4年生特集(4)気迫あふれる沖縄っ娘 儀保梓
入学以来チームの中心であり続けた4年生。十人十色の13人のチームをまとめ上げる5人は個性派ぞろい。悲願としていた2部昇格も果たし、充実の最終年を迎えている。集大成となるリーグ戦までいよいよ1週間を切った。最後の舞台に臨む4年生それぞれの意気込みを伺った。4番目に紹介するのは小柄ながら体を張ったプレーを得意とする儀保梓(政経4=那覇)。泥臭いプレーで、勝負どころで流れ手繰り寄せる、頼もしいプレーヤーだ。(この取材は8月18日に行ったものです)

流れを変えるプレーが武器だ
――春先はケガがありました
「もう関係ないです。でもこの前痛いかなと思って(サポーターを)少ししてました。春は中まで骨がいってたけど(笑)」
――秋には間に合いそうですね
「もう元気です!」
――春、外から見ていてどうでしたか
「最後のトーナメントだったので、悔しい気持ちとか残念な気持ちが大きかったんですけど、1年生がすごい成長してくれて、チーム的にメンバー的にもあがれるようになったのが選手権がきっかけだったと思うので、良かったんじゃないかなと思います」
――トーナメント、新人戦、都大会も強豪との対戦でした
「そうですね。くじ運悪くて全部ノーシードだったんですけど、1部とやる機会ってリーグ戦に入っちゃうとないので、より上とやっておくことで自分たちがまだまだ足りないってことが自覚できたので良い経験になったかなと思います」
――合宿はどうでしたか
「2回あって群馬が練習合宿で千葉が試合合宿だったんですけど、群馬は結構走るメニューが多くてつらいって言ったらつらかったです。でもやっぱり走らないと勝てないっていうのは都大会で拓殖とやって感じていて、走ることで体のバランスもあがると思いますし、人数少ないので一人一人が40分出れるように体力もつけないといけないので、そういう意味ではすごい良い合宿だったと思います」
――きつかったですか
「きつかったです。試合合宿は接戦して勝ち切る力がないって感じで。戦績は悪かったです」
――結果はあまり良くなかったんですね
「内容も良くなかったし、残り3分まで競っててもそこから勝ち切るってことができなかった。リーグ戦になると接戦が多くなると思うので勝ち切る力を残り1週間で少ないですけど練習試合とかで付けないといけかなと思います」
――このあとリーグ戦に向けては
「週末に練習試合があって、それが多分練習試合最後だと思うので合宿でもいろんな修正点が出たのでそこ直してやるラストチャンスかなと思ってます」
――修正点というのは
「一番はやっぱりディフェンスが良くなくて、ファウルがかさんで、足じゃなくて手で守っちゃって笛吹かれちゃったのでもっと足で守れるようにするっていうのを徹底しないといけないなっていうのが課題です」
――昨年は良くないままリーグが始まりましたが
「去年は3部だったので3部の1位から始まって、実力差があるところから入っていったので準備としてあげていけたんですけど、今回は初戦から全部格上の相手なので、あがるのを待ってる余裕なんてない。去年みたいにリーグであげてけばいいやっていうのは無理だと思います」
――2部リーグは
「最初に去年の順位で8チームずつに分けてそこの4つ4つが上位でやってって感じです。取れる試合とれば上位入れるかなって感じですかね。可能性は全然あるので取れる試合を落とさないように取っていきたいなと思います」

――2部のチームと練習試合は
「最近は日大とやりました。あとは1部なんですけど専修とか國學院」
――今季はインサイドプレーが中心ですか
「中も外もメンバーによってです。中で出るとやっぱり今まで通りできるんですけど、外のプレーって言われるとちょっと中寄りになっちゃったり、45度で受けるのが苦手だったりするのでもっと外のプレーっていうのを良くしていかないと駄目かなっていうのはすごい感じてます」
――外のプレーを求められてるんですね
「そうですね。外のディフェンスもやらなきゃいけないし、ドライブも。あんまり1対1得意じゃないんですけど。1対1をできるようにならないと駄目だなと」
――1年生に大きい子が増えたからでしょうか
「そうですね。今まで人数少なくて、それでもたまに3番とかやってたんですけど、今は誰が出てもできるチームだと思う。一個のポジションだけだったら自分自身も生き残れないと思うので、どこでも使われるようにならないといけないという気持ちも自分の中にあります」
――去年は求められてることがわからない時期があったりしましたが現在はいかがですか
「いや、はっきりしてないです今年も(笑)でもとりあえずできることはやらないといけない。自分のいいところを伸ばしながら1対1だったりジャンプシュートだったりが苦手だったのでそういうところを直しながら、いいところを伸ばしていくようなプレーをしていけば個人的にももっとよくなるんじゃないかと思います」
――得意なところは
