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宿敵に悔しい敗戦 石田組の戦いが終わる/第59回全国大学選手権
ラグビー 2022.12.25ノーサイドの瞬間、歓喜に沸いたのは臙脂(えんじ)だった。負けたら終わりの全国大学選手権準々決勝。明大は早大相手に14―13と1点リードで試合を折り返す。迎えた後半、早大に逆転を許してしまう苦しい展開に。最後まで逆転を信じ戦い続けるも1トライ差及ばず敗戦。正月越えを逃し、石田組の戦いは幕を閉じた。 ◆12・25 全国大学選手権(秩父宮ラグビー場)▼対早大戦 明大21{14―13、7―14}27早大○ 0-7で迎えた前半20分、16フェイズに及ぶ長い攻撃の末、最後は右センター齊藤誉哉(文4=桐生一)がディフェンスを3人かわしトライ。「ボールを持ったら強いプレッシャーをかけようと思っていた」(齊藤)。その後早大にPG(ペナルティーゴール)を2本決められるも、前半終了間際、敵陣ゴール前のラインアウトからモールを組むとその横をフッカー松下潤一郎(法3=筑紫)が抜けグラウンディング。左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)がコンバージョンキックを決め逆転に成功し、1点リードで前半を折り返す。 迎えた後半、先に動いたのは早大。序盤にフロントロー2枚を変え勝負に出てくる。すると明大は前半優勢だったスクラムで2回連続反則を取られ攻め込まれてしまう。その好機を早大が逃さず逆転に成功。さらに次の攻撃で宮尾にインターセプトされ独走トライを許し、14―27と突き放される。それでも負けたら終わりの明早戦。「相手のスクラムを壊してもう一度明治に流れを持ってくる」(紀伊遼平・営4=桐蔭学園)。明大もフロントロー3枚同時に変えチャンスを伺う。すると後半28分、敵陣5メートルで反則を奪うと明大はスクラムを選択。コラプシングを奪いもう一度スクラムへ。ボールを出し攻め続け、早大がオフサイド。そしてそこでもスクラムを選択。「自分たちのプライド、スクラムで勝たないと明治のアタックは始まらない」(大賀宗志・営4=報徳学園)。〝縦の明治〟の威厳に懸けまっすぐ押し続け認定トライを奪取。「今シーズンで一番いいスクラムを組めた」(紀伊)。FW陣の力で逆転のムードを高める。 残り10分、明早共に激しい攻防に息をのむ展開が続く。最後まで逆転を狙う明大。終了間際、ボールを左ウイング石田吉平主将(文4=常翔学園)に託す。得意のステップで切り裂き前へ。しかし相手の激しいタックルを受け、ボールは早大主将・相良にわたる。そのボールを蹴り出されノーサイド。4年ぶり大学日本一を狙った明大だったが、まさかの正月越えさえも逃す結果に終わった。 「みんな一番いいプレーをしていたのに勝たせてあげられなかったのは自分の責任」と敗北を一心に背負った石田。しかし1年間、誰よりも練習し背中で引っ張ったのは石田だ。明大の主将として誰よりもチームのことを考え鼓舞し続ける。そんな石田の姿を見ていた選手たち。副将・齊藤も常に「石田を胴上げさせたい」と言い続けた。そんな誰からも慕われ、明大らしくひたむきに戦い続けた石田。その勇姿は決して忘れない。そしてその姿を後輩たちが受け継ぎ、悲願の大学日本一へと突き進む。明大ラグビー部100年目の戦いはすでに始まっている。 [牛嶋淳太郎] コメントはこちら→①、②、③READ MORE -
4年生の活躍で宿敵・早大の猛攻制し 選手権につなぐ/練習試合
ラグビー 2022.12.194年生が主体となり「後悔だけしないように、チャレンジができて楽しかったと思えるようにしよう」(右ウイング杉本大雅・文4=国学院久我山)と挑んだ今試合。4年生の熱い思いがグラウンドで光り、大学選手権(以下、選手権)につなぐ戦いが繰り広げられた。 ◆12・18 練習試合(会場非公開)▼対早大B戦 ○明大42{21―7、21―19}26早大 試合が動いたのは、前半3分。敵陣22メートルライン付近のマイボールラインアウトからモールを形成。FWの力で押し切りフッカー渡邊元隆(政経3=筑紫丘)が先制トライを挙げる。早大の激しいアタックでなかなか敵陣に入り込めない展開になるも前半13分、スタンドオフ土肥恵太(政経4=秋田工)が敵陣深くゲインし、最後は右フランカー最上太尊(商1=仙台育英)がグラウンディング。その後明大のミスで相手に得点のチャンスを与えそうになるが、体を張ったディフェンスで試合の流れは渡さなかった。前半37分には敵陣10メートルライン付近のマイボールラインアウトから渡邊が2本目のトライを挙げるが、すぐに早大に得点を許してしまう。「シンプルにもっとアタックをすれば問題ない。しょうもないミスが重なっていたので、やってきたことをしっかり出そう」(左プロップ葛西拓斗・商4=流経大柏)。前半終了間際、葛西など4年生がチームを鼓舞する場面も見られた。「最後は取られたが3トライできていい形だった」(ゲームキャプテン・スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)。前半は明大ペースで試合を展開していき、21―7で折り返す。 後半でメンバーを一掃した明大はミスが目立ち、同点に追いつかれてしまう。それでも後半22分、早大の粘り強いディフェンスを押しのけ、空いたスペースに青木大輔(法2=明大中野)がトライ。しかし3分後、明大のペナルティーから早大に得点を与える。そんな中、前半出場していた4年生の姿が再びグラウンドに現れ、チームが次第に活気付いていく。後半33分、敵陣10メートルラインから早大のラインアウトをスチール。そこからパスを右に展開し、杉本がグラウンディングしたかと思われたが相手のタックルでタッチラインから出てしまう。だが、相手のハイタックルによりペナルティートライとして認められる。「運を拾うことができた」(杉本)。後半43分には、土肥のパスから左ウイング關根瑞己(商4=明大中野)がインゴールにダイブ。