勢い欠ける 順大にフルセット負け/秋季関東大学男子1部リーグ戦

2015.09.13
勢い欠ける 順大にフルセット負け/秋季関東大学男子1部リーグ戦
 単調な展開で流れをつかめず、手痛い連敗を喫した。昨季3位の順大との一戦。第1セットは守備が大きく乱れ悪い滑り出しとなるが除々に調子を取り戻し、第2、3セットを連取する。しかし勝負がかかった後半、勢いに欠けた。国士大戦に続きフルセットに持ち込まれ、序盤に7連続失点。一度は2点差まで迫ったが最後の與崎風人(政経4=鹿児島商)のスパイクはネットを越えず。成績を1勝2敗とし順位を6位に落とした。

 前試合の悪い流れを払拭(ふっしょく)したかった前半、第1セット。順大の強烈なサーブでキャッチが大きく乱れると苦しいチームは単調な攻撃が続いた。大きく点差が開くことはなかったが、連続得点は中盤の13─17からの相手スパイクミスと濱中俊生(商3=弥栄)のレフトスパイクによる一度のみ。じりじりと点差は開き23─25でセットを落とした。続く第2セットも序盤は再びレシーブが崩れ、本来の攻撃の形に持ち込むことができず。すると12─18の場面、それまでサーブで狙われていた野村昇吾(商4=高知商)に代え、守備力の光る頼金大夢(法2=東福岡)を投入する。「頼金が入ってからリズムが上がった」(辰巳遼・文2=清風)と安定したサーブレシーブに加え、レフト、ライトの両サイドからの鋭いスパイクで得点を決めると最大6点あった差をひっくり返した。25─23で取り返し、カウントを1─1と並べる。抜け出したい第3セット。またしても中盤まで流れが動かなかった。しかし13─14の場面、息をのむ長いラリーの中で迎えた3度目のチャンスで、與崎は2段トスを3枚ブロックの空いたストレートへ叩き込んだ。チームは再び勢いを取り戻し25─22で王手をかけた。

 最大の鬼門を突破することができなかった。第4セット、再び流れは振り出しに戻り12─13まで互いに連続得点を許さない緊迫した展開は続いた。明大が先に均衡を破った15─13の場面、ピンチサーバーとして途中出場した山中奏(法3=駿台学園)が強烈なジャンプサーブで大きく相手を崩し、濱中が1枚ブロックを決める。順大にタイムアウトを取らせた。しかし「迷いが生まれてしまった」(山中)と、勝負していきたい気持ちと入れていきたい気持ちが交差したことで、タイムアウト明けのサーブはミス。再び勢いは止まり「淡々としていた」(濱中)と相手が勢いを吹き返す結果に。23─25で勝負はフルセットにもつれた。運命の第5セットは「4セット目を取り切れなかったのが向こうを勢いづかせてしまった原因」(瀧野)と、序盤から相手の勢いは止まらず2度のタイムアウトを挟むも7連続失点で1─8。再び山中の強烈な2本連続のサービスエースで望みをつないだが最後は11─15で力尽きた。

 高さで劣る部分も粘りでカバーし、格上チームに対し一度は勝利も見えた。しかし「自分たちに決め手がなかった」(與崎)と、リードを保っても勢いの生まれないチームに「向こうも負けていても怖さはなかったと思う」(濱中)と厳しい声も飛んだ。昨季の対戦と異なり、簡単に拾い負けず、セット終盤で逆転する成長も見せたチーム。あとは流れを呼び込む勝利への力強い勢いのみだ。次週は因縁の早大との対戦が待つ。昨季はカウント2─0からの大逆転負けを喫した相手を前に、勝利への執念が試される。

[川合茉実]

