1―0で駒大撃破! 後期リーグ戦は好調なスタートを切る/関東大学1部リーグ戦

2015.09.07
1―0で駒大撃破! 後期リーグ戦は好調なスタートを切る/関東大学1部リーグ戦

 駒大との後期リーグ開幕戦を白星で飾った! 試合開始から均衡していたが、後半28分、藤本佳希(文4=済美)のパスから柴戸海(政経2=市立船橋)がゴールネットを揺らし先制点を獲得。駒大の右サイドからの猛攻に苦しみGK服部一輝(法3=札幌大谷)の好プレーに救われることもあったが、優勢を守り切り試合終了。勝ち点3を得て暫定5位に浮上し、逆転優勝に向け幸先いいスタートを切った。
 計算されたゴールだった。後半28分に藤本が柴戸のスルーパスを受け、放った豪快なシュートはGKに弾かれる。ボールは偶然にも藤本の元に飛んでいき、ペナルティーエリア内にいた柴戸に柔らかいパスを出す。これをゴール正面で受けた柴戸が冷静にダイレクトシュート。藤本のシュートを警戒していたGKはゴール右に寄っていて、中央からのシュートに反応し切れず、先制点が見事に決まった。
 「前に出ればチャンスが来る」(柴戸)。この試合、柴戸は積極的に前に上がっていくことが多かった。そのきっかけとなったのが立ち上がりでの右足のボレーシュートだ。惜しくもGKに阻まれポストに当たるも、柴戸は「相手の守備が2列目から行くと甘かった」と相手DFの穴に気付く。それからは積極的に前に上がるようにし、チャンスをうかがっていた。後ろから前へ関わることを意識していた柴戸にとって、理想の動きを体現できた価値あるゴールとなった。
 簡単なゲームでなかったことは確かだ。前半からシーソーゲームが続き平野(駒大)を中心とする右サイドからの攻撃にゴールを幾度となく脅かされた。「何本か良いクロスを上げさせてしまった」(服部)と選手たちも危惧。また高い位置からプレスをしてきて、GK服部からボールを奪おうとすることも多く一瞬の油断も許されていなかった。
 駒大の勢いある攻めにも明大の堅守の壁は破れなかった。「準備をしてきた」(栗田大輔監督)と対策にも抜かりなし。間延びして攻めやすくさせないためにラインはコンパクトにし、駒大はロングボールに強いため、なるべくボールを低い位置でつなぐことを意識していた。「うまく共有してできた」(鈴木達也・政経4=柏レイソルU18)と選手全員でイメージ通りの試合に持ち込んだ。

 優勝を逃す気は毛頭ない。後期リーグ戦は勝利で始まった。リーグ戦の流れを決める開幕戦を制したことは大きな収穫だ。「最初の3試合は重要」(和泉竜司主将・政経4=市立船橋)と勝ちのリズムもリーグ戦では重要となる。次節に待ち受けるのは前期リーグ戦で敗れており、後期開幕戦でリーグ戦4連覇中の専大を下した早大。「同じ相手に2回負けたくない」(藤本)。明早戦で勝利し、逆転優勝にさらに近付く。

[渡邊弘基]

日付 対戦相手 会場 キックオフ時間 スコア
◆第89回関東大学サッカーリーグ戦 後期日程◆
(スコアをクリックすると試合の記事にリンクします)
9・6(日) 駒大 ひたちなか 13:50 ○1-0
9・13(日) 早大 味フィ西 13:50
9・19(土) 順大 たつのこ 11:30
9・26(土) 桐蔭横浜大 フクアリ 11:30
10・3(土) 神大 千葉東総 11:30
10・10(土) 法大 国士大G 13:50
10・17(土) 国士大 江戸陸 13:50
10・25(日) 流経大 古河 11:30
11・31(土) 中大 味フィ西 11:30
10 11・8(日) 専大 味スタ西 11:30
11 11・14(土) 慶大 川越 13:50
※9月6日時点

順位 チーム名 勝点 総得点 総失点 得失点差
◆順位表◆
【第12節暫定】
法大 21 20 16
早大 21 12 12
国士大 20 22 12 10
流経大 19 15 10
明大 18 18 17
慶大 17 16 13
順大 15 13 13
駒大 14 16 17 -1
専大 13 12 11
10 中大 11 18 26 -8
11 桐蔭横浜大 11 12 22 -10
12 神大 12 -5

