早大に肉薄も一歩及ばず 王座進出逃す/関東大学男子1部リーグ戦

2015.09.07
 王座進出はならなかった。王者・早大を相手にダブルスは2-1とリード。絶好の雰囲気で折り返したが、シングルスでは早大が勝負強さを発揮。スコア以上に競り合った試合を展開するも、惜敗を重ね3-6で敗れた。「王座に出られないということは『悔しい』の一言」と弓立祐生主将(政経4=新田)。2連敗を喫し、王座進出の可能性は潰えてしまった。

 紙一重の差が勝負を分けた。午後4時を回った時点で3-3の同点。コートで行われていた3試合で勝ち越した方が勝利する状況になっていた。明大からプレーしていたのは澁田大樹(商3=鳳凰)、伊藤勇貴(営4=名経大市邨)、諱五貴(営3=松商学園)。澁田、伊藤ともに第1セットを奪われ劣勢となっていたが、気持ちの入ったプレーを見せ接戦に持ち込んでいた。
 最初に試合が終わったのは澁田だった。長いラリーが続く展開となったが「いったときはほとんどポイントが取れたが、受身になってしまって自分からいくことが少なかった」と攻めきれず、第2セットを5-7で落とし敗れた。
 一つも負けられない状況となり、伊藤の試合も終盤にさしかかっていた。第1セットを落とし、第2セットも相手にリードを許していたが「自分は4年生で早稲田に向かっていかないといけないと思えた時に、勝手に声が出て体が動いてという本来の自分が出てきた」(伊藤)。積極的に前に出てフォアで攻める攻撃的なプレーで、互角の戦いを繰り広げた。しかし、なかなかリードを奪えずゲームカウントは3-5に。あと1ポイント取られればチームの負けが決まる窮地に追い込まれるが、この状況でも攻めの姿勢を捨てなかった。松崎(早大)に2度もアドバンテージを握られるが「ミスなんて恐れている場合ではなかった。みんな応援してくれていたので、気合でプレーした」と伊藤。ここでも攻めに攻め、2度のアドバンテージをはね返して逆転でこのゲームを奪って見せた。次のゲームを落として敗れはしたものの、最後のリーグ戦で自分のプレーを貫いた。
 この結果、早大が5勝を挙げ早大の勝利が決定した。最後まで残った諱は、インカレ決勝の再現となる今井(早大)との対戦となったが「第2セットはインカレと一緒で、フィジカルの差が出てしまった部分もあった」(諱)と第2セットで失速し、インカレの雪辱はならなかった。

 慶大戦で3連敗を喫したダブルスが奮起した。弓立・澁田組は第1セットを2-6で落としたが、第2セットでは主導権を握り6-2と圧勝で奪い返す。最終セットはタイブレークまでもつれる接戦となったが「引かずに自分たちの思っていることをトライしてという形に持っていけた」(澁田)と白星を挙げた。諱・西脇一樹(国際3=松商学園)組は最終セットまでもつれたものの「噛み合っていて、ファイナルまでいっても最後まで取り切れた」(諱)と安定した試合運びで勝利を決めた。「これが本来の姿。チャレンジャーの思いがあったことが結果につながった」と上原真吾監督。王座への思いをプレーで見せた。

 慶大、早大に敗れ、悲願の王座進出は叶わなかった。しかし「落ち込むだけ落ち込んだ。負けてはしまったが、全て出し切れた」(弓立)と試合後は清々しい表情で振り返った。まだ中大戦が残っている。「4年生も最後だし、このメンバーでやるのも最後なので、絶対に何がなんでも勝っていい形で締めくくらないといけない」(澁田)。王座進出という形では迎えることが出来なかったが、納得のできる集大成を迎えたい。

[高田悠太郎]

