
瀬川の同点弾も攻守がかみ合わず 後期リーグ戦初黒星/関東大学1部リーグ戦
ゴール前での対応に問題が残った。「2失点という結果はDFとして重く受け止めないといけない」(小出悠太・政経3=市立船橋)。高いシュート精度を持つ早大攻撃陣へのマークを徹底し失点を防ぎたかったが、試合序盤から振り切られる場面が目立つ。すると前半36分には左サイドを突破されると簡単にボールを上げさせてしまい、中でも2人がマークについていたにも関わらず振り切られるなど対応が後手に回り簡単にゴールラインを割らせてしまった。後半40分の2失点目では相手の迫力ある攻撃に対しDFライン全体がずるずると後退したことでGKとDF陣の連携がうまくいかず、その結果GKの飛び出しが遅れ失点につながった。要所では体を張ったプレーを見せたが、アミノ杯や大臣杯で取り戻したはずの堅守は影を潜めた。
チャンスがものにできない。「全員が決定機を演出したり絡んだりすることができなかった」(瀬川)。後半は引いて守る相手に対し中央からの崩しに固執し、ボールを保持する時間は長くとも早大守備陣を攻略することができず。何度も泥臭くゴールを狙い続けた早大とは対照的だった。「ボールは動かせても人が動いていなかった」と試合後に栗田監督は淡々と語った。「どうやってペナに入るか、どうやってシュートまでいくのかをチーム全体として課題かなと感じた」(和泉竜司主将・政経4=市立船橋)。2トップの和泉・藤本佳希(文4=済美)のシュート数がそれぞれ0と1、チーム全体のシュート数も5本と最後までゴールを奪う意識がもの足りなかった。
この日の攻撃で唯一狙い通りにいったのが前半43分の瀬川の同点弾だ。
事前のプラン通り、ボールを受けた後に相手DFラインと中盤の間にスペースを見つけると即座にドリブルで持ち込みシュート。本人も「狙い通りだった」と頷くゴールで試合を振り出しに戻したが、この後が続かなかった。
もう負けられない。次節の相手である順大には前期の開幕戦で勝利しているが、順大は天皇杯本戦で負けはしたもののJ1・ヴァンフォーレ甲府に2-3と互角の戦いを繰り広げ、今節も4-0で中大を下すなどチームとして勢いに乗っている。「ただ1試合負けただけなので、これで落ちていくわけにはいかない」(和泉)。順大のタレント豊富な攻撃陣をどうおさえこむか、いかにして堅守の相手から1点をもぎ取るかが試合のカギをにぎる。今節で見えた課題を修正し、優勝争いにくらいつく。
[髙山舞]
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試合後のコメント
栗田監督
「今日は非常に重要な試合だという位置付けで臨んでいたので、負けたという結果に対してはまず悔しいです。1失点目は反省しなくちゃいけない。左サイドを突破されたのは仕方がないにしても中に2枚いる状況で真ん中割られているので反省しなくてはいけないのかなと。ただ守備陣は体を張れているし要所要所では抑えられているので、問題があるとすれば攻撃陣だと思います。ボールはつなぐんですけれども、最後のゴールを奪うっていうことに対しての枚数のかけ方だったり精度だったりが足りないのかなと。そこを改善していかないと厳しいと思います。守備の穴をつく狙いはできていたんですけれども、ボールは動かせても人が動いていなかった。次の順大はとても状態がいいですしやりたいサッカーっていうのが見ていても充実しているので、受け身となることなく勝ちに行ければと思います」
和泉
「想像通りというか、予想していた展開だった。その中で、前がもっとシュートまでいかないといけなかった。少しきれいにやろうという意識が強かったのかなと思う。早稲田みたいに守備を全員で頑張っているチームを崩すのは難しいと感じたけど、パスもクロスも質を上げてかないといけない。結果として勝てなくなる。保持している時間は長かったけど、最後のペナルティエリア内に入っていく回数少なかった。そこが1番求められているところだし、そこでの意識が低かったのかなと思う。つながりやサポートの意識とかはよくなっているけど、そこが目的じゃない。目的は最後にゴールすることだし、やっぱりペナに入っていかないといけない。シュートもクロスがあってのつながりなので、1番大事にするべきところを見逃している。