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森健心 90キロ級で初優勝
柔道 2023.11.07体重別日本一を決める講道館杯全日本体重別選手権(以下、講道館杯)が千葉ポートアリーナで行われた。明大からは7名が出場し、森健心(政経4=大牟田)が優勝、光岡岳人(商3= 大牟田)が5位入賞を果たした。 ◆11・5講道館杯全日本体重別選手権(千葉ポートアリーナ)▼60キロ級関本、天野――2回戦敗退▼66キロ級光岡――5位▼81キロ級伊澤――2回戦敗退▼90キロ級森――1位▼100キロ級朝廣、竹村――3回戦敗退 あらゆる年代の猛者が集まった今大会。光岡は一回戦で全国警察選手権の優勝者、二回戦に全日本ジュニア体重別選手権の優勝者と対戦。強敵たち相手にGS(ゴールデンスコア)までもつれ込む展開が続くも勝利を収めた。続く3回戦の相手は昨年度講道館杯の優勝者武岡(パーク24)。「普段から稽古を一緒にやる機会が多くお互い手の内も分かっていた。そのため、投げてポイントを取って勝ち切りたかった」(光岡)。しかし3分11秒、相手の奇襲に対応が遅れ技ありを献上。その36秒後、もう一つ技ありを取られ惜しくも準々決勝で敗れた。試合後「優勝を目指していたし、最低でも表彰台に乗ることが目標だった。そこは果たせなかったが、5位決定戦に勝って次の4月の選抜体重別選手権につなぐことができたので、最低限はクリアできたと思う」(光岡)と語った。 明大の道着に袖を通すのが最後となる森。準決勝の相手は昨年度全日本学生体重別選手権で優勝している中西(旭化成)。試合はGSへ突入。すると、素早く相手選手の下に潜り込みそのまま横四方固で技ありを獲得。次に駒を進めた。待ちわびた決勝戦、相手は今年度の全日本選抜体重別選手権で優勝している田嶋(パーク24)。試合中盤、消極的とみなされ両者ともに二つ目の指導をもらう。GSにまでもつれ込む接戦となったが、4分56秒相手の動きに合わせカウンターで技あり。「大学に入って優勝することができなかったので最後の最後でこういう形で達成できてよかった」(森)。大学最後の大会で日本一という有終の美を飾った。 4年生にとっては大学生最後の公式試合となった今大会。コロナウイルスに翻弄(ほんろう)され、思うように大会に出場できなかったこともあった。4年間の研鑽(けんさん)を糧にそれぞれの道へ進んでいく。そして、新チームへとバトンは渡された。 [大橋英晃] 試合後コメント中濱真吾監督――優勝した森選手にはどういった言葉を掛けましたか。 「決勝の試合前には、ラスト1試合だからしっかりと出し切ろうと伝えました。苦しい期間が長かった分、この4年間最後に結果を出してくれて僕も良かったなと思っています」 ――来年度どういったチームを作っていきたいですか。 「今年度はチームの目標を団体日本一というふうに掲げていて、6月の東京学生団体優勝大会では3位、全日本学生体重別団体優勝大会では2位とだんだん目標に近づいていけているかなと思っています。来年度もその目標は変えず、団体日本一を狙っていきます。新主将の光岡や4年生を中心にまとまりのあるチームになると思うので、団体優勝に向けて頑張っていきたいと思います」 森――今大会にどのような意気込みで臨まれましたか。「7月に肘の手術をしてもう今年度の試合、学生の試合は出れないという風になったのですが、やっぱり諦めることができずに多少は無理を言って練習を始めて、なんとか一つずつ東京学生体重別選手権から全日本学生体重別選手権を勝って講道館杯につなげられて最後に講道館杯で何としても結果を出さなきゃいけないという風に思っていたので優勝を目指して優勝だけを見ていました」 ――決勝の試合展開を振り返ってどんな試合になりましたか。「ポイントを取るまで自分の柔道をさせてもらえず、本当に何もすることができなかったというのが、僕の本当の実力だと思っています。今日一日を通してワンチャンスを逃さなかったことが良かったことだと思います」 光岡ーー今日見つけた課題は何ですか。 「トーナメントを勝ち上がる上で、やはり体力的にも延長線を続けてしまうとキツくなるので、試合時間内に投げ切れる技を立技でも寝技でも作ることが今後の課題です」 ――次期キャプテンとしての意気込みを聞かせてください。 「今大会で優勝した森先輩は高校の先輩で、今も同部屋でそういうキャプテンの姿を身近に見させてもらったので、そういった姿を真似することも大事ですし、自分でそれを超えていけるように、やはり森先輩のようなキャプテンになれるように頑張りたいと思います」 READ MORE -
2年ぶり準優勝 強豪・東海大に勝利も決勝で敗れる/全日本学生体重別団体優勝大会
