最新記事 RECENT ENTRIES
-
第68回全日本学生選手権 試合後コメント
拳法 2023.11.30関根晋一監督――王座奪還となった心境はいかがですか。 「うれしいの一言ですけど、本当に去年はうちが優勝校本命だったんですよ。どの大学も明大が優勝すると思っていたところで不甲斐ない結果になってしまって、悔しい思いをしてこの1年間を過ごしてきました。それなりに厳しい練習もしてきたので、今日はほんとに特別にうれしいです」 ――野村主将はどんな存在でしたか。 「チームを引っ張ってくれていました。やはりキャプテンシーって必要なんですけど、明治大学拳法部の主将は代々それを持っています。彼は、部員との会話も尊重しているキャプテンだなという印象を持っています。よく引っ張ってきてくれました」 野村龍星(文4=関西福祉科学大)――王座奪還を達成されましたがいかがですか。 「本当になんとも言えない気持ちというか、これで学生拳法がおしまいなんだなという少し悲しい気持ちと、この最高のメンバーでこの試合に挑めて優勝したっていう最高のうれしさが2つありました」 ――野村選手のチームを前向きにするという強みを感じた1日でしたが、雰囲気づくりに関して意識されたことはありますか。 「拳法っていうマイナー競技に、大学生活を週6かけて入ってきてくれた一般部員、そして明大の優勝してる姿に憧れて入ってきた僕たちスポーツ推薦の人たちが一致団結して府立で優勝やグランドスラムを目指して頑張ってるわけですけど、楽しい方がやっぱりいいなっていう、拳法面白くないなって思ってもらいたくなくて、笑って最後終わるためにも、一人一人に楽しめっていうことを言ってました。やっぱり勝たないと試合って楽しくないので、勝ってこそ楽しさっていうのがわかると思うので、最後にその楽しさを味わうためにも、一人一人が一日一日を努力し積み重ねてきました」 大川翔(法4=藤嶺学園藤沢)――優勝した今の心境はいかがですか。 「最後勝てなくて悔しかったですけど、チームは勝ったんでうれしいです」 ――前期は野村選手が離脱しており、試合ではチームをまとめる場面も多くありましたが、どのようなことを考えていましたか。 「僕は結構厳しくやるというよりかは、体の使い方が上手くなる筋トレとかをしながら一人一人のメンタルとか見ながら仕切って、声をかけてました」 市川由奈(法4=関東学院)――明大拳法部はどんな場所でしたか。 「人生で一番成長できた場所でした。この22年間の中で、よくこの2年間っていう短いスパンでこんな成長できたなっていう風に思います」 ――これから先も拳法を続けられますが、そのことについての意気込みをお願いします。 「学生の時よりかは試合に出る機会も減ると思うんですけど、その分、一回一回の試合を大事に、自分の今後につながる試合をして、上を目指して頑張りたいと思います」 井上晴陽(法3=三井)――雪辱を果たしましたが、今の心境はいかがですか。 「素直にうれしいですね。去年ここで負けて、柊也(木村柊也・令4文卒)さんたちには本当に申し訳ないなっていう思いがずっとあったので、今年こそはっていう思いで1年間やってきました。野村先輩にもずっと可愛がってもらってたんでなんとしても絶対今回は優勝しようと思って、それで優勝できたのでもうほんと嬉しいです。」 ――試合中、野村主将から体を叩いてもらったり、逆に叩いて鼓舞したりというシーンがありましたが、どのような気持ちでしたか。 「野村先輩がいてくれること自体が心強いんですけど、ああやって野村先輩自身が動いてくれることも心強いですし、野村先輩がずっとチームのこと考えて、後輩にも常に声かけしたりしてたので、最後かっこいいとこ見せてくださいねっていう意味も込めて、野村先輩に頑張って来てくださいということで肩を叩きました。」 森川征那(文3=三井)――率直なお気持ちを教えてください。 「すごく気持ちいいです。やはり王座奪還というところなので。あと、今年2冠できたので、そこもよかったなっていう風に思います」 ――来年の府立までに高めていきたいことは何かありますか。 「やはり自分も大事なんですけど、周りのみんなも強くしないといけないので、しっかり周りを見る力というのをつけて成長させて、自分も一緒に成長していきたいと思います」 越智通友(営3=明大中野)――決勝戦を振り返ってみていかがですか。 「引き分けが1個あったんですけど、負けなしだったので、結果的には良かったなと思います。けど、まだ詰めが甘いところとかあるので、来年に向けてもっと頑張ります」 ――初の府立で緊張はされましたか。 「他の大会と違ってすごい緊張感があるなっていうことと、みんながその緊張感持ってやってるので、すごい盛り上げてくれて、結構戦いやすい大会だなって思いました」 土屋賢生(法2=関西福祉科学大)――優勝した心境はいかがですか。 「なんかごちゃごちゃですね。なんかその、大好きな、中学校からずっと仲良かった龍星くんが引退するのも、バイバイなるのも悲しいし、だけど優勝してうれしいし、自分負けてるし、もうぐちゃぐちゃです」 ――野村選手はどのような存在ですか。 「とてもお世話になっています。拳法も教えてもらったし、中学校の部活でポジションもずっと一緒で、中学校からずっと長い付き合いで、背中ずっと追いかけてきてました。バイバイするのは悲しいんですけど、憧れを超えられるように、僕もこれからあと残り2年間頑張っていきたいです」 山田健斗(文2=桜丘)――今日の試合を振り返ってみていかがでしたか。 「初っ端から僕たちが圧勝して勝って雰囲気が作れてたので、もう最後もいけるなって思いました」 ――野村メイジとしてやってきた1年の振り返りをお願いします。 「野村キャプテンは本当にいい人で、すごく仕切るのが上手いんですよ。なので僕たちもそれに向かって一緒にもう着いていってました。龍星くんと一緒に練習するともちろん強くなるし、やはり龍星くんの人柄があるからこそ、僕たちの士気ももっと上がってると思います。だから、本当に龍星くんがキャプテンでよかったなって心から思います」 READ MORE -
王者に返り咲く 最強の野村メイジ、ここに大成/第68回全日本学生選手権
