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東海大に勝利し3連勝 昨年度のリベンジ果たす/関東大学春季交流大会
ラグビー 2023.05.29関東大学春季交流大会(以下、春季大会)、第3戦目の相手は東海大。昨年度の春季大会ではミスに苦しみ敗北した相手だ。試合序盤から積極的なアタックを続け、先制点を挙げることに成功。しかし東海大の粘り強いディフェンスをなかなか崩せず好機を逃してしまう。最終スコア41―31で勝利を飾ったものの、課題が残る試合となった。◆5・28 関東大学春季交流大会(山梨県JITリサイクルインクスタジアム)▼対東海大戦○明大41{21―17、20―14}31東海大 前半開始直後、試合が動いた。フルバック池戸将太郎(政経4=東海大相模)のタッチキックが伸び、東海大ゴールライン前でのマイボールラインアウト。その後展開されたモールが崩れ、空いたスペースにフッカー松下潤一郎(法4=筑紫)がグラウンディング。「久しぶりにトライできて気持ち良かった」(松下)。しかし、ピンチはすぐに訪れる。同5分、自陣ゴールライン付近での相手ボールラインアウトで、明大のディフェンスが薄くなっていた奥側を狙われトライを献上。続く11分にも得点を許し、逆転されてしまう。「自分たちのペナルティーで徐々に前に来られてしまった」(左センター廣瀬雄也主将・商4=東福岡)。再び試合が動いたのは22分。敵陣22メートルライン付近でのマイボールスクラムでコラプシングを誘い、明大に流れが傾く。その後、明大ボールでのラインアウトで、東海大が反則。左プロップ中山律希(政経4=天理)が速攻しトライを決めた。続く32分にも東海大のノックオンを好機に変え、ゲインラインを上げる。最後にパスを受け取った中山がグラウンディング。今試合2つ目のトライを挙げた。前半終盤は、東海大の厚いディフェンスに苦しみ、なかなか敵陣に踏み込めない展開となり21―17で試合を折り返した。 (写真:ボールキャリーをする松下) 後半も最初に主導権を握ったのは明大だった。6分、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトから左に展開していく。最後は廣瀬がボールを受け取り、ハンドオフしながらトライ。続く9分、自陣22メートルラインから敵陣深くまで前進。その後スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)の相手の意表を突くパスを右ウイング安田昂平(商3=御所実)が受け取り、グラウンディング。「自分の想像通りに走っていけた。練習通りにできて良かった」(安田)。BK陣の活躍の後、20分には明大の重戦車が意地を見せつける。東海大ゴールライン付近でのマイボールスクラムからナンバーエイト木戸大士郎(文3=常翔学園)が得点を重ねる。しかし30分、東海大のキックパスで一気に前進を許し、明大のディフェンスが薄くなっていた左側を突かれ失点。36―31と1トライ差まで詰め寄られる。後半終了間際、敵陣22メートルライン付近でブレークダウンを重ねるも東海大ディフェンスに阻まれるも、伊藤耕からのロングパスでチャンスをつくりボールを受け取った安田がトライ。「ボールを取ってトライを取り切るのが14番の仕事なので、その役目が果たせて良かった」(安田)。終盤に点差を突き放し、最終スコア41―31で東海大戦を制した。 (写真:ラインアウトをするFW陣) 試合を通してミスからの失点が目立った明大。しかし、スクラムでは圧勝することも多く、明大らしいプレーを見ることができた。次戦はエコパスタジアムで行われる帝京大戦。悲願の日本一のためには必ず攻略しなければならない相手だ。「FWが強いので、ドミネートして相手のFWを黙らせるぐらい圧倒したい」(左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。今試合で出た課題を修正し、次戦に挑む。廣瀬組のウイニングロードはまだまだ続く。 [森口絵美理] 試合後のコメント廣瀬――今試合を振り返っていかがですか。「昨年度のリベンジ果たせたことはすごくよかったです。試合内容はいろいろみんな思うことはあると思うし、それはしっかり映像を見直してしっかり1週間準備していかないといけないなと思いました」 ――強みを出せた部分を教えてください。「個人的には今シーズン初試合で、全然試合感覚を取り戻せなかったです。でもその自分が『モメンタム』と言っている中で自分の強みが何個か出せたと思うんで、そこはとりあえず良かったです。また80分間ゲーム通して出し続けたというのはポジティブですね。でも僕もまだまだなんでこれから仕上げていきたいです」 松下――後半の入りが良くなかったとのことですが、理想の形を教えてください。「前回もなんですけど僕のノットストレートとスクラムのペナルティーで敵陣入られることが多くて、今回しないように頑張ろうと思ったんですけどできなかったです。理想としてはフッカーとしてクオリティー出してチームを勢い付けるのが理想かなと思います」 ――ディフェンスはいかがでしたか。「ペナルティーを続けてしまうと、敵陣入られちゃって、今回も得点まで結びつけられてしまっているので、ノーペナルティーは意識していました」 山本――今試合を振り返っていかがですか。「FWでスクラム勝てたのが良かったなと思うのですが、やっぱりミスが多かったです。最後取り切れずにあんまり点差が開かなかったというのと、あとペナルティーから得点されてたのでそこは課題が残りました」 ――今試合で出た課題をどのように修正したいですか。