柔道 2023.11.01初戦を勝利で収め、迎えた大会2日目。この日一番のヤマ場は準々決勝の東海大戦。3-2で勝ち上がると勢いそのままに準決勝・日大にも5-0と快勝。しかし決勝では筑波大の勢いを止めることができずに敗北するも2年ぶりの準優勝を飾った。 ◆10・22全日本学生体重別団体優勝大会(ベイコム総合体育館)▼明大――準優勝 2日目初戦の3回戦、山梨学大には3-1と好調な滑り出しとなった明大。次の準々決勝では数々の大会で優勝を果たしており、2年前の同大会決勝で敗れた因縁の相手・東海大との対戦となった。先鋒は光岡岳人(商3=大牟田)。「実績のある選手が相手だったが、チャンスはあると思っていた。そのチャンスを逃さないように意識した」。互いに相手の出方をうかがいながらの組み合いで始まったが、集中力を切らさなかった光岡は一瞬のスキを突き、体落で技ありを獲得。そのまま10秒間、がっちりと抑え込み一本勝ちを収めた。次鋒・竹村虎之(政経3=大成)は序盤から寝技で勝負を仕掛ける。途中、投げられる場面も見られたが場外だったために有効にはならず危機を免れた。その後は足を掛けられないように慎重に攻め、技ありを獲得。そのまま合わせ技で一本勝ちとし、2連勝の良い流れを作った。しかし「光岡の一本勝ちの流れに乗ったおかげで勝つことが出来た。先鋒が引き分け、もしくは負けていたらこの結果とは逆に大敗を喫していたと思う」(竹村)と、勝利の立役者の1人は謙虚に試合を振り返った。 続くは2人の流れに乗りたい五将・松原咲人(政経2=大成)。激しい組み合いから始まるも、あえなく払腰で一本負けに。その後の中堅・甲木碧(政経2=木更津総合)、三将・伊澤直乙人(政経1=習志野)は五将戦で東海大に傾きかけた流れを共に粘りの柔道でなんとか引き分けに持ち込んだ。そして2-1で迎えた副将・森健心主将(政経4=大牟田)。開始から守りに入る相手に序盤は攻めあぐねる。それでも森が攻め続け、相手に2つ目の指導を引き出した。そして終盤残り1分、相手へ3つ目の指導。そのまま相手の反則負けとなり、明大の準決勝進出が確定した。大将・大久保竜之介(政経3=延岡学園)は一本負けを喫するも3-2となり明大の勝利。2年前の雪辱を果たした。 準決勝の相手はゴールデンスコア(GS)の激闘の末に桐蔭横浜大に勝利した日大。東海大戦で勢いづいた明大は圧倒的な強さを見せ5―0で勝利した。この試合が初出場となった中堅・福永夏生(政経4=崇徳)は「絶対にポイントを取ってチームの流れを途切れさせず、後ろにつなごうという気持ちで挑んだ。ワンチャンスを生かせて良い一本勝ちができたと思う」(福永)と明大での最後の試合を振り返った。 2年ぶりに迎えた決勝の舞台。その相手は準々決勝で天理大、準決勝ではパリ五輪内定の斉藤率いる国士舘大にもGSの末に勝利し勢いに乗っていた筑波大。先鋒・光岡がまさかの一本負けを喫し暗雲が立ち込める立ち上がりに。次鋒は朝廣隆翔(商4=延岡学園)。「光岡が敗れ、チームに流れを引き戻さなければならなかった」と意気込むも相手を崩すことができずに引き分け。五将・松原は互いに積極的に攻めあうも一瞬のスキを突かれ一本負けとなった。これで完全に筑波大のペースとなってしまった。中堅・甲木も袈裟固で一本負け。この時点で3―0となり優勝は遠のいた。三将・伊澤が巴投げで技ありを獲得し勝利を収めるも最終的には4―1と完敗に終わった。 4年生にとっては最後の大会となった今大会。「全国大会の団体戦での準優勝は5回目だが1度も優勝したことはない。あと一つ勝ち切るということがどれだけ難しいことかを誰よりも知っているつもりだった。決勝ではチームを鼓舞、奮起させることができただろうという後悔が残っている」と悔しさをにじませた森。しかし「他大学にはシニアで活躍する選手、オリンピックに出る選手など有名な選手がたくさんいるが、私たちには1人もいない。それでも少数制の強み、団体戦の良さを生かしてみんなよく頑張ったと思う」と、仲間の奮闘もたたえた。準々決勝で2年前の決勝で敗れた東海大に勝利を収めるも悔しい準優勝となった。来年こそは悲願の優勝を成し遂げたい。 [阿部倖明] 試合後のコメント森――準決勝と決勝の振り返りをお願いいたします。 「日大戦はチームの勝利が決まっての試合だったので、個人戦のつもりで試合をしました。自分の強みである左手が存分に出せた試合だったと思います。筑波戦は寝技を逃してしまったことが反省する点です」 ――4年間を振り返っていかがですか。 「なかなか勝つことができない4年間でした。いろいろな壁にぶつかり、不安と向き合い『もうダメなんじゃないか』と思うことも何度もありました。こんなに弱い自分が休んでいる暇はないと思い、何も考えずに練習したり、トレーニングしているうちに突然うまくいくことがあったりと小さいことの積み重ねが大事だということ気づけました。これからの柔道人生において役に立つことだと思っています。精神的にも柔道でも成長できました」 朝廣――準決勝と悔しい結果になりました。 「無差別団体では3位という結果に終わったため、今回こそはと臨んだ試合でしたが準優勝という結果に終わりとても悔しいです。内容も4―1と大差で負けてしまい完敗だと感じました」 ――4年間を振り返っていかがでしたか。「たくさんチームに迷惑をかけましたが、多くの経験を積ませてもらい最後には日本一も経験することができました。チームの目標である団体日本一にはあと一歩届きませんでしたが本当に大きく成長でき、感謝しかないです」 竹村――東海大戦にはどのような気持ちで臨みましたか。 「1番超えなければいけない高い壁だと思っていました。各体重に日本を代表する選手が多く、1点を取られてしまうと取り返す事は困難になります。そのため、トーナメントが組まれた時から監督とともに新井道大選手が出てくると予想し、対策を立てていました。3年生として、団体戦のメンバーとして引き分け以上でなければならないと覚悟を決めて試合に挑みました」 ――今年度の振り返りをお願いいたします。 「今年は自分にとって飛躍の年でもあり、無念の年でした。