拳法 2023.11.30全日本学生選手権(以下、府立)連覇の夢途絶え、1年。明大の拳士たちが悲願の王座奪還を果たした。野村龍星主将(文4=関西福祉科学大)率いるチームで最後となる今大会。選手たちがそれぞれ力を出し切り見事王座奪還を果たした。昨年度の悔しさや反省を糧に見事返り咲き、有終の美を飾った。 ◆11・26 第68回全日本学生選手権(エディオンアリーナ大阪)〈男子〉▼明大――1位・1回戦〇明大6-1大阪公立大(杉本)〇井上2-0成尾〇大谷2-0千賀長倉0-2〇安〇山田2-1薮田〇土屋2-0樋口〇野村2-0中尾〇森川2-0織田・2回戦〇明大7-0龍谷大〇土屋(不戦勝)〇越智(不戦勝)〇山田1-0宮澤〇井上2-0前田〇森川2-0西〇大川1-0藤原〇野村1-0小倉・準々決勝戦〇明大7-0慶大〇山田2-0橘内〇大谷2-0千葉〇土屋2-0和手〇井上2-0近藤〇越智2-0岸〇森川2-0永井〇野村2-1北村・準決勝戦〇明大5-0中大〇大川2-1松本〇野村2-0浦窪井上0-0倉田〇山田2-0末兼越智1-1竹原〇大谷2-1田中〇土屋2-0海堀・決勝戦〇明大6-0関大〇井上2-0八木大川0-0内畑谷〇山田2-1籠谷〇越智2-0寄川土屋0-2後藤〇〇森川1-0長谷川〇野村2-0川内 〈女子〉▼明大中大混成――1回戦敗退・1回戦明大中大混成―関学大〇(不戦敗)石川〇木谷0-2箕野〇市川0-0藤上 初戦から圧巻の試合展開だった。全国から猛者が集う府立で、順調に勝利を重ねる明大。そして迎えた準決勝。相手は昨年度の府立王者である中大となった。「東日本(大学選手権)の時も接戦」(野村)だった相手との一戦。先鋒の大川翔(法4=藤嶺学園藤沢)と次鋒の野村が勝ち、流れに乗る。そして続いた五将の井上晴陽(法3=三井)は、ここでの一戦を、苦戦した試合だと語った。「贅沢を言えば倉田(要・中大)に勝ちたかった」(井上)という気持ちから、互いに技を多く繰り出す激しい試合展開に。しかし「周りから『冷静に、冷静に』と聞こえた」(井上)ことで、冷静さを取り戻した井上。結果は0-0と引き分けになったものの、「最悪引き分けても他の人が勝ってくれる」(井上)とチームメイトを信じて後に託した。その期待通り、中堅の山田健斗(文2=桜丘)が1分足らずで2本を先取し勝利を収める。三将の越智通友(営3=明大中野)は、自身の得意な組の形へ持っていき一本を先取したが、残り時間1分を切ったところで相手に一本を取られ引き分けに。続く大谷琉生(法1=大商大堺)、土屋賢生(法2=関西福祉科学大)も見事試合を制し、王座奪還の舞台へと駒を進めた。 昨年度は立つことが叶わなかった決勝戦の舞台。相手に関大を迎えた一戦で先鋒を任されたのは井上だった。「僕から始めないととスイッチを入れていたので、しっかり勝ってチームにいい勢いを与えられたらいいなと思って1回戦に挑めた」(井上)。堅実な攻めで相手ににじり寄ると、下からの素早い面突きで2本を先取。決勝戦で白星スタートを切ると、山田、越智もそれぞれ2-1,2-0で勝利を重ね、優勝まであと1勝する。しかし、その状況が緊張を招いたのか五将の土屋がまさかの黒星。「もうちょっと落ち着いて、試合に挑めていたら絶対勝っていたのに、もったいないミスで試合に勝てなかった」(土屋)。だが、昨年度の悔し涙の糧がここで生きる。「(試合の流れは)負けた人じゃなくて、その次のタスキを受け継いだ人が作る」(関根監督)。タスキを受け継いだのは森川。準々決勝の際に、足に9針も縫う大ケガをしたものの、本人たっての希望で決勝戦に出場。相手とのにらみ合いの最中、試合が動いたのは残り時間30秒。徐々に技を仕掛けつつ攻めの姿勢を作り、相手のスキを逃さずに抑えの形に持ち込む。そして胴突きで一本を決め見事、勝利を飾った。そして、最後の野村の大将戦。誰よりも長い礼の後に入場し、一秒一秒をかみしめる様子を見せる。試合開始から、この日一番の熱気が会場を包んだ。序盤から果敢な攻めの姿勢を崩さず開始20秒、正面への突き蹴りで一本を先取。このことが相手にも火をつけ、試合はさらにヒートアップ。チームメイトの声も飛び交い熱が増していく中、野村が徐々にコート端に追い詰められる。しかし、詰め寄られ距離が縮まったところを見事な面突きで一本。最後を飾るにふさわしい試合を見せ、見事、王者に輝いた。 「チームの団結力、チーム力というのは他のどのチームよりもあったし、府立にかける思いっていうのも他のチームとは比べ物にならないものが一人一人にあった」(野村)。選手一人一人が府立優勝を見据えて走ってきた1年間。野村のケガにより、主将不在での試合もあったものの、最後に〝最強の野村メイジ〟を示して幕を閉じた。そして、井上が新主将となり新たに明大をけん引していく。「来年度は今年よりも強くなるんじゃないかという風に思う。歴代最強の明治にできるんじゃないか」(野村)と、早くも府立の連覇に期待がかかる。来年度の明大が勝ち進む姿から目が離せない。 [中川美怜] 試合後のコメントはこちらREAD MORE -
大会直前インタビュー 4年生編/第68回全日本学生選手権
拳法 2023.11.2611月26日、大学王者を決める全日本学生選手権(以下、府立)が開催される。確実と言われていた3連覇を逃し涙をのんだ昨年度。その雪辱を果たし王座奪還を果たすため、今年度最後の舞台へと挑む。 今回は野村龍星主将(文4=関西福祉科学大)、大川翔(法4=藤嶺学園藤沢)、矢吹遼佳(文4=明大中野)、市川由奈(法4=関東学院)のインタビューをお届けします(この取材は11月24日に行われました)。 野村——今シーズンここまで振り返って 「個人では、森川(征那・文3)が名古屋(全日本学生選手権)優勝で井上(晴陽・法3)が総合(選手権)2位で、土屋(賢生・法2)が4位で、越智(通友・営3)も名古屋(全日本学生選手権)でベスト8に入っているということで個人戦ではすごくいい結果が残っていると思いますが、やはり選抜(全日本選抜選手権)が負けというのが、僕も前期から今までケガであまり試合に出られていないので今年はチームに積極的参加できてなかったのですが、 チーム団体的には、絶対王者というよりかは、チャレンジャー、挑戦者の気持ちを持って、日々生活した1年だったなと思っています」 ——チームのまとまりはいかがですか。 「今年は比較的、4年生から1年生までの中で、コミュニケーションを取るようにしたり、それこそ高校からの繋がりで、高校の時に戦ったことがある相手なども多くて、たくさんのコミュニケーションを取っていて、チームの雰囲気としてはすごいいいんじゃないかなと個人的には思っています」 ——府立への意気込みをお願いします。 「1年間この大会に向けて僕たちは毎日練習を頑張ってきましたし、 去年負けてからそれぞれ悔しい思いたくさんして、 それぞれ課題とか弱い部分と毎日自分が向き合う日々だったと思いますが、今回優勝という形で自分たちが結果を出すことで 強い明治大学がまた戻ってくるのではないかなと思っているので、しっかり優勝して全員黙らせたいと思います」 大川——チームの雰囲気はどうですか。 「悪くないんじゃないかなと。 良くも悪くも気負ってないというか、チャレンジャーなので、あとは上がるだけなので、去年と違い3連覇がかかっているわけではないのでプレッシャーはないみたいです。