「僕は元々目立つプレーはできないので、基本的なプレーでどんどん僕が引っ張って、冷静にセットプレーは安定させつつ、というのが強みだと思っているので、もう一回練習をやり直していい準備しようと思います」 左ロック佐藤大地(法3=国学院栃木)――今日は紫紺初スタメンとなりましたが、いかがでしたか。「ずっとリザーブだったのですごく緊張しました。いつも途中から入っていたので、スタートは緊張しました」 ――東海大とのセットプレーはいかがでしたか。「ラインアウトディフェンスで僕たちがプレッシャーかけてミスを誘って結構いいセットプレーができたと思います。スクラムも最初ユニットでヒットを出そうと話していて、結構良くてスクラムでも圧倒できたので良かったです」 安田――今試合の反省点を教えてください。「前半の入りが悪かったので、前半の入りをもうちょっと頑張りたいと思います」 ――東海大の印象はいかがでしたか。「僕的には相性が悪いのかなっていう印象ですね。でも勝ちきれたので良かったかなって思います」 READ MORE -
Bチーム ミス目立つも、攻守で圧倒し東海大に勝利/練習試合
ラグビー 2023.05.28「モメンタムとコントロール」をテーマに挑んだ今試合。前半はその思惑通りに攻撃がかみ合い、28―12で折り返す。「すごくいいアタックができていた」(ゲームキャプテン・左フランカー柳田治久・法4=明大中野)。後半は下級生が多い状況下で疲労を見せる選手も少なくなかったが、点を取り合う展開の中で粘りを見せ、最終スコア45―24で快勝した。 ◆5・27 練習試合 (東海大学湘南グラウンド)▼対東海大B戦 ◯明大45{28-12、17-12}24東海大 試合が動いたのは、前半4分。ゴール前でFWが攻め込むと、最後は前の空いたスペースにスクラムハーフ登根大斗(法3=御所実)が走り込み、トライ。「強いアタック、キャリーをする中で、セットを早くすることができた」(登根)。試合のテーマである「モメンタム」を体現するような攻撃で先制点を挙げる。さらに、12分、数的優位を作ると、左ウイング金昂平(政経3=大阪朝鮮)が抜け出してトライ。「相手の動きが良くない序盤にしっかり走り勝つことができた」(金昂)。このまま明大が試合の流れをつかむと思われたがキックチャージやマークのミスから2トライを許し追いつかれてしまう。「慌てることなくしっかりノミネート、ハイセットをして前に出ることを共有した」(登根)。すると、前半25分、敵陣22メートルラインでフッカー木谷光(商1=報徳学園)がボールを奪い、ボールを受け取った登根がグラウディング。コンバージョンキックも成功し22―12とリードを広げる。その後も明大の攻撃は止まらず、前半40分、ラインアウトからパスが左サイドに展開されると、最後はナンバーエイト藤井達哉(政経1=東福岡)が相手の間を割って中央にトライ。28―12で前半を折り返す。 前半の流れのまま試合を進めたい明大であったが後半6分、自陣のゴールライン中央付近でのラックから大外で待っていたウイングに回されトライを許す。雲行きが怪しくなったが、後半8分、22メートルライン付近でパスを受け取った金昂が1人はがし、ディフェンスにつかまれながらもトライを決める。その後もスクラムやラインアウトを成功させてゴールライン手前まで攻め込むも東海大の激しい守りを崩し切れない。「敵陣でプレーする時間が多かったのは良かったが、取り切れるところでもったいないミスが続いた」(登根)。上手くリズムが合わない中であったが、後半40分いいテンポでパスが繋がり最後に住吉一晟(文4=国学院久我山)がトライ。「最後の最後で仲間がつないできたボールが運良く回ってきた」(住吉) 後半は苦しい展開となるも45-24で東海大を下した。「後半はFWが特に疲れてきて足をつる選手もいる中、私自身も足をつってしまった」(柳田)。スタミナの面での課題が浮き彫りとなった。快勝した試合だったが「今日のトライの多くはセットプレーからのトライが本当に多かった。フェーズを重ねてトライできなかったのが今後の課題」(スタンドオフ伊藤龍之介・商1=国学院栃木)と修正点も見つかった。まずは来週の帝京大戦に向けて見つかった課題を克服しさらなるステップへと羽ばたけるか。今後も成長する明大のラグビーから目が離せない。 [保坂啓太郎] 試合後のコメント 柳田――ゲームキャプテンとして何を意識して臨みましたか。 「アップから相手を圧倒するような声の大きさであったり、プレーの連体感さを全員で統一して勢いを出すという面で取り組んできました」 登根――個人としての今後の目標を教えてください。 「明治の春の目標である『挑戦』というテーマがある中で、相手に挑戦するのはそうなんですけど、自分たちはBというチームでやっていて、Aチームで紫紺を着るために、同じポジションの上の人にも挑戦しなければいけないという立場なので、そこで自分の持ち味であるテンポ、パスでトライにつながるプレーができたので、まずは次の週に生かしていきたいと思います」 伊藤龍――今日の試合振り返っていかがですか。 「今日は80分試合に出たのが初めてだったので本当に疲れたっていうのと今後このレベルの試合に慣れていかないといけないなと感じてたので、もう一段階トレーニング頑張りたいなと思いました」 金昂――ウイングとして意識していたことはありますか。 「トライ取り切るのはそうなんですけど、セットプレーからボールをもらうサインプレーが多いんで、 そこでしっかりゲインしてチームに影響を与えれるよう意識していました」 住吉――今試合の課題点や反省点はありますか。 「個人としてはすごくいいプレーとかはあったんですけど、やはりチームとしてもう1回まとまって来週の帝京戦に臨まなければいけないと思うので、チームとしてもう1段階レベルアップできればいいかなと思っています」READ MORE -