多くの団体戦の試合があり、ポイントゲッターとしての力を発揮する事ができた半面、全日本学生優勝大会では3位、全日本学生体重別団体では2位とあと一歩及ばず敗退してしまっています。個人戦でも予選では勝つ事が出来ましたが、全国の舞台での精神面の弱さがはっきりと出てしまいました。今年は多くの収穫があり、課題を見つける事ができた有意義な年となりました。最後に講道館杯(講道館杯全日本柔道体重別選手権)があるので自分の力を試して今年の良い締めくくりにしたいと思います」 福永――今年度の振り返りをお願いいたします。 「今年は去年、おととしと負けてきたチームに勝つことができ、チームのみんなが大きく成長できました。同級生、後輩たちが自分以上に強くなったと思います。団体戦で全国優勝できずに悔しい結果となりましたが団体戦を楽しく戦うことができました」 ――4年間を振り返っていかがでしたか。 「この4年間、試合に出ても勝てなく、チームメートに迷惑をかけることが多かったです。それでもチームメートの応援が力になり、楽しい団体戦を経験することができました。この最後の1年が自分自身1番成長できたと思います」 光岡――大会を振り返っていかがですか。 「関本(賢太・商3=習志野)が直前で体調を崩すなどアクシデントはありましたが、全員でそれをカバーして決勝まで進めたのはよかったです。チームも勢いがあったので優勝できると感じていましたが甘かったです」 ――準優勝と悔しい結果になりました。 「決勝では先鋒戦という大事な場面で負けてしまい、相手に勢いをつけさせてしまいました。とても悔しいですが、来年必ず優勝しますREAD MORE -
強さを発揮 6-0で快勝スタート/全日本学生体重別団体優勝大会
柔道 2023.10.21体重別の7人制で戦い、大学ナンバーワンを決める全日本学生体重別団体優勝大会が開幕した。昨年度はベスト8に終わり、その悔しさを晴らすべく臨んだシード校の明大。初戦から圧巻の戦いぶりを見せ日本文理大を6-0で下し、危なげなく3回戦への進出を決めた。 ◆10・21全日本学生体重別団体優勝大会(ベイコム総合体育館)▼明大――2回戦突破 初戦の相手は1回戦で秋田大を破った日本文理大。先鋒の大久保竜之介(政経3=延岡学園)はお互いに相手の出方を探りながらの戦いとなった。両者これといった攻め手を欠く、もやもやした我慢の柔道になるも決して無理はしなかった。指導を一つ受けるも相手の攻撃を最後まで受け流し引き分けに持ち込む。 その後は次鋒・甲木碧(政経2=木更津総合)、五将・光岡岳人(商4=大牟田)とともに一本勝ちを収め2-0とした。中堅・松原咲人(政経2=大成)は体勢を崩されながらも強引に相手を投げ、一本勝ちかと思われた。しかしビデオ判定の結果、認められず。それでもその後は冷静な試合運びを見せ、技ありのポイントを守り切った。続く三将、副将、主将戦も一本勝ちの素早い柔道で勝利を飾った。 6勝のうち五つを一本勝ちで決め、安定した強さを発揮した明大。両校が順当に勝ち進むと明日の準々決勝では強豪・東海大と対戦することになる。東海大は2年前の同大会決勝で惜しくも敗れた相手。今年こそは勢いそのままにベスト8敗退で終わった昨年度、そして2年前の悔しさを晴らし、念願の優勝へ突き進む。 [阿部倖明]READ MORE -
朝廣隆翔 しぶとい柔道で学生日本一!/全日本学生体重別選手権
柔道 2023.10.03学生日本一を決める今大会。最終日となる2日目は重量級の試合が行われ、明大からは7名が出場した。100キロ級では朝廣隆翔(商4=延岡学園)が個人で初となる優勝を成し遂げた。90キロ級では主将の森健心(政経4=大牟田)がベスト8を収め、計2名が講道館杯全日本体重別選手権(以下、講道館杯)への出場権を獲得した。 ◆10・1 全日本学生体重別選手権大会(日本武道館)▼90キロ級 森――ベスト8高橋――3回戦敗退黒川――3回戦敗退 ▼100キロ級朝廣――1位竹村――1回戦敗退 ▼100キロ超級福永――3回戦敗退千野根――3回戦敗退 見事な活躍ぶりであった。東京学生柔道体重別選手権(以下、東京予選)で優勝をした朝廣は100キロ級に出場。1回戦から東海王者・瀧川(皇學館大)を制すなど、順調に駒を進めていく。迎えた決勝戦、相手は関東王者・田中(筑波大)。「強い選手だというのは理解していたので、気持ちで負けないように戦った」(朝廣)。開始1分18秒、両者にらみ合いの末に指導を受ける。その後は相手が攻撃に転じ、投げようとするも食らいつく。「自分の良さである〝しぶとさ〟を生かしてどこかでワンチャンスをつかもうと考えていた」(朝廣)。その後の2分27秒で消極的と判断され指導をもらうも、残り15秒で大内返からの横四方固によって技ありを2つ獲得し、合わせて一本。見事に初の学生日本一に輝いた。 ベスト8以上であった朝廣、森。そして1日目の3人を含めて明大から5名の選手が講道館杯への出場切符を獲得した。「学生大会のような試合には絶対ならないので、選手たちの良さを出すためにしぶとく戦って、勝ちを取りに行くしかない」(中濱真吾監督)。また、10月には団体戦である全日本学生体重別団体優勝が行われる。「準々決勝で対戦することになるであろう東海大に勝利し、優勝を目指したい」(中濱監督)。今大会の勢いを生かし、選手たちの挑戦は続く。 [大橋英晃] 試合後コメント中濱監督――試合中に朝廣選手にどういった声かけをなさっていたのですか。「自分の組み手をしっかりと取ること、決勝前にもしっかり相手の対策をして臨んで、最後の一試合をしっかり頑張ってこいと声をかけました」 ――今年度これまでを振り返って、満足している部分はどこですか「満足している部分は、試合を重ねるごとに、学生たちが強く成長しているのがすごく目に見えてきたことです。そこは評価したいと思います」 朝廣――去年と比べて調子が上がってきた要因は何でしょうか。「自分の強みであるしぶとく戦うということを、明確に自分自身で理解したことです。それが自信になり、大会での勝利につながりました」 ――明治での4年間を振り返って。「自分にとってプラスになることしかありませんでした。辛い経験の方が多かったですが、最後のこの大会で優勝できたことが自分の中で本当に嬉しいです」READ MORE -