試合後のコメント
栗田大輔監督
「(今日の試合を振り返って)今期の開幕みんなで勝ちから始めていこうと目標にしていたから、結果が出てきたから非常によかった。(相手の攻撃に苦しんでいた印象だったが)やるサッカーがしっかりしているのは想定できたからそれに対して準備をしてきた。(立ち上がりはどうだったか)やや蹴り合いになってしまったから、とにかくボールを収めてグラウンドの下でサッカーをするように心掛けていた。そうしたらだんだんとリズムが出てきたと思う。(伊池など新世代の台頭が見られるが選手間の競争は)選手が自分がというより、チームのために全力を尽くそうとしていて、同じベクトルの中で動いてくれているから、非常に良い競争が生まれている。(次節は早大戦だが)東京都サッカートーナメントも開幕戦も早稲田も非常に良くなってきていて、前期に比べパワーアップしている。また非常にタイトというか、プレスが早いチームだから苦戦すると思うが、勝利を目指して頑張りたい」

和泉
「やっぱり結果が求められていたので、勝って終われたのはチームとしてよかった。トップと勝ち点5差で、最初の3試合は重要かなと考えているので、そこで勝ち点3というのが求められていた部分。そこで上で差が開くと厳しくなるし。勝ち点1ではなく、3で終われたのはチームとして評価したい。いつもの駒沢戦よりは自分たちのサッカーができていた。セカンドも拾えていた。やってくるサッカーとしては後ろの方はきつかったと思うけど、前は感覚的に悪い感じはしなかった。やっていて裏がチャンスとは感じていた。前半の初めから、佳希(藤本)と裏狙えるねと話していた。後ろの人にも言っていたので、そこの精度が合えばもう少しチャンスができたと思う。得点シーンも練習試合でできていた形だし、前の動き出しというのはいいポジションにいると思うし、そこから考えて、後ろもそこを見るようにしていると思う。佳希もいいポジションだったしパスもよかった。1本で決められていればパーフェクトだったけど、動き出しとパスで得点は決まっていたのかなと思う。(後期リーグで大事にしたい部分)守備では毎試合失点していて、そのせいで結果が出ていなかった。攻撃の部分はつながり、前の選手が個の力がある分孤立してしまいがちだったので、練習から前の選手に後ろがどう関わっていくかという部分はやっている。3原則をしっかりやって、攻撃のつながりや、ゴールの本質の部分をもう一度チームとして取り組みたい。まだまだチームとして取り組まないといけないことは多いけど、いくつもやることを考えても難しいので、これだけはやるってことをチームとして決めて、それにこだわってやりたい」

鈴木
「後期開幕戦で難しい試合になると思ったけれど、まず勝てたことが一番よかった。蹴ってくることは分かっていたので、自分たちはしっかり下でつないでということを確認した。実際それがうまく共有してみんなでできたのかなと思う。自分の味方のSHと近い距離を保ってチャンスがあったら持ち味なので上がっていこうとは思っていた。ボールが逆サイドにあるときに結構右サイドがフリーでボールを受けられていたので、何回も高い位置まで上がっていったけれど、その中で最後のクロスの質というのが低かったのでそこは次に向けてしっかり修正していかないといけないと感じた。(和泉と多くコミュニケーションを取っているように見えたが)前線の2枚のところは背後だったり足元だったり意識していて、その中でしっかり周りがつながっていけるように。あとは最後の質の部分をこだわるとかの細かいところの話をしていた。(後期出場機会が増えるかと予想されるが)成(室屋・政経3=青森山田)がFC東京の方に行って出場機会が増えるという中で、今までしっかり準備してきたのでそれをピッチで表現できればと思っている。出場機会が増えるということは自分自身のチャンスでもあるので、しっかりアピールしてチームの勝利に貢献できたらいいと思う。(次節早大戦に向けて)早稲田も強いので難しい試合になるとは思うけれどしっかり明治らしいサッカーをやって勝てればいいかなと思う」

藤本
「難しい試合だったけれど、粘り強く0に抑えて勝ててよかった。 (メンバーが大幅に変わっていたが)よくあることだし、攻撃に関してはそこまで気にしていなかった。場面場面を見ればいい形をつくれていたところもありましたし、決めるところさえしっかりできれば複数得点もできると思います。(アシストシーンを振り返って)長いボールを竜司が収めるなと思ったので、海に出るかなと。海がフリーでドリブル運べてたので僕は相手と駆け引きしてオフサイドにならないようシュートコースつくっていたら出してくれたのでそこで決められれば一番良かったけれど、跳ね返ったボールを拾って海がいるのは分かっていたので、自分でこぼれた球打つより海に任せた方が得点できると思ったので任せた。自分が決めたいという気持ちはもちろんあったけれど、とっさの判断でどう考えても海の方が確率が高いだろうと。 (今季初の無失点勝利だが)アミノ、大臣杯であまり失点しないでやれていたのでその流れできているのかなと。後期は失点しないように自分たちのサッカーをひとつひとつやっていければいいところに行けると思うので。 次節は早稲田戦だけれど、今日のように誰が出てもいいサッカーが出来る自信がある。ただ次から山越が復帰するかもってことで、山越はすごい頼りになる存在でずっと明治を支えてきてくれましたし、僕も早くあいつと一緒にサッカーをやりたいと思っていたので復帰はすごくうれしい。 早稲田は前期負けている相手で、難しい試合になるとは思うけれど、同じ相手に2回負けたくない」