早大に明大の意地を見せつけ白星飾る/関東大学春季交流大会
ラグビー 2023.05.15全国大学選手権(以下、選手権)で無念の敗北を喫した因縁の相手・早大。熊本県で行われた明早戦で雪辱を果たすことが期待された。「春、秋関係なく負けてはいけない相手。絶対に負けられない」(右センター秋濱悠太・商3=桐蔭学園)。試合序盤は両者譲らない意地の戦いが続いたが、前半は明大が主導権を握る。早大相手にワントライで抑え、28―5で折り返す。しかし、後半は早大に主導権を奪われる。それでも、明大が粘りを見せつけ、45―24と春開幕2連勝を挙げた。 ◆5・14 関東大学春季交流大会(えがお健康スタジアム)▼対早大戦 ○明大45{28―5、17―19}24早大 試合開始直後は、両者のセットプレーが続く。「みんながバラバラにならないようにFWで一つになろう」(ゲームキャプテン・左ロック山本嶺二郎・法4=京都成章)。早大に先制されるも、明大ペースに試合の流れを持っていく。前半17分、敵陣15メートル付近でのマイボールスクラムから左にパスを展開し、ナンバーエイト木戸大志郎(文3=常翔学園)が敵陣22メートルラインを切るゲインを見せ、最後はフルバック池戸将太郎(政経4=東海大相模)が先制トライを飾る。その後、左プロップ中山律希(政経4=天理)が自陣5メートル付近から30メートル近いゲインを見せる。「少しでも前に出ることだけを意識して思いっ切り走り切った」(中山)。この好機を生かしスクラムハーフ萩原周(商4=大阪桐蔭)がグラウンディング。「順目でアタックして、みんなが勢いでゲインしてくれたのでいいトライができた」(萩原)。引き続き、明大の体を張ったアタックを見せつけ、相手にプレッシャーをかける。早大にチャンスを与えそうになるも、前半29分相手のパスミスを秋濱がチャンスに変え、自陣10メートルラインから走り切りインゴール。「ミスを突いてトライを取るところまで運び切れたのは良かった」(秋濱)。また、早大の横展開の攻撃をを切り裂く秋濱のタックルやジャッカルは、明大に勢いを与えた。前半終了間際には、スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)がいい仕掛けを見せ、右ウイング安田昂平(商3=御所実)がトライを挙げる。池戸も前半全てのコンバージョンゴールを決め、28―5と大差をつけ前半を終える。(写真:ゲインを切る中山) 前半はいい戦いを見せた明大だったが、後半主導権を握ったのは早大だった。後半5分、明大のディフェンスが乱れ、早大に得点を許してしまう。だが、直後の攻撃で木戸がゴールラインまで突き進みグラウンディング。しかし、早大の反撃は止まらず、点差が迫っていく。それでも後半33分、明大がターンオーバし、途中出場西川賢哉(政経4=桐蔭学園)のオフロードパスから攻撃が続き池戸が2本目のトライを挙げた。「賢哉が粘ってくれたので、サポートして空いているところ見ていくだけだった。しっかりサポートできたのは良かった」(池戸)。後半終了間際には、池戸のキックパスを途中出場の吉田輝雅(政経3=東海大相模)が受け取りインゴール。後半は苦しい展開になるも、明大の意地を見せつけ、45―24と因縁の相手・早大に白星を挙げた。(写真:ボールキャリーをする池戸) 試合を通して、今試合のテーマでもあったアタックの勢い「モメンタム」を体現し、池戸を始めとするBKのアタックが光った。しかし、前後半の入りの部分で明大ペースに試合を展開できなかったり、後半のセットプレーが乱れたりしてしまうなど課題も見つかった。次戦は、山梨県JITリサイクルリンクスタジアムで行われる東海大戦だ。明大と同じくFWを強みとし、FWの競った戦いにも目が離せない。「強いFWをどうコントロールするか、いいゲームができれば圧倒できる」(萩原)。神鳥裕之監督(平9営卒)が評す「ハイブリッド重戦車」を中心に東海大を圧倒できるかに期待がかかる。 [井垣友希] 試合後コメント山本――ゲームキャプテンとして意識したことを教えてください。 「去年負けている相手なので、チャレンジャーの気持ちで行くことと、しんどい時間帯に原点に戻って明治の強いところを出すのをポイントに声かけしようと意識しました」 ――九州開催の試合はいかがでしたか。 「熊本は初めてだったのでちょっと緊張していたんですけど、スタジアムもすごいところで気分が結構上がりました。両親も来てくれていたので、それで勝てたのはすごい良かったです」 中山――次戦への意気込みを教えてください。 「東海はセットプレーが強いチームなので、明治の強みであるスクラムやモールで圧倒できたらと思います」 萩原――今試合を振り返ってみていかがですか。 「前半はすごく自分たちのペースで、後半はちょっと入りが悪くてそこを修正できませんでした。勝てたのは良かったんですけど、自分たちの課題が出たので悔いはあります」 秋濱――今試合の課題点はありますか。 「やはり前半いい形で折り返して、後半簡単に先制を許してしまったのでそこが課題点です」 池戸――早大が相手でしたが、チームの雰囲気はいかがでしたか。 「早稲田が相手だからという感じはあまりなくて、流経大と比べて何か違うことをしたというわけでもないです。早稲田だからこそ春やってきたことをできるように練習をやってきました。秋は負けていたのでみんなやり返すっていう気持ちは持っていたと思いますね」READ MORE -