個人個人はどうかわからないのですが、チームとしてはもう勝つだけなので、そこまではないと思います」 ——野村メイジはどのようなチームですか。 「やはり、そんな気負わせない練習というか、試合前はさすがに勝てよ勝てよとなるんですけど。練習中はやはり自分のやりたいこととか、あとはどのようなモチベーションで戦ったらいいのかとかいう、どちらかと言うとプレッシャーをかけるというよりかは、自由にやらせるみたいな感じで、いい雰囲気の中で、練習できたんじゃないかなと思います」 ——この部に入部されてからの4年間で、1番ご自身が成長された点はどこですか 「礼儀作法というか、どれだけ眠くても、朝起きて練習して、先輩に失礼な態度取らないようにという、そういう人間的な部分が1番成長したんじゃないかなとは思っています」 矢吹——自身の拳法生活4年間を振り返って、いかがですか。 「気持ちの面できつい練習もあって、だいぶ精神的に強くなったなっていうのは感じます」 ——今のチーム全体の雰囲気はどうですか。 「結構いいと思います。かなり明るい感じです」 ——意気込みをお願いします 「周りのサポートに徹してなるべく最上級生として引っ張っていきたいと思います」 市川——今シーズン振り返ってみていかがでしたか。 「今シーズン、 10月になって(女子選手の)新入生の1年生の子1人入ったんですけど、それまでずっと1人だったので、明治大学として団体戦とか出ることができなくて。春は、今回一緒に団体組む中央大学の子と一緒に出て、いいとこまで行けたんですけど、秋の団体戦とかは一緒に組めなくて。普段一緒に練習している子ではないので、悔しい思いとかもしたので、 最後、府立でちゃんと自分の組みたい子とチーム組めて、上を目指していけるのはよかったなと思います」 ——2年生から4年生までの間を振り返ってみていかがですか。 「最初、本当にダメだったんですけど、先輩だったり、同期だったり、後輩のスポ薦の子たちだったり、監督とかいろんな指導者の方に、すごく熱心に教わることができて。東日本でも、 個人でも団体でも結構成績が残せたので、そこはありがたいなと思っています」 ——試合で意識したいことは何ですか。 「府立は最後だから出し惜しみせずに落ち着いてやりつつ、自分のやりたいことは出したいなと思っています。あと、チーム組む子が2個下の子なんですけど、やっぱ普段一緒に練習してない分、コミュニケーションとか取れなそうなので、 積極的にご飯行ったり仲良くなって、当日もお互いのために戦おうみたいな気持ちが作れたらいいかなと思って頑張っています」 ——ありがとうございました。 [細田裕介、新津颯太朗、中川美怜]READ MORE -
大会直前インタビュー 3年生編/第68回全日本学生選手権
拳法 2023.11.2611月26日、大学王者を決める全日本学生選手権(以下、府立)が開催される。確実と言われていた3連覇を逃し涙をのんだ昨年度。その雪辱を晴らし王座奪還を果たすため、今年度最後の舞台へと挑む。 今回は井上晴陽(法3=三井)、越智通友(営3=明大中野)、森川征那(文3=三井)のインタビューをお届けします(この取材は11月24日に行われました)。 井上――今シーズンを振り返っていかがですか。「チームで見るとやはり、春の選抜(全日本選抜選手権)で優勝できなかったところは悔しいところです。個人で見ると、 今年度のスタートとなった体重別(全日本体重別選手権)で軽量級の優勝から矢野杯(東日本学生個人選手権)優勝、そして総合(総合選手権)2位までは良かったんですけど、10月の名古屋(全日本学生個人選手権)ではベスト8で終わってしまったのはやはり悔しいです。チームとして見ても個人として見てもいいとこまでいきましたが、あと1個いけなかったかなというのは悔しい部分ですね」 ――井上選手から見て今年のチームはいかがですか。「いい意味で人任せにしないというか。『他の誰かが負けても自分が勝つ』という気持ちを持ってるからこそ、団体戦でも、春の選抜でもそうですけど、秋の選手権(東日本大学選手権)でも、厳しいスコアでも勝ち上がっていけたのはやはり一人一人の絶対勝つという気持ちがあったからこそだと思うので。すごくいい雰囲気で各大会に臨めてるかなと思いますね」 ――府立に向けての意気込みをお願いします。「意気込みとしては絶対優勝する。それだけですね。去年負けてしまってあの会場では嫌な思いのまま終わってしまっているのでなんとしても去年の借りを返すということを常に頭に入れてますし、やはり大学拳法は明治が優勝しないと僕の中でしっくりこないので、なんとしても明治が優勝して全国的にも明治が1番強いんやぞというとこを知らしめたいと思ってますし、高校生とかあの少年拳法やってるちっちゃい子たちにも『大学の中では明治が1番強いから、大学も明治で拳法したい』と思ってもらえるような結果を残したいなと思っています」 越智――今シーズンを振り返っていかがですか。「自分は下級生の時、全然試合したことがなかったですが、今年度試合を重ねるにつれて試合慣れやペース配分などの面でだんだん上手くなっていったなっていうのは感じましたね」 ――府立に向けて意識してることを教えてください。「4年生と一緒に練習ができるのも最後なので後悔のないように一つ一つの練習を一生懸命やるということと、1年間の中で最も重要な試合なので、コンディションもいつも以上に気を付けています。昨年度は体調管理ができておらずいい結果を残せなかったのでその部分も気を付けて取り組んでいます」 ――府立を直前に控えた現在の心境はいかがですか。「自分は府立に出るのが初めてで『4年生の最後の試合に自分が出ていいのかな』という緊張はありますが、個人戦の名古屋とかではいい結果を残せているので気負いしすぎずに頑張っていこうかなと思います」 森川――今シーズンは学生個人の王者にも輝きましたがいかがですか。「自信は付きましたが1位になったことでその分の重みと言いますか、1位になったからこその重圧があるのでそこに負けないように、今回の試合で『これがチャンピオンだ』というところを見せられるように頑張りたいと思います」 ――警戒している対戦相手はいますか。「結構強い相手もいると思いますが、あまり気にしすぎてもいけないなと思っていて。プラスに自分は勝てると思いながらやっていこうかなと考えていますが、やはり関大の選手は大きい人が多くてがっつり組むのが難しいので、そこはうまく崩しながら、頭を使って戦おうかなと思います」 ――今年度の野村メイジはどのようなチームでしたか。「野村主将が明るい空気をつくり、笑顔が絶えない楽しいチームだったと思います。みんなポジティブな思考で試合に臨めているのでいいのかなと思います。一番長く一緒に練習してお世話になってきた先輩方なので、自分が活躍して優勝させてあげたいという気持ちがあります」 ――最後に意気込みをお願いします。「まあ、いつも通りの パワー中心の拳法で皆さんをなぎ倒していきたいと思います」――ありがとうございました。[細田裕介、新津颯太朗、中川美怜]READ MORE -
