
玉川大にわずかにおよばず/関東大学女子2部リーグ戦
スターターは、川副舞主将(理工4=富士学苑)、藤野希生(国際1=埼玉栄)、伴真衣香(文4=東京成徳)、多久文乃(情コミ1=東京成徳)、北浦彩加(国際4=大津)。
相手の3Pシュートに屈した。一度もリードすることなく迎えた第4クオーター。多久の3連続得点に続いた北浦のシュートでついに同点に追い付く。しかしここから2本の3Pシュートを許してしまい、藤野のジャンプシュートで食い下がるも4点差に。川副の3Pシュートと北浦の得点力で今度はこの試合初めてのリードを奪うも、再び3Pシュートで連続得点を浴び、わずかに届かず57―59で敗戦。勝負どころで決められた4本の3Pシュートが痛かった。
後半の追い上げはディフェンスがつくった。14点ビハインドで迎えた後半、ディフェンスから速い攻撃を見せ連続9得点。逆転への足掛かりをつくった。その後もゾーンディフェンスが見事にはまり、相手のオフェンスをことごとくインターセプト。相手にまともな攻撃をさせず、終盤に猛追した。
負けず嫌いが大暴れを見せた。リーグ戦で初のスターターとなったルーキーの多久。チーム最多18得点をあげ、リバウンドも数多く抑えた。「走るのは嫌い」と言いながらも、要所で走ることでバスケットカウントや速攻で得点を重ね、チームを勢いづけた。「気持ちを入れて試合に入った」と、持ち前のガッツで、チームの追い上げを支えた。平田聡HCも「彼女はもともと気持ちの強いタイプ。チャンスをものにするプレーをしてくれた」と多久のプレー・メンタルを評価。リーグ戦初のスターターでも、臆することなく猛アピールを見せた。
もともと気持ちの強さは見せていた。大学入学時に鼻を骨折し、しばらくプレーができなかった。5月のトーナメントには出場できず、直後に行われる新人戦の出場も危ぶまれた。それでも「出ます」と平田HCに伝え、フェイスガードをしながら強行出場。1回戦での193得点に貢献した。
身長こそ小さいものの「ファウルされたらやり返さないと気が済まない。ぶっ飛ばしてやろうと思ってる」というほど負けん気は強い。試合後にも「もっとやっておけば良かったかな」とその闘争心は衰えない。インサイドでのプレーが多いためあざができることもしょっちゅう。しかし「あざがあったりした方が頑張ってる感があっていいよね、とかクウ(藤野)と話したりする」と全く気にせず笑顔で語る。
高パフォーマンスを見せたものの、試合には敗れ悔しさを露わにした。「大事なところでフリースローとか決めきれなかった」。競り合った自信よりも悔しさを味わった。当たりの強さと技術を融合させたプレーや、北浦のような相手が止められないターンシュートを目指し、さらなる成長を誓った。
次戦は桐蔭横浜大と対戦。激戦の直後で疲労も大きいが、上位リーグ進出のためにはこれ以上の負けは許されない。「絶対勝ちます」と平田HC。残り試合を全勝で終わらせたい。
[松井嚴一郎]
試合後のコメント
平田HC
「前半にディフェンスリバウンドを取れなかったのが響いた。後半はゾーンがうまくいった。夏から練習はしてた。時間をかけてボールを運ばせればいける、と言ってやっていたが、4ピリでうまくいった。今日の後半みたいな強さでこれからもやれれば。に関しては、あれだけノーマークだと、やはり入ってしまう。こちらのシュートに関しては、フリースローを含めて夏の入らなかったころに戻ってしまった。ただ競った試合ができたことはいい自信になったと思う。その分が明日、それ以降に生きてくる。1年生頼りで良くないかもしれないが、多久はスタートで出て、チャンスをものにしてくれた。明日は必ず勝ちます」
川副主将
「出だしが悪かった。1ピリでオフェンスの時にみんな足が止まっていてボール持っている人が孤立するのが結構あった。自分たちのペースに持っていけるようなシュートが打てなかった。それとリバウンドが取られすぎた。そこが敗因かなと思う。(競った展開になったが)相手が3P打ってきていて自分たちも負けずに攻めてファウルもらって2ショットっていうのが結構あった。食い付いていたとは思うんですけど最後相手の方がシュートに対する意欲だったりが上手だった。夏の勝ち切れないところが出たかなと思う。あと1本3Pを決められなければ勝っていた。(後半は積極的にゴールに向かっていたが)イケイケムードだったし、ガードが引いてしまうと悪い流れになってしまうと思ったので自分からパス受けてリングに向かっていこうという気持ちは最後はあった。それは3Pにつながったと思う。でもそのあと細かいパスミスが多かったので自分的にはまだ納得していないしまだまだだと思う。(ゾーンは)思ったより効きました。ハイポに入れて流れをつくろうというチームだったと思うので、私もハイポで何回かカットしたんですけどそれはハイポで絶対入れさせないようにしようという意識があった。リバウンドも多久とかがボックス頑張ってたりしてたのでリバウンドは多久に救われたと思う。(明日は)この2試合のどっちかは勝たないと上に行けないので、明日は全員でリング向かって勝ちにいきたい」
多久
「今週は練習からずっとスタートとしてやってた。昨日の練習でもディフェンスの話をして、気持ち入れて入った。3ピリから、とりあえず一桁差にしようってなってて、自分はとにかく走ろうと意識してた。いいパスがきてたおかげでドライブとかできたけど、自分でいきすぎちゃったので、もう少しうまくさばけたりできれば良かった。入学したころに、クウ(藤野)とあうプレーが多かったけど、最近少なかったので、今日いい形でできたのは良かった。ただクウにディフェンスが寄ってるときに、もっと呼んだりして助けたかった。(18得点は)いいパスがきてた。自分がリバウンドや点をとらないといけないと思っていた。大事な時にフリーを決められなかったのが悔しかった。自信より悔しさが大きい」
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