小出悠太(政経3=市立船橋)
「(後期開幕戦への臨み方は)総理大臣杯は一つ逃してしまったので、準優勝ということは一度忘れて、リーグ戦、インカレを取っていこうと話をしました。相手が駒沢大学ということで戦い方がはっきりしていた。それに対してのヘディングの練習はしてきたし、相手が蹴るというサッカーに対して自分たちも蹴ってしまったら意味がないので、徹底して下からつなぐことは意識していた。(新しいメンバーも多かったが)この夏を通して、チームの誰が出てもお互い信頼し合えるし、チーム力が落ちないということは明治の強みだなと感じていた。今日も特別誰が出ていなからというのはなかった。(合宿での取り組みは)チームでやることを合わせて一致団結ということを重点に、本音で話し合ったりもして、攻撃のつながりだったりを意識してやっていた。(前半の中盤から厳しい時間帯が続いたが)1試合を通してああいう時間帯は来ると思っていたので、DFとキーパーで割り切って前半はゼロで終わろうと声掛けができたので、結果的に無失点で終われたので良かった。無失点は一つの大きな自信になったが、クロスのマークであったり切り替えの部分はまだまだ突き詰められるなと思ったので、また1週間しっかりと準備したい」

服部
「(今日の試合を振り返って)相手が蹴ってくるチームで、この対策をこの一週間くらいずっとしてきた。間延びしないようにラインをコンパクトにしてみんなで守りいい攻撃へって意識でやっていたが、前半少しラインが低くて相手にクロスを上げさせてしまって危うくなることもあったが、試合全体を通すと良い守備ができていたと思う。(右サイドからの攻撃、特に7番の攻撃が強烈だったが)こちらも河面旺成(政経3=作陽)という良い選手を置いているから、ある程度はしっかりは抑えられていたが、何本か良いクロスを上げさせてしまったことは今後の課題。でも普段から中の練習もしてきたから、中の対応がしっかりしていて練習の成果が出た。(服部選手自身も狙われていたように見えたが)蹴り合いになったら駒大は強いから、全体的にボールをつなぐイメージでやっていた。僕もつなぐイメージでやっていたが、何度か危ないシーンはあった。試合だからもっとはっきりやってもよかったかなと思う。でも結果的に0で抑えられているから問題ないと思う。(次の早大戦は)前期1―2で負けているから、負けられない。明早戦だし。チーム一丸となりみんながチームのことを考えてプレーすれば勝てると思うから頑張りたい」

柴戸
「(ゴールシーンを振り返って)僕が出して、佳希くんが打って、そのボールがゴール前にこぼれてくればいいかなって思っていた。そしたらたまたま佳希くんの所に跳ね返って、僕が声かけたら多分向こうも気付いてくれて出してくれた。あとは自分が冷静に決めるだけだった。(決まったあとみんな喜んでいたが喜びが爆発したか)開幕戦ということもあり、なかなか点の入らない試合の中であの時間に点を取れたことはチームとしてよかった。(攻めあぐねている感じはあったのか)最後のところの精度やことだわりが見られなかったから、攻撃がうまくいっていない様に見えた。(それに対する選手たちの心境)まずは失点しないことが明治としては大切だから、失点しなければいつか入るかなって感じでやっていた。だから焦ったりはしていなかった。(柴戸個人として立ち上がりに惜しいシュートがあったが)タイミングとかも自分のタイミングで打ててコースもよかったけど、キーパーがうまかったのかなと思う。(頭も抱えていたしやはり入って欲しかったのか)ああいうところで入ってくれれば、だいぶ楽なゲームになっていたと思う。(そこでチャンスを逃したから、次チャンスが来たら決めてやろうと思っていたか)そのシュートをした時に気付いたが、相手の守備が2列目から行くと甘かった。だからどっかで前出ればチャンスが来ると思っていた。 (逆転優勝するチャンスがまだ残されているが、開幕戦で勝利したことは、明治にとって、自身にとってどうだったか)開幕戦で勝つことはチームの流れとしてもいい方向にいくし、勝つことが大事。今回1―0で勝てたことが今後につながる。(残り10試合あるが勝算は)このチームなら逆転優勝は可能だし、一戦一戦しっかり自分たちのサッカーをやって相手のマークをよく見てやっていきたい。総理大臣杯の悔しさを晴らしたい」