前田が最後となるインカレ出場へ 有終の美を目指す/関東学生個人選手権大会本選

2015.09.04
 インカレ出場を懸けて行われた今大会。明大からは13人の選手が出場し、唯一の4年生で出場した前田悠帆(法4=東福岡)がインカレ出場権を手にした。インカレは9月に大阪で開催される。

 堂々の結果を残した。前田が男子で8位にランクインし、インカレの出場権を手にした。個人的には643点と不本意な結果に終わったものの、インカレ出場は確実視される点数を出したことについて「一安心の点数ではあるかな」と安堵(あんど)した。前田は6日に出場した予選の終了後、地元の福岡に帰って県合宿に参加。1人で他の後輩部員たちとは違う環境に身を置き、自身のレベルアップに努めた。そして「良い感覚をつかんだ」と、大きな手ごたえを感じてこの本選に挑んだ。前田の見つけたインカレまでの新たな課題は、その合宿で得られた感覚の定着を図ること。それは、インカレで予選から虎視眈々とトップを狙う前田にとって「自分の中で大きなステップアップ」につなげていくための重要なカギとなる。明大不動のエースが、学生最後の大舞台でどんな戦いを見せてくれるのか。4年間惜しみなく磨き上げた射を披露し、必ずや全国の頂点に立ってみせる。

 全日本は容易ではない。インカレ出場のボーダーラインまであと数点の位置に付けた千葉祥平(法2=鎌倉)。初めての個人戦出場にもかかわらず、明大男子選手勢の中では前田に次ぐ成績を収めた。しかしインカレまでは一歩及ばず。「ミスがあって後悔している」と千葉。体力面とメンタル面ともに不本意な状態で終わってしまった。全国の舞台へ足を踏み入れることはできなかった。それでも千葉はまだ2年生。これからの伸びしろ次第でいくらでも全国を狙える力を秘めている。1年後の成長ぶりに大きな期待が寄せられる。
 
 11日から13日まで大阪で行われるインカレ。大会は開催まで2週間を切っており、本番は刻々と迫っている。残された時間は限られているが、それでも頂点を目指す姿勢に変わりはない。全国相手の大一番でも、明大の名を轟かせるような熱戦を繰り広げる。

[石渡小菜美]

試合後のコメント
前田
「当て切れなかったというのが正直な感想で、点数としては自分としては結構悔しい点数だが、インカレには確実に行けるだろうということで、一安心の点数ではあるかなとは思っている。福岡に帰って1週間県合宿をしてきて、そのときに自分の中で良い感覚をつかんだので、それをできるだけ早く定着させようと思って今練習しているのだが、できるエンドはすごい点数も感覚も良くて、ポンポンポンと射ってて55以上は確実に出るような力がついているが、どうしてもそれが意識がうまくできてなかったりとか、意識しすぎて逆に体が固まっちゃってるときは、結構射つのも遅かったり点もぶれぶれで8点、7点、赤のやつを結構射ってしまうので、できるだけ早く無意識にできるようになるっていうことは今後の課題かなと思う。(70mは)今日の記録だったら申請に値する点数ではないので、全日本選手権くらいだったら申請できるとは思うが、全日本選手権の申請はもう取れているので、後はナショナルチーム、全日本強化の選手の申請であったりというと、今持ち点が663あるのだが、670近くやっぱり欲しいとこなので、まだまだ足りないなっていうのが素直な感想。(どの大会も最後だが今大会はどう臨んだか)そういうこと何も考えていなかった。同期がいなさすぎて、最後がどうとか言ってくれる人がいないので、意識しないと終わってみて『あ、最後だったんだ』みたいな。言われてみたら悲しいなって感じはするけれども、楽しい大学アーチェリーだったなと。今日の試合で改めて新しいというか良い感覚の射ち方っていうのが定着していないと感じたし、早くそれを定着させるだけかなって思う。定着できたら自分の中で結構大きなステップアップが踏めると思うので。インカレはもちろん予選からトップ狙って1位通過目指して予選を戦って、決勝でもトーナメントを勝ち抜いて1位を獲ろうと思っている」

