青学大に敗れるも、入れ替え戦に向け改善点を確認/関東大学女子2部リーグ戦

2015.09.15
 リーグ戦初の黒星となった。優勝決定後に挑んだ青学大との最終戦だったが、3-4で敗戦し完全優勝とはならなかった。ダブルスは4連勝の佐野真代(文3=津田学園)・森美咲(法3=富士見丘)組がストレート負けするも、熊谷ひかる(文2=浦和学院)・福田志帆(国際1=幕張総合)組がフルセットを制しダブルス1-1に。同点で迎えたシングルスだったが3人が敗戦。微妙なジャッジも重なり、苦しい戦いとなった。

 下級生の底力を見せつけた。4年生のダブルスを相手に戦った熊谷ひかる(文2=浦和学院)・福田志帆(国際1=幕張総合)組。第1セットから積極的なプレーで試合に臨むも、相手の安定したプレーと自分たちのミスがあり4―6で第1セットを奪われる。それでも「自分たちが決め切る」(熊谷)と気持ちを落とさず再び思い切りのあるテニスで第2セットに挑むと、ミスも徐々に減りポーチボレーや相手に拾わせない力強いストロ―クを連発。5ゲーム連取するファインプレーを見せ第2セットを奪取した。勢いそのままに最終セットに突入し5―1とリード。5―4に追い上げられる場面こそあったが、結果6―4で試合を制した。ダブルス1の佐野・森組は敗れたがダブルス1―1と取り返し、シングルスに望みをつないだ。

 同点で迎えたシングルス。シングルス5で出場した熊谷は第1セットで相手にうまくミスを誘われ3-6とされたが、第2セットは6ゲーム連取し相手に1ゲームも取らせない気迫のプレーで取り返した。「丁寧に返すことを意識した」(熊谷)とプレースタイルである自分から打つテニスから相手のミスを狙うプレーに変更。「いつもと違うテニスでも勝つことができるんだという自信になった」(熊谷)とフルセットを制したが、シングルス3の斎藤佳帆(文1=拓大紅陵)、シングルス4の森が敗戦しチームスコアは2-4。シングルス1の佐野の試合を残し、リーグ戦初の黒星を喫した。

 一勝が次の望みにつながった。シングルス1の佐野は第1セットを6-2で奪ったが第2セット序盤で2ゲームブレークされ2-3に。その時点で18時半を回り暗くなったため中断に。翌日の13日に再試合となったが「下がって守るだけじゃ勝てないと思ったので深いボールを意識した」(佐野)とコートの前に出ることを心掛け相手に奪われたゲームは1ゲームのみ。粘り強いラリーで6-2、6-4のストレートで勝利をつかんだ。
 「佐野がしっかり勝ってくれたことで、さらに気持ちが高まった」(沼尻泰代主将・法4=茗渓学園)と佐野の一勝は入れ替え戦に向けて必要不可欠な勝利となった。優勝を決め、1部校最下位である亜細亜大との入れ替え戦に向かう明大だが「もっとがっついてやらないと絶対叩かれてしまう」(上原真吾監督)とより強いチーム力が必要とされる。慶大に一勝し1部校の意地を見せてきた亜細亜大だが「実力的には差がない」と佐野。勝敗を分けるのはどれだけ勝ちたいと思う気持ちだ。2年前に2部昇格を経験し、昨年は2部最下位となり2部3部入れ替え戦を制し2部残留。今年こそは悲願の1部昇格へ。急成長したチームが創部初の偉業に向け一丸となって挑む。

[橋本杏菜・島村昭二]

