東海大にストレート勝ち 開幕戦白星で飾る/秋季関東大学男子1部リーグ戦

2015.09.06
東海大にストレート勝ち 開幕戦白星で飾る/秋季関東大学男子1部リーグ戦
 約1カ月半にわたる秋季リーグ戦が幕を開けた。ケガで離脱していた原潤一(文4=習志野)、濱中俊生(商3=弥栄)らがチームに復帰し、新たな司令塔として辰巳遼(文2=清風)を起用。瀧野頼太主将(政経4=創造学園)を中心に、新たな顔ぶれで秋季リーグ制覇を目指す。初戦の相手は東日本インカレ準優勝の東海大。どのセットも拮抗(きっこう)した展開を見せるが、粘りを見せミスを出さなかった明大に軍配が上がった。東海大からは2013年秋リーグ以来となる勝ち星を挙げた。

 ブロックがさえた。この秋からスタメン入りを果たした野村昇吾(商4=高知商)の1枚ブロックで先制点を奪うと、2点目は安井康平(政経3=倉敷商)が相手のクイックをブロック。2度のブロックでチームは勢いづき6―2と好スタートを切る。中盤にかけて攻撃が一発では決まらなくなり我慢の展開が続くも、濱中、與崎風人(政経4=鹿児島商)の両サイドの攻撃を皮切りに徐々に盛り返す。すると16―12の場面で「センターにコミットで跳ぶ感じだったので、それがいい形ではまった」(原)と、東海大の速い攻撃を原がブロックでシャットすると東海大はたまらず2度目のタイムアウトを要求。それでも流れを切らすことなく第1セットを奪う。

 続く第2セット,サーブカットで乱され思うような攻撃ができず先行される展開となる。それでも2点以上差をつけさせることなく食らいついていくと、中盤はこの夏から新たに取り組んだコート両端いっぱいまで広く使った攻撃を見せる。さらに第1セットでは合っていなかったという、夏からAチームに入り今大会スタメン出場を果たした辰巳と野村のコンビが合い始めると「視野も広がった」(野村)と、相手ブロックの間を抜くスパイクやブロックアウトを奪い、12―14の場面から5連続得点で逆転。そのまま点差を詰めさせず、勝利に王手をかけた。

 最後まで粘り負けなかった。第3セットも大きな点差はつかず、拮抗(きっこう)した展開が続く。ラリーとなる場面も多く見られるが、お互い譲ることなく点の取り合いとなる。肘のケガから復帰し、春リーグ以来の公式戦出場となった濱中から徐々に硬さが抜け始め「スパイクも振り抜けるようになった」とラリーを決め切り、またブロックでも活躍するなど得点を奪っていく。終盤、東海大にダブルコンタクトやオーバーネットなどのミスが目立ったが、明大は粘り強いバレーを続け「相手よりミスが少なかったことで、流れを握ってバレーができた」(瀧野)と流れを引き寄せた。最後は原がセンターからスパイクを突き刺すと、選手たちはストレート勝ちに笑顔を見せた。

 東日本インカレ1回戦敗退という悔しさから「この日のために夏やってきた」(瀧野)。夏を通して取り組んできたブロックは要所で決まり、レシーブも安定したことで多彩な攻撃を仕掛けられるなど、練習の成果を発揮できた初戦となった。それでもサーブやレシーブのミスもたまに見られ「減ってきているが、もっと防げる部分はある」(瀧野)と開幕白星にも油断はない。この1週間でさらにチームの精度を上げたい。次戦の相手は春季リーグではフルセットの末敗れた国士大。今日の勢いそのままに、春の雪辱を果たす。

[板橋洋子]