関本が準優勝 3人が講道館杯へ/全日本学生体重別選手権
柔道 2023.09.30体重別の学生日本一を決める今大会。1日目は軽量級の選手が登場した。明大からは6人が出場。60キロ級の関本賢太(商3=習志野)が決勝まで進んだが、惜しくも敗戦し準優勝となった。 ◆9・30 全日本学生体重別選手権(日本武道館)▼60キロ級関本――2位天野――3位 ▼66キロ級光岡――ベスト8平山――3回戦敗退 ▼73キロ級松原――3回戦敗退藤本――2回戦敗退 日本一まであと一歩だった。東京学生体重別選手権(以下、東京予選)では優勝した関本。今大会も準決勝まで危なげなく進んでいった。決勝の相手は関東予選で優勝した白金(筑波大)。開始48秒、消極的な姿勢と判断され両者指導をもらい、その後相手が指導を重ね関本が有利な展開に。投げ技を掛けようとしたり抑え込もうとしたりするも決まり技とはならず、GS(ゴールデンスコア)へ突入した。「準決勝までは全ていい感じで勝ってきたので、決勝戦で延長戦になるのが1試合目でしんどかった。少し組み手を妥協して、相手の技が入りやすいような形で待ってしまったというのが投げられた要因」(関本)。GS1分22秒、小内巻込で技ありを奪われ無念の敗退となった。 ベスト8以上の成績を収めた関本、天野武蔵(法2=足立学園)、光岡岳人(商3=大牟田)の3人は講道館杯全日本体重別選手権(以下、講道館杯)への出場権を獲得。「今日は成長が見られた選手もいたが、反省点の方が多く見つかった」(中濱真吾監督)。続く2日目は重量級の選手が出場する。予選で優勝した100キロ級の朝廣隆翔(商4=延岡学園)や準優勝した100キロ級の竹村虎之(政経3=大成)の活躍に注目だ。 [正野真由夏] 試合後のコメント中濱監督――60キロ級の決勝戦を振り返っていかがでしたか。 「関本のペースで進んでいて流れもあったのですが、最後組み手で負けてしまい残念だしもったいないなと思いました」 ――準決勝に残られた天野選手に関してはいかがでしたか。 「今年度の東京予選は3位で、全日本ジュニア体重別選手権では1回戦で負けていたので、今回の大会は強い思いで出ていたと思います。1回戦から接戦が続いていたのですが、何とか勝ち抜いて準決勝まできて、昨年度に比べると成長しましたし、今日はよく頑張ったと思います」 関本――結果を受けて今のお気持ちはいかがですか。 「昨年度は学生の大会に体調不良で全く出ることができていなかったので、今年度は絶対に学生チャンピオンになろうと思って1年間やってきました。この1位と2位の差は大きいと思うので、悔しいという気持ちがあります」 ――次の全日本学生体重別団体優勝大会、講道館杯に向けて意気込みをお願いします。 「チームの日本一と個人の日本一を目指して頑張っていきたいと思います」READ MORE -
ルーキー・伊澤が大会連覇 甲木も3位で表彰台へ/全日本ジュニア体重別選手権
柔道 2023.09.1110日、埼玉県立武道館にて20歳以下の日本一を決める大会が開催された。明大からは4名が出場し、中でもルーキーの伊澤直乙斗(政経1=習志野)が大会2連覇を達成。さらに甲木碧(政経2=木更津総合)も3位に輝き、前回大会に引き続き表彰台に登った。 ◆9・10全日本ジュニア体重別選手権(埼玉県立武道館)▼60キロ級平野――1回戦敗退▼81キロ級伊澤――1位▼100キロ級嶧田――ベスト8▼100キロ超級甲木――3位 81キロ級に出場したルーキーの伊澤。「連覇するという気持ちが強かった」。習志野高時代に同大会を制してから丸1年、新たに紫紺の道着を背負い連覇を懸けて戦った。シード権を得て迎えた2回戦は背負い投げと崩袈裟固の合わせて一本で通過する。3回戦も崩袈裟固を決めて準決勝へと駒を進めた。準決勝は桐蔭学園高・坪根と対峙(たいじ)。「落ち着いてやれば勝てると思っていた。得意な寝技が出せて良かった」(伊澤)。開始1分で相手に指導を与え、さらに寝技に持ち込むとここでも崩袈裟固を決めた。3戦連続寝技で決着、王者としての貫禄を見せつけ、難なく決勝に進出した。 決勝は「研究したことが、生かせて本当に良かった」。大会前から相手の東海大・天野が得意とする内股の捉え方を練習し、スキを与えなかった。試合は、開始1分で背負い投げを決め、技ありの判定を得る。途中、極端な防御姿勢から指導を受けるも、最後まで流れを崩さず優勢勝ち。圧倒的な実力で大会連覇を達成した。所属先が変わっての連覇については「先輩や同級生がいろいろ支えてくれて、特に取り乱すことなく練習に取り組めた」。新天地での順応を最高の形で証明してみせた。