大会直前インタビュー 1、2年生編/第68回全日本学生選手権
拳法 2023.11.2611月26日、大学王者を決める全日本学生選手権(以下、府立)が開催される。確実と言われていた3連覇を逃し涙をのんだ昨年度。その雪辱を果たし王座奪還を果たすため、今年度最後の舞台へと挑む。 今回は土屋賢生(法2=関西福祉科学大)、山田健斗(文2=桜丘)、大谷琉生(法1=大商大堺)のインタビューをお届けします(この取材は11月24日に行われました)。 土屋――今シーズンを振り返ってみていかがですか。 「前期はケガして丸潰れで、9月の総合で復帰できました。その時はまあまあ頑張ったんですけど、この前の名古屋(全国学生個人選手権)は悪い印象で終わってしまっているので今年最後いい終わり方したいなと思います」 ――離脱中はどのようにチームを見ていましたか。 「悔しい気持ちもありましたが、でも僕がいなくてもやはりチームには勝ってほしいと思っていました。みんなが勝ってうれしそうにしている時は僕もうれしい気持ちがありました」 ――2回目の府立ですが、どのようなお気持ちですか。 「去年は僕のせいでチームが負けてしまったので、成長した姿をみんなに見てもらえたらいいです」 ――府立への意気込みをお願いします。 「キャプテン(野村龍星主将・文4=関西福祉科学大)を優勝させて胴上げしたいと思います。キャプテンのために死ぬ気で勝ってきます」 山田――今シーズンを振り返ってみていかがですか。 「今年の全国大学選抜選手権(以下、全国)でナンバーワンが取れなかったのが今1番悔しいところでもあるので、今回の府立でその負けを生かせられたらいいなと思います」 ――前期はケガもありましたがその点はいかがでしたか。 「皆のペースをずっと一緒に上げていこうと思って、怪我はしていましたがギブスをつけながら使える方の手とか足とかでトレーニングして、筋肉つけたりあとはスピード上げたりしていました」 ――4年生と共に出場できる最後の大会ですが、どう感じますか。 「野村キャプテンは昨年度の木村(柊也・令4文卒)先輩とはまた違った雰囲気があり、僕もすごく刺激をもらっています。先輩方の背中を見て今まで頑張ってきていたので寂しい気持ちもあります」 ――府立への意気込みをお願いします。 「もうラストなので、野村キャプテンが最後泣いてありがとうって言えるような、もう素晴らしい試合を繰り広げたいと思います」 大谷――シーズンルーキーとしてずっと戦われていましたが、ここまでを振り返っていかがですか。 「選抜の大将を任されたのですが、出だしで負けてしまって、チームにとても迷惑をかけてしまいました。だから府立では、出るんだったらもう迷惑をかけずに、しっかり勝って、キャプテンに恩返しをして、笑顔で終わりたいですね」 ――府立に向けて練習で意識していたことはありますか。 「やはりまず勝つという意識はしています。それと、まだ1年生なのですけど大事な場面が来た時に、やはり試合の内容をしっかり考えて、その場で応じていって難しい状況でも試合をこなすっていうのを考えています」 ――4年生と共に出場できる最後の大会ですが、どう感じますか。 「恩返しをしたいっていうことと、野村先輩に教えてもらったことや、4年生の方にも教えてもらったことがあるので、それを生かして、最後は恩返しして。大好きな先輩たちと優勝したいです」 ――府立への意気込みをお願いします。 「選ばれたらもう1年生らしく出るときはしっかり試合に出て、勝ち切るとこは勝ち切っていきたいです。あとは勢いでいきたいと思います」 ――ありがとうございました。 [新津颯太朗、細田裕介、中川美怜]READ MORE -
森川が圧巻の優勝! 明大拳士の活躍光る/全日本学生個人選手権
拳法 2023.11.03学生個人の頂点を決める今大会。見事、明大の森川征那(文3=三井)が優勝し、頂点に立った。「ケガしていたので心配していたが、痛みもなく、ちゃんと勝つことができた」と不利な状況でもきちんと調整して勝利を収め、強さを示した。全国からの猛者たちが集う大会で明大の拳士たちが活躍を見せた。 ◆10・29 第38回全日本学生個人選手権(パロマ瑞穂アリーナ)▼男子の部森川――1位井上、越智――ベスト8大川、土屋――4回戦敗退長倉、山田、大谷――3回戦敗退▼女子の部市川――3回戦敗退 「試合をするにつれてどんどん動きがよくなっていった」(森川)。その言葉通りの試合運びとなった。明大対決となった準々決勝は越智通友(営3=明大中野)との一戦。「練習で結構やっていて、お互いの手の内は分かっていた」。試合は互いに得意とする組を狙いに行く形で3分間を過ごすが、1本も入らず。判定の末に、森川の勝利となった。「1番勝てるだろうなという試合に持っていけた」と、接戦を制し準決勝へと進出を決めた。 迎えた準決勝、対戦相手の新垣颯太(同志社大)とは「高校生の時に一度敗退し、7月の全国大学選抜選手権で勝利している」。およそ2分間、互いに出方を見るような静かな試合となった。森川が蹴りを中心に果敢に攻めに出るも、なかなか1本に繋がらない。会場も静まり返り、誰もが固唾(かたず)を飲んで試合の行方を見ていた。すると残り時間1分1秒、一瞬のスキを突かれ相手の1本が入る。静寂を切り裂くような1本は、試合の空気を掌握するかのよう。森川も反撃にでるものの、刻々と時間が過ぎる。誰もが相手の勝利を確信したが、残り時間3秒、森川が「持ち前のパワーで投げることができた」と、投げからの抑え込み面突きで1本が決まる。残り時間わずかな中でのどんでん返し。「攻める姿勢で戦うことを意識していたのが功を奏した」と、判定にもつれ込んだ試合は森川に軍配が上がった。 決勝戦の相手は前田悠登(龍谷大)となった。準々決勝では、総合選手権で2位に輝いた井上晴陽(法3=三井)をも倒した選手。「身長を活かして打撃で攻めてくることは分かっていたので、下に潜り込み持ち上げて投げる方法を取った」と、体格で劣る相手に対しても臆することはない。自身の得意とする組み技に持ち込んだ森川は強かった。投げから相手の動きを封じると、膝蹴りで1本。そこからも流れを相手に譲ることなく、前にせり出る。1本を決めたわずが10数秒後、再び相手の空いた胴に潜り込む。持ち上げて押さえに入り、胴に膝蹴りを入れ1本。わずが30秒にも満たない決勝戦で、明大の森川が見事、学生個人の王者の座に着いた。 冷静に相手のクセを分析し、自らの得意分野に持ち込みクレバーな試合を見せた森川。