春初陣 流経大を攻守で圧倒し勝利/関東大学春季交流大会
ラグビー 2023.05.08 チーム『ONE MEIJI』の戦いの火ぶたが切られた。関東大学春季交流大会の初戦の相手は流経大。悪天候の中での試合となったが、終始明大が圧倒し最終スコア58―12で大勝を飾った。廣瀬雄也主将(商4=東福岡)を欠いたメンバーだったが、1年生を始めとする紫紺デビューを果たした選手が大活躍。次戦・早大戦につながる好発進を遂げた。◆5・7 関東大学春季交流大会(流経大龍ケ崎フィールド)▼対流経大戦 〇明大58{36―0、22―12}12流経大 雨が降りしきる中、廣瀬組の幕が上がった。最初に試合を動かしたのは明大。前半5分、敵陣22メートルラインでのマイボールラインアウトからのモール。そこから中心に向けてパスを展開していき、右プロップ為房慶次朗(文4=常翔学園)が先制点を決める。「今年は〝獰猛(どうもう)明治〟という言葉を掲げているので入りからいいスタートが切れて良かった」(右ウイング安田昂平(商3=御所実))。その後も敵陣でのプレーが続く。15分、敵陣22メートルでのマイボールスクラムで流経大を圧倒し、スタンドオフ伊藤耕太郎(商4=国学院栃木)からパスを受け取った左センター山田歩季(商3=京都成章)がグラウンディング。「スペースに思い切り走り込むことを意識した」(山田)。前半序盤はスクラムの強さが目立ったが、中盤はBKも活躍を見せた。23分、敵陣22メートルでのマイボールラインアウト。萩原から伊藤耕にボールが回り、最後は左ウイング海老澤琥珀(情コミ1=報徳学園)がインゴールに飛び込む。「初トライできてうれしかった」(海老澤)。続く35分には、敵陣22メートルラインでのラインアウトからBK陣でパスを展開。流経大のディフェンスを左右に揺らし、最後は山田がトライを決める。前半を無失点で抑え、36―0で試合を折り返す。(写真:ゲインを切るナンバーエイト木戸大士郎(文3=常翔学園)) 後半も明大が主導権を握り続ける展開となった。4分、敵陣15メートル付近でのマイボールラインアウトから左側にパスを展開。伊藤耕からの巧みなキックパスを受け取った山田がグラウンディング。「自分の強みを出すことができた」(山田)。紫紺デビューとなった山田が3トライを挙げ、意地を見せた。10分には、明大のパスミスで相手にボールが渡り、初失点を許す。しかし後半中盤、大幅なメンバー変更で試合の流れが変わった。伊藤龍之介(商1=国学院栃木)の的確な手さばきでパスの精度が上がり、21分には伊藤龍からボールを受け取った安田がグラウンディング。「みんながつないでくれたボールをしっかり取り切るということを念頭に置いていた」(安田)。30分台は両者ともにセットプレーを基盤とした試合を繰り広げる。しかし、その均衡を破ったのは流経大だった。試合終了間際、流経大ゴールライン付近でのモール。流経大にボールを奪われ、独走トライを許す。コンバージョンキックが終わると同時にホイッスルが鳴り、最終スコア58―12で試合を終えた。(写真:トライを決める山田) 激しい風雨の中でも、集中力を切らさず戦い抜いた明大。悪いコンディションの下で臨機応変に戦略を変更し、スキルだけでなく対応力でも差を見せ付けた。試合を通して目立ったのはFW陣の団結力。スクラム前に右ロック亀井茜風(政経4=長崎北陽台)がFW陣を鼓舞し、マイボールを勝ち取るシーンも見られた。「後ろからフロントローを盛り上げてつらい雰囲気にしないようにしていた」(亀井)。また今試合は多くの初紫紺の選手がメンバー入り。15人制では初紫紺となった海老澤は「自分の持ち味を出し切れなかったので、次は持ち味をもっと出したい」と次戦を見据える。フレッシュな紫紺戦士の活躍に今後も目が離せない。次戦は熊本県えがお健康スタジムで行われる伝統の一戦・明早戦。「早大には絶対負けられないので、この1週間で一番いい準備をして絶対に勝ちたい」(ゲームキャプテン・左ロック山本嶺二郎(法4=京都成章))。5年ぶりの王座奪還に向けて、廣瀬組の戦いはまだ始まったばかりだ。 [森口絵美理] 試合後のコメント山本――ゲームキャプテンとして意識したことを教えてください。「やはりリーダーシップを持っているメンバーが多くいるので、それをどうやってうまくまとめるかということをテーマにしていました。前半はもう少しうまくまとめられたら良かったとは思っていましたが、後半に入ってからはトライを取った後もしっかり話せてまとめることができたので良かったです」 ――個人的に良かったプレーを教えてください。「ラインアウトは自分が出ている間100%成功して、いいクオリティーを出せていたので、そこは良かったです」 亀井茜――試合中はコミュニケーションを取れましたか。「練習の時に比べたらできたと思いますが、まだFWの横のコミュニケーションなど全然足りてない部分はあります。またラインスピードを上げられていない部分もあったのでまだまだだなと思います」 ――次戦の意気込みをお願いします。「まだ東海との試合を見ていないのですが、モールが強かったという声を聞きました。今までの早稲田とは違って結構FWも強いですが、僕たちもサイズアップを目指してハイブリット重戦車ということで鍛えているので早稲田のFWを圧倒したいです」 伊藤耕――今日の試合を振り返っていかがですか。 「雨と風が強い中で、試合のコントロールが難しかったですが、FW、BK全員が前に出る意識があって良かったと思います」 ――ハーフタイム、ウォーターブレーク中に話したことを教えてください。 