「今日はトライを取ろうと意気込んでやってきて、土肥がすごく良い仕掛けをしてくれた。今までのトライで一番良かった」(關根)。土肥も今試合全てのコンバージョンゴールを決め、42―26で今年度最後の練習試合の幕を下ろした。 試合を通して、宿敵・早大相手に意地の張り合いが多く見られた。「4年生というプライドを見せられた。最後早稲田というライバルに対して、80分間徹底して一貫性のあるプレーをやり抜けた」(土肥)。4年生の選手は、この試合が最後の選手も多くいるだろう。「(試合に)出場している4年生が多くて、今日が最後という人もいたので、とても気持ちが入っていた」(左ロック古庄竜也・情コミ4=中部大春日丘)。4年間切磋琢磨(せっさたくま)し合った仲間と思いを一つに、今までやってきたことをプレーで体現する姿は感動を与えてくれた。試合が終わった後の選手たちの笑顔がとてもすがすがしかった。「なかなか4年生中心に組めることがないので、思い出に残る楽しい試合だった。最後早稲田に勝てたのもうれしい」(丸尾)。クリスマスには、選手権・早大戦を控えている。今試合でチームがさらに勢い付いた明大。これから日本一に向け、負けられない戦いが始まる。[井垣友希] 試合後コメント丸尾――今年度最後のB戦でしたが、1年を振り返るといかがですか。 「競争がしっかりできて春も負けた試合はありましたが、いい課題を持って夏に臨めました。夏は体調不良者が出て合宿が厳しい状況での活動になりましたが、それでも活動を止めず協力しあって冬まで来られたので、層の厚さが明治の強みだと思いました。1年を通じていい感じできていると思います」 葛西――今年度最後の練習試合でしたが、特別に懸ける思いなどはありましたか。 「いつもこの時期の試合は、メンバーに絡んでいない4年生は最後の試合という位置付けで、そのような気持ちで臨んでいると思います。でも、僕自身としてはこれが最後の試合とは思っていなくて。僕はメンバーに絡んでいないですが、けが人が出たときや何かあったときに100パーセントの力が出せるように、この1年間の一つの試合としか思っていないです。残り3試合、試合に出る出ない関係なく、チーム全員で勝ちにいきたいです」 古庄――早大と戦ってみていかがですか。 「どのカテゴリーでもライバルはライバルなので、今日は勝って大学選手権につなげようとしていました。勝てたので、次の早稲田戦に向けてつなげられたと思います」 土肥――今試合を振り返ってみるといかがですか。「前半はやはり自分たちのいいアタックをして、ディフェンスに関しては少しスペースが空いてしまって良くない部分もありました。後半は入りが悪くて一時同点にされたのですが、最後4年生が入って4年生の意地というものを出せたと思います」 關根――今日の試合に込めた思いを教えてください。 「恐らくラストの試合になるだろうという感じだったので、もう4年間今までやってきたことを全て出すことです。4年生でメンバーを固めていただけたので、とにかく楽しもうと決めて、ラグビーを楽しむことも意識してやりました」 杉本――今試合の個人的なテーマを教えてください。 「もしかしたら僕のラグビー人生最後の試合かもしれないので『杉本大雅』を体現するというのを意識していました。具体的には流れをまず掴み僕が流れを作って会場を沸かす。あとは、細かいところを徹底するということです。ラグビーをやって培ってきたことを体現しようというのを意識して、今日は取り組みました」READ MORE -
9年ぶりの国立競技場開催 伝統の一戦で宿敵下す/関東大学対抗戦
ラグビー 2022.12.05関東大学対抗戦(以下、対抗戦)最終戦・早大戦が9年ぶりに国立競技場で行われた。試合序盤は明大が流れを引き寄せ、一気に3トライを奪う展開に。しかしその後、早大が粘りを見せ1トライ差で試合を折り返す。後半では苦しむ時間も多かったものの、明大の意地を見せて見事勝利。宿敵・早大を下し、伝統の一戦を制した。 ◆12・4 関東大学対抗戦Aグループ(国立競技場)▼対早大戦 ○明大35{21―14、14―7}21早大 9年ぶりに国立競技場で行われた伝統の一戦。会場には約3万5千人の観客が訪れ、試合に熱狂した。最初にゲームを動かしたのは明大。試合開始直後、ラック横からスクラムハーフ萩原周(商3=大阪桐蔭)が抜け出し、フッカー松下潤一郎(法3=筑紫)がさらに押し込む。最後はスタンドオフ伊藤耕太郎(商3=国学院栃木)のパスに反応した右センター齊藤誉哉(文4=桐生一)がそのままインゴールに入りグラウンディング。「(伊藤)耕太郎がいい仕掛けをしてくれた」(齊藤)。まずは副将が試合を盛り上げる。続いて前半7分、自陣22メートルラインで左ウイング石田吉平主将(文4=常翔学園)がジャッカルで反則を誘い敵陣に侵入する。明大ボールのラインアウトを起点にフェーズを重ねると最後は左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)のパスを受けた取った石田がトライを演出した。「全員が前に出てくれて(得点を)取れた」(石田)。試合開始10分で一気に2トライを決め、試合の流れをつかむ。その後、25分にも伊藤耕が相手を引き付けスペースをつくると、フルバック安田昂平(商2=御所実)がボールを受け取り得点を重ねた。勢いに乗る明大だが、その後に早大が前半終了間際でトライを演出するなど粘りを見せ、21―14で試合を折り返す。 1トライ差で始まった後半。大事な最初の得点を決めたのは明大だった。後半開始3分、ハーフウエーライン付近で齊藤がインターセプトを決めると、そのまま一気にゴールラインへ走り込む。「ボールが浮いていたところにしっかりと入れて良かった」(齊藤)。しかし、簡単にはいかないのが明早戦。その後はミスが続き膠着(こうちゃく)状態が続く。そして早大に追加点を許し、28―21で迎えた32分。敵陣ゴール前での明大ボールラインアウトでチャンスをつくる。左に展開していき徐々に前へと進むと、最後は勢いよく走り込んだ池戸将太郎(政経3=東海大相模)がトライ。