総合選手権では2位に輝いたものの、強者ゆえに研究を重ねられ今回はベスト8となった井上。一般入部の選手でありながら、粘り強い試合を展開しベスト8にまで残った越智。明大の拳士たちは、全国の猛者が集う個人戦であっても、その強さを発揮した。次なる舞台は昨年度、3連覇を逃した全日本学生選手権(以下、府立)。野村メイジ最後の戦いで優勝旗奪還へ。拳士たちの行く末から目が離せない。 [中川美怜] 試合後のコメント井上――結果を振り返っていかがですか。 「悔しいです。9月の総合で2位って結果を出して今回結果出さないとあれまぐれやって言われると思いましたし、第1シードにも置いてもらったのはやはり大会側からも期待されていると思うので僕が絶対優勝しないとなっていうのはありました。やっぱりトーナメント見た時にここが1番壁かなっていうところで負けちゃったので、あそこは素直に自分の弱さかなって思います」 ――今後に向けてどういう課題が見つかりましたか。 「試合中にいかに冷静になれるかってことが僕の課題だと思います。この間の総合の決勝でもそうですし、先に1本取られてからパニックになってることが多く、自分のイメージ通りにならない時に焦っていることが多いんで、いかに自分の頭を冷やして、心は熱く、頭は冷静にっていう言葉は大事にしてやっていかないと、もうずっと変わらないと思います」 越智――大会を振り返っていかがでしたか。 「こういう大きい大会に出るのが自分的に初めてで、いい経験になればいいなと思いつつも、一応優勝目指して頑張っていたので、できるだけ上位に行けたらいいなと思って挑みました。目標としていた森川と戦うってことが達成できたのでよかったと思いつつも、同点で負けちゃったので悔しい思いがあります。」 ――府立に向けての目標をお願いします。 「自分はレギュラー入るか外れるかのギリギリのところなので、とりあえずレギュラーに入れたらいいなっていうのと、府立で勝ち続けて、決勝でその試合に出られたらいいなって思っています。レギュラーに入ったら、勝ってチームの士気を上げられるような選手になりたいなって思っています」 森川――優勝という結果を振り返っていかがですか。 「足をケガしている状態で挑んで決勝戦まで行けるとは思ってなかったので、まだまだ捨てたもんじゃないと思いました。去年は尊敬する元キャプテンの木村柊也(令4文卒)先輩(令4文卒)が僕に勝って優勝して、来年は絶対に優勝してみせるという気持ちでこの1年間頑張ってきたのでとても嬉しいです」 ――府立に向けての意気込みをお願いします。 「取り返すのはもちろんのことですけど、目標を高く持つというか、自信のある練習をして、自信を持って試合をしてもらいたいし、自分でもしたいと感じてますね。1番は自信を持って舞台に立てるかどうかっていうのが大事なので、そこを目標に頑張りたいと思います」 市川由奈(法4=関東学院)――最後の個人戦でしたが、振り返っていかがですか。 「4年生として最後個人戦で2回戦敗退って形で終わっちゃったのはすごく悔しいですけど、これから社会人になってからも拳法を続けようと思ってるので、まだチャンスはあるかなと思ってます。個人戦というよりかは、来週とか来月の団体戦で自分の力を発揮できるようにまた練習していきたいなと思ってます」 ――ご自身の良かったところはどこですか。 「全体的に落ち着いてできたかなって思いました。2戦目は組みの強い相手なんですけど、私は組みが苦手で、組まれたらもう終わりって思っていました。けれど割と耐えることができて、やはり落ち着いていたからこそ耐えられたし、1本面で取ることができたので、そこが良かったかなと思います」READ MORE -
常勝メイジ復活へ! 死闘制し大会8連覇達成/第34回東日本大学選手権
拳法 2023.10.097人制の団体トーナメントで争われた今大会。中大との決勝戦は勝敗の行方が大将戦にまでもつれ込む大接戦に。最後は大将・井上晴陽(文3=三井)が渾身の胴突きで試合を決め、明大は大会8連覇を達成した。さらに形の部でも好成績を収め、明大勢が躍進。全日本学生選手権(以下、府立)の前哨戦となる今大会で価値ある勝利をつかみ取り、王座奪還に向け勢いづいた。 ◆10・9 第34回東日本大学選手権(日大文理学部百周年記念館)〈男子〉▼明大――1位〈形の部〉▼大川――1位▼野村・矢吹組――2位 初戦、準決勝と危なげなく勝ち進み、迎えた決勝戦の相手は中大。昨年度の府立王者を前に、試合は序盤から苦しい展開を迎えた。先鋒・野村龍星主将(文4=関西福祉科学大)がまさかの敗戦を喫すると、続く次鋒戦でも逆転負けを許し連敗。その後も流れをつかむことができず、中堅戦を終え1―3と劣勢。3戦を残して王手をかけられた。もう1敗も許されない緊迫した状況の中、参将戦に登場したのは土屋賢生(法2=関西福祉科学大)。ここでの結果がチームの勝敗に直結する場面にも関わらず「久しぶりの団体戦でみんなと一緒に試合できるのが楽しくて緊張よりもわくわくする気持ちが勝った」と決して臆することなく試合に臨んだ。開始7秒で1本を取るとその4秒後に2本目。試合開始からわずか11秒で試合を決める圧倒的な強さを見せ、流れを明大へと引き寄せた。次の副将戦を任された森川征那(文3=三井)は「圧をかけるのを意識して戦った」と相手から反則一本を奪うと、その後も粘りを見せ2本目を奪い勝利。連勝で3—3と試合を振り出しに戻し、大将戦へと望みをつなげた。 運命の大将戦を任されたのは井上晴陽(文3=三井)。「めちゃくちゃ緊張した。だけどみんなが僕に1番かっこいいところを持ってきてくれたと思って、僕が1番かっこよくなろうという気持ちで行った」。開始8秒で1本を奪い、幸先のいいスタートを切る。しかし相手も意地を見せ、すぐに1本を返される。「正直焦った。でも後ろを見たらみんながいて、野村先輩が『絶対大丈夫、大丈夫』って言ってくれて、そこでまた落ち着いて勝ちにいこうと思えた」。冷静さを保つと、最後は得意の胴突きで一本を奪い試合終了。1―3からの3連勝で大逆転劇を演出し、死闘を制した明大は見事大会8連覇を達成した。 形の部、女子の部、男子の部の3部門が行われた今大会。形の部・一人形に出場した大川翔(文4=藤嶺学園藤沢)は予選を2位で通過し迎えた決勝戦で、洗礼された火流の形を披露し見事優勝。二人形に出場した野村、矢吹遼佳(文4=明大中野)組も準優勝に輝き、明大勢が躍進を遂げた。さらに、女子の部には学連選抜の大将として市川由奈(法4=関東学院)が出場。序盤から積極的に攻める姿勢を見せると、立て続けに2本を奪い快勝。次戦の全日本個人選手権(以下、名古屋)に向け、勢いをつける結果となった。 (写真:形で優勝した大川) 「チームがやっと一つにまとまった感じ。