「カッティングだったりをするのは前から得意なので、それとリバウンドとかルーズボールとか泥臭い感じのことは得意だと思ってるので、そのへんは足で稼ぐっていうプレーをしていきたいなと」
――入学当初は体育会バスケ部に在籍していなかったようですが
「1年生の11月です。大学でバスケットするつもりなくて、指定校推薦で入ったんですけど本当にやるつもりはなくて、1年目遊んでました。高校の監督にもスポ薦の話を何個かもらえてたんですけど、いやいやいいです、自分もうやらないのでって言って。大学入ったら、伴(真衣香・文4=東京成徳)と仲良くて遊んでました。(サークルとかは)やってました。だからずっと遊んでました。バスケットサークルみたいなのやってたんですけどもうTHE大学生でした(笑)」
――そこからよく体育会への入部を決断できましたね
「きつかったです最初は(笑)。全然体動かないんですよ」
――ブランクはどうでしたか
「1年ですね。高校では12月までやってたので」
――チームに入りやすかったということですか
「そうですね。まあ、川副(舞主将・理工4=富士学苑)も一緒で、入る前から3人でたまに遊んでたので」
――途中からでも入りやすかったんですね
「そうです、2人がいてくれたので」
――入部する上で迷いは
「あったんですけど。1年生の夏に1回沖縄に帰って、後輩がインターハイ決めたのを観て、やばい、めっちゃやりたい、みたいになりました」

――高校はどんなところでしたか
「県はほとんど獲ってましたね」
――かなり強豪だったんですね
「そうですね。でもみんなバスケットが嫌いなんですようちの高校。練習時間がめちゃくちゃ長くて、川副とか真衣香(伴)に聞いても朝だけとか昼だけとかなのに、私たち休みの日朝の8時から夜の7時まで練習するんですよ。オフも3か月に1日とかなんですよね(笑)」
――本当ですか?
「本当にもう大変でした。公立なのにすごいじゃないですか。だからみんな嫌いになっていくんですよ」
――高校の人はあまり続けないのですか
「同期は一人いて、大東でやってたんですけど辞めちゃって、私の同期はゼロです。朝練も6時開始で大変でしたね、7時半から授業なので」
――朝練はかなりしっかりとやっていたんですか
「3年生の時はシューティングだけだったんですけど、2年生まで体育館が改修工事でなかったので、それまでは朝から外をガチ走りです。教室行ったときに汗だらだらさせながら、水道で頭洗ってから行くんですよ、女の子なのに(笑)」
――そこから部へはすんなりと入れたんですね
「チームに馴染めないとかは2人がいてくれたので全然なかったんですけど、プレーとかチームでこうしようとかいう考え方が全然違って、みんなはそれを1年生の時に体で慣れてわかってるんですけど、私自身やっぱり今までのやり方しか知らなかったのでそれに慣れることがすごい難しかったしチームになじめないっていうよりかプレーに馴染むのに時間かかったかな」
――ようやく合ってきたなっていうのはいつぐらいなんですか
「結構かかって2年生の1年間は結構ずっと違うなって思ってました。ディフェンスの守り方が特に一番違って、約束とかが全然違ってました。高校は結構ヘルプいって、ちっちゃかったこともあったんですけど、2人で守ってつぶしてみたいな感じだったんでした。でも明治は1人で守れって感じなので。それがすごい難しかったですね」
――高校のときのポジションは
「フォワードかセンターフォワード。3、4番あたりですね」
――明治は全体的にあまり大きくないですよね
「ちっちゃいわけでもないけど大きいわけでもない。萱沼(史織・情コミ3=埼玉栄)が入ってくるまでは。私もよく知らないですけど前のことは」
――小学校からミニバスですか
「小学校2年生からです」
――そこからずっと推薦とのことですが、推薦をもらうのは結構難しいんじゃないですか
「学校の授業だけはまじめに受けてました。テスト前にがーってやるタイプです。赤点取ると練習出してもらえないので」
――なんで大学ではスポ薦を受けなかったのですか
「もう本当に嫌いで。選手権が9月に予選があるんですけど高3の。引退してもしなくてもいいんですね。それで私たちの代は、インターハイでやめるって全員言って。全員ごそっと辞めたんですけど、国体に私たちの代3人と一個下一人が選ばれて、国体に出るやつはとりあえず練習出ろって言われてしばらく出てて、行かなくなったら監督から毎日電話かかってきて、残れ残れ残れ残れみたいな(笑)。脅迫じゃないですか、それで5人残る形になっちゃったくらいなんです」
――沖縄の体育館は暑そうですね
「やばいですよ。ダラーですよ(笑)。今日とかはもう全然涼しいです。暑いかもしれないですけど頭痛くなる暑さじゃないのでわたしは全然平気です」
――今年は2部に昇格して会場が近くなりましたね
「すごい近くてその辺はラッキーだなと思いますし、やっぱり遠かったら行くのに疲れちゃったり帰ってケアする時間も短かったりしちゃうんで近いっていうのはメリットだと思います」