「あまりトライをするプレースタイルではないが、あの時は自分で行こうと思って行った」(池戸)。この得点が勝利を決定づける。その後、14人でのプレーとなる場面があったが「気合でやるしかない」(池戸)。必死のディフェンスで早大の勢いを食い止め、最後はターンオーバーしボールを蹴り出してノーサイド。終盤での苦しい戦いを制し、見事伝統の一戦で勝利をつかみ取った。 「自分たちの代の早明戦は特別なもので、勝ったことは誇らしい」(大賀宗志・営4=報徳学園)。今試合の結果により対抗戦2位となった明大。次戦には12月25日に行われる全国大学選手権準々決勝が控えており、東洋大と早大の勝者と対戦する。「次から負けられない戦いになるので一戦必勝で頑張りたい」(左プロップ中村公星・情コミ4=国学院栃木)。日本一まであと3戦。本番はまだまだこれからだ。 [安室帆海] 試合後のコメントまとめはこちら→①、②READ MORE -
悔しさ残る準優勝 帝京大にリベンジ果たせず/関東大学ジュニア選手権
ラグビー 2022.11.27早大との準決勝からはや2週間、関東大学ジュニア選手権(以下、ジュニア選手権)の決勝が行われた。相手はリーグ戦の最終戦で敗北を喫した帝京大。テーマに『フィジカルバトル』を掲げて試合に臨むも、帝京大の激しいアタックに流れを持っていかれ、自分たちのラグビーができず前半をノートライで終える。3トライ差を追いかけ挑んだ後半は、徐々に試合の流れをつかみ3トライを獲得。しかし、帝京大の攻撃を封じ切ることはできず。あと一歩のところで、惜しくもジュニア選手権優勝を逃す結果となった。 ◆11・26 関東大学ジュニア選手権決勝(帝京大百草グラウンド)▼対帝京大戦 明大19{0―21、19―14}35帝京大○ 前半は防戦一方の展開が続いた。試合開始直後から帝京大の勢いあふれるアタックに苦戦しミスを連発。「ミスしてはいけないところでのミスが続き、試合の流れを持っていかれてしまった」(大賀宗志・営4=報徳学園)。明大も力強いタックルで対抗するが、細かいミスを減らすことができず、思うように相手の流れを断ち切ることができない。そして迎えた前半24分、帝京大が丁寧にパスをつなぎ先制トライ。その後も帝京大の猛攻は止まず、前半32分と41分にそれぞれ追加トライを挙げられてしまう。それに対し明大は、敗北を喫したリーグ戦の帝京大戦と同様、1本もトライを取ることができず。「マイボールになってもすぐに自分たちがミスしてしまい、主導権を握ることができなかったことが得点できなかった原因だと思う」(スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)。0―21の3トライ差で前半を終えた。 後半では何としてでも試合の流れをつかみ、巻き返しを図りたい明大。ハーフタイムに「もっとボールを持つ時間を長くして、積極的なアタックで攻めていこう」(東海隼・情コミ1=光泉カトリック)とチームで話すと後半13分、中央でボールを持ったスタンドオフ池戸将太郎(政経3=東海大相模)が左外にキックパスを出し、それを東が受け取りそのまま念願の初トライ。「いい形で(池戸)将太郎さんがキックパスを出してくれて、全員が動いて連携したアタックでトライすることができた」(東)。このトライを皮切りに前半で目立った細かなミスが減り、ラスト10分で粘りを見せる。後半34分、中央にできたラックから右サイドに展開。BKでパスをつなぎ、東が今試合2本目となるトライを挙げる。さらに後半41分には、敵ゴール前でのマイボールラインアウトからモールで運び、最後は紀伊遼平(営4=桐蔭学園)がグラウンディング。「後半は自分たちのやりたいラグビーを体現でき、トライを重ねることができた」(丸尾)。追い上げを見せた明大であったが帝京大も後半に2トライを追加し、最終スコア19―35で逆転とはならなかった。 今年度のジュニア選手権を準優勝で終えた明大。すべての試合でゲームキャプテンを務めた丸尾は試合後に「優勝以外は何位でも同じだと思うので悔しい」と語った。しかし、悔しさを味わった分多くの収穫を得ることができた大会ともなった。ジュニア選手権はここで終わってしまうが、今年度の明大ラグビー部の戦いはまだ続く。「ここからの試合は修正力が大切になってくると思うので、今よりもさらに修正力を付けていかなければならない」(右ロック亀井茜風・政経3=長崎北陽台)。先週行われた関東大学対抗戦(以下、対抗戦)の帝京大戦に引き続き明大としては黒星が続いている。この流れを払拭するためにも、来週国立競技場で行われる対抗戦の明早戦は非常に重要な試合となってくる。もう負けは許されない。紫紺のプライドを背負った戦士たちは伝統の一戦を制すに違いない。 [久保田諒] 試合後のコメント左ロック田島貫太郎(政経2=東福岡)――ジュニア選手権を通して出た課題を教えてください。 「負けたのは帝京大と早大だけでいい試合ができたとは思うのですが、最後の最後で負けてしまったので、大事なところで勝ち切れないというのが一番の課題だと思います」 亀井――今試合を振り返っていかがですか。 「前半いらないミスがすごく多くてそこから点を取られたパターンが多かったので、その失点が後半にもすごく響きました。スクラムの部分では最初の2本は良かったのですが、そこからは相手の修正力の方が高かったので、スクラムの修正力の部分といらないミスで負けた試合だったと思います」 丸尾――ゲームキャプテンとして意識していたことはありますか。 「テーマに『フィジカルバトル』が挙がっていて、受けてしまうと絶対負けてしまうゲームでした。自分たち次第で勝つも負けるも決まるような試合だったので、一つ一つのシンプルなプレーの精度を、いつも以上にこだわろうということは意識していました」 中山律希(政経3=天理)――今試合でジュニア選手権は終わってしまいました。 「4年生のジュニアが最後ということで、後輩として優勝していい景色見せたかったと思うのですが優勝できなかったので、次は自分たちの学年でAチームもジュニアも優勝していきたいです」 大賀――今後の意気込みをお願いします。 「ジュニア選手権は今日で終わりになってしまうのですが、まだ対抗戦の最終戦である早明戦と、大学選手権というチームとして大きな大会が残っているので、そこに貢献できるように頑張っていきたいと思います」 東――今年度のジュニア選手権全体を振り返ってみていかがですか。 「今大会の中で早大に1回、帝京大に2回の合計3回負けていて、これから選手権などの大事な試合になってくると絶対に負けられない戦いになるので、もっと勝ちにこだわることを強くしていきたいと思います」READ MORE -