試合後のコメント
上原監督

「よく我慢してやっていました。相当ジャッジがひどすぎましたが、それでもしっかりプレーしていました。いいプレーも向こうの方がしていたので認めないといけませんが、そこで引かないで向かっていくところをもうちょっと見たかったです。もっとがっついてやらないと入れ替え戦で絶対叩かれてしまうので、そういう気持ちを見せないと取り切れないですね。斎藤も自分の中のモヤモヤした部分が吹っ切れなかったから負けた訳だし、がむしゃらさを出してほしかったです。逆にいい薬になったと思います。夏関が間に入りますが、もう一回仕切り直してしっかりやらないと駄目ですね。(今年の連勝は)人数も2人増えたことによってレギュラーで回せる数が多くなったので、体力面でもチーム力面でも余裕が出てきました。自分たちで新しい時代を切り開くんだ、という思いが見えます。一人一人が意識高くやっているので個の強さがチームワークになっています。(サポート力は)どの大学よりも一番だと思います。サポートの頑張りがないと選手は勝てないので、いいチームになっています。回数を重ねる度にチーム力が上がっているので率先してサポートをやってくれる強さが選手のプレーに反映していると思います。(入れ替え戦は)1部校は1部でやっていた自信があるし負けられない思いもあると思います。そこに向かっていかないといけないので、より強い気持ちで戦わないと0―7付きます。うちは4―3で勝てるようにそれぞれが頑張ってやってくれればいいと思います。我々はあくまでチャレンジ側なので向かっていく気持ちをより強く持たないと駄目かなと。その認識をちゃんと選手たちに持たせていきたいと思います」

沼尻主将
「最終戦の青学戦では、入れ替え戦に向けて一部昇格につながる試合ができるようチーム一丸となって臨みました。3―4と敗退してしまいましたが、個人個人新たな課題や目標を再確認し、入れ替え戦に向けて気の引き締まる良い機会になったと感じています。また中断試合となる中、シングルス1の佐野がしっかり勝ってくれたことで、チームも盛り上がり、入れ替え戦に向けてさらに気持ちが高まりました。一戦一戦今まで私たちが積み重ねてきたことを自信にし、明治のチームの良さをさらにパワーアップさせて入れ替え戦に臨みたいと思います。1部入れ替え戦というのは、2年前に経験した2部入れ替え戦とは格段に壁が厚いと思います。しかし、どんな時でも全員を信じ戦いきることで、絶対に1部昇格できると思います。入れ替え戦までの期間をどう過ごすかが最も重要なカギとなりますので、もう一度チーム全体を見直し改善し、取り組んでいきたいと思います。(亜細亜大で脅威となってくる選手は)1部校で戦ってきた相手ですので、さらなる覚悟が必要だと思います。去年2部の下入れ替えに掛かった際の試合を思い返してもそうでしたが、どれだけ強い思いで試合に挑めるかが大事だと思います。相手云々、自分たちのベストを尽くし、絶対に1部昇格したいという気持ちが強ければ相手は関係なく結果が付いてくると思います。(改善していく点は)スタートダッシュが遅い部分が見られたので、アップの仕方であったり全員の気持ちの入り方をさらに改善することで、入替戦において最高な形で試合に挑みたいと思います。1部入替戦はアウェイになりますが、部員全員に“絶対にできる”という気持ちをより強く持たせていかなければいけないと思います。7―0付ける気持ちはもちろんですが、向こうも2部に落ちたくない思いで必死で戦ってくるので、一番辛い戦いになると思います。全員がそれを覚悟した上で、チャレンジ精神を持って臨むことができれば、絶対に1部昇格を果たすことができると思います。何としてでも1部昇格を成し遂げたいです」

佐野
「私の試合が中断になった時にはチームの負けが決まっていましたが、今日私が一勝を上げて、良い流れで入れ替え戦を迎えられるように、絶対勝とうという想いで試合に挑みました。アップの時から周りが声を出して盛り上げてくれたので、良い入り方でプレーをすることが出来たと思います。昨日のファーストセットは、相手のミスもありましたが、自分のテニスが出来たと思います。セカンドセットで中断するまでは、ポジションが後ろに下がってしまい、相手に攻め込まれてしまったので、今日は深いボールを意識して、気持ちを前に前に出して試合をしました。最後は気持ちだったと思います。(入れ替え戦の)相手は1部で戦ってきているので、押されないようにチャレンジャーの気持ちで出だしから明治らしいプレーが出来れば、絶対勝利はついてくると思います。アウェイなので、相手の空気に飲まれないようにしていきたいです。(練習は)夏関も始まるので、入れ替え戦までの過ごし方が大事になってくると思います。(夏関は)ダブルスは斎藤と組みます。予選では、良い展開のダブルスをして勝つことが出来たので、本戦でもしっかり自分たちのテニスをしていきたいです。2本リードしたらポーチに出たり、アタックを打ったりと強気でポイントを取りにいき、1部校に勝って入れ替え戦につながる試合をしていきたいです」