荒木慎也(政経3=明大中野)
「70mは未経験者と同じ年数しか射っていないので、普段から自信はないのですが、30、50と同じ点数で射とうと思いました。同的で慶大の大井が射っていたのですが、自分の中ではできていると思っていた左腕の使い方を最後の方に違うと言われました。後はサイトがうまく見えず、どちらに合わせれば良いかわからなくなったりしました。今日は左手と頭の傾きを直せば解決できるかなということがわかったので、そこがわかっただけでも良かったです」

松本龍也(法3=安積)
「去年のインカレボーダーが600点と少しと聞いて、それは超えられそうにないと思ったので自分の現状としてどれくらいできるのかというチャレンジャーの気持ちで臨みました。試合になるといつも練習と違って実力が出ないので、リーグに向けてこういう試合でそういった課題を克服しようと思いました。試合に慣れてきたのか、今日の70mは以前出場した国体の予選より良かったです。収穫は大いにありました」

村田将視(商3=日野台)
「射った後左手を残そうという、練習をやっていたことを試合でできるかを心掛けていました。それができた射は良いところに行ったので、練習してきたことは間違っていなかったんだなと思いました。それをもっと多くできるようになればと思います」

竹内祐二(政経2=日野台)
「559点でした。1エンド目で的外に射ってしまって、それを引きずって前半が低い点数になってしまいました。それでも諦めずに射形などを考えながら続けて、後半で持ち直せたのはよかったです。予選から調子が良くて、前日に自己新も出せていたのでその流れでいけるかと思ったけれどそうはいきませんでした。試合経験を積んで、練習量を増やして、次のリーグ戦と王座に選手として出られるようになりたいです」

千葉
「最初の方にすごい緊張して結構震えとかが出ていたが、途中はなんとなくいつも通りに射てたけど、最後は体力がもうなくて、ぎりぎり射ち終わるみたいな感じだったので、しっかり体力をつけていきたい。600点ちょうどが出たのだが、インカレ行けるかどうかは本当にボーダー次第なので、微妙なところなのだが、600乗れたっていうところは満足している。むしろ予選の方が気楽に射てていて、今回の方が意識して引き戻すべきところで無理やり射っちゃったとか、そういうミスが結構何本かあって後悔しているので、なくしていければと思う。雰囲気自体はそんなに変わらないかなと思っていたが、やはり自分の中の『本選だ』っていう意識がでかかったのかなと思う。それで緊張とかしちゃってたから、メンタル面もしっかり強くしていければと思う。(インカレは)ぎりぎりのボーダーの感じなので。結果が出次第かなと思う。目標の点数を掲げたときに、目標の点数をもっと余裕をもって越えられるような試合運びができればいいなと思う。(インカレ出場決定したら)まだ想像がうまくできないが、行けるところまでっていう本選のときと同じ心構えだが、行けるところまで行けたらなと思う」

土川巧(商3=明大中野)
「本選に出られたのもぎりぎりで、まさか出られると思っていなかったのでうれしかったです。点数は低かったです。射っているところから風にうまく対応できませんでした。前半が風に対応できず、後半は3回連続で同じ点を出せて安定してきて持ち直すことができました。短距離のほうが得意なのかなと感じました。こういう試合だと普段の射ち方を再現できないのが課題です。練習が足りていないんだと思います。今後は長距離メインに練習しつつ短距離も点数を落とさないようにどう維持していくかを考えたいと思います」