「比較的ゲームの内容は良かったので、あまりネガティブなことは言わずに雰囲気を盛り上げるというかこのままいい雰囲気でいられるような声掛けを意識しながらやっていました」 海老澤――今日の試合に向けて意識したことを教えてください。 「やはり1年生なので、消極的になってしまうこともあると思うのですが、それでは先輩たちに迷惑をかけてしまうので、いかに堂々とプレーできるか、先輩たちにいかに指示できるかということを考えてプレーしました」 ――上級生とのプレーはいかがでしたか。「先輩方みんなが優しくて、ミスした時もみんなカバーしてくれたので、とても心の支えになりました」 山田――どのような気持ちで試合に挑みましたか。 「自分にできることを精一杯やろうと思って挑みました」 ――今後に向けて意気込みをお願いします。 「今回の試合で見つかった反省をしっかりと修正して、これからもチームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいです」 安田――個人的なテーマを教えてください。 「自分はウイングで、トライを取り切る役割なので、しっかりとチームに勢いを付けられるようなプレーをするということが自分の中での目標でした」 ――次戦への意気込みをお願いします。「この春シーズンが一つの基準となって、次の対抗戦や選手権につながってくると思うので、早稲田には絶対負けられないです。だからそういう試合を勝ち切って、いい形で春シリーズを進めていきたいなと思っています」READ MORE -
Cチーム 流経大相手に100点ゲーム/練習試合
ラグビー 2023.05.06ゴールデンウィークの炎天下の中、明大八幡山グラウンドで流経大C戦が行われた。前半から明大の一方的な展開が続く。今日が初試合の1年生を含む多くの選手が活躍し、52―5で試合を折り返す。後半には流経大にチャンスを与える場面もあったが無事立て直し、最後まで明大のペースで試合を運ぶことに成功。最終スコアは106―17となった。 ◆5・6 練習試合(明大八幡山グラウンド)▼対流経大C戦 ○明大106{52―5、54―12}17流経大 前半は明大のトライから開始した。キックオフから間もなくスタンドオフ伊藤利江人(商1=報徳学園)が抜け出し、左ウイング川村心馬(法2=函館ラ・サール)がパスを受けてトライに成功。伊藤利のコンバージョンキックも決まり幸先の良いスタートとなった。その後も攻めの姿勢が崩れることはなく、明大のポゼッションがかなり高いまま試合は進む。前半5分には流経大ボールのスクラムに押し勝ち明大ボールのスクラムに。これを起点に左センター吉田輝雅(政経3=東海大相模)からゲームキャプテン・右センター石塚勝己(情コミ4=桐蔭学園)にボールが渡りそのままグラウンディング。「吉田輝雅がいい仕掛けをしてくれたのでそこに走り込んだ」(石塚)。25分にはトライライン手前の際どいタッチキックに成功し一気に敵陣へ攻め込む。相手のラインアウトミスも誘い敵陣22メートルラインでの明大ボールのスクラムとなった。絶好のチャンスを無事生かし右フランカー柳田治久(法4=明大中野)がトライを挙げる。前半36分に流経大に1トライを許すが自陣でも堅い守備を見せ、ターンオーバーから明大のチャンスにつながるシーンが目立った。 後半は開始1分にラインアウトを起点として山本文士郎(営3=明大中野)のトライがあったものの、前半に比べると相手に攻められ自陣でのプレーが増える場面も目立った。「司令塔として先回りすべき部分でできなかった」(伊藤利)。しかし相手にチャンスを与えてしまう場面も粘りのディフェンスでトライは許さず、後半も折り返しを迎える。20分を超えると明大ボールになる場面が増え、多くの選手が立て続けにトライを決める。24分にはマイボールスクラムからフルバック山川遥之(営2=尾道)がグラウンディング。「味方がつないでくれたトライなので、僕のトライというよりはチームのトライ」(山川)。35分にはインターセプトからルーキーの松岡風翔(政経1=大阪桐蔭)がトライを挙げた。37分にも渡邉陽平(商2=開志国際)が敵陣10メートルライン付近から左サイドを走り抜けトライ。最終的には106―17という大差で勝利することができ、100周年を迎える明大ラグビー部のいい駆け出しとなった。 夏日かつ強風の中で行われた今日の練習試合だが、追い風などを生かし快勝という結果で幕を閉じた。2~4年生はもちろん、多くの1年生が存在感を放ち、新体制の明大ラグビー部にも大きな期待が持てる。今日の勢いを止めないまま、春シーズン全勝優勝という目標に向かって躍進を見せてほしい。 [成田美彩子] 試合後のコメント石塚――ゲームキャプテンとして心掛けたことを教えてください。 「みんなの士気をあげるっていう点で自分は頑張ったかなって感じです。練習中もそうですけど暗くなってしまうところがあったので、そこは自分含め4年生で盛り上げようかなと思っていました」 檜山蒼介(情コミ1=尾道)――今日の試合を振り返っていかがですか。 「最初はいい流れで自分たちのやりたいラグビーができたんですけど、後半になって疲れが出てきたときに自分たちのやりたいことが出来なくなってしまってミスも多くなってしまいました。そういうところを改善していきたいなと思います」 ――明大での初試合は緊張しましたか。 「最初はすごく緊張していたんですけど先輩方や同期からの励ましの言葉を頂けたので、それがすごく気を楽にしてくれました」 伊藤利――アタック面を振り返ってみていかがでしたか。 