
全日本への出場権獲得! 果敢に挑む戦いぶりを見せる/第64回関東学生優勝大会
最上級生の意地を見せた。対順大戦で勝利したことで全日本の出場権を獲得し、迎えた相手は強豪・国士大。明大は、ここで実力十分の相手に苦戦に強いられる。先鋒の山田将也(商1=育英)、次鋒の千田海(商1=仙台育英)がそれぞれ引き分けると、次の阿部凌大(政経1=高輪)が中断した試合の再開直後に、わずかに見せたスキを突かれコテで一本を取られてしまう。その後一勝を追う明大は、阿部莞太(国際3=土浦日大)が相手に食らい付き、最後の最後まで粘りを見せて取ったメンで一本勝ち。次の星野直樹(政経2=本庄一)は攻撃の糸口をつかもうと果敢に仕掛けるが、互いに一本が出ず引き分け。ここで山田凌平(政経1=九州学院)が登場。ここから一気に追撃の口火を切りたいところだったが、開始早々に取られたコテの一本勝ちで敗戦を喫する。ここで取り返さなければ敗北が決定してしまう大将戦。市川巧(商4=小山)に全てが託された。両者が積極的に攻撃を仕掛ける中、相メンで執念の一本勝ちを収め、代表戦へと持ち込んだ。
熱闘の末の惜敗だった。代表戦に選出されたのは大将を務めた市川。「やってやる」。その気持ちを胸に意気込んで臨んだ試合だったが、最後はメンを取られ、悔しさの残る敗戦となった。「気持ちの部分で弱い部分があった」と市川。紙一重の差で欲しかったあと一勝を逃してしまったものの、この悔しさをバネにまた一から稽古に打ち込む。全日本の舞台を前にして、市川はすでに前を向き始めている。
若い力が躍動した。今回選出された9人の選手のうち、約半数の4人は1年生。下級生がメンバーの多数を占めるチームとなった。水田孝信監督は「上級生に対しても力負けしない、実力がある」とその選出理由を語る。山田凌をはじめとした1年生選手は初の団体戦ながら力を発揮し、今大会のベスト8入り、そして全日本出場に大きく貢献。明大剣道部の新たな歴史を築き上げる若武者たちの躍進に期待だ。
今大会で出場が決まった全日本。「メンバーをまた白紙に戻す」と水田監督は述べる。春の個人戦において出場した選手一人一人が味わった悔しさを晴らすためにも、この秋の団体戦でのリベンジに懸ける思いは強い。夏合宿でも厳しい稽古で鍛錬を重ね、その成果は着実に結果として現れている。「全日本では優勝を目指す」(水田監督)。その言葉通り、頂点のみを目指してこれからも選手たちは力闘を続ける。
[石渡小菜美]
試合後のコメント
水田監督
「今回は第1試合から苦しい展開になりましたが、専大戦を乗り切ってベスト8まで行くことができました。国士大戦は良い試合もありましたし、反省しなくてはいけない試合もあったと思います。全日本に向けて良い手応えを感じました。10月の全日本では優勝を目指します。市川は今回、大将戦でも勝ちましたし、動きが良かったので延長戦では出しました。山田は副将で、出身が熊本なので彼には相手に対して苦手意識を持ったのかなと思います。(下級生が今回のメンバーに多いですが)1年生が4人、2年生が3人、3年が1人、4年生が1人ですね。やはり上級生に対しても力負けしない、実力がある。実践でも通用するメンバーを選びました。全日本ではメンバーをまた白紙に戻します。(夏合宿で取り組んだこと)1日3回の稽古を1週間でやりました。よその大学より厳しい稽古をずっとやってきいており、その成果は着実に出て来ていると思います」
市川
「良い感じに試合にみんな通して臨めたので、それは成長できた部分かなと思う。(結果は)振り返るとやはり悔しい。また練習して全日本に向けて頑張りたい。(国士舘大戦)やはり練習はしてきたつもりなので、そこに関しては自信があったので、そういう気持ちでは取り組めた。(代表戦は)『やってやる』という気持ちがあったが、気持ちのどこかで弱い部分があったから負けたのだと思う。たぶん紙一重だったと思う。(春の悔しさを踏まえて)私個人的にだが警察の方に行って、稽古に行ったりした。昔よりももっと、練習前から集中して取り組む姿勢を意識し始めた。(全日本への意気込み)この悔しさをバネに、また一からやっていきたいと思う」
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