(写真:部員からの声援も連覇の糧に) 前回大会3位の甲木は、強化委員会推薦選手として100キロ超級に出場。3日に行われた東京学生体重別選手権ではまさかの初戦敗退に終わっており「1回戦からヤマ場だった。身長が高くて力の強い選手だったので、低めでさばいて投げることを意識した」。その初戦は序盤から攻めの姿勢を貫き、体落しの一本で危なげなく突破した。3回戦を裏投げの一本で通過し迎えた準決勝。両者一歩も譲らない展開が続き、途中で甲木が指導を受けるもGS(ゴールデンスコア)へ突入する。ただ、30秒を越えたところで相手に浮落しを決められ、無念の敗退となった。それでも3位決定戦は「(準決勝で負けて)悔しかったが、気持ちを切り替えて頑張った」。準決勝で生じたという膝の痛みは見せず、試合は体落の一本で勝負あり。2大会連続で3位に輝き、執念で表彰台の座を守り抜いた。 (写真:初戦での甲木) 今後も個人戦をはじめとする主要大会が控える明大。伊澤は「講道館杯や世界ジュニアがあるので優勝したい。明治大学にいる間は、個人戦のどの試合も優勝を目指す」と意気込む。そしてチームとして目指すのは〝団体日本一〟だ。10月に行われる全日本学生体重別団体優勝大会に向けては「チームが優勝できるように自分の役割を果たしたい」(甲木)。培った個の力を、団結力へとつなげたい。 [長崎昇太] 試合後のコメント甲木――ヤマ場だった試合をお聞かせください。 「1週間前の試合(東京学生体重別選手権)は1回戦で負けたので、今日も1回戦から山場でした。1回戦は身長が高くて力の強い選手だったので、低めでさばいて投げることを意識しました」 ――持ち味を教えてください。 「体がちっちゃいので、相手のところに入ることと、下から相手を突き上げてくことです」 ――今後への意気込みをお聞かせください。「全日本学生団体体重別優勝大会で優勝できるように、自分の役割を果たしたいです」 伊澤――所属変わっての連覇ですがいかがですか。 「入るときは心配だったんですけど、先輩や同級生がいろいろ支えてくれました。特に取り乱すことなく練習に取り組めて、結果が出せました」 ――高校と大学の違いをお聞かせください。 「高校はガツガツ気持ちって感じがあるんですけど、大学は技術もないと勝てないようなところなので、練習が大変でした」 ――明大入学後から成長した部分を教えてください。 「技術的なことを教えてくれる先輩、先生方がいて、いろんなことを経験しました。気持ちも強くなれたし、全部が強くなりました」READ MORE -
2階級で優勝 13人が全日本へ/東京学生体重別選手権
柔道 2023.09.039月末に行われる全日本学生体重別選手権(以下、全日本)の切符を懸け、東京学生体重別選手権が日本武道館で行われた。明大からは18人が出場。60キロ級の関本賢太(商3=習志野)と100キロ級の朝廣隆翔(商4=延岡学園)が優勝を決めた。また、表彰台には4人が上がり、明大柔道部の力強さを示す大会となった。 ◆9・3東京学生体重別選手権(日本武道館)▼60キロ級 関本――1位 天野――3回戦敗退 大久保――2回戦敗退 ▼66キロ級平山――4回戦敗退 栗山――1回戦敗退 ▼73キロ級級 藤本――3位 松原――ベスト16 ▼81キロ級伊澤――4回戦敗退 藤本――1回戦敗退 ▼90キロ級高橋――ベスト16森、黒川――4回戦敗退 ▼100キロ級朝廣――1位 竹村――2位岩本――2回戦敗退 ▼100キロ超級福永、千野根――ベスト16甲木――2回戦敗退 上級生の意地を見せつける試合となった。60キロ級に出場した関本は持ち味である投げ技で順調に試合を制していく。今大会のヤマ場は準々決勝。試合序盤から果敢に攻め続けるも、相手の粘り強い防御で体力をそがれる展開に。しかし試合終了間際に投げ技で一本を獲得。準々決勝は今大会の関本の試合の中では比較的試合時間が長く「きつかったが、決勝までには体力を戻すことができた」(関本)。この言葉通り、決勝では疲れを感じさせず、勝負は一瞬で決着。「自分のよさを出せて良かった」(関本)と得意の投げ技で優勝を決めた。 重量級でも迫力あるプレーが見られた。100キロ級に出場した朝廣は準々決勝、幾度となく技を仕掛けるも、なかなか決まらず、試合はGS(ゴールデンスコア)へ。「僅差の戦いになると分かっていたので、持ち味であるしぶとさでは根負けしたくなかった」(朝廣)。そしてGS1分過ぎ、相手を力強く床に叩きつけ、勝利を決定づけた。待ち受けた決勝の相手は後輩である竹村虎之(政経3=大成)。「絶対に勝たないといけないという気持ちが強くあった」(朝廣)。試合開始直後、一瞬のスキを見逃さなかった竹村に技ありを決められてしまい、劣勢に立つ。しかし朝廣らしいしぶとさを発揮し、技ありを二つ取り一本。部内対決は先輩・朝廣が制し、今大会100キロ級王者に輝いた。 昨年度より3人多い13人が全日本出場を決める好成績を残した。「朝廣と竹村は昨年度全日本に出れていなかったので、こうやって決勝まで戦えたというのは日頃の練習の成果が出たと思う。関本は元々力のある選手なので勝って当然だなという風に思った」(中濱真吾監督)。全日本は9月30日、10月1日に日本武道館にて行われる。もちろん目指すのは学生日本一。長い歴史を持つ明大柔道部の誇りを胸に、選手たちの挑戦は続く。 [森口絵美理] 試合後のコメント中濱監督――100キロ級の決勝は明大対決となりましたが、ご覧になっていかがでしたか。 