「自分はステップが持ち味で練習中はあまり出せてなかったんですけど、今日は試合中に出せました。パスとかはまだ全然うまくできなかったんですけど、そこは直していけたらいいかなと思います」 山川――今日の試合は1年生がかなり活躍していましたが、2年生から見て今年の1年生はいかがですか。 「すごいと思います。負けられないなって感じです。毎年日本代表とかすごい選手が来る中で今後ポジション争いとかもやっていくと思うので、心強い部分もありますけど、やっぱり負けられないっていう部分も大きくあります」 松岡――セットプレーの調子はいかがですか。 「今年はフィジカルの部分でサイズアップをテーマにやっているのでフィジカルが上がって、セットプレーでいいところを見せられたのではないかなと思います」 READ MORE -
準決勝で筑波大に敗戦 大会史上初の5連覇逃す/第24回東日本大学セブンズ
ラグビー 2023.04.10大会史上初の5連覇をかけて挑んだ第24回東日本大学セブンズ。1回戦、CHAMPIONSHIP1回戦と順調に勝利を収め準決勝進出を決めた明大。しかし、準決勝で筑波大のスピードを生かした攻撃に苦戦。最終スコア17―24で逆転負けを許し、悔しくも準決勝敗退という形で今大会に幕を下ろした。 ◆4・9 第24回東日本大学セブンズ(秩父宮ラグビー場) ▼1回戦 ○明大29{12―12、17―0}12東洋大 ▼CHAMPIONSHIP1回戦 ○明大57{26―0、31―0}0八戸学大 ▼CHAMPIONSHIP準決勝 明大17{12―0、5―24}24筑波大○ 今シーズン初の大会は悔しさの残る結果となった。初めは硬さもあり思うようなプレーができない部分もあったが、すぐに修正し1回戦の東洋大戦を勝ち切る。そのまま勢いに乗った明大は、CHAMPIONSHIP1回戦で八戸学大を0トライに抑え完封勝利を挙げ、CHAMPIONSHIP準決勝へと駒を進めた。そして迎えたCHAMPIONSHIP準決勝の相手は、昨年度の東日本大学セブンズCHAMPIONSHIP決勝で優勝を争った筑波大。「最初から飛ばして相手を打ちのめすという意味で『獰猛(どうもう)明治』をテーマに試合に臨んだ」(吉田輝雅・政経3=東海大相模)。そのテーマ通りに試合開始直後から明大が猛攻を見せ、前半2分に山村和也(商2=報徳学園)が先制トライを挙げる。さらに前半5分には、安田昂平(商3=御所実)がハーフウエーラインから相手ディフェンスの間を走り抜け独走トライ。「みんながいいボールをくれたので、最後トライまでつなげることができてよかった」(安田)。筑波大を相手に前半を12―0のリードする形で折り返した。この勢いのまま勝利をつかみたい明大であったが、そううまくはいかない。筑波大のセブンズらしさが光る裏へのキックを多用した攻撃により、後半1分、3分に立て続けにトライを取られてしまう。「プレーの切れ目で集中力が切れてしまいトライを許してしまった」(石塚勝己・情コミ4=桐蔭学園)。その後明大も意地を見せトライを取り返すも、筑波大の追い上げを抑えることができずさらに2トライを献上。最終結果17―24というスコアで悔しさ残る逆転負けを喫した。 大会史上初の5連覇を逃す結果となった明大であったが、新たな戦力である1年生の活躍が多く見られた。「すごくフレッシュで積極的にプレーしてくれていた」(ゲームキャプテン伊藤耕太郎・商4=国学院栃木)と4年生選手も1年生の活躍を高く評価。「全力でひたむきにプレーをして、大学日本一に貢献できるように頑張りたい」(海老澤琥珀・情コミ1=報徳学園)。頼もしい1年生も加わり新チームとなった明大が、春にどのようなプレーを見せてくれるのか。これからの活躍に期待が高まる。 [久保田諒] 試合後のコメント伊藤耕――今大会を振り返っていかがですか。 「連覇を目指していた大会で負けてしまったので悔しいです。ただ、下級生が多い中でとてもいいコミュニケーションが取れたので、春シーズンにつながるいい大会になったと思います」 ――弟の伊藤龍之介(商1=国学院栃木)のプレーはいかがでしたか。 「上手でした(笑)。とてもプレーしていて楽しかったですし、一緒にプレーできていい思い出になりました」 石塚――今大会を振り返っていかがですか。 「比較的1、2年生が多い中だったので元気よくできて良かったと思います。でも接戦の時に勝ち切れなかったことは反省点としてこれからのシーズン生かしていきたいなと思いました」 ――1年生の活躍はいかがでしたか。 「素晴らしかったです。とてもフレッシュで元気よく走ってくれたので、チームとしても元気になったし、とてもありがたかったです。このまま春シーズン、1年間を通して元気よくプレーしてもらえたらいいなと思います」 西川賢哉(政経4=桐蔭学園)――八戸学大戦を振り返ってみてどうでしたか。 「1年生のメンバーが多かったので、個々のスキルが強くて多い人からそれを出し切ろうという話をしました。それがしっかり出たかなと思います」 ――セブンズのために練習したことを教えてください。 「やはり切り返しのサポートのところはしっかり付こうという意識で練習してきました」 安田――準決勝を振り返っていかがですか。 「できていたところはできていたのですが、1人少なくなった状態で、急な展開に対応できずにトライされたり攻め込まれたりしてしまいました。そこは15人制でも変わらずに修正していきたいなと思います」 ――新体制となって初めての大会でしたが、良かったところと悪かったところを教えてください。 