
国士大に敗北で開幕連勝ならず/秋季関東大学男子1部リーグ戦
安心できる瞬間はなかった。立ち上がりから取っては取られの拮抗(きっこう)した状態が続いた。18―18の同点の場面、原潤一(文4=習志野)のAクイックで抜け出しリードを広げ、第1セットを25―22で先取。第2セット、勢いづいたかと思われたが依然1点を争う。それでも濱中俊生(商3=弥栄)のバックアタックが決まり2点差まで詰め寄った。追いかけ続ける明大だが、キャッチの乱れから徐々にブロックにつかまりはじめる。「ミスを出した後のプレーで1点取りに行くことができなかった。そういう面でチーム全体として気持ちが切れてしまった」と瀧野頼太主将(政経4=創造学園)。たまらずタイムアウトを挟んだが、押し切られ5連続失点を許し一気に差を広げられた。與崎風人(政経4=鹿児島商)がライトからストレートでたたき込むも反撃も及ばず、再び4連続失点であえなく失セット。スコアも伸びず15―25で試合は振り出しに戻された。
状況を打開しようと第3セットには頼金大夢(法2=東福岡)を投入。乱れたサーブレシーブを整え攻撃の基盤を固めコンビバレーを展開。時間差攻撃を得点源に25―19でこのセットは収めた。しかし「得点を決めてもリズムがこっちに来なかった」(辰巳)。第4セットは再び苦戦を強いられる。試合が進むにつれて攻撃がレフトに偏るなど単調になってしまった。また、国士大のブロード攻撃に対応できず終始リードされたまま第4セットを落とした。
勝負の最終セット、4―4の均衡を破ったのは濱中だった。原、辰巳のブロックをつないでレフトからのクロスで制した。その後も與崎がブロックアウトを取るなど少しずつ点差を広げていくがここでも手痛い連続失点。「一本で切りたかったが、決まらないときにコンビが出なかった」(瀧野)と国士大のペースにのまれ3点差をひっくり返すことはできず12―15で試合終了となった。
敗北も悲観することはない。まだ秋季リーグ戦は始まったばかりだ。ミスが多かったことは事実だが試合通してレシーブは上がり続けていた。今日は合わない部分もあったコンビを確実に決めて、理想とするバレーを展開していきたい。次に控える春季リーグ3位の順大戦は「今日みたいな雰囲気じゃ勝てない」(濱中)。強気なプレーで勝利を呼び込みたい。
[荒井希和子]
日付 | 対戦相手 | 場所 | スコア | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
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試合後のコメント
瀧野
「先週に比べるとミスが多かった。その分、流れに乗りそうな時に乗れなかった。(2セット目)ミスはしょうがないが精神的に我慢できなかった。最小限に失点を防ぐことができなかった。ミスを出した後のプレーで一点取りに行くことができなかった。そういう面でチーム全体として気持ちが切れてしまった。(ブロック)国士大はコンビも多彩なチーム。ブロックよりはレシーブでもっと上げていかないといけなかった。レシーブが機能すればそこを打たないように向こうのスパイカーも打ってきてそこでブロックポイントを取ることを狙っていた。(頼金)まずレセプションを固めて明治のコンビバレーをしていこうと思ったので起用した。そういう意味では仕事をしてくれた。(5セット目の連続失点)濱中が下がると点が取れなくなる。一本で切りたかったが、決まらないときにコンビが出なかったのでずるずるいってしまった。切り替えもうまくいかなかったし、気持ちの部分で前のミスを引きずることが多かった。(明日の順大戦)春は早稲田で負けたあたりからずるずるいってしまったので、リーグ戦長いし、相手どうこうよりはまずは自分たちのバレーをしっかりやりたい」
與崎
「サーブもだが全体的にミスが多かった。先週もミスはあったが相手も同じようにミスがあったので五分五分の試合ができてきた。今日はこっちのミスの方が多かったので試合の流れ的にきつかった。セッターとのコンビも割とあっていなかった。でも決めきらないと点数は入らないのでセッターのせいだけではない。勝っているセットでも負けているセットでもコート内の雰囲気が盛り上がらず、一定過ぎた。一気に上がるような雰囲気が欲しかった。やっぱりプレーが一番影響してくるので、流れを変えるようなビッグプレーが一本でもあればそこから乗って行けたと思う。今日もレシーブは上がっていて結構良いのではと思ったがそこから上がって行けなかった。連続失点があるのは仕方ないことだが、最後の決めきるような切り札がない。攻撃もレフトに偏っていて、何とかつないでいた感じがあった。そこはもっとセッターが考えてできればよかったが、下級生なのでそこはしっかり指示を出しておくべきだった。今日はミスが多く出てしまったが、ミスを恐れて守りの姿勢に入ってしまうケースが多い。明日の順天大戦では攻めの姿勢は保ちつつ、一本でも二本でもミスを減らしていけば良い勝負ができると思う」
濱中
「点差が離されると声が出なくなるし、だからこそ序盤に点を取らなければいけなかった。今日はミスが多かった。サーブカットを乱されたし、サーブミスもあった。スパイクも決めることが多かったが、その分ミスもあった。個人的には2段で切れていたので良かった。(2セット目)雰囲気悪かった。キャッチが返らなった。頼金を入れたのは正解だったが、押し切れなかった。(自身の調子)調子は悪くなかった。最後のセットで力入りすぎた。辰巳のトスもカバーしきれなかった。ブロードの対策もしていたが、何本もインナーにやられていた。(明日の順大戦)ポテンシャルが高いチーム。今日みたいな雰囲気じゃ勝てない。同じミスを繰り返さないようにやりたい」
辰巳
「こっちが先に王手かけていたので、それを落としてしまったのがもったいなかった。(敗因は)相手がどうこうとかじゃなくて全てこっちのミス。修正していかないとこれからは勝てない。先週の東海大は相手が難しいことをして来なかったというのがあった。だけど今回は相手のバレーが速くなってきて、自分たちの思うようにやらせてもらえなかった。(前回の試合と大きく違ってしまったこと)やはり自分たちのミス。うちは小さいチームなので、1本で決めるというのは毎回できることはないと思っている。でもラリーで拾い負けしてしまい、普段ならなかったことだなと。敗因の一つだったと思う。サーブレシーブがかなり崩されてしまって、二段トスなどでつなげる部分で、スパイカーが打ちやすいところに持っていければもっと違う展開に持っていけたはずだった。中でやっていても、得点を決めてもリズムがこっちに来なかったという印象。(守備)先週から、相手のブロードの対策をしていてある程度はまった部分はあった。でも相手が苦しい場面でライト側が開けていなかった。(国士は春もフル負け)苦手意識は全くなかった。今回は本当自分たちのミス。春負けてるから勝とうということはチームであった。収穫という部分はまだこれから。負けてもまた次の試合があるのでそこを切り替えて勝ちたい」
頼金
「1、2セット目でキャッチが乱れていたところがあったので入ってからはそこを重視していこうと思った。実際はそこまで返すことができなかった。(瀧野さんには)こっちのフォローとかも行こうと思っていてくれたみたいなので、その分負担が掛かってしまったのかもしれない。攻撃が単調になってしまっていたことは連続失点の原因の一つ。自分の本数とかが増えたら良かった。まだリーグは始まったばかりなので修正していけば問題ない」
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