試合の中でチームが一致団結していった感じがした」(土屋)。連敗から巻き返し、最後まで諦めずつかんだ優勝が、チームとしての明大の強さを物語っている。さらに、今大会ではケガで欠場が続いていた野村主将の復帰戦でもあった。「野村先輩が作ってきたチームで感謝しかないから、野村先輩のために府立で優勝したい」(井上)と後輩、チームメイトから絶大な信頼を得る主将の復帰がチームをさらに一つにまとめ上げた。次に明大拳士が目指すは府立の優勝旗奪還。昨年度味わった悔し涙を、今冬、うれし涙へと変えるために。野村メイジが王座奪還に向け復活ののろしを上げる。 [佐藤あい] 試合後のコメント野村――決勝戦では仲間をどのような気持ちで見守られていましたか。 「勝ってくれるだろうと思っていたので、いけるだろうっていうのもありましたし、自分の悔しい気持ちをこらえながらだったんですけど、代表戦になってもいつでも戦える準備はしていました」 森川――試合を振り返っていかがでしたか。 「万全の状態ではなかったんですけど、とりあえず勝てたのは大きかったです。決勝でも僕が負けたら、もうチームが終わりだったのでそこでしっかり取れたというのが自分の心の成長を感じました」 山田健斗(文2=桜丘)――決勝は2連敗で流れも悪い中でしたがどのようなことを考えて試合に臨みましたか。 「絶対に負けの流れにはいかないように、僕のところで1回変えるという気持ちで、勢いでいきました」 土屋――決勝戦は圧巻の勝利でした。 「今日は負けられない。ここで負けてしまったら僕の負けがチームの負けにつながって、憧れの龍星くん(野村主将)のチームを負けさせてしまうことになるんで、絶対ここは死んでも勝とうって思っていました」 ――野村主将はどのような存在ですか。 「本当に僕の中のスーパーヒーローです」 ――締めの一言をお願いします。 「去年は負けてしまったけど、僕はケガをして自分の弱さを知って日々努力をしてきた。それがやっと今日結ばれてチームに貢献できたと思う。だけど、まだ全国1位ではないんで。11月、大阪で天下取りに行きたいと思う。以上」 井上――府立が近づいてきましたが府立に向けた気持ちはいかがですか。 「府立は本当にもう4年生と拳法できる最後の大会で、4年生とは大学の中でも1番長く関わってきた先輩たちなので、4年生のこと僕大好きですし、何より野村先輩には僕が上京したばっかりで東京のことも何も分からないところから、練習のことやったり、もちろん拳法のこと、プライベートでもご飯いっぱい連れていってもらったりとか、もうずっと可愛がってもらっていたので、府立は絶対に明治が優勝して日本一になって、先輩にうれし涙を流させて、みんなで校歌を歌いたいなと思っています」 ――最後に一言お願いします。 「野村メイジしか勝たん」READ MORE -
井上、堂々の準優勝! 土屋はベスト4/総合選手権
拳法 2023.09.20全国・世界から拳法の精鋭たちが一堂に会し、個人の頂点を決める総合選手権。明大からは7選手が出場し、井上晴陽(法3=三井)が5戦を勝ち抜いて決勝まで進出。頂点には惜しくも届かなかったが、準優勝と結果を残した。また今大会がケガからの復帰戦となった土屋賢生(法2=関西福祉科学大)はベスト4に入る奮闘を見せた。 ◆9・17 総合選手権(Asueアリーナ大阪)▼全日本男子個人 井上――2位 土屋――ベスト4 森川――3回戦敗退 大川――2回戦敗退 大谷――2回戦敗退 野村――棄権▼全日本女子個人 市川――2回戦敗退 劇的な躍進でその名を知らしめた。2年連続での出場となった井上は昨年度、1回戦で敗退と悔しい結果に終わったが、今年度は違った。2、3回戦をやや苦しみながらも勝利すると、4回戦では前回大会準優勝の強敵・佐藤典英(博隆會)と対戦。拮抗(きっこう)した展開の中で開始2分過ぎに待望の1本を取ると、その20秒後に胴への1本で準々決勝進出。この日自己最速の1分17秒で勝利して迎えた準決勝の直前、先に行われたもう一つの準決勝で敗退となった土屋から「僕の分も任せました」と思いを託され、それに発奮。胴突きと上げ蹴りを決め、みごとに決勝への切符をつかみ取った。 そして迎えた決勝の舞台。対戦相手の前川晴人(洪游会本部)とは数年前に戦った経験があり「どんな拳法するかは分かっていた。自分もどう戦うか考えて、相手が来たところにカウンターで胴突きを狙っていた」(井上)。しかし相手の圧に押されて場外に出て警告を受けると「パニックになって自分の拳法を貫けずに欲を出した。リズムが崩された」(井上)。打開策を見いだせず、そのまま敗北を喫した。「この大会で優勝するのが小さな頃からの目標で、初めて決勝に立てた嬉しさと悔しさがある」(井上)。優勝は果たせなかったが、栄冠まであと一歩まで迫る活躍は自信につながった。 (写真:準優勝を果たした井上) 2月以来の実戦復帰となった土屋は復帰初戦を勝利で飾ると、勢いそのままに3、4回戦も突破。準々決勝も開始16秒で一本を取ったが、プレー中に右足を負傷。相手に一本を決められて追いつめられるも「根性でいったる」。試合再開からわずか5秒で胴に二本目をたたき込んだ。痛みに耐えながら準決勝に臨んだものの、手負いの状態で真価を発揮し切れず。3位決定戦も相手に先行を許すがすぐに一本を取り返した。試合は最後まで足の懸念を拭えずに敗戦。「去年も3位決定戦で負けてベスト4。これからも頑張って決勝戦に絶対行きたい」(土屋)。来年こそ決勝の舞台で輝くことを決意した。 (写真:本大会に出場した選手たち) 井上は昨年度の秋以降、大会で結果が出ない日々が続き「拳法人生のどん底で本当に拳法辞めようかな」と思っていたという。それでも「このままで終われるか」と自分の気持ちに向き合って鍛錬してきたこれまでの努力が身を結んだ。土屋も去年の全日本学生選手権での敗戦から試行錯誤をし「左手を意識して練習して、少しは使えるようになった」。そして2人は共通して、野村龍星主将(文4=関西福祉科学大学)をはじめ、4年生全員のために全力を尽くし、今後の大会で優勝することを誓った。後輩の頼もしい姿に「去年の経験を糧に、今年は王座奪還して4年生に花を添えてくれたら」(野村)。前期は野村をはじめ、ケガで欠場する部員が多かったが、それでも東日本リーグ戦で優勝、選抜選手権では準優勝。後期は土屋が今大会で復帰し、そして野村という一番大事なピースが来月の東日本選手権で埋まる時、スキのない完全体野村メイジが遂に始動する。 [北原慶也] 試合後のコメント野村――外から見て今大会を振り返っていかがですか。 「2位とベスト4は本当にすごいと思います。一番大きな大会でこの結果はすごいと思いますけど、僕が出てたら優勝してました(笑)」 ――次は個人としては今季初の大会となりますが、意気込みをお願いします。 