帝京大との全勝対決 悔しい敗北に終わる/関東大学対抗戦
ラグビー 2022.11.21勝てば2年ぶりの関東大学対抗戦(以下、対抗戦)優勝に王手をかける今試合。相手は昨年度一度も勝利することができず、夏合宿の練習試合でも完敗している帝京大だ。両校強みにしているセットプレーがカギを握るも、明大は流れをつかむことができない。途中修正力を見せるが反撃及ばず、対抗戦初黒星となった。 ◆11・20 関東大学対抗戦Aグループ(秩父宮ラグビー場)▼対帝京大戦 明大13{6―12、7―17}29帝京大○ 対抗戦全勝対決。まず試合を動かしたのは明大だった。試合開始直後、左ロック山本嶺二郎(法3=京都成章)のジャッカルで帝京大のペナルティーを誘い、左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)のペナルティーゴールが成功。先制点を決める。勢いをつけたかった明大だったが、3分にはディフェンスのスキを突かれトライを献上。その後右プロップ為房慶次朗(文3=常翔学園)のゲインが光り敵陣22メートル内まで攻め込むも痛恨のノックオン。「その後ミスになったので自分でいけば良かった」(為房)。昨年度の全国大学選手権(以下、選手権)決勝では歯が立たなかったスクラム。会場中の視線が集まる中、今試合のファーストスクラムが組まれる。しかし帝京大の壁は高く、明大がコラプシングを取られてしまう。「相手の方が8人でまとまってしっかりチェイスして前に出てきた」(左プロップ中村公星・情コミ4=国学院栃木)。その後もスクラムの時間が続くも立て続けにペナルティーを奪われる。FW勝負で劣勢になりBK陣までボールを回すことができない。それでも前半も終盤に差し掛かると帝京大スクラムの圧に耐え相手のコラプシングを誘うことに成功。会場も大きな盛り上がりを見せた。そして廣瀬のペナルティーゴールも決まり、6―12で試合を折り返す。 相手スクラムの攻略が少し見えてきた前半から、いい流れでスタートしたい後半。しかし3分、明大のロングパスをインターセプトされ帝京大に追加点を許してしまう。「ディフェンスもアタックも我慢はできていたが、少しの綻びや細かいミスが失点につながってしまった」(右センター齊藤誉哉・文4=桐生一)。後半にも相手ボールのスクラムでコラプシングを奪う場面もあった。「押す方向をしっかり統一したのと気持ちの部分で修正できた」(右フランカー福田大晟・商2=中部大春日丘)。しかし試合全体を通して終始FWは劣勢に。その中でBK陣が意地を見せる。17分、相手のフラットなパスをハーフウエーライン付近で廣瀬がインターセプト。追ってくる相手ディフェンスを振り切り待望のトライを決めた。「ボールがくると思って狙って行った」(廣瀬)。さらに追加点を狙いたい明大だったが、ミスが続き敵陣に攻め込むことができない時間が続く。ディフェンスでは明大が粘りを見せるも、最終スコア13―29でノーサイド。昨年度大学王者帝京大を倒すことはかなわなかった。 今試合の敗北で対抗戦優勝は逃したものの、選手権優勝に向けてセットプレーや、トライを取り切れないミスなど課題が多く見つかった。次戦は対抗戦最終戦・明早戦。「自分たちの課題を明確にして明早戦に備えていきたい」(石田)。最後まで『前へ』を体現するラグビーに期待したい。 [豊澤風香] 試合後のコメントはこちら→①、②READ MORE -
ディフェンス光り 早大にリベンジ果たす/関東大学ジュニア選手権
ラグビー 2022.11.13『small effort』という試合テーマで挑んだ準決勝。相手は、ジュニア戦初戦で勝利を奪われた早大。雪辱を晴らす戦いが始まった。前半は明大の波に乗ったプレーで4トライも挙げ、粘りのディフェンスで無失点に終える。後半は早大ペースに持っていかれるが、明大の意地を見せつけ決勝の切符をつかんだ。 ◆11・12 関東大学ジュニア選手権(早大上井草グラウンド)▼対早大戦 ○明大35{28―0、7―7}7早大 試合が動いたのは前半6分、ゴールライン前でマイボールラインアウトからモールでチャンスをつかむ。スタンドオフ池戸将太郎(政経3=東海大相模)の巧みなロングキックパスから右ウイング西川賢哉(政経3=桐蔭学園)が先制トライを挙げる。その後、自陣ゴールライン付近まで早大に攻められるも、意地のディフェンスで、相手のペナルティーを誘う。「前半は明大の流れだった」(左フランカー楢﨑海人・法4=筑紫)。その好機から明大は勢いを上げていく。前半16分、マイボールスクラムから左右にパスが展開し、右センター山村和也(商1=報徳学園)のゲインから左ウイング東海隼(情コミ1=光泉カトリック)が持ち味のハンドオフで逃げ切り、インゴールに飛び込む。前半28分、敵陣ゴールライン前の相手のスペースキックを右ロック亀井茜風(政経3=長崎北陽台)がチャージ。チャージで跳ね返ったボールを左フランカー楢﨑海人(法4=筑紫)がつかみグラウンディング。前半33分、マイボールラインアウトからフッカー金勇哲(営2=大阪朝鮮)がゲインし、パスが展開される。左センター山田歩季(商2=京都成章)が相手にタックルされるも立ち上がり、粘りのトライを見せつける。「試合前に『強みが縦のプレー。それを思い切りやっていこう』と話していて、思い切りトライできて良かった」(山田)。明大の安定したスクラム、輝くディフェンスプレーで、早大に点数を与えることなく、前半を終える。 