野田が1万mWで自己ベスト更新し3位! /日本学生対校選手権2、3日目

2015.09.13
野田が1万mWで自己ベスト更新し3位! /日本学生対校選手権2、3日目
 トラックの大会で今年最後の大舞台である全カレは幕を閉じた。男子1万mWでは野田明宏(商2=清風)が自己ベストを大幅に更新し、合宿明けで厳しいレースが予想されていた牟田祐樹(農4=西武文理)は男子5000m走で8位と健闘。一方、優勝が期待されていた高山峻野(法3=広島工大付)の男子110mHは棄権、前田恋弥(政経1=市立船橋)の男子800m走は準決勝止まりとなった。

 野田の進化が止まらない。男子1万mWに出場した野田は40分00秒09で3位入賞を果たし、自己ベストを約19秒も縮めてきた。スタートから先頭に立ち、レースを作っていくも3000mを通過すると松永(東洋大)と山西(京大)に一気に離され及川(東洋大)と3位争いになる。一度は及川に先行され孤立するが、負けじと残り1500m前後で追い抜かした。それ以降順位に変動はなく3位でフィニッシュ。ふたを開けてみると大会記録を出した松永を始め、上位3人全員が自己ベストを塗り替えるハイレベルなレースだった。 野田は今年3月の日本学生20㎞競歩大会で明大記録を出しており、進化し続けていることは記録を見れば一目瞭然。野田の可能性は底なしだ。

 新星は全カレで輝けなかった。男子800m走に出場した前田は準決勝敗退で終わった。「洗礼を受けた」(前田)。明大入学後、5月中旬に行われた関カレや今大会など大規模な大会で納得のいく走りができず大学の厳しさを痛感。もともと今回の800m走では追い上げ型の走りを想定しており、実際に予選では余力を残したままのゴールに成功。準決勝も序盤は一番後方からのスタートを切れるも、新安(順大)や福永(日大)のラストスパートに付いていけず6着でのゴールとなった。前田は「まだまだ自分の実力に合わず、レースメークに沿った結果を残せていない」と内省し、さらなる実力アップを目指し、まずは日体大記録会での好タイムを狙う。悔しさに満ちた顔つきの中、前田の目の奥には燃える思いがあった。

 リベンジは果たせなかった。男子5000m走に出場した牟田は、序盤は留学生中心の先頭集団に付いていくも、頻繁に変化するペースに消耗し8位で終わる。「自分の苦手なところが露骨に出てしまった」(牟田)と中盤以降の落ち込みは著しく先頭集団と大きく差がついてしまった。4年生であるため明大を背負いトラックで走ることは今大会でなくなり、最期に満足いく結果を出せなかったことに悔しげだった。しかし「僕がエースみたいな活躍をしなくてはいけない」と駅伝シーズンに向けて切り替えは済んでいる。横手健主将(政経4=作新学院)や木村慎(商4=浜松日体)と同じエース格としての活躍がカギを握る。
 高校の時から13分台をマークしていたルーキー坂口裕之(政経1=諫早)は16位でゴールした。タイムも14分22秒00と自身の持つベストに及ばず。しかし「このレースを経験できたということがとても大きなこと」(坂口)と1年生の間は経験を重視する坂口にとって今大会は大いに価値あるものとなった。

 これからは駅伝のシーズンだ。会場には暖かい日差しの中に涼しい風が吹き、今年のトラック競技の終わりを告げていた。短距離は記録会と練習を経て来シーズンに向け実力を伸ばし、競歩はロードレースが主になる。秋、冬がメインシーズンとも言える長距離は10月12日に昨年天候不順によって中止となった出雲駅伝があり、大会まで既に一ヶ月を切っている。坂口や田中龍太(法1=鹿児島実業)の新戦力も加わる中、横手、木村のダブルエースを主軸に3冠を狙う。

[渡邊弘基]

試合後のコメント
牟田
「留学生中心のレースになった。ダッシュみたいなペースアップが何回かあって最初はそれについていけたが、それに力を使ってしまい3000mあたりから離れてしまって、そこからの落ち込みは激しかった。自分の苦手なところが露骨に出てしまった。最後のトラックの大会、最後の(トラックの)紫紺のユニフォームで出る大会なので活躍したいと思ってレースに臨んだ。最後のトラックシーズンをいい結果で締めたいと思った。(駅伝シーズンに入るが)僕の立場的に、トラックのベストとかを考えると明治のチームでも主力の区間を任されないといけないと思う。でも駅伝では走れてないので横手と木村がダブルエースと言われていて、僕がのけ者になっているけれど、僕がエースみたいな活躍をしなくてはいけない。4年生の意地を見せたい」

塩島
「(試合を振り返って)3回目の出場となるから変な緊張とかはなかったが、みんなが狙ってくる空気に飲まれてしまいペースを乱された感じがする。先週出た県選手権大会に出たのだが、そこで失格してしまっていた。だから今週1週間フォームを修正して臨み、失格せず走りきれて良かった。先頭に付いていければ良かったが、前半速く入り過ぎてしまい後半は落ちたペースを維持することしかできなかったから、そこはコーチと相談して修正していかなければならない。大会が続いたから、疲労ということをもっと考えれば良かった。合宿はもうなくて10月にある20キロの大会に備えた練習に移る」

坂口
「(試合を終えて)入賞を狙いたかったし自分の力は出し切ったが、夏合宿の疲れが予想以上にあった。そこが自分の弱いところだが、この経験を次に生かせばまだまだ先輩たちにも付いていけると思うから、 生かしていきたい。中盤から孤立してしまったのは問題だが、このレースを経験できたということがとても大きなことだと思うから、そこまでマイナスに思っていない。負けてしまったことは自分の奮起材料になるから次に臨んでいきたい。今後の合宿は出雲駅伝とか記録会とかだんだんタイムを狙うところになってくるから、そこで先輩たちに食らいついていけば、まだまだいけると思うから、諦めずどんどん前に進んでいきたい。(この大会はどういった位置づけで)1年目の日本インカレは経験を積むということだったから、それができたことは良かった。前向きに捉えていきたい」

前田
「(準決勝を終えて)自分たちの組は4年生が多くて、4年生の意地を感じた。大学生になって結果をまだ残せてなくて洗礼を受けた気がする。この1年間の関カレや全カレでいい経験ができた。1500m走の時に、前を意識しすぎて前半で疲れてしまっていると山本コーチから指摘を受けて、800m走ではその反省点を修正する形で臨んだ。だがまだまだ自分の実力に合わず、レースメークに沿った結果を残せていない。これからは実力も付けてレースメークで結果を残せるようにしたい。今回の全カレもそうだが、これまで大学で色んな経験ができて、それで自分の弱さを実感した。だからこの経験を来年の関カレや全カレを始めとする今後の大会に生かしていきたい」