「前期試合出れなかった分は『縁がなかったのかな』ってもう割り切っていて、逆にいい休憩できたなと感じているので、後期は思いっきり爆発したいと思っています」 井上――準決勝までの試合は長引いていましたが、戦略的にしましたか。 「元々緊張しいで、2回戦はなんとか2―0で勝ちましたが、3回戦は一本取られて判定になってしまったので、戦略とかじゃなくて。逆にそこを乗り越えられたからこそ、準々決勝は2―0で、そこから勝てていけました」 ――「どん底」だと話していた時期からどのような部分が成長しましたか。 「技術面は野村先輩と、野村先輩のお父さんの道場でも教えてもらっていました。選抜選手権では後ろの方を任されて、僕の結果次第でチームの勝敗が決まる場面で勝ち、自分の殻を破って成長できたと思います」 土屋――さまざまな地域の選手たちと戦ってみていかがでしたか。 「『なんかやりづらい、まだここ足りていないんだな』とか『こういう時焦っちゃったな』とか、そういう反省点が多くて。4位はすごい結果だと思いますが納得せずにこれからも頑張っていきます」 ――最後に一言お願いします。 「今日の結果で俺が俺である理由を示せたかなって。これからも俺が俺であるゆえんを全世界に発信していきたいなって思っています」READ MORE -
あと一歩及ばず準優勝 全試合で激闘を繰り広げる/全国大学選抜選手権
拳法 2023.07.03大学リーグ戦と個人選手権で頂点に立ち、東日本では向かうところ敵なしの中で臨んだ全日本大学選抜選手権。しかし初戦から苦戦を強いられるなど、ヒヤリとした展開が続く。それでも前回王者としての実力を見せて決勝まで進出。決勝戦では優勝の行方が大将戦までもつれる緊迫した勝負が続くも最後は力尽き、2連覇には惜しくも届かなかった。 ◆7・2 全日本大学選抜選手権(大田区総合体育館)〈男子〉▼明大――2位・2回戦〇明 大3―2慶 大〇大 谷2―0福 内 矢 吹0―2北 村◯ 越 智0―2小久保◯〇井 上2―0千 葉〇森 川2―0近 藤 ・準々決勝〇明 大3―0同 大〇山 田2―0横 橋 大 谷1―1中 森 大 川0―0湊 本〇井 上2―0山 澄〇森 川2―0新 垣 ・準決勝〇明 大4―1関西学大 山 田1―2松 田〇〇越 智2―0木 下〇森 川2―0山 本〇井 上1―0赤 木〇大 川2―0 辻 ・決勝 明 大2―3関 大〇 越 智0―2岡 田〇〇森 川2―1内畑谷〇井 上1―0籠 谷 山 田0―1後 藤〇 大 谷0―1長谷川〇 大会2連覇の夢は、強力な関西の猛者たちによって阻まれた。今年度はこれまで参加した大会すべてで栄冠を手にしている東日本最強の明大拳法部。野村メイジ初の全国大会となる本大会にも勢いそのままに臨んだが、初戦でいきなり出鼻をくじかれた。慶大相手に先鋒として登場した大谷流生(法1=大商大堺)は二本を先取して勝利を収めたものの、次鋒戦と中堅戦を連続で落とし、一つも負けられない状況に追い込まれた。しかし、副将戦では井上晴陽(法3=三井)が一本目を先取してから10秒後に二本目を奪取し勝利。「僕は絶対勝たないとチームが負けると思ってやっていた」(井上)。大将戦を任された森川征那(文3=三井)は開始わずか17秒で二本を取って3―2で逆転勝利。準々決勝の同大戦でも、中堅戦が終わった時点で1勝2分けと勝利を決めきれていなかったが、ここも井上と森川が粘り強さを見せる。「しっかり相手の動きを見られていたのでよかった」(森川)。それぞれ勝利を飾り、3―0で準決勝へ。準決勝の関西学大戦は先鋒戦こそ落とすも、後続の4人が勝利し2年連続で決勝へ駒を進めた。 決勝の相手は関大。過去に優勝経験のある名門校相手に、先鋒の越智通友(営3=明大中野)は残り23秒まで粘るも最後に二本目を取られ敗戦。次鋒戦で登場したのはこれまで幾度となくチームを救ってきた森川。相手の方が大柄ではあったが、怯むことはない。「パワーでは絶対勝てると思っていたので、近づいて組みに行こうと思っていた」(森川)。開始1分を過ぎた時、「たまたま」と話したパンチが見事に決まり、一本目を先取。その後一本を決められたが、試合終了間際に二本目を奪取。「場外際で相手が組んで、少し内側に入る感じになっていたので、決めに行けた」(森川)。次鋒戦に勝利し、中堅戦の井上にいい流れを渡した。その井上は先制を許すもそこで崩れずに立て直し、落ち着いて逆転に成功した。井上は今大会個人としては全勝するも「最高の調整をしていたと思っていたが、試合内容を見るとまだまだ」と納得していない。それでもチームは優勝に王手をかけた。しかし、関大も副将戦では2分2秒で取った一本を守り抜いて勝利し、全ては大将戦で決まることに。この大役を任されたのはルーキー大谷。開始14秒、相手の技が決まり一本を取られる。大谷は間合いを取りながら、反撃の機会をうかがう。会場は両者の一挙手一投足に大きな歓声を上げ、試合はこの日一番の熱気に包まれる。残り30秒を示す合図が鳴る中、大谷は攻めあぐねていた。そして、一本を奪えないまま試合時間の三分が経過。熱戦を演じた大谷はあと一歩及ばず、チームは準優勝で大会を終えた。 チームは東日本リーグ戦に続き、多くをケガ人で欠く中での大会だった。しかし「抜けたからといって勝てないとは思っていなかった」(森川)。決勝まで進み、チームの層の厚さを証明して見せた。「連覇できなくて悔しい部分もあるが、今日の負けは価値ある負けだと思う」(井上)。試合終了後に涙が止まらなかった井上だが、今日の結果をしっかりと分析し、秋の大会までの期間でさらなる成長を誓った。森川も「みんないい動きはできていたので、あとは経験、そこだけだと思う」と話し、チームのさらなる結束が予感される。今大会での戦いぶりを間近で見続けた野村龍星主将(文4=関西福祉科学大学)は「みんな精一杯頑張ってくれたと思う。自分の持っている力以上のものを練習でも試合でも出してくれて心強かった、全然負けていない」と、同級生や後輩の成長を感じていた。自身も今後の大会での復帰に向けて練習を再開。「僕が復帰したら、団体は全部優勝を目指したい。勝ちばかり意識しても疲れるが、ラスト半年は自分を追い込みたい」(野村)。秋には頼れる主将が帰ってくる。「全部上手くいく」。後期の逆襲に向けて野村はにこやかに、そして高らかにこう言った。しかし虚勢を張っているように聞こえないその姿は、さながら将軍のようだった。 [北原慶也] 試合後のコメント野村――チームメイトに声掛けはされていましたか。 「はい、そうですね、でも楽しくなっちゃって。試合に取り込まれたというか、僕も一緒に戦っている気持ちになりました」 ――秋以降に向けてのコメントをお願いします。 