「早大はここで折れるようなチームではないので、80分間通して息を殺し続けなくてはならない。前半より一つ一つのプレーをしっかりしよう」(スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)と挑んだ後半。後半6分、西川のロングゲインで一気に自陣10メートルから敵陣22メートルラインまで攻め込む。相手ディフェンスのスキを盗み、右フランカー石浦大貴(政経3=報徳学園)がインゴールにダイブ。「前が空いていたので、置こうと思って置いた」(石浦)。池戸の安定したキックで、今試合全てコンバージョンゴールを成功に終える。その後、早大に得点を入れられ猛攻を受けるが、最後まで粘りのディフェンスを見せつけ、35―7と早大にリベンジを果たすことができた。 今試合では、雪辱を晴らすために選手の気力が溢れていた。「試合が盛り上がるきっかけはみんなのやる気。亀井くん(茜風)がしっかり声を出してくれるので、そこにしっかりついていった」(石浦)。1トライは与えるも、我慢強いディフェンスが光った。だが「後半はペナルティーも多く取られてしまったので、思うようなプレーはできなかった」(山田)。次戦に向けての課題も見つかる。「決勝でジュニアが(優勝を)まず獲れないと、チームの日本一もない」(丸尾)。決勝の相手は因縁の相手、帝京大。ジュニア選手権優勝に向け、前へ突き進む明大に期待がかかる。 [井垣友希] 試合後のコメント丸尾――ゲームキャプテンから見た今試合のMVPはどなたですか。 「これまでのジュニア戦に出られなかった山田(歩季)選手がスタメンで、期待通りにトライもとっていたし、強いタックルも決めていたし、山ちゃんだと思います」 楢﨑――ジュニア選手権予選では負けてしまいましたが、今試合にむけてどんなところを準備してきましたか。 「早明戦と言われるくらい絶対に負けられない相手だったので、今回は絶対リベンジを果たすという意味でも、自分たちで体を当てて、自分たちの試合に流れをつくっていくというのを意識していました」 石浦――試合前の雰囲気はいかがでしたか。「今日の午前、八幡山グラウンドでの練習はあまりいい練習ができていなくて、自分たちのサインミスがあったので、それをあまり出さないようにしていました。もう一回しっかりと確認してという感じだったので、あまりいい雰囲気ではなかったと思います」 山田――ジュニア選手権初出場でしたがいかがでしたか。「スタメンでとても緊張したのですが、周りの人たちが『思い切りやったらいい』と言ってくれたので思い切りできました」READ MORE -
慶大相手に完勝 対抗戦5連勝/関東大学対抗戦
ラグビー 2022.11.074連勝し迎えた関東大学対抗戦(以下、対抗戦)5戦目。相手は直近5年の対抗戦で2勝3敗と相性の良くない慶大だったが、終始明大ペースのラグビーを展開。前半から相手のスキを逃さず、得点を重ね26―3で折り返す。後半も攻守に相手を圧倒し、最後まで相手にトライを奪われることなく、最終スコア54―3で5連勝を飾った。 ◆11・6 関東大学対抗戦Aグループ(熊谷ラグビー場)▼対慶大戦 ○明大54{26―3、28―0}3慶大 幸先よく先制した。前半8分、左サイドでできたラックから右に展開。最後はスタンドオフ伊藤耕太郎(商3=国学院栃木)が余っていた外のスペースにロングパスを出し、受け取ったフッカー松下潤一郎(法3=筑紫)がグラウンディング。「逆サイドのセットを早くすることを意識していたので練習通りのプレーができた」。(松下)20分に明大のオフサイドで与えてしまったペナルティーゴールを決められ、点差を縮められる。しかし直後の24分。ハーフウェーライン付近でのマイボールラインアウトからフェーズを重ね、ボールを右に展開。22メートルライン後方でボールを受け取った右センター齊藤誉哉(文4=桐生一)が5メートルライン付近までゲインすると、最後は齊藤からボールを受け取った森山雄太(政経3=東福岡)が相手のタックルを受けながらもトライ。「取り切ることができて良かった」(森山)。その後得点が入らない時間が続くも「今日は明治タイムと呼んでいる前後半残り10分でギアを上げて相手を突き放すプランだった」(齊藤)。その言葉通りの展開を見せる。35分、22メートルライン付近でのマイボールスクラムから右に展開。左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)からボールを受け取った伊藤耕が相手の間をうまく抜けて中央にトライ。「一人一人がしっかり役割を果たして取れたトライだった」(伊藤)。続く39分、ハーフウエーライン付近のマイボールスクラムから左に展開。伊藤耕が相手をかわし、齊藤につなぐと、22メートルライン付近から一人で走り抜きグラウンディング。「耕太郎(伊藤)がいい仕掛けをしてくれて、裏でいいフォローができた」(齊藤)。目標に掲げていた残り10分で2トライを決め26―3といい形で前半を終える。 後半も明大の勢いは止まらない。3分、フルバック安田昂平(商2=御所実)が10メートル付近からキックを仕掛けると、それを右ウイング秋濱悠太(商2=桐蔭学園)がキャッチ。その後、ナンバーエイト木戸大士郎(文2=常翔学園)に渡り、相手のタックルを受けながらもトライ。22分には、5メートルライン付近のラックからパスを受けた伊藤耕が相手のディフェンスを受けながらも、中央左にトライ。「コンタクトで勝ってトライを取ることができたのは良かった」(伊藤耕)。続く26分、22メートルライン付近でボールを受け取った廣瀬が相手の間を上手く抜け、ラインブレークすると、最後は右ロック武内慎(商4=石見智翠館)がグラウンディング。ロスタイムにも齊藤が相手のパスをインターセプトし得点を決め、最終スコア54―3で快勝した。 「明治のプラン通りのことができ、結果につながった」(左ウイング原口虎太郎・商4=東福岡)。8トライを奪い、ディフェンスではノートライに抑えるなど相手を寄せ付けなかった。それでも「相手のミスに助けられたり、しんどい時間に雑なプレーが多かった」(齊藤)とまだまだ課題もある。次戦の相手は帝京大。昨年度の対抗戦、大学選手権で敗れた因縁の相手だ。今年度も春は勝利を収めたものの夏の合宿では大敗を喫している。「今日以上にタフな試合になると思う。よりチームを完成させないといけない」(武内)。2週間後に明大がさらなる進化を遂げ、昨年度の雪辱を果たしてくれることに期待したい。 [廣末直希]試合後のコメントはこちら→①、②READ MORE -