◆秋季関東大学1部リーグ戦日程表◆
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日付 対戦相手 場所 スコア
9・6
東海大
専大生田総合体育館
○3{25―21、25―21、25―21}0
9・12
国士大
専大生田総合体育館
●2{25―22、15―25、25―19、20―25、12―15}3
9・13
順大
専大生田総合体育館
●2{19―25、25―23、25―22、20―25、11―15}3
9・19
早大
専大生田総合体育館
9・20
中大
専大生田総合体育館
10・3
筑波大
町田市立総合体育館
10・4
専大
町田市立総合記念館
10・10
駒大
日体大健志台米本記念館
10・11
日体大
日体大健志台米本記念館
10・17
法大
日体大健志台米本記念館
10・18
学芸大
日体大健志台米本記念館

試合後のコメント
瀧野

「出だしの悪さもあるが、それなりに勝負はできていた。試合振り返ると4セット目を取り切れなかったのが向こうを勢いづかせてしまった原因。(4セット目のコートの雰囲気)サイドアウトはうまくいっていたが、サーブで仕掛けてブロックでブレイクできなかった。ずっと合わせている感じだった。自分たちで点を取りに行く雰囲気がなかった。相手のミスを待たないで自分たちで点を取りに行ける雰囲気があれば勝ちにつながったと思う。頼金を入れたのは昨日と同じ展開だったから。サーブカットが入らないとコンビもできないし、まずは守備を固めなきゃいけない。昨日と同じ展開の中で頼金はしっかり仕事をしてくれた。(最終セット)焦りというよりは点差をつけられて精神的にやられた。1―8になってテンションが下がってきてしまった。どうしてもレフトばっかりになってしまうのでバックとか使えるようにしていきたい。(山中)5セット目のサービスエースは2本とも評価できる。ただタイムアウト明けのミスはもう1点欲しいところだったので変えていかないといけない。(前日に続くフルセットでの敗戦)4セット目を落として、5セット目の入りに気を付けて勝負に出たが、前のセットを引きずるのは少しあった。(順大への意識)クイックが通されると厳しいので、サーブで崩してブレイクチャンスを得ようとしていた。サーブカットも気持ちを切らさずに我慢しようと臨んだ。(サーブで攻めたか)攻めるとミスが出るし、前の選手がミスをしているとミスできないので入れていったりという悪循環が多かった。サーブの面では目標は達成できなかった。(来週に向け)まだ始まったばかりだし、負けているチームも多い。上位に上がるチャンスはまだまだあるので気持ち切り替えたい。早稲田には春悔しい思いをしているので、そこは借りを返すつもりで気持ちをつくっていきたい」

與崎
「自分たちの決め手がなかった。サーブキャッチが安定していなかった。フローターじゃなくてジャンプサーブにやられていた。一週間しっかりジャンプサーブのキャッチを磨いていきたい。(頼金は)速いトスを打てるので、レフト側にブロックを一枚引き寄せられるので、センターが決まるよになったのは良かった。でも、せった場面で使えきっていない。センター陣も機能できずライトも打てなかったので、そこをもうちょっとしっかりできれば良かった。自分自信そんなに身長がある方じゃないので、空いてるとこをしっかり狙っていこうと思い二段トスを使った。第4セットはもう自分たちの形にはめることができなかった。序盤であれだけ離されれば勝負は決まったようなもの。それで諦めない気持ちも大事だが、最後はどうしても苦しくなる。もうちょっと序盤に決めていければ良かった。もうちょっとコンビが組み立てられれば変わってくると思うが、まだまだコンビを組む段階ではない。キャッチも返らないし、切り返しの面も強みもない。そういうところから一個ずつやっていかないといけない」