そこから考えてつながないと、相手も怖くないしゴール前の迫力の部分、最後に点を取るんだという強い気持ちという部分が足らなかった。早稲田はしっかりそこを重点的に捉えていて、そこで迫力だったりクロスの質があった。相手の方が上だった。後半5分から25分までの間は自分たちの時間帯だったし、いい流れだった。そこで点を奪いたかったけど、最後の部分かなと思った。どうやってペナに入るか、どうやってシュートまでいくのかをチーム全体として、形ではないけど、課題かなと感じた。失点の部分を挙げると、1対1で負けてしまったり、中のマークもずれていたり、試合前にも話し合ったけど単純に、1対1の上げさせないとか出させないとかが、最後に試合を分ける。そこをチームとしては思っていたので、そこで負けたのが今日の結果につながった。攻守において課題はまだまだあるなと感じる。誰かの責任では絶対ないし、全員の責任。個人としては得点を取れていないし、シュートも1度も打てなかった。やっぱり後期入ってうまくいっていないと感じてはいる。でも、僕や藤本が求められているのはゴールだと思うので、点を取るために周りをどう動かすのかもそうだし、要求とか個でいく部分も大事なのかなと。ただ1試合負けただけなので、これで落ちていくわけにはいかない。あと9試合ある中で、次の順天で勝ってチームとしてやるだけだと思う。もう一回、攻撃も守備もなにが足らなかったのか見えていると思うので、そこをチームとして統一したい。あとはプレーで見せるだけだと思う」
瀬川
「自分も含めて、決定的を演出したり決定機に絡むことができなかったっていうのが、11人全員がそうだったのかなと思います。相手の2枚のCBがこっちの2枚のCBについてくるっていうのは試合前からわかっていた。今日の自分の役目として相手の左サイドバックとの1対1というのがあった。スカウティングをしていく中でDFラインと中盤の間にスペースが空くっていうのがあってそこを狙おうと。ボールを受けた時にスペースがあるのに気が付いたのであとはもう前を向いて仕掛けるだけでした。自分の中では意図したゴールでした。監督からも試合前から相手の左サイドバックとの勝負になると言われていたので、そこで自分は絶対に負けないというのを意識していました。後半を通して正直得点できる気配がしなくて、相手が引いていたので裏のボールを配球するのも難しいですし、そういった中でサイドから簡単にセンタリングとかの攻撃をしても良かったんじゃないかとも思ったんですけれども、どうしても竜司とか佳希がいるので中でくさびをつけることに偏ってしまって結局は相手の思うつぼだったんじゃないかと思います」
小出
「早稲田はとにかくシュートの精度が高いのでそこを警戒して臨みました。2失点という結果はDFとして重く受け止めないといけないですし、原因っていうのははっきりしているのでそこを詰めていければと思います。1失点目はまずヘディングで競り負けてしまったこと、次に簡単にボールを上げさせてしまったこと、その後の中のマークっていうのをついていたのに突破されてしまったことがあると思います。2失点目はラインを下げすぎてしまっていたことが原因だったので、相手のFWに対して怖がらずにラインを止めていればと思います。相手のマークの外し方だったりクロスだったりがすごくうまくてそこに対応できなかったので、そういった相手にどう対応していくのかっていうのは重要だと思います。順大は攻撃陣にいい選手が多いので守備陣全員でしっかり練習して基本に忠実にやっていければと思います」
服部一輝(法3=札幌大谷)
「悔しいの一言。やられたのも失点した場面ぐらい。でも相手の方が走れていたし、向こうの方が割り切ってサッカーをやっていた。サイドは個々で打開していたし、自分たちはサイドに数をかけ過ぎて、中は少なかった。相手の中は宮本や山内がいて、点が取りやすい状況をつくられていた。そこが試合の肝だった。それでも守備はクロスの時のマークは改善できる。サイドバックが抜かれてセンターバックがカバーにいかないといけなくなるので、1対1で負けないのは徹底しないといけない。それでも無理だったらボランチやサイドハーフが戻らないといけない。そこの確認をしっかりしていきたい」
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