「朝廣は結構(トーナメントの)組み合わせがきついパートに入っていたのですが、よく辛抱して決勝まで上がってきたなと思います。最後、どっちが勝つかなと思いましたが、上級生の意地を朝廣が出していたと思います」 ――今大会を振り返って改善点や反省点は何かありましたか。 「投げられる場面が多く、守りや受けの練習をしなければいけないなと思いました。また、指導のポイント差を意識した戦い方をもう少し頭に入れる必要があると思いました」 朝廣――今大会の目標を教えてください。 「苦しい中でもしっかり勝ち切るということを目標にして戦いました。延長戦が多かったのですが、勝ち切れて良かったです」 ――優勝という結果はいかがですか。 「優勝は優勝なのですが、やはり全国予選なので、全国で勝ち切れるように、この大会の内容を全国につなげたいです」 関本――決勝戦の相手の印象を教えてください。 「高校生の時の全国大会で負けていて、少し苦手意識はあったのですが『勝てるでしょ』という感じで試合に臨みました」 ――全日本ではどのような柔道をしたいですか。 「誰が見ても『あいつ強いな、すごいな』と思うぐらいの試合をしたいです。3年生で結果にこだわらないといけないので、貪欲に勝ちに徹して頑張りたいです」 竹村――今大会はどういった意気込みで挑まれましたか。 「今まで団体戦でしか勝ったことがなく個人戦では一度も勝ったことがなかったのですが、今年度は自分が強くなった年だと思っています。全日本の出場権を獲得して、そこから楽しみつつ自分の力が証明できればいいなと思いながら挑みました」 ――今大会を振り返って良かった点はどこですか。 「1回戦から準決勝まで全て一本勝ちすることができた点です。自分は身長が170センチと100キロ級の選手の中では小さいので、相手を投げられないことが多かったのですが、今回は指導の柔道ではなく投げたり抑え込んだりして勝つことができ、力が身に付いていることを実感できました」READ MORE -
嶧田、天野が準決勝に進み全日本への切符をつかむ/東京都ジュニア体重別選手権
柔道 2023.07.11大勢の観客の中で迎えた今大会。明大からは15人が出場した。嶧田遼太郎(商1=高川学園)と天野武蔵(法2=足立学園)が準決勝まで駒を進め3位入賞。全日本ジュニア体重別選手権への出場権を獲得した。 ◆7・9 東京都ジュニア体重別選手権(東京武道館)▼60キロ級 天野――3位▼66キロ級福田――2回戦敗退末次――ベスト8▼73キロ級松原――3回戦敗退石塚――1回戦不戦敗▼81キロ級笠川――3回戦敗退▼90キロ級阿久津、片山、高橋――1回戦敗退▼100キロ級嶧田――3位岩本、田中――ベスト8▼100キロ級越級千野根――1回戦敗退井手、中村――2回戦敗退 「全体のコンディションは悪くはなかった」(嶧田)。大学入学後初となる個人戦だったが堂々とした戦いぶりで準々決勝まで駒を進めた。迎えた準々決勝は積極的に攻めるも技が決まらずGS(ゴールデンスコア)に突入。最後は豪快に絞め技を決めて見事勝利した。しかし、準決勝ではこれまで通り積極的に攻めるも「相手選手がしっかりと対応してきた。そのため途中からは組み手をして相手に持たせないよう心掛けた」(嶧田)。にらみ合いが続くなか、一瞬のスキにつけこまれ技ありを献上。惜しくも決勝進出を逃した。 同じく準決勝まで進んだ天野。昨年度は2回戦敗退と成績が残せなかったが今大会では粘りの柔道を見せた。準々決勝の相手は高校時代の同級生、宮部(国学院大)。「毎日、切磋琢磨(せっさたくま)して練習していた。当時はボコボコにされていたので、そろそろ勝とうと思い挑んだ」(天野)。両者果敢に仕掛けるも拮抗(きっこう)した戦いとなりGSに突入。GSが2分経過し体力が消耗する中、集中力を切らさなかった。相手が不用意に内股を掛けてきたところを見逃さず、逆手に取り技あり判定。因縁の対決は天野に軍配が上がった。次の準決勝では開始直後から相手に寝技を掛けられる寝技で攻め返す。GSに突入するかと思われブザーが鳴った瞬間、相手に足元をすくわれ一本負け。残り0秒の悔しい敗戦となった。 「全日本ジュニアに進めたのは天野と驛田の二人だけ。全体から見ると力不足を感じた」(中濱真吾監督)。各選手が自らの課題と向き合うこととなった今大会。表彰台に上がった二人に加えて、昨年度全日本ジュニアで結果を残した甲木碧(政経2=木更津総合)と伊澤直乙斗(政経1=習志野)が推薦をもらい計4名が全日本ジュニアの出場を決めた。燃え盛る夏を乗り越え、9月に控える全日本ジュニアに向けて精進していく。 [阿部倖明] 試合後のコメント嶧田――どのような意気込みで準決勝に臨まれましたか。 「試合中のケガにより途中で棄権しようとも考えていたのですが、やはりここまできたら最後までやり切ろうという気持ちで戦いました」 ――大会を通して反省点はありますか。 「技を掛けていこうとしても決め切れないことがいくつもあったので、もっと決め切れる技を身に付けたいです。(準決勝で)負けた場面も相手がしっかりと持って技を決めてきたので、あのような場面でもしっかりと組み手をしたいです。(今後は)組手や技など基礎的な部分を向上させていきたいです」 ――全日本ジュニアへの意気込みをお願いします。 「高校生の時からこの大会に出ていて、やっと(全日本ジュニアに行くことが)実現したなという感じです。出たからには負けてしまった選手の分まで上を目指して頑張っていきたいと思います」 天野――今大会の目標を教えてください。 「自分は昨年度全く結果を出すことができなかったので、最低限全国行くことを目標にしていました」 ――目標達成された今のお気持ちはいかがですか。 「ジュニア大会も今年度で最後なので全国優勝する気で大事に、一生懸命頑張りたいと思います」 ――準々決勝の勝因はどういった部分でしたか。 「いつもは勝ちたいと思い力んでしまっていたのですが、今日は腹をくくり練習でやってきたことをいつも通りやるだけだと思いながら臨みました」 ――普段はどういったことを意識して練習されているのですか。 「自分は指導を取ることが得意ではないので、とにかく投げることを意識して練習しています」READ MORE -