濱中
「勢いをつけるのが下手。(4セット目は)2―1で勝ってるのに勝ってるようなチームの雰囲気ではなかった。セットの中で2点差をつけていても勝っている雰囲気ではなかった。それが課題。向こうも負けていても怖さはなかったと思う。4セット目を取り切れなかったのが敗因。個人的には2日連続フルセットの試合で体力的に厳しかった。そこは個人的な課題。(コートの雰囲気)淡々としていた。昨日からの変化もない。今日も格上の相手に対して対等に試合をしていた。多少相手がひるむくらいの勢いがないと勝てない。(最終セット)急にトスが乱れたのもあるし、1本目でクイックをシャットされてもう真ん中が使えなくなったのも痛かった。(順大の意識)打てないボールはリバウンドを取って何回も攻撃する形を取っていこうという意識で臨んだ。そこはできていたし、ブロックもライトに対してのブロックはしっかりしていた。レフトに対してのブロックが最後まで厳しかった。(勢いつけるには)やっぱり声。そこの殻を全員で破らないと勢いは生まれない。(今週の2戦)毎回4セット目を落としている。そこでの気持ちの萎えの方が大きいのかもしれない。そのまま5セット目に入って相手の勢いに押されるパターン。(来週に向けて)技術というよりは気持ちが大事なので、後は流れと勢いでどれだけもっていけるかだと思う」

山中
「全体的に言えば1セット目の入り。やはりコンビが単調すぎたかなと。2セット目からB攻撃を絡めたり、(Bの)中を使ったりで良かった。でもそこで4セット目勝ち切れれば良かった。自分が1本崩した後のタイム明けでミスしてしまったのが敗因につながってしまった。責任がある。(単調になってしまったというのは)単純に自分たちが上げやすいところに、安全策に行き過ぎたという感じ。(重要な場面でのサーブ)ただ崩す、点取れればラッキーという感じ。今から思えば、4セット目は入れていけばよかった。本当大きかったかなと思う。周りの声と、自分の打ちたいという気持ちが違って。そこで迷いが出てしまった。結果ミスになってしまったので、やはり(これからも)入れていけとなると思うが、そこで何も言われなくても入れられるようになれれば。周りも何も言ってこないと思うので、自分の力不足を感じた。(第5セットの連続サービスエース)普通に入れていっても勝てない点数だったので完全に得点を狙いに行くサーブを打った。思いっきり向かっていく気持ちで。(次戦早大戦に向けて)負けが確定しているような状況じゃなくて、少ない点差でしっかり安定したサーブが打てるように。安定力というのを上げていけたらと思う」

辰巳
「第2セット目に頼金が入ってからリズムが上がったのでトスが上げやすかった。サーブレシーブでは今日は頼金が入っていたので、リズムがあるトスでコンビが組みやすかった。第4セットはこっちのサーブミスから(悪い流れが)始まった。向こうのサーブが良かったので、とりあえず真ん中に上げて二段トスでしっかりスパイク決めていくっていう風に思っていた。そこで相手は高いしフォローとか、スパイカーが思い切って打てるような環境を作れなかった。(ピンチサーバーの活躍もあったが)その後にサーブミスがあった。その後一本で切れれば良かった。自分としてはトスが乱れてからのコンビとブロックを磨いていきたい」

頼金
「自分たちのミスがあったので、ミスをつめていければ良かったかなと思う。向こうが大きい分、スパイクとかすごいので1回1回落ち込まずに切り替えていければ良かったかなと。(第2セット目途中出場)負けている場面だったので思い切りやっていこうという気持ちで入った。深くは考えなかった。自分や野村さんはキャッチだったり、レシーブが中心になってくると思うので、そこでうまくチームを回していくことが役割だと思う。向こうのサーブも走っていたので、崩されても切り替えていければよかった。(入ったことにより雰囲気は)流れがこっちに来てくれたのでありがとうございます、という感じ。思ったよりは全然、上がるボールも上げられなかった。それは自分の力量次第なので頑張りたい。キャッチがまだ全然不安定なので安定させることと、サーブでもうちょっと攻めれればと思う。(武器は)自分はレシーブ面であったり、攻撃面だったらスピード生かしたクイックですかね。(第4セットを落としてしまったことは)流れが悪くて落としたわけではなかったので、次を切り替えていければよかった。5セット目は最初決め切れなかったのが大きい。1本目しっかり決め切れていたら、もっと流れが変わっていたはずだった。(次戦に向けて)まだ来週でれるかわからないが、思い切りやりたい。今は1勝2敗で負け越してしまったので、勝ち越せるように頑張っていく」