自分たちのプレーできず 帝京大に悔しい敗北/関東大学ジュニア選手権
ラグビー 2022.10.31涼しい秋晴れの空の下、関東大学ジュニア選手権(以下、ジュニア選手権)のリーグ戦最終戦が行われた。相手はここまで全勝の帝京大。前半から積極的に攻め込んでくる帝京大に対して、明大は粘り強いディフェンスで対抗し0―0のノースコアの状態が続く。しかし、先制点を帝京大に許すとその流れのまま次々と追加点を献上してしまう。後半に2本のトライを取り返し点差を詰めるも、追い付くことはできず最終スコア12―38で帝京大に敗北。明大は今大会のリーグ戦を3位で通過し、決勝トーナメントへの進出を決めた。 ◆10・30 関東大学ジュニア選手権(帝京大百草グラウンド)▼対帝京大戦 明大12{0―14、12―24}38帝京大○ 試合序盤は両者少しの失点も許さない互角の勝負が続いた。開始直後から帝京大の猛攻を受け、自陣深くまで攻め込まれてしまうも、鋭いタックルを決めゴールラインを死守する。「ファーストコンタクトを大事にしていこうと話していたので、入りのディフェンスは良かった」(右ロック亀井茜風・政経3=長崎北陽台)。明大も攻められてばかりではいられない。前半6分には中央から右サイドにパスを展開していき、最後に右ウイング西川賢哉(政経3=桐蔭学園)がラインぎりぎりを走り抜けるも、帝京大のディフェンスに阻まれ惜しくもトライとはならず。このまま積極的に攻め込み先制点を挙げたい明大であったが、ここからは防戦一方の展開に。「相手のプレッシャーに押され自分たちがしたいプレーができない状況が続いてしまった」(右センター山村和也・商1=報徳学園)。明大も力強いタックルで相手のミスを誘う素晴らしいディフェンスを見せ、前半33分までは0―0のノースコア戦が続いたものの、34分に帝京大が先制点を挙げる。自陣5メートルラインでの相手ボールのラインアウトから、モールに持ち込まれそのままトライ。その直後の前半41分には、相手ボールのスクラムから立て続けに追加トライを挙げられてしまう。「大きいミスではなく小さなミスから隙を突かれ得点を取られてしまった」(左プロップ床田淳貴・情コミ3=桐蔭学園)。明大は1本のトライも取れず無得点のまま0―14で試合を折り返した。 点差を追いかける展開となった勝負の後半。何としてでも得点を挙げたい明大はハーフタイムに「後半の立ち上がりから主導権を握っていこう」(左ウイング東海隼・情コミ1=光泉カトリック)と話し気合いを入れ直す。だが、後半も先に得点を挙げたのは帝京大だった。後半始まって早々の1分と5分、さらに18分にそれぞれトライを献上してしまい、スコアは0―35に。思うように得点が挙げられず苦しむ明大であったが、ついに待ち望んでいた1本目のトライを挙げる瞬間が訪れる。後半27分、敵陣左サイドでのマイボールラインアウトから右サイドにパスをつなぎ展開すると、タッチラインぎりぎりでラストパスを東が受け取りインゴールへダイブ。「近くの選手とトークをしてトライを取ることができたのでよかった」(東)。そして試合終了間際の後半41分には、敵陣ゴール前からスタンドオフ池戸将太郎(政経3=東海大相模)が右サイドのインゴールにキックパスを出すと、それを裏に抜け出した山村がキャッチしそのままグラウンディング。「裏が空いていてそこにパスを呼び込んでうまく入れてもらったので、きれいに取れたトライだった」(山村)。明大にとって貴重な追加トライとなった。その後、自陣での明大のペナルティーに対し帝京大がペナルティーゴールを選択。落ち着いて枠内に収め、帝京大が3点を追加したところで試合はノーサイド。最終スコア12―38で明大は悔しい敗北を喫した。 帝京大のプレッシャーに苦戦し、自分たちのプレーができず負けとなった今試合。「帝京大に対して勝ちたいという気持ちはみんなよかったが、細かいところの差が出てしまい徐々にペースを持っていかれてしまった」(ゲームキャプテン・スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)。2勝2敗で今大会のリーグ戦を3位で終えた明大。決勝トーナメントではリーグ戦で敗戦した早大と帝京大にそれぞれ借りを返し勝利を収め、ジュニア選手権を制覇してくれることに期待したい。 [久保田諒] 試合後のコメント亀井――今試合を振り返っていかがですか。 「体も当てられていてフィジカルバトルでは勝てていました。FWはワンブイワンというテーマだったのですが、そこは意識できていたと思います。しかし大事な場面で集中力の差が出たという感じです」 丸尾――帝京大のどこに1番苦戦しましたか。 「セットプレーです。スクラムや流れの中のアタック、ディフェンスはよくて、相手のアタックを守れると思いました。セットプレーのところで帝京のプレッシャー受け続けていたというのが、うまくいかなかった要因の一つにあると思います」 山村――今試合のトライはどちらも1年生のトライでしたがいかがでしたか。 「昨日(東)海隼とも頑張ろうという話をしていて、今日結果的に2人で2本トライを取ることができたので、BKとしてもいいですし1年生としても自信になると思います。次の試合でもトライができるようにつなげていきたいです」 東――決勝トーナメントに向けての意気込みをお願いします。 「今大会のリーグ戦で早大と帝京大に負けているので、しっかりとそこにリベンジしていけるように、みんなで準備してやっていきたいと思います」READ MORE -
東海大に勝利 苦戦を強いられるも接戦制す/関東大学ジュニア選手権