「秋からはやっとチームに戻って練習に参加できるので、みんなと拳法をするのが楽しみですね」 井上――ルーキーで決勝を務めた大谷選手についてはどう思いますか。 「一回戦では先鋒として流れを作ってくれて、他の場面でも頑張っていて、だから決勝ではプレッシャーを感じずに楽しく拳法をやってほしかったので、前の4人で試合を決めたかったです。前で決められなくて申し訳ないっていうのと、あまり落ち込みすぎないでほしいと思います」 ――今日の結果を秋以降どのように繋げていきたいですか。「秋からは野村先輩も賢生(土屋賢生・法2=関西福祉科学大学)も復活してくるので、チーム一丸となってもう一回日本一取りに行くために、後期からいろんな大会があるので、明治が日本一やぞっていうのを見せつけるために頑張りたいと思います」 森川――決勝での展開は狙い通りでしたか。 「そうですね、動画見て結構こんな感じかっていうのは分かっていたので、そこは考えながらやりました」 ――今日の結果を秋以降どのように繋げていきたいですか。 「結果よりもアップの仕方が良かったので、しっかり個人戦、団体戦で準備運動万全にして、しっかり試合をできるような体にして臨みたいと思います」READ MORE -
段の部、女子の部優勝! 止まらぬ明大の快進撃/第36回東日本学生個人選手権
拳法 2023.06.20段・級・女子の3つに分かれ、東日本の個人の王者を決める本大会。段の部では井上晴陽(法3=三井)が森川征那(文3=三井)との明大対決を制し優勝、女子の部では、市川由奈(法4=関東学院)が優勝。個人大会でも明大の強さを遺憾無く発揮した。 ◆6・18 第36回東日本学生個人選手権(中大多摩キャンパス第一体育館)▼級の部 長倉――不戦敗▼段の部 井上――1位 森川――2位 大谷――ベスト8 大川――3回戦敗退 野見山――1回戦敗退 越智、野村、山田――不戦敗▼女子の部市川――1位 やはり、明大拳法部は強かった。多くの選手の欠場が見られたが、そんなことは杞憂(きゆう)と言わんばかりの強さを見せつけた。総勢42名がエントリーした段の部を井上と森川が順調に勝ち抜き、決勝戦は明大対決に。「小さい頃から道場も一緒で、お互いのくせは分かっている」(井上)という相手との対決は最後まで互いに譲らない展開となった。開始10秒、さっそく井上の胴突きで1本が決まる。3分ある試合の中で、「早く取りすぎた」(井上)と語るこの1本。その後、2度の警告を受け、互いに1本ずつで残り時間を迎える。向かい合う2人の緊張感は会場中に広がっていた。直後、空気を揺らす笛の音。昨年度は惜しくも決勝で敗れた井上がカウンターから胴への膝蹴りを決め、1年越しに成長した姿を見せつけた。(写真:段の部優勝を果たした井上) 女子の部では、市川が決勝戦へと駒を進めた。「勝たないわけにはいかない」という気持ちで挑んだ決勝戦。熱い気持ちを胸にしつつも「落ち着いてやろう」という言葉の通り、冷静な試合運びとなった。それゆえ膠着した展開が続き、1分間の延長戦へと勝敗は持ち越される。「あまり自分から行けなかった」と語る市川。だがしかし、延長戦では見事に1本を取り、女子個人のトップを勝ち取った。(写真:女子の部優勝を果たした市川) 男女共に華々しい結果となった今大会。特に、段の部にて、昨年度と同様に決勝戦を明大対決で彩ったことは明大の強さを示すこととなる。東日本リーグ優勝に引き続き、“常勝”への道をまた一歩踏みしめた明大。しかし慢心することなく「みんなで切磋琢磨し合って選抜(全国大学選抜選手権)連覇目指して頑張りたい」と次を見据えている。夏の全国連覇に向けて練習に励む拳士達の歩みから目が離せない。 [中川美怜] 試合後のコメント井上――試合を振り返っていかがでしたか。 「とても緊張しました。去年は準優勝という結果は残せていましたが、今回は僕が負けて去年の結果がまぐれだったと周りに思われたくなかったし、本当に自分の実力で勝ち取ったというのを証明するためには、僕が優勝しないといけないと思っていたので、優勝できて良かったです」 ――森川選手との決勝はいかがでしたか。 「森川とは小さい頃から道場も一緒で、お互いのくせとかをわかっていると思います。そこをどう生かすかっていうのは戦い方のポイントとして挙げていました。同期としても切磋琢磨し合いながらやっていくってことを意識しているので、ここで負けられないなっていう気持ちで臨んで、結果勝てたので良かったと思います」 ――タイトルを獲得しましたが、そこに関してはいかがですか。 「タイトルを取れたことはうれしいですけど、正直まだ満足はしてないです。東日本の4年生で僕がいちばん強いと思っている野村先輩(龍星・文4=関西福祉科学大)も、後輩の土屋(賢生・法2=関西福祉科学大)も出場してないので、その2人が出てきていたらまた結果は変わっていたかなとは思います。野村先輩と一緒に拳法をするのもあと半年くらいになりましたが、僕の中で強い人を『強い人だな』で終わらせるのではなく、いつかは超えないといけないと思っています」 森川――今日の試合を振り返っていかがでしたか。 「決勝戦の動きはそんなに悪くなかったですけど、それまでを振り返るとあまりいい動きはできてなかったと思うので、次の大会では1回戦からしっかり動ける体を作れるように頑張りたいと思います」 ――1年生の大谷選手と戦ってみていかがでしたか。 「先輩の威厳をしっかり見せるつもりで、2一0でしっかり勝たせていただきました。後輩には負けるつもりはないです」 市川――優勝した時どのように感じましたか。 「うれしい気持ちもありますが、安心というか、東日本学生のトップを守り切ったという安心の方が大きいです」 ――今日のご自身のよかったところは何ですか。 「あまり、技でいい1本はなかったのですが、気持ちの面で落ち着いてできたのが良かったです」 大谷――森川選手と戦ってみていかがでしたか。 「森川先輩は、練習でも負けることが多かったので、結構緊張していて、不安でした。結局負けてしまいましたが、自分的には結構良い試合ができたなと思いました。改善点がたくさん見つかったので、そこは良いかなと思いました」READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
日本拳法とは、面・胴・グローブをつけて実際に拳や蹴りを相手に繰り出し決着をつける格闘技だ。突きや蹴り、抑え技に関節技など多様な技を駆使して戦う。ルールがシンプルかつ反則も少ないので、自由度が高く見応えのある勝負を展開するのが特徴だ。 明大は大学拳法界のトップをひた走る。1954年に創部して以来、幾度となく全国制覇を成し遂げてきた。一般入部の選手たちも多く活躍しており、スポーツ推薦入学の選手とともに切磋琢磨(せっさたくま)して練習に励む。今年も体育館には明大の校歌が響き渡るだろう。