高い決勝の壁 良しあし交えるベスト4/全日本学生優勝大会
柔道 2023.06.261、2回戦を順当に勝ち進み、3回戦では日体大を撃破。続く準々決勝は早大に4―2で勝利した。しかし、準決勝は大会6連覇中の東海大に苦戦を強いられ、1―3で敗北。3位入賞を果たしたが、団体日本一の夢は秋の全日本学生体重別団体優勝大会に持ち越しとなった。 ◆6・24~25 第72回全日本学生優勝大会(日本武道館)▼明大――3位 無差別級学生団体日本一を決める今大会。24日に行われた1回戦は山梨学大と対戦。甲木碧(政経2=木更津総合)と竹村虎之(政経3=愛知県私立大成)のポイントにより2―0で通過し、2日目に駒を進めた。そして2回戦では金沢学大と対戦。中堅以降が4連勝するなど5―0で快勝し、難なく3回戦へと駒を進めた。 迎えた3回戦の相手は前回大会3位の日体大。「前の4人が2失点は絶対にしないこと。ただ、取るところはしっかりと取る」(中濱真吾監督)。その対策通り、先鋒の福永夏生(政経4=崇徳)は引き分けに終わるも、次鋒の朝廣隆翔(商4=延岡学園)が優勢勝ちを収めて先制に成功する。そして中堅として出場した森健心主将(政経4=大牟田)が相手に指導を3回与え、相手の反則負けを誘発。続く竹村の内股と大内刈りが決まり、合わせ技一本を奪って勝負あり。副将の甲木が固め技を決められ失点を許すが、最終スコア3―1で勝利を収めた。 準々決勝では早大と対戦。序盤から明大が流れを握っていた。先鋒の福永が早々に取った技ありを保持して優勢勝ち。さらに次鋒の徳持英隼(政経3=崇徳)は豪快な大外刈りが決まって連続で得点する。五将の黒川響(政経3=習志野)が合わせ技で一本を取られるも、続く中堅の朝廣が相手に流れを渡さなかった。序盤で相手に指導を2つ与え有利な展開を作るも、その後は「我慢比べの時間が続いて、どっちもきつかったと思う」(朝廣)。それでも終了間際に小外掛が決まって一本勝ち。「しっかり取れるところを取れる場面が多かった」(朝廣)と、強敵相手に勝負強さを見せつけ明大の勝利を決定づけた。その後は副将・甲木の合わせ技一本と大将・森の反則負けが加わり、最終スコアは4―2。急遽開かれた柔道版〝明早戦〟を堅実に制した。 準決勝の相手は大会6連覇中の絶対王者・東海大。5大会ぶりの決勝進出を懸けたが「相手の方が層の厚さがあった。中でも総合力が一枚上手だった」(中濱監督)。先鋒の福永は相手の大内返に倒れる。さらに五将の黒川も相手に横四方固を掛けられポイントを献上。中堅・森が引き分けて、後がない三将の竹村。しかし小外刈りに崩袈裟固を決められ、合わせ技一本を許した。副将・甲木が大腰の優勢勝ちで意地を見せるも万事休す。「守りの堅さに差を感じた」(中濱監督)と相手の守備に苦しみ、1―3での敗北を喫した。 優勝こそ果たせなかったものの、早くも今年度2回目の表彰台。団体戦で苦戦した昨年度と比較しても、チーム状態の上昇ぶりが伺える。次の全国大会は10月の全日本学生体重別団体優勝大会(以下、体重別)だ。「今回は国士舘が優勝したが、自分たちもそれぐらいの力を持っている。しっかり反復練習などを繰り返すことで、優勝も見えてくる」(朝廣)。悲願の団体日本一へ、古豪・明治の復活に期待したい。 [長崎昇太] 試合後のコメント中濱監督――今大会を振り返っていかがですか。 「3回戦の日体大戦がヤマになると思っていました。選手にはその話をしてきて、対策もしてきました。日体大はグリーンカラニ海斗と海堀陽弥が後ろに来ると思っていたので、そこまでに勝負が決まって、良かったなと思います」 ――今大会での成果をお聞かせください。 「今回は4年生の朝廣が頑張ってくれて、日体大戦、早大戦でポイントを取ってくれました。また、学生には言ったのですが、個々の力ではなく総合力で勝とうと、しっかり流れに乗って後ろにつないでいこうということをやってきました。その成果が出て、派手さはないですけど、一人一人がしっかりと仕事をして、勝ち上がれたと思います」 ――今後に向けて意気込みをお願いします。 「もう一回、日本一のチャンスが10月の体重別であります。チーム編成も軽量級を含めてになりますので、もう一度日本一を目指したいと思います」 朝廣――今大会を振り返っていかがですか。 「去年は自分のせいで負けてしまったところがあったので、今年こそはっていう気持ちで臨みました。しっかり取れるところを取れた場面が多かったので、そこは自分なりには良かった点だと思います」 ――日体大戦を振り返っていかがですか。 「個人戦で負けていた選手で、中学校の時も全国大会で負けた相手でした。2連敗中で、絶対にやり返すっていう気持ちが強くて、それで勝てたのは本当に大きかったです。自分の中でも勢い付いたと思っています」 ――後輩の活躍はご自身にどう映っていますか。 「もちろん頑張ってくれたんですけど、そこに先輩の意地というか、負けてらんないっていう気持ちが大きかったです。刺激をもらいながら頑張れました」READ MORE -