「悪かったところは、急な展開に臨機応変に対応できずに、いいところでトライをとられてしまったので、もっと試合中に選手間でコミュニケーションを取って、やり直していかないといけないなと思いました。明治として連覇ができなかったのは悔しいですが、しっかりプライドを持って試合に挑めたかなと思うので、それはよかったところです」 海老澤――準決勝を振り返っていかがですか。 「悔しかったです。やはり5連覇がかかっていて負けられない戦いだったと思うのですが、負けてしまったので悔しかったです」 ――明大に来てから今日までに強化した点があれば教えてください。 「大学生のレベルについていけるように体を鍛えました。僕は高校ジャパンに選ばれていないので、みんながアイルランドに行ってから残ってしまった時は、毎日ベンチプレスしたりスクワットしたりして、体を強化しました」 東海隼(情コミ2=光泉カトリック)――初めての東日本大学セブンズ大会はいかがでしたか。 「セブンズは未経験だったのですが、しっかりと練習で(セブンズを)経験している選手から色々教えてもらって、準備できたので良かったです」 ――具体的に受けたアドバイスを教えてください。 「山村が、戦術や自分の得意なプレーを理解しながらどんなプレーを仕掛けたらいいかを教えてくれました」 伊藤龍――今大会を振り返っていかがですか。 「前半はとてもいい試合をしていたので、このまま行けるかなと思っていたのですが、やはり筑波の気持ちの方が強かったし、自分は最後に少ししかボールを触れませんでした。1年後は、またここのレベルでフル出場できるくらいの実力をつけたいです」 ――春シーズンの目標を教えてください。 「これから春季大会が始まりますが、そこに少しでも出場したり、試合に絡んだりしていけたらいいなと思います。もっと先輩方ともコミュニケーションを取ったり、明治らしさという面で個人としては体を大きくし、スキルを上げるという面でトレーニングしていきたいなと思います」READ MORE -
石田組 大切な仲間とともに楽しく笑顔で終えた卒部試合/卒部試合
ラグビー 2023.02.064年生の卒部を祝うかのような暖かい天気にも恵まれ、終始笑顔が絶えない和やかな卒部試合が行われた。部の関係者や保護者が訪れ、4年生の卒部を見送る。各学年と試合を行い、FWとBKが入れ替わったポジションで行うなど新鮮な光景が広がった。今年1年間チームを支えてきた4年生 1年生戦では、先制トライを葛西拓斗(商4=流経大柏)が挙げ、角度が難しい中コンバージョンキックも見事に決め、歓声が湧く。その後、佐賀優真学生トレーナー(文4=国学院)がディフェンスを次々とかわし、2トライを挙げ、楽しく試合が終わる。トライを決める佐賀学生トレーナー 2年生戦は、「強度が上がった」(大賀宗志・営4=報徳学園)というように、試合序盤2年生のアタックが光る。試合終了間際、齊藤誉哉(文4=桐生一)が2年生たちにゴールラインまで担がれ、異様なトライを挙げた。2年生戦でも無失点に抑え、連勝する。2年生に担がれトライを決めた齊藤 続く3年生戦序盤は両者譲らない戦いが繰り広げられ、得点を許してしまう。それでも試合終了間際、4年生全員が最後の力を振り絞り、モールでゴールラインまで押し込み、石田吉平(文4=常翔学園)がグラウンディング。その後、4年生全員が石田を囲み、石田はコンバージョンキックを決め、4年間の集大成を飾った。試合を通して、15人ラインアウトやイモムシのように連なるラックなど、選手はもちろん観ている側も楽しませる素敵な試合となった。4年生に見守られながら最後のコンバージョンゴールを決める石田主将 「いい仲間にも巡り会えて、いい4年間を過ごせた」(石田)。試合終了後、4年生たちは八幡山グラウンドに集まった保護者に向け感謝の気持ちを伝えた。今シーズンは、チームスローガン〝AHead〟とともに前に進み続けた明大ラグビー部。来年度は創部100周年を迎える。石田組の想いも背負い、新チームが始動する。 [井垣友希] コメントはこちら→①・②READ MORE -
宿敵に悔しい敗戦 石田組の戦いが終わる/第59回全国大学選手権
ラグビー 2022.12.25ノーサイドの瞬間、歓喜に沸いたのは臙脂(えんじ)だった。負けたら終わりの全国大学選手権準々決勝。明大は早大相手に14―13と1点リードで試合を折り返す。迎えた後半、早大に逆転を許してしまう苦しい展開に。最後まで逆転を信じ戦い続けるも1トライ差及ばず敗戦。正月越えを逃し、石田組の戦いは幕を閉じた。 ◆12・25 全国大学選手権(秩父宮ラグビー場)▼対早大戦 明大21{14―13、7―14}27早大○ 0-7で迎えた前半20分、16フェイズに及ぶ長い攻撃の末、最後は右センター齊藤誉哉(文4=桐生一)がディフェンスを3人かわしトライ。「ボールを持ったら強いプレッシャーをかけようと思っていた」(齊藤)。その後早大にPG(ペナルティーゴール)を2本決められるも、前半終了間際、敵陣ゴール前のラインアウトからモールを組むとその横をフッカー松下潤一郎(法3=筑紫)が抜けグラウンディング。左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)がコンバージョンキックを決め逆転に成功し、1点リードで前半を折り返す。 迎えた後半、先に動いたのは早大。序盤にフロントロー2枚を変え勝負に出てくる。すると明大は前半優勢だったスクラムで2回連続反則を取られ攻め込まれてしまう。その好機を早大が逃さず逆転に成功。さらに次の攻撃で宮尾にインターセプトされ独走トライを許し、14―27と突き放される。