ラグビー 2022.10.24慶大戦から約1カ月を空けて迎えた関東大学ジュニア選手権第3戦。相手は今大会のリーグ戦1勝2敗の東海大。前半戦は細かなミスを連発しリードされたまま後半戦へ。点差を追いかける展開となったが、ハーフタイムで話し合った反省点をきっちりと修正しトライを重ね逆転に成功。試合終了間際、相手の猛反撃に苦しみ追いつかれそうになるも何とか逃げ切り、最終スコア31―30という大接戦を制し明大が2勝目となる白星を挙げた。 ◆10・23 関東大学ジュニア選手権(八幡山グラウンド)▼対東海大戦 ○明大31{5―10、26―20}30東海大 どうにか先制点を挙げ勢いに乗りたい明大だったが、前半戦は両チーム一歩も譲らない一進一退の攻防が続く。試合序盤は東海大の力強い攻撃に苦戦し細かいペナルティを重ね、何度も自陣深くまで攻め込まれてしまう。「前半は自分の間合いでプレーできず中途半端になってしまい、ミスにつながることが多くなってしまった」(右センター山村和也・商1=報徳学園)。それでも明大は鋭いタックルを決め、素晴らしいディフェンスで東海大の猛攻をしのぎ得点を許さない。しかし、先にこの均衡を崩したのは東海大だった。自陣22メートルライン付近での明大のペナルティに対して、東海大がペナルティキックを選択。きっちりとゴール内に収め、東海大に貴重な先制点を献上してしまう。その後も明大は惜しいところまで攻め込むも、パスがうまくつながらずミスを重ね思うように攻め切ることができない。前半36分には両チーム合わせて1本目となるトライを東海大に許してしまう。だが、やられたまま終わる明大ではなかった。前半39分、敵陣22メートルラインでのマイボールスクラムを制し右サイドに展開。サイドラインぎりぎりでラストパスを受け取ったフルバック金昂平(政経2=大阪朝鮮)がトライ。「スクラムを思うように組めていなかったが、前半の最後の1本で修正することができた」(左フランカー楢﨑海人・法4=筑紫)。前半終了間際に見せた、明大の意地が感じられる執念のトライだった。その後のコンバージョンキックは惜しくも外れ、5―10で前半を終えた。 5点ビハインドという形で迎えることとなった勝負の後半戦。ハーフタイムには「逃げのプレーではなく強気のプレーを継続していこう」(スクラムハーフ丸尾裕資・商4=報徳学園)と話すと、その言葉通りにいきなり明大が強気の攻撃を見せる。後半5分、中央から左サイドにパスを次々につないでいき、最後に金昂平のオフロードパスを右ウイング西川賢哉(政経3=桐蔭学園)が受け取りグラウンディング。「昂平が裏をよく見てパスを出してくれたので、その流れのまま決めることができてよかった」(西川)。反撃ののろしとなる後半1本目のトライを挙げた。この流れに乗るように明大はその後トライを連発。後半9分、敵陣10メートルライン付近でのマイボールラインアウトからボールを左外に出し山村がトライ。「練習していたサインプレーで、自分の得意な形でボールをもらいトライを取ることができた」(山村)。直後の後半10分には、自陣10メートルライン付近から西川が相手ディフェンスのスキを走り抜け、スピードを見せつけるトライを挙げる。さらに後半33分には、左ウイング東海隼(情コミ1=光泉カトリック)が後半4本目となる追加トライで点差を広げる。しかし、東海大もこのままでは終わらせてはくれなかった。試合終了間際の後半39分、40分に怒涛(どとう)の反撃を見せ連続トライ。手に汗握る展開となったが試合はここでノーサイド。結果31―30という大接戦を何とか制し、明大が勝ち星を挙げた。 前半ミスを重ねてしまい思わぬ苦戦を強いられた今試合。「もっと自分たちの細かいプレーの質を上げて、強みを継続していくプレーが大事だと思う」(丸尾)。「明大のFWとしてもっとセットプレーを安定させるところを大事にしたい」(右プロップ古田空・商3=明大中野)。選手たちはそれぞれ自分たちに足りない課題点を見つけていた。来週には今大会のリーグ戦の最終戦となる帝京大戦が控えている。ここまで3戦全勝の帝京大相手に、明大がどのようなプレーを見せてくれるのか。来週も明大ラグビー部の活躍から目が離せない。 [久保田諒] 試合後のコメント楢﨑――今試合を振り返ってみていかがですか。 「結果的には1点差という競った試合だったのですが、取らせなくていいもったいないトライが多く、実力差以上に点差が縮まってしまった印象です」 古田――今試合のテーマを教えてください。 「強気という部分で、常にアタックでもディフェンスでも前に出て、セットプレーでも強気でというのを意識してやっていました」 西川――今試合の個人の目標はありましたか。 「テーマが『強気』というのがあって、その通りに自分でできること、ディフェンスだったら内の選手を呼んだり、アタックだったらゲインしたりというところを目標にしました」 山村――今後の意気込みを教えてください。 「大学選手権の前に、やはり対抗戦優勝というのが一つの区切りとしてあると思うのでそこにまずは貢献して、大学選手権優勝というのに自分が貢献できるよう頑張っていきたいです」READ MORE -
対抗戦4連勝 青学大に前半苦戦も後半突き放す!/関東大学対抗戦Aグループ