牧口和樹(政経2=明大中野)
「王座後から調子が上がらず、今日も最悪でした。王座の時は70mで620点くらい、600点を切ることはなかったけれど、王座後から急に当たらなくなってしまいました。原因も分からずにもがいてる感じです。今日の点数も全然満足いかないけれど受け止めて、来年も出られるのでまた来年にと切り替えていきます。この大会の後はフィールドのインカレにも出られるので集中していきたいです。リーグ戦、王座の時の調子にどれだけ戻していけるかを考えて、いろんな試合に出て場数を踏んで試合慣れしていきたいです。自分をいじめていかないといけないと思います。ただ射つだけでなく、弓のセッティングを変えたり、体の仕組みとかも勉強したりして、筋トレなどで肉体改造もしていきたい。去年は新人戦の1カ月後くらいに肩を壊してしまったので、今年はそうならないよう体づくりもしっかりしたいです」

森田悠史(理工2=関西大倉)
「練習での悪いところが出てしまいました。引き込んでいるところで力が逃げて緩んでしまうところです。矢が下に落ちて、的の下の方の、0点から3点辺りの低い点数のところに射ってしまいました。それが点数が落ちてしまった原因だと思います。しっかり引き込んで射つようにしないといけないです。感覚があいまいなところがあるので改善したいです。練習で少なくても試合になると多くなってしまうのは自分の能力が低いということだと思うので、試合で強い選手になりたいです。個人で試合に出たり、自分で決まりをつくって練習でも緊迫した状況で射てるようにしていきたいです」

高田健太(営1=関西大倉)
「今日はまず自分の実力のなさを痛感した試合だった。明日から合宿なので、練習不足で臨んだ試合だったので、練習不足を補えるように数を意識して射ちたいと思う。点数はちょっと消化不良な点数。練習との点数の差が出てしまうのはメンタルの弱さが自分には残ってしまっているっていうのが痛感できた試合であったので。予選は特に問題点がなかったので、別に改善することはなくて、とりあえず70mっていう距離に慣れようと思って、射形とかも意識せずにただ射ってただけなので、それが逆に今回のような結果を招くことになったのかなと。(インカレは)関西も今日なのだが、関西の方がとてつもない大雨で、みんな点数が下がったときだけ行ける。普通に例年のボーダーから見ても、ちょっと下なので、来年リベンジするか、また他の試合でこれにリベンジする結果を出したい。合宿はいくつかいろんな先輩から言われている射形の部分があるので、そこを直していきたいなと思う。1週間あるので直していきたい。今後はメンタルが弱かったので、そこがアーチェリーというスポーツなのだが、どうやってメンタルを強くするかっていうのを、難しいが考えてやっていきたい」

堀栞(政経3=春日部共栄)
「最初は全然駄目だったけど後半はましになった。次からは最初からちゃんとできるよういしたい。70mはいつも点数が出なくて、今日も出なかった。明日から合宿で練習するので上達させたい。特に特別な練習はしてこなかった。とにかく射つ。(改善したいとこ)射ったあと最後まで力を入れることができない。最後までしっかり力を抜かずに射ちたい。」

菊地遥(理工2=春日部共栄)
「あまり良くなかった。思っていたよりも20点、30点低かった。引いているポンドが低く、すごくぶれてしまった。合宿ではポンドを上げていきたい。70mは好きだった。高校で引いてたポンドより今は低いので、そこが差なのかなって。(ポンドが低い理由)上げるとやはり疲れてしまう。30m、50mのショートハーフだと大丈夫なので。ここは風がとても強いので、吹いているときとやんでいる時の対応が大事。それができなくて、今回は点が低かった」

小林美穂(商2=雙葉)
「前半に点数の良いエンドと悪いエンドで差が激しくて、後半はいつもの調子に戻ったが、前半が影響してしまった。70mは当たり外れが大きくて、風には弱いので。風が吹いても当たるようにポンド上げたりして対応したい。狙いこまなくていいのが70mは好き。30mは的が近くて狙い込んじゃう。70mは遠いので当てなきゃいけないっていう意識を持たなくていい。射ってて楽しい。肩を痛めてしまって本数を制限して練習をしてきた。感覚を大事に。(痛めた理由)射形が悪くて、直そう直そうとしていた時期に試合が重なってしまって。射形を直して肩の痛みをなくしたい。そこから点数を出せるようにしたい」

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