2年ぶり団体V 個人では清水一が初タイトルを獲得/和道会全国競技大会

2015.09.03
2年ぶり団体V 個人では清水一が初タイトルを獲得/和道会全国競技大会

 団体、個人のダブル優勝だ! 空手の流派のうちの一つである「和道会」の全国大会が2日間にわたって行われた。団体戦は順調に勝ち上がり決勝戦を迎えた。相手は昨年3連覇を懸けた戦いで敗戦した立大。「ずっと傍にいるライバルなので負けられない」(中川大資・法3=熊本マリスト学園)とチーム一丸で絶対勝利を掲げて挑み、3勝1敗で圧勝し昨年の雪辱を果たした。個人戦ではルーキー・清水一歩(法1=世田谷学園)が頂点に輝いた。1日目は硬くなってしまい、思うようなプレーができなかったが2日目は「ベストな動きができている」(清水一)と決めどころを外さないプレーで大金星を打ち立てた。

 ルーキーが躍進した。団体戦対立大戦では山田大樹(政経1=埼玉栄)、清水一がともにメンバー入り。先鋒(せんぽう)の中川が一進一退の熱い試合の後、残り15秒の大事な場面で上段突きを許し6―7で惜しくも敗戦。続く山田、中野力斗(法2=花咲徳栄)、清水一の下級生トリオが中川の敵討ちに挑んだ。山田が見合ってからの上段突きでつかんだ1ポイントを守り切り確実に勝利をつかむと次に登場した中野力斗(法2=花咲徳栄)も8―3と大勝。これまでのダイナミックな足蹴りは見られず「大きいのを意識しないで突きだけでやった」(中野)と作戦を変更したことが功を奏した。そして最後に優勝を決めたのが副将として登場した清水一。終盤に向かって畳みかけ、ラスト1秒に上段突きでポイントを追加し5―1で相手を圧倒した。3分という長い試合時間の中で立大を倒した収穫は大きい。さらにルーキーが団体戦にも貢献するようになり「新たな風が吹いていいチームになっている」(中川)とチーム内の雰囲気づくりは上々だ。

 「優勝できて良かった」。清水一は試合後の開口一番にそう言った。シードで迎えた2回戦から決して楽な戦いではなかった。大技を使わず突きでポイントを稼ぐのが清水一のプレースタイル。そのこともあって、全ての試合を1点差か判定勝ちでもぎ取った。準決勝では同期の山田との対戦。序盤から清水一が優勢で確実に突きを決めた。しかし、山田も一歩も引かず一進一退の攻防戦。清水一が1点リードした残り3秒の場面、山田が意地の上段突きで追い付くと勝負は旗判定に持ち込まれた。「準決勝の判定が一番緊張した」(清水一)と僅差で清水一に軍杯が上がった。勢いそのままに決勝も判定勝ちではあったが、旗揚げは5―0と内容では圧勝。安定したプレーが優勝をもたらした。

 チームの底上げが見られた。東京六大学大会以来の優勝で「和道とはいえ優勝したことはうれしい。しっかり勝っていくことは大事」と中川は振り返った。団体、個人ともに弾みがついた今、関東大学選手権でも上を目指してほしい。

[西尾健三郎・三浦亜優美]

試合後のコメント
中川

「準決勝のメンバーは監督の意向。立教は負けたこともあるし、和道でも六大学でもいつもライバルになっている強豪校なんでやっぱり勝ちにいこうということでしっかりやって僕が出た。チームの流れとしては全体に活気があって勝ちにいこうという気持ちで一丸になれた。ずっと傍にいるライバルなので負けられないという思いは強くて、そういう意味じゃ1年生も部の雰囲気というか共通認識じゃないけど、みんなでそういう気持ちで戦えたところが良かった。3分っていう長い時間の中で時間の使い方があるが基本的にそういうのはあまりうまい方じゃないのでお互いに真っ向勝負でやった。そういう勝負も好きなんで。すごい体力も使うが周りも楽しませられたかなと思う。結果は負けたけど、そこの差というのは気持ちだったり、少しのことで1ポイント取られてしまったり審判のこともあるけどそれも含めて勝負なので。コンディションも良かったので、次インカレに向けて見えてきたかなという感じがある。(ルーキーは)2人ともうまいし経験も実績もあるので勝負の場面とかでちゃんと仕事をできるやつらだし人間性としてもいいやつで可愛いやつらなので、また新たな風が吹いていいチームになっていると思う。和道とはいえ優勝したことはうれしい。当然っちゃ当然って言われるかもしれないけど、しっかり勝っていくことは大事。みんなで一つになって戦えたのは印象として強い」

中野
「個人戦は負けたけど団体戦はそんな調子が悪いって感じじゃなくて普通に動けていたので良かった。変に大きいのを意識しないで突きだけでやったのでそれがうまくはまった。自分は去年(団体に)出ていないけど普通に(立大に)優勝を取られたって聞いていたので取り返したほうがいいかなという感じ。今回は勝ちにいった。4年生とできる時は少ないので1試合1試合しっかりやって優勝できたので良かったと思う。(ルーキーの)2人がいなきゃ勝てない。すごい力のあるいい勢いのある1年生で良かった。今回立教から取り返そうということで言っていてそれが結果につながって良かった」

清水一
「(個人団体ともに優勝して)正直優勝する気持ちでやっていたわけじゃなかったけど、自分の良いところを出せたのが勝因。(同校対決について)小さい頃からよく試合もしていたから、やりにくかったけどその分楽しかったから良かった。(優勝したときは)明治として看板背負っていたから先輩の思いとかもあり、優勝できて良かった。(団体戦は)いつも前で出ることが多かったけど、今回は大将、副将で出るのが初めてで大事な場面での出番が多くて緊張もあったけど、先輩が声を掛けてくれたからうまく戦えた。(調子は)初日はあまり良くなくて硬い部分があったけど、今日は試合を重ねるごとにベストな動きができていると感じた。次は学連の試合でも明治大学として勝ちたい」