ラグビー 2022.10.17関東大学対抗戦(以下、対抗戦)4戦目の相手は青学大。昨年度は52―3でノートライに抑えた相手だったが、前半は盤石な守りに攻撃を阻まれる時間が多く28―20で試合を折り返す。それでも後半は自慢のフィットネスと選手層の厚さを見せつけ突き放し、最終スコア70―27で対抗戦4連勝を収めた。 ◆10・16 関東大学対抗戦Aグループ(太田市総合公園陸上競技場)▼対青学大戦 ○明大70{28―20、42―7}27青学大 「勢いに乗せられると厄介な相手ということは分かっていたので、自分たちのやることにフォーカスしてチームをまとめようと思っていた」(ゲームキャプテン・右センター齊藤誉哉・文4=桐生一)。帝京大や早大といった上位校に堅いディフェンスを見せていた青学大は一筋縄ではいかない相手だった。前半6分には、明大のノットリリースザボールで相手にペナルティーゴールを与え、先制点を与えてしまう。その後もフェーズを重ねた攻撃の中で、敵陣深くまで攻め込むも青学大のディフェンスは簡単に得点を許してくれなかった。しかし11分、BK陣がそのディフェンスの壁をこじ開ける。敵陣10メートルライン付近で左ウイング原口虎太郎(商4=東福岡)がキックしたボールが、走り込んだフルバック安田昂平(商2=御所実)の元へ。そのまま走り込みトライを決めた。その後22分にも敵陣ゴールライン付近でのラインアウトからモールを組み、フッカー松下潤一郎(法3=筑紫)がグラウンディングし追加点を挙げる。「前回に引き続きいいモールが組めているので、これからの強みにしていきたい」(松下)。このまま突き放したい明大だったが、24分にはキックオフからのミスで相手にトライを許してしまう。また、34分には自陣深くでのマイボールスクラムでまさかのコラプシングのペナルティー。そのまま反則を重ねてしまい、相手にペナルティートライを与え、右ロック武内慎(商4=石見智翠館)がイエローカードで一時退場に。「自陣ゴール前で相手にスクラムを選択させてしまったことが明大のプライドとしてよくない。ペナルティートライを取られてシンビンも出てしまい最悪の状況だった」(左ロック山本嶺二郎・法3=京都成章)。自慢のFW陣での悔しいミスに重ねて、一人少ない状況での戦いを余儀なくされた明大。それでも不利な戦況を感じさせない力強さで、38分にはラインアウトモールから松下がグラウンディング。相手の勢いに苦戦しながらも、簡単には倒れない意地を見せた前半だった。明大は28―20の8点のリードで試合を折り返す。 「自分たちのミスで相手の失点につながっていて、修正することが明確だったので慌てることはなかった」(齊藤)。思うように攻撃ができない時間が多かった前半だったが、チームは至って冷静だった。後半開始直後、青学大のハイパントキックを使った攻撃が目立ったが冷静に対応。後半18分のラインアウトモールから山本のトライを皮切りに明大の攻撃は止まらなかった。22分、26分にはそれぞれ右ウイング秋濱悠太(商2=桐蔭学園)、スタンドオフ伊藤耕太郎(商3=国学院栃木)が見事なランで魅せトライを決める。33分には敵陣22メートルライン付近でのスクラムからBKに展開。今試合対抗戦デビューとなった杉本大雅(文4=国学院久我山)のゲインで前進すると、相手のディフェンスを交わしながらパスを回し最後は秋濱がグラウンディング。「試合の中で1対1へのフォーカスがあったので自分の中で達成できたのは良かった」(秋濱)。試合終了間際にはルーキー・山村和也(商1=報徳学園)のトライも光りノーサイド。最終スコア70―27で勝利を飾った。 今試合プレイヤーオブマッチに選ばれた左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)は、コンバージョンゴール10本を全て成功させるとともに、見事な50:22を使ったタッチキックを見せ会場を大いに沸かせた。「1本目のキックがしっかりと当たっていたので、今日の自分のキックがつかめた」(廣瀬)。前半は自分たちのミスや相手のディフェンスに苦戦しながらも、後半にかけて〝明治タイム〟での攻撃を中心に大量得点を重ねた今試合は反省すべき点と評価すべき点が顕著に出た。「今まで順調にきていたが、ここからもう一段階ギアを上げていかないと慶應、早稲田、帝京には勝てないと思う」(伊藤耕)。対抗戦も残すところあと3戦。紫紺の戦士たちの挑戦に最後まで目が離せない。 [豊澤風香] 試合後のコメントはこちらをクリック→①、② ラグビー担当では『明早戦特別号』に向け、企画の準備をしております。その一つとして、ラグビー部やラグビーファンの皆さまの声をもとにラグビー部へ取材をするというものを考えております!!そこで、現在簡単なアンケートを募集しております。もしよろしければ、以下のフォームよりご回答ください!!(期限:10月18日)https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeI4EAVmvPJvXGgkpWDIR12zfx-VuTAn8OuElRvf9djUgIA4Q/viewform?usp=sf_linkREAD MORE
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【ラグビー部】ONE MEIJI
「日本一の集団を作る」(廣瀬雄也主将・商4=東福岡)。今年度、創部100周年を迎える明大ラグビー部。その大きな節目の年に、もう一度強い明治を体現し5年ぶりの王座を奪還すべく、掲げたスローガンは『ONE MEIJI』。選手、スタッフ、ファン全員が一つのチーム〝MEIJI〟となり日本一を目指す。本企画では廣瀬組の日本一までの軌跡を追っていく。READ MORE -
【ラグビー部】AHead
いざ、4年ぶりの王座奪還へ。昨年度の全国大学選手権では準優勝とあと一歩及ばなかった。「しっかりと頂点だけを見つめる」(石田吉平主将・文4=常翔学園)。掲げたスローガンは『AHead』。チーム一丸となり、もう一度大学日本一を取り戻す。本企画では石田組の優勝までの道のりを追っていく。READ MORE
アルバム ALBUM
部の紹介 INTRODUCTION
長きにわたって大学ラグビー界を牽引(けんいん)してきた名門。故・北島忠治監督が掲げた〝前へ〟を部訓とする。これまで〝重戦車〟と呼ばれる強力FW陣を武器に幾多の名勝負を繰り広げてきた。特に12月の第1日曜日に行われる対抗戦最終戦・早稲田戦は〝明早戦〟と呼ばれ、日本ラグビー界を代表する伝統の一戦とされる。1990年代まで12度の大学選手権優勝を果たすなど黄金期を築いた。しかし、北島監督が亡くなってからチームは低迷期を迎える。1997年シーズンを最後に日本一から遠ざかっていたが、2018年シーズンにようやく日本一を奪還。常勝軍団としての地位を取り戻した。