試合後のコメント
上原監督

「早稲田が強かったですね。ダブルスは2つ取れましたが、これが本来の姿。チャレンジャーの思いがあったことが結果につながりました。シングルスは悪くなかったですが、澁田と西脇が機能しないとウチの強さが出ないかなと。下がってプレーしてしまったところで、早稲田はそこでしっかり出てきていたところが、ウチのまだ足りないところなのかなと思います。40までいってから取れなかった少しの差だけなのですが、それが取れないことがすごく大きい差。次戦の中央も強いですから、そこを9-0で勝つこと、今年の明治は強かったなと思わせることが集大成になるのではないかなと。気持ちをもう一度入れ直さないといけないですし、全員が気持ちを入れ直してやってくれると思います」

伊藤
「相手の実力に対して悪いイメージを刷り込まれてしまっていたという部分が正直あって出だしはつまずいてしまいました。ですが、自分は4年生で早稲田に向かっていかないといけないと思えた時に、勝手に声が出て体が動いてという本来の自分が出てきたので、それが大きかったというか、負けてはしまいましたがチームに流れは与えられたと思います。ガッツポーズも自分は4年生でムードメーカーなので、隣でプレーしていた諱も勢いづかないかなと思い意識的にやりました。ポジションを少し前にして攻めに出たら上手くいきました。追いかける形になってしまったので、一つ抜けたら一気に行けるかと思ったのですが、そこはやはり早稲田強いなと思いました。ですが、リーグ戦の中で一番のプレーが出来たのではないかと思います。中大戦では今日以上のプレーをして、感動を与えたいです」

弓立
「3-6で負けてしまいましたが、全て出し切れたのではないかと思います。慶大戦では負けて悔しかったですが、切り替えが大事だと、前を向いていこうということをチームに言いました。今日はみんな気合が入っていて、雰囲気はすごく良かったのですが、王座に出られないということは『悔しい』の一言ですね。自分は単複で勝つことが出来ましたが、チームが負けたので負けは負けです。まだリーグは終わっていないので、中大戦でしっかり勝ち切って、来年の王座出場につながる試合にしたいです。悔いのない試合をしたいと思います」


「ダブルスは噛み合ってファイナルまでいっても最後まで取り切れたので、西脇が今日素晴らしく良くてかなり助けられた部分もありました。(シングルスはインカレ決勝で戦った相手でしたが)ファーストはセットポイントもあったしチャンスが何度もあったんですけど、チャンスがきたときに焦ってしまったり、単発のミスが出てしまったので後悔しています。セカンドはインカレと一緒でフィジカルの差が出てしまった部分もあって、風も吹いてきたので風下にいるときに相手が風上から打ってくるボールが重いし速いしコースいいし何もできなくて、あそこで耐えられるフィジカルも大切なのかなと思いました。リベンジしたくてファーストは自分的にもいいプレーが出てたしインカレに比べても前に出て攻められたかなと思います。(シングルス1は)4-4で掛かるんじゃないか、というときに入ったので緊張しました。(中大戦は)王座はいけないんですけど負けたらいけない相手だと思うし個人的にも負けられないので勝ちます」

澁田
「ダブルスでリードできていい流れでシングルスに渡せたんですけど、逆にチャンスが目の前にあって緊張もしてしまって、自分が入る前の試合もみんなあまりリードできてなくて若干ですけどプレッシャーに感じてしまったところもありました。ですが、そういうところは練習とかで鍛えたられることじゃないと思うので、メンタルというか自分の持ってる力を最大限に出すためにちゃんとした心構えが必要だなとあらためて感じました。3-6ほどの差は本当にないと思うので、今年王座はもう行けなくなってしまったのですが、来年は早稲田の強い2人が抜けたりして、うちは弓立さん、伊藤さんが抜けてしまうんですけど3年生が主力で戦えてるんで、来年こそは絶対にいけるようにこういう場面を想定して日頃考えながら行動していかないといけないなと思います。(中大戦は)4年生も最後だしこのメンバーでやるのも最後なので絶対に何がなんでも勝っていい形で締めくくらないといけないと思うので、選手もサポートも一丸で頑張りたいと思います」