――昨年は遠かったですね
「山梨の時とかもうやばいです、交通費出せよの世界です(笑)」
――自費なんですか
「自費ですよ。うちお金ないんで自費ですよ…。電車移動は出ないです。ふつう遠かったらバスとか借りちゃうんで、バスだったら出ます」
――今年の目標は
「上位に入ることをみんなで目標にしているので。本当に夢物語とかじゃなくて目標にできるような位置にはいると思っているので、ちゃんと全部出し切れればその目標はかなえられるんじゃないかと思います」

――3部3位からの昇格で2部では一番下の枠ですが
「1番下なんですけど、それで上位リーグ入ったらそっちのほうがかっこいいじゃないですか。逆にそっちのほうがわくわく。一気にボーンっていったらかっこいいなって思います」
――昨年はケガ人も多かったですね
「今年は人数が増えてって感じなので去年より全然うまくまわせるんじゃないかなって思います」
――自身の役割は
「途中から入るプレーヤーなので得点能力とかよりは私はリバウンドとかスペースに走り込んだり速攻で一番前走ったりそういうところが求められてるんじゃないかと思います。走るのは苦じゃないので走らないと点取れないのでそういうプレーをしていきたいなと思います」
――千葉さん(美知瑠・平27文卒)が卒業されて走る人が減りましたね
「減りましたね。私は全然タイプが違くて、千葉さんはめちゃくちゃ単純に足が速いんですよ。私はむしろ遅い方で。タイミングをすごく大事にしていて、走るコースだったり体当てて走ってインコースとったり。早いわけじゃないのでいかに細かいところで勝てるかです」
――部では誰が走るの速いんですか
「クウ(藤野希生・国際1=埼玉栄)です」
――昨年までの指導体制は
「渡辺さんが指揮をとっていて、トレーナーの方がいてトレーニングはその人が見てました」
――今年からは平田聡HCが指揮を執っていますね
「ディフェンスの激しさは変わったかな。去年からすごいディフェンスは大事にしてきたんですけどよりプレッシャーをかける、ボール持ってる人にってことが全然今年は去年よりやるようになったなと。合宿前までは抜かれてもいいから当たれって感じでした。抜かれたらカバーみたいな。抜かれてもいいから当たっとけと。合宿終わって、どの距離が抜かれるか分かってきてるだろうから、その距離を見てやるっていうのがあるんで、今から自分たちで修正していけるかですごいいいディフェンスになるのかなって感じです。ディフェンスからつくろうっていうのは去年と変わらないですけど、より激しいプレッシャーをと」
――抜けたのは千葉さん一人だけですが
「抜けたのは一人ですけど存在がすごい大きかったです。すごい明るい人なので明るくしてくれたり。私たち4年生がそんな明るい人がいないんで。そういう意味では大きかったんですけど、今年には今年にしかない強さ、今年はすごい1対1が強くなったなと思うのでそういうところの強さはあがったんじゃないかなと思う」
――2部でやれる手応えは
「練習試合やって勝った試合もあるので、やれるなっていう手応えはあるんですけど、でも毎週2日間続いていくので、当たりとか疲労度も違うと思うのでそれはやってみないと分からない怖さがある。なのでそこでやれるなって気を抜かないでチャレンジャーだって気持ちを持ってやりたい」
――試合数が増えますが
「人数少ないのでそれが難点というか。きつい試合が続くし試合数も多いのでケガ、みんな前に大ケガしてる子も多いので、自分で自分の体はしっかり守らないといけないのでそこらへんをいかに自分で自分の体をケアしていけるかっていうところに結構かかってるんじゃないかなって今回は思います」
――最後にリーグ戦に向けての意気込みをお願いします
「2週間で伸びるところってあんまないと思うんですけど、いいところっていうのは出していかないといけないと思ってて、それを期待されてコートに出されるとおもうので、出されたからには期待に応えないといけない。私が得意とするプレーって全然波があるようなものじゃなくて、シュートだったり1対1だったりは波があったりすると思うんですけど、リバウンドだったり走ることは全然波があるようなものじゃないので悪い時にででも持ってるもの最大限に出していくことで良くすることはできると思うので求められるようなものをしっかり出せるようなプレーをしたいなと思います」
――ありがとうございました
◆儀保梓 ぎぼ・あずさ 政経4 那覇高出 160cm
コートネーム:マコ ポジション:F(フォワード) 背番号:48 趣味:料理
◎関東大学女子2部リーグ戦開幕まであと3日!
初戦は対山梨学大戦
8月30日17時トスアップ
≫会場
日本女子体育大体育館
≫アクセス
京王線千歳烏山駅北口よりバスで7分
JR線/京王井の頭線吉祥寺駅よりバスで25分
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