◆秋季関東大学1部リーグ戦日程表◆
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日付 対戦相手 場所 スコア
9・6
東海大
専大生田総合体育館
○3{25―21、25―21、25―21}0
9・12
国士大
専大生田総合体育館
●2{25―22、15―25、25―19、20―25、12―15}3
9・13
順大
専大生田総合体育館
●2{19―25、25―23、25―22、20―25、11―15}3
9・19
早大
専大生田総合体育館
9・20
中大
専大生田総合体育館
10・3
筑波大
町田市立総合体育館
10・4
専大
町田市立総合記念館
10・10
駒大
日体大健志台米本記念館
10・11
日体大
日体大健志台米本記念館
10・17
法大
日体大健志台米本記念館
10・18
学芸大
日体大健志台米本記念館

試合後のコメント
瀧野

「この日のために夏やってきたので、練習の成果が出ていたと思う。自分たちのバレーができたのでこういう展開になった。相手にリードされてもしっかり我慢して一点一点、ミスを出さずに、というところで相手よりミスが少なかったことで、流れを握ってバレーができた。(要所でブロックも決まったが)春、東日本でブロックが課題だったので夏はブロックとレシーブを中心に練習してきた。そこはしっかり練習の成果が出た。(東日本終わってから)どん底だった。あれより底はないと思っていたので、とにかく練習からがむしゃらにやっていた。(メンバー)今上級生多くて、去年もセンターコートを経験しているメンバーなので勝負どころを把握できている。そのおかげでチームワークもできているかな。去年3位で悔しい思いをして、去年の借りを返したいと思っている人もいる、気持ち強い人が集まっているとは思う。(強くなった部分)春に比べたら気持ちが強くなったのかな。勝ちにこだわっていたり、一人一人の意識が成長して変化が見えた。今日みたいに簡単に負けないチームになった。夏合宿強いとことやって、ミスを減らしたりとか徹底してきたので、簡単に相手に点数を与えないということができている。ゲームメークができているのが強みかなと思う。目指している方向は間違っていない。(辰巳)セッター経験は薄いが、レシーブやブロックの面でチームに必要。セッターでも夜遅くまで一人で練習してるので、そういうところも含めて明治に必要なセッター。秋からしっかり使っていきたいと思っている。(秋の目標)春も東日本も不完全燃焼で終わっている。秋は全カレに向けてというところで、全カレの組み合わせにも関わってくるし、そこも視野に入れながら上位を狙って勢いよく全カレに行きたいと思っている。前半戦は春の上位と当たるので9月が勝負。今日ストレートで勝って、気持ち的にはすっきりしている。今後強いチームと当たるので気持ちは切り替えたいが初戦勝ててよかった。(課題)ミスは減ってきているが、もっと防げる部分はある。サーブミスとかサーブカットとか。そこを減らして、もっとコンビの部分でバックアタックとか使っていければスパイカー陣も楽になる。まんべんなくスパイカーが打てるようにリーグを通してやっていけたらいい」

與崎
「相手は主力が抜けたメンバーだったけれど、自分たちらしいバレーができた。ミスが多かったので、これから上と戦うにはもっと減らすためにワンアクション必要。この1週間でしっかり詰めたい。夏はレシーブを中心に取り組んできて、今日はしっかり上がってたので成果は出たと思う。東日本でキャッチが乱れる場面が多くあったので、安定させるためにメンバーを変えて、いろんなところから攻撃をできるようにしてきた。バックを強化したりして、ブロックも割れてたので成果が見られたと思う。個人的には決め切りたいところでミスをしてしまったりライトからの攻撃が駄目だったので、しっかり確実に決めたい。開幕戦だったがみんなしっかり体も動いていてレシーブも上がっていてよかったと思う。これから疲労も蓄積されるけれど、今日のような動きを継続できるようにしたい。インカレのシード権も懸かってくるので来週、再来週で何勝できるかが大事になる。最後のリーグだが特別でもなく、チームらしくプレーして、インカレへ弾みになるリーグ戦にしたい」

