リーグ戦展望 ディフェンス武器に初の2部へ挑む 平田聡ヘッドコーチ

リーグ戦展望 ディフェンス武器に初の2部へ挑む 平田聡ヘッドコーチ
 新たな舞台に挑む。昨年、2年越しの悲願となる創部初の2部昇格を果たした女子バスケットボール部。しかしチームの目標はあくまで「2部にいくことではなく、2部でどう戦うか」。昨年から抜けた戦力はわずかに1人。有望なルーキーも4人加わり、個の能力、チーム力をさらに高めたチームは「2部上位」を目指す。本特集では、創部初の戦いへ新たにスタートを切る13人の選手たちを特集する。

 明日から8月30日に開幕する関東大学女子2部リーグ戦。2部初登場の明大は、昨年度2部優勝校の山梨学院大と対戦する。10月19日までという長丁場の戦いに合わせて、平田聡HC(ヘッドコーチ)のもと、走り負けないチームをつくり上げてきた。目標に掲げるのは2部上位。昇格1年目の勢いで台風の目となってみせる。(この取材は8月23日に行ったものです。この日は青学大でリーグ戦前最後の練習試合を行いました)

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――今のチーム状況はいかがですか
「先週くらいから少しチーム状態が悪くてどう修正しようかというところですね。今日修正できるかなと思ったんだけど、やっぱり初めての2部ということもあって多少の不安があるのかなと思うし、それがプレッシャーになってチームの状態が少し良くないので」

――練習試合でも勝ち切れない試合が多いと聞きました
「そうですね。今日もあのシュート率だったら全然話にならないくらい。先週もシュートをすごい落としてたので、調整してもうちょっとシュート率をあげていこうと1週間やってきたつもりだった。なんだけど、なんか自信ないようなシュートで入らないだろうなっていう感じ。やっぱり気持ちの問題が大きいのかな。強い気持ちでやってくれれば。今日も最後にやった10分間の試合が最初5分くらい0得点。タイムアウトとって少しやろうという気持ちになってくれたのか、やればああいうゲームはできるんだから(13点まであった差を1点差にまで詰めた)最初からやってくれればいいんだけど、そこがなんとなく今のチームの状態を象徴しちゃってるのかなと。なんとか1週間かけて立て直していかないといけないところです」

――合宿はいかがでしたか
「合宿はそんなに悪くはなかった。悪い状態ではなかったんだけれどもちょっと気になるのはシュート練習の時間があんまり取れなかったこと。合宿が終わって千葉英和に試合合宿にいったときに、あまりにもシュート率が悪かったから失敗したかなと。そういう意味では合宿で失敗した一つの要素ですかね。シュート練習の時間を取れば入るってもんでもないんだけれども、課題として残ってしまったところは不安材料でもあります」

――合宿は走るのがメインだったんですよね
「そう、走るのがメイン。ずっと走りでやってました。春から比べると安定してきたなっていう実感はすごくありますが、安定すればシュート力は絶対あがると思ってたんだけどそこはちょっと違ったかなと」

――昨年リーグ戦への入りがあまり良くなかったですが
「いつも入りが悪いんですよね。今回はとくに昨年の2部1位と当たるわけなのでどうなるのかなって。去年よりは多少山梨学院のチーム力は落ちてるとはいえ、やっぱり1部に近い2部なので、やってみないとわからない。なんとかいい流れで入ってくれるといいですね、短期決戦なのでとにかくイケイケでやっていきたいなと」

――昨年と比べてリーグ戦の期間が長くなりますが
「ケガなくここまでこれたのでそういった意味では明治としてはシュート力以外のところは万全な体制で入れるのかなと思います」

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――今年から渡辺徹監督に代わって中心となって指揮を執っていますね
「実質見てるのが今年の春からなのでとにかく走り足りないっていうのがありますね。2部は絶対に軸がぶれない。体幹もすごく強いし、そこらへんばっかり意識しすぎた分、ある程度の軸はできてきたのかなというところはありますね。それがシュート率につながっていないのがちょっと誤算だったかな、考えが甘かったのかなと反省しているところです。いまさら反省してもしょうがないので1試合ずつやって、しょっぱないきなり強いところと当たるので、ある程度そこで慣れてくれればちょっとずつチーム力が落ちてくる当たり方なので、どこかでそれを振り切ることができれば良い展開にはいくんじゃないかな。でもいずれにしろ上位を狙っているので。上位リーグの方になんとか行きたいなと思っているので、少なくとも入替戦にはいかない。そういう試合をしていきたいなと思っています」

