思ってとりあえずつないだんですけど相手に当たっちゃって、でも決まったのでよかった。嬉しかった。個人的にはDF面で貢献できたから点を取れたのかなと思う。DF面で波に乗れたから結構広く自分的には余裕を持ってプレーできたかなと思う。いつもは余裕がなくて焦っちゃうから、今日はそれがなかったし先輩からの声かけとかでも助けてもらいながらだった。駿河台大学とは4大戦の時に同点で終わったので点を決めたいし、次はDFから流れを作って自分もしっかりいっぱい走ってチームに貢献して、その延長線上で点を決めたいなと思う。(今後の目標は)コンスタントに点を取り続けたいです。自分はいつも焦って周りが見えなくてパス出せなかったりとかがあったり、まだ全然ドリブルとかも上手くないし、ボールを触る技術とかもないのでそういうのを伸ばしてもうちょっとみんながやりやすいなと思える選手になりたい」
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