熊谷
「今年のリーグ戦で初めて単複両方とも出て勝ててうれしいです。ダブルスは自分たちのペースで持っていけましたが、最初にセットを取られることで隣のコートに不安を持たせてしまったので最初から取り切れるようにできたら良かったと思います。シングルスも3面同時に入って最初にセットを取られて周りにプレッシャーを掛けてしまったので、最初から取りにいくようにしないといけないと思いました。今年初めてのダブルスということで最初はちょっと緊張しましたが、ペアは1年生で伸び伸びやってほしいと思ったので自分はいけるところだけいくこということで緊張もほぐれて勝つことができました。(ペアの福田は)リーチも長くて無茶なところからでも打って全部入ってくるので1年生パワーはすごいと思います。プレーは私と似ていると思います。競ったところでも打ってくれてその一本で流れがこっちに来ることが多いのでありがたいです。(ダブルスの相手は)4年生で安定しているダブルスだったんですけど、ポーチとか決め切るところでこっちの方が多く思い切りいけたと思います。前半は自分たちが思い切りいきましたが、ミスや相手がいいところで打ってきたことが多かったので2セット目からは自分たちが思いっ切りいきつつも、決め切ることを意識しました。(シングルスは)1セット目から自分のテニスはできなかったんですけど、相手に合わせるのではなく、少しプレーを変えて1セット目からいけたらもう少し簡単に勝てたと思います。2セット、最終セットでも思うようなテニスはできなかったんですけど、セットは取り切れていつもと違うテニスでも勝つことができるんだという自信になりました。いつもは自分から打つテニスなんですけど、今日は打っても相手がうまく交わして私のミス待ちのテニスだったのでそこにハマったのが1セット目でした。相手も私が苦手なところが分かっているのでそこを突いてきたんですけど、丁寧に返すことを意識したら相手が焦って相手のミスの方が早くなったのでもうちょっと早く気付けたらと思いました。今年は1戦目から雰囲気もいいし、みんなが昇格のために頑張ろうという気持ちがあるのでそれについていかないといけないという気持ちがあります。今日チームは負けてしまったんですけど、いい雰囲気で入れ替え戦にいけると思います。(入れ替え戦の相手の亜細亜大は)1部校で簡単に勝たせてくれるチームじゃないし、思い切ったプレーをしてくると思うのでこっちがチャレンジャーとして亜細亜大より上回るチーム力や団結力を見せ付けたいです。チャンスはあるので頑張ります」

斎藤
「同じ県の同い年の何度も対戦したことがある相手なのでお互いライバル意識もありました。ファイナルセット5-4でリードして捲られて負けてしまったので悔しかったんですけど、前回の駒沢戦から課題が見えてそれを少し出せて、まだまだ課題が見つかったので自分にとってはいい試合ができたと思います。入れ替え戦で絶対に勝ちたいと思いました。(相手は)何度も対戦したことがあったのでどういうテニスしてくるか、苦手なところも分かっていたので勝ったり負けたりなので次はリベンジしたいと思います。相手はハードヒットしてくる中でも粘ったり、小柄ながらテクニックもうまいので似てるところはあると思うんですけど、相手の方がハードヒットする力が私より上回っているのでそこが負けた原因だと思います。ファイナルセットで5-4にしてあと1ゲームで勝ちだったんですけど、そう簡単には勝てないぞと監督には言われました。相手も必死で戦ってきている以上、簡単には勝てないので勝ちを意識せずにやったんですけど、どうしても守りに入ってしまったので自分から攻めていけるようにしたいです。(課題は)マイナスに考えてしまうとプレーに出てしまったりするので、応援してくれる方だったりベンチコーチに入ってくれる方であったり一人じゃないんだということを思って、笑顔でプレーしようと思いました。(リーグ戦通して心掛けていることは)笑顔でプレーすることと元気よく声出して応援することやチームを盛り上げることを心掛けています。5戦終わったので雰囲気にも慣れてきてチームの声の大きさでも負けたくないと最近思っているので、その気持ちで入れ替え戦に向かいたいです。(亜細亜大が)慶応に勝ってすごいと思うんですけど明治も4勝しているし強いところを見せられると思います。明治の意地を見せて1部に上がりたいです」