――リーグではどういった戦い方を
「ディフェンスからチームの流れをつくっていこうというところで、簡単にシュートを打たせない、縦に抜かれない、それから簡単に切れさせないというのを常に意識してやっています。そこをどこまで抑えられるかですね。それで上位チームを抑えてある程度自信になれば、結構力はあるのでいい流れになっていくのかなというところです」

――夏の練習試合を振り返っていかがですか
「良いはずなんだけど、勝ち切れない。でも一個歯車がぴしっとかみ合えばそこそこのチームになるので良いゲームができると思います」

――昨年は3部の格下、春は格上と戦いましたが、競るレベルのチームとの試合は
「練習試合でも青学さんとか日大さんとかとはやらせてもらっているので、そこそこ良いゲームはできるかなという感触はあります。1部チームとはちょっとまだレベルの差があるんだけれども、2部とはさっき言ったように歯車があってくればチャンスはあると思います」

――日大には勝利をあげたと伺いました
「1勝1敗ですね。だから歯車が今一つあっていないところがあるから、そこをかみあわせれば、ですね。日大は多分真ん中くらいのチームで春先は勝っているので」

――今日の試合でも苦しい時間がありましたね
「ディフェンスから良い流れになってきたから、あのまま言ってくれれば良かったんだけど、やっぱり2部のチームなので、そこは修正してくるのでそこもちゃんと対策としては考えておかなきゃいけないかなというところですかね」

――今年は人数も増えましたが
「1年の力も相当あがってきているので、多少層は厚くなってきているからなんとかしのいで、少なくとも2部残留良ければ上位に行きたいなと」

――リーグのヤマなどはありますか
「うわさで2部のチーム状況を聞いているんだけど、いくつかこうなんとかなるかなというところがあるので、そこには取りこぼしがないような試合にしていきたいなと思います」

――昨年度2部1位のチームから当たりますがそれは良いことでしょうか
「どうですかね、とにかく良い方向に考えていかなければいけない。そうなったらリーグ戦が終わるまではとにかくマイナス思考はなくしてプラス思考でいきたいなと思います」

――今年は会場も近くなりましたね
「ね、楽だよね。やりやすくなる。相手も同じ条件なのでお互いにいい状態でできればいいなと思います」

――これまでチームの中心だった4年生の集大成になりますが
「非常に楽しみでもあり不安でもあり、そこらへんが入り混じっていて不安な気持ちが出なければいいなと思っているんですけどね。そこはまだ4年生自体が吹っ切れていないのかな、というところもある。だから悪くなるとばたばたっといってしまうのが原因の一つかもしれない」

――チームの成長は実感していますか
「春先は千葉英和に行って、2日間フルに組んでくれた試合ができなかったんですよ。なぜかと言うとケガ人が多いというのもあるんだけれども、体格的に1日通してやるだけの体力がなかった。今はだいぶ体力的には問題がなくなってきているように感じる。かなり上から当たるようなディフェンスも、今回の千葉英和ではやり続けることができたので、体力的にもあがってきてるし、あとはシュート力だけ、シュート率があがってくれればいい試合ができるはずなんです」

――最後にリーグ戦の意気込みを教えてください
「もう気持ち的には全部勝つ、全勝。私が弱気になっちゃうとチームが弱気になっちゃうので、全部勝つという強い気持ちで常に臨んでいこうということで、リーグ戦は全部戦っていきたいなと。それだけですね、精神的なところだけなので」

――ありがとうございました

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◎関東大学女子2部リーグ戦、明日開幕!
 初戦は対山梨学大戦
 8月30日17時トスアップ
≫会場
 日本女子体育大体育館
≫アクセス
 京王線千歳烏山駅北口よりバスで7分
 JR線/京王井の頭線吉祥寺駅よりバスで25分