野村
「個人的にはひどかったので少し落ち込んでいる。1セットも落とさずに勝てたことは今後に良く響くと思う。秋の結果は全カレにつながってくるので、いい結果を出していきたい。(スタメン)春リーグでケガをしてしまって、東日本で出る予定だったけれど出られない状況で、ようやく直ったのでスタメン入りできた。今日の1点目を自分が取るというのは誰も予想してなかったと思うけれど、それで序盤相手を離せたし乗せられたのでよかった。自分の役割は、決めるというよりはミスしないこと。今日はサーブキャッチがあまり良くなかったので今後の課題になる。ミスしないことを前提に、決めたときにチームを盛り上げて、連続得点を重ねられるように雰囲気を変えたり、何でもやることが大事かなと。1セット目で少し辰巳とトスが合ってなかったけれど、2セット目で少し離してもらったら、視野も広がって決まり始めた。夏はブロックとレシーブの関係を重点的に練習してきていた。その成果が出せて、チーム的にも満足のできる試合だった。相手のミスもあったけどサイドが決めてくれて流れに乗れた。欲しいところで点が取れて雰囲気もよかった。チームはいい状態なので、個人としてサーブキャッチをしっかり返して、ミスしないで雰囲気を盛り上げていきたい。他大が全日本とかで選手がいないので、優勝も狙えると思う。頑張りたい」


「2段トスとかサイドも良く決めてくれたから最後までいい流れでできた。ブロックはセンターにコミットで跳ぶ感じだったので、それがいい形ではまったかな、と。(ケガ)もう大丈夫。もう完璧に治った。復帰は8月10日すぎ。(東日本から)7月は個人練習、8月はこの力をチーム力にもっていく形だった。春に比べて上級生が多くなった分だけチームにまとまりも出た。経験も生かせている。(辰巳)いい仕事した。キャッチが返った時も荒れた時もスパイカーの使い方が良かった。(秋)結果で全カレの組み合わせも決まってくるのでそこに向けてやっていく。チャレンジャーのつもりで、この勢いを来週からまた続けてできればいいかなと思う」

濱中
「春リーグが終わって肘を手術して、夏から復帰したけれど、こうやって戻ってきてバレーができることがうれしい。東日本は会場にも行っていないから試合に出るのは春以来で、無事にできてうれしい。東海大は主力がいなかったけれど、それでもストレートで勝てて来週につながる試合になった。辰巳とはコンビが合ってないところもあったので、来週までに修正したい。合宿ではチームづくりとして攻撃を増やそうと取り組んできて、バックを多めに使ったり、コートを広く使ったりということを心掛けた。決めなきゃいけないところでミスも出たし、サーブミスも連続で多かったり、攻めのミスが要所要所であったのは減らせる部分だと思う。久しぶりの試合だったから緊張して、出だしは固かったけれど徐々にほぐれて、スパイクも振り抜けるようになった。去年の秋はリーグ通して調子を落としてしまったので、今年はちゃんとコンディションを上げていきたい」

辰巳
「春、東日本と自分たちが思うような結果を残せなかったので、秋は結果出そうということで夏にチームをつくってきて、勝ててよかった。課題になっていたブロックとレシーブ、自分たちにない身長を補うプレーがしっかりできていた。相手は高いといってもミスが多いチームだったので、自分たちがミスしなければ流れはくると思っていた。(東日本から)合宿中、自分たちが戦う気持ちをゲーム中に出していくことを学んだ。(Aチーム)8月の頭から入った。周りが頼れる上級生ばかりなのでその中でもセッターとして仕事をするだけ。(強み)経験がない分、身長で補える。(役割)去年から経験している4年生にチームを引っ張るのは任せて、自分は元気よくやること、相手のブロックを見ていいトスを上げること。(夏通して強くなった部分)個々のプレーがチームとしての力になっていくのを実感できた。ブロックとレシーブであったり、コンビが良くなっていった。(秋の目標)日本一が最終的な目標なので、秋も1位取るつもりで戦っていく。失うものは何もないので、今日みたいに常に攻めていければ向こうの嫌がるバレーができる。リーグ期間中は私生活からバレーを第一に考えていかなければいけない。自分の調子を試合の日にピークに持っていけるように調整もしっかりやっていきたい。(課題)サーブミス、ブロックでも拾えるボールはあった。そこを徹底していけば上位のチームとも戦える」