年度初の団体戦 国士大を破りベスト4/東京学生優勝大会
柔道 2023.05.29新体制となって初めて迎えた団体戦。シードで迎えた2、3回戦はほとんど相手にポイントを取らせず、勝利を挙げた。準々決勝では昨年同大会で敗れた国士大との死闘を制す。続く準決勝は日大と接戦の末、惜しくも1-2で敗北。それでも全日本学生優勝大会(以下、全日本)に向けて勢い付く試合となった。 ◆5・28 第72回東京学生優勝大会(日本武道館)▼男子明大――ベスト4 来月行われる全日本へつながる今大会。シード権を得て迎えた2、3回戦。日本文化大、帝京大と対峙するも、ルーキーを当用するなどして順当に勝ち進めた。そして、準々決勝で立ちはだかったのは、昨年3回戦で敗れた国士大だった。 「国士館を倒すのが目標だった」と森健心主将(政経4=大牟田)。先鋒の福永夏生(政経4=崇徳)、次鋒の朝廣隆翔(商4=延岡学園)は激しい攻防をしたが、引き分けに終わる。続く五将の高橋麟大郎(商2=延岡学園)が残り1分45秒、ビデオ判定で相手に技ありを与え、そのまま敗北。そんな悪い雰囲気を断ち切ったのは、中堅の竹村虎之(政経3=大成)だった。「自分が取り返したことによって、流れがまた明治に回ってくる」(竹村)。その発言の通り、試合では粘り強く攻撃的なプレーで畳を支配する。そして遂に相手に3度目の指導を与え、見事に反則勝ちをつかみ取った。流れをつかみ出した明大の三将は黒川響(政経3=習志野)。相手の高橋翼(国士館大)は今年の全日本選手権で5位の実力者。それでも4分間の激しい攻防の末、引き分けに持ち込むことに成功した。副将戦は3回戦までは大将だった森を登用し見事勝利を収める。「作戦ですね。ずっと大将で来ていて、向こうも大将をぶつけてくると思っていたので、こちらが1つずらしました」(中濱真吾監督)。大将戦では徳持英隼(政経3=崇徳)が引き分けに持ち込み、2―1で国士大に勝利した。 決勝を懸けて挑んだ準決勝の相手は日大。先鋒の高橋、五将の黒川が技あり一本でポイントを取られる中、中堅の徳持が反則勝ちを収める。流れが明大に来たようにも思えたが、福永、朝廣、森と3人連続の引き分けで1-2の惜敗に終わった。しかし、この結果について森は「自分の内容的には、次に生かせる内容だったと思う」と前向きに捉えていた。 宿敵・国士大に勝利したとはいえ、ベスト4という結果で終わった今大会。来月の全日本に向けては「1カ月しかないので、あまり大きなことは変えられない。やはり小さなミスを減らすための練習をしていく必要があると思う」(森)。全日本に向けてより一層の期待がかかる。 [大橋英晃] 試合後のコメント中濱監督――全体を振り返っていかがですか。 「一つの山は国士舘大だと思っていました。国士舘大に勝てて、チームが勢い付くかなと思ったのですけど、そう甘くはありませんでした。日大戦も2失点して、追いつけなかったので、そこでは力不足を感じました」 ――1年生も起用していたことについてはいかがですか。 「全日本に向けてやっぱ経験を積ませたいという思いがありました。練習でやっていたことをそのまま出せていたので、負けることはないだろうと思って見ていました」 森――帝京大戦を振り返ってどう思いますか。 「自分の柔道のスタイル的に投げることが得意ではないで、立技から寝技の移行を中心にやってきました」 ――新主将としての立場として一言お願いします。 「大学は強制できない部分があるので、みんなの意見を尊重しつつ、その中でもメリハリをつけてチームを引っ張っていきたいです」 竹村――大会全体を振り返っていかがでしたか。 「全体的に、団体戦では流れを作るのが大事です。やっぱ自分とか黒川と徳持、この3年生メンバーが流れを作って、試合に勝っているというのが、ここ最近の試合でよく多いです。今回で団体1、2、3回戦と、自分たちの学年で流れを作って勝つことができています。全日本も、3年生を筆頭に、4年生は支えてくれているので、このまま全国も頑張りたいなと思います」 ――開始直後に大声を上げる姿が印象的でした。 「自分は、今までの柔道人生で、一つとしては、自分を奮い立たせる気持ちでやります。それぞれの大学にはいろんなルーティンを持つ人がいたり、応援からルーティンがあったりするんですけど、やっぱり自分は自分の中で(奮い立たせる気持ちを)作るしかないです」READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
明治38年創部。110年を超える歴史と伝統を持つ。第1回全日本学生優勝大会を制して以来、学生柔道界の一翼を担っている。個人のタイトルはもちろん、団体日本一、国際大会での活躍を目指し日々の稽古に励んでいる。1964年の東京五輪で金メダルを獲得した中谷雄英氏(昭40営卒)以来、学生時代に活躍した多くの選手が、五輪や世界選手権の代表選手としてその名をとどろかせている。近年ではリオデジャネイロ五輪で海老沼匡選手(平24営卒・現パーク24)が銅メダルを獲得するなど、重量級、軽量級ともに国内外での活躍が目覚ましい。