それでも負けたら終わりの明早戦。「相手のスクラムを壊してもう一度明治に流れを持ってくる」(紀伊遼平・営4=桐蔭学園)。明大もフロントロー3枚同時に変えチャンスを伺う。すると後半28分、敵陣5メートルで反則を奪うと明大はスクラムを選択。コラプシングを奪いもう一度スクラムへ。ボールを出し攻め続け、早大がオフサイド。そしてそこでもスクラムを選択。「自分たちのプライド、スクラムで勝たないと明治のアタックは始まらない」(大賀宗志・営4=報徳学園)。〝縦の明治〟の威厳に懸けまっすぐ押し続け認定トライを奪取。「今シーズンで一番いいスクラムを組めた」(紀伊)。FW陣の力で逆転のムードを高める。 残り10分、明早共に激しい攻防に息をのむ展開が続く。最後まで逆転を狙う明大。終了間際、ボールを左ウイング石田吉平主将(文4=常翔学園)に託す。得意のステップで切り裂き前へ。しかし相手の激しいタックルを受け、ボールは早大主将・相良にわたる。そのボールを蹴り出されノーサイド。4年ぶり大学日本一を狙った明大だったが、まさかの正月越えさえも逃す結果に終わった。 「みんな一番いいプレーをしていたのに勝たせてあげられなかったのは自分の責任」と敗北を一心に背負った石田。しかし1年間、誰よりも練習し背中で引っ張ったのは石田だ。明大の主将として誰よりもチームのことを考え鼓舞し続ける。そんな石田の姿を見ていた選手たち。副将・齊藤も常に「石田を胴上げさせたい」と言い続けた。そんな誰からも慕われ、明大らしくひたむきに戦い続けた石田。その勇姿は決して忘れない。そしてその姿を後輩たちが受け継ぎ、悲願の大学日本一へと突き進む。明大ラグビー部100年目の戦いはすでに始まっている。 [牛嶋淳太郎] コメントはこちら→①、②、③READ MORE -
4年生の活躍で宿敵・早大の猛攻制し 選手権につなぐ/練習試合
ラグビー 2022.12.194年生が主体となり「後悔だけしないように、チャレンジができて楽しかったと思えるようにしよう」(右ウイング杉本大雅・文4=国学院久我山)と挑んだ今試合。4年生の熱い思いがグラウンドで光り、大学選手権(以下、選手権)につなぐ戦いが繰り広げられた。 ◆12・18 練習試合(会場非公開)▼対早大B戦 ○明大42{21―7、21―19}26早大 試合が動いたのは、前半3分。敵陣22メートルライン付近のマイボールラインアウトからモールを形成。FWの力で押し切りフッカー渡邊元隆(政経3=筑紫丘)が先制トライを挙げる。早大の激しいアタックでなかなか敵陣に入り込めない展開になるも前半13分、スタンドオフ土肥恵太(政経4=秋田工)が敵陣深くゲインし、最後は右フランカー最上太尊(商1=仙台育英)がグラウンディング。その後明大のミスで相手に得点のチャンスを与えそうになるが、体を張ったディフェンスで試合の流れは渡さなかった。前半37分には敵陣10メートルライン付近のマイボールラインアウトから渡邊が2本目のトライを挙げるが、すぐに早大に得点を許してしまう。「シンプルにもっとアタックをすれば問題ない。しょうもないミスが重なっていたので、やってきたことをしっかり出そう」(左プロップ葛西拓斗・商4=流経大柏)。前半終了間際、葛西など4年生がチームを鼓舞する場面も見られた。「最後は取られたが3トライできていい形だった」(ゲームキャプテン・スクラムハーフ丸尾祐資・商4=報徳学園)。前半は明大ペースで試合を展開していき、21―7で折り返す。 後半でメンバーを一掃した明大はミスが目立ち、同点に追いつかれてしまう。それでも後半22分、早大の粘り強いディフェンスを押しのけ、空いたスペースに青木大輔(法2=明大中野)がトライ。しかし3分後、明大のペナルティーから早大に得点を与える。そんな中、前半出場していた4年生の姿が再びグラウンドに現れ、チームが次第に活気付いていく。後半33分、敵陣10メートルラインから早大のラインアウトをスチール。そこからパスを右に展開し、杉本がグラウンディングしたかと思われたが相手のタックルでタッチラインから出てしまう。だが、相手のハイタックルによりペナルティートライとして認められる。「運を拾うことができた」(杉本)。後半43分には、土肥のパスから左ウイング關根瑞己(商4=明大中野)がインゴールにダイブ。「今日はトライを取ろうと意気込んでやってきて、土肥がすごく良い仕掛けをしてくれた。今までのトライで一番良かった」(關根)。土肥も今試合全てのコンバージョンゴールを決め、42―26で今年度最後の練習試合の幕を下ろした。 試合を通して、宿敵・早大相手に意地の張り合いが多く見られた。「4年生というプライドを見せられた。最後早稲田というライバルに対して、80分間徹底して一貫性のあるプレーをやり抜けた」(土肥)。4年生の選手は、この試合が最後の選手も多くいるだろう。「(試合に)出場している4年生が多くて、今日が最後という人もいたので、とても気持ちが入っていた」(左ロック古庄竜也・情コミ4=中部大春日丘)。4年間切磋琢磨(せっさたくま)し合った仲間と思いを一つに、今までやってきたことをプレーで体現する姿は感動を与えてくれた。試合が終わった後の選手たちの笑顔がとてもすがすがしかった。「なかなか4年生中心に組めることがないので、思い出に残る楽しい試合だった。最後早稲田に勝てたのもうれしい」(丸尾)。クリスマスには、選手権・早大戦を控えている。今試合でチームがさらに勢い付いた明大。これから日本一に向け、負けられない戦いが始まる。[井垣友希] 試合後コメント丸尾――今年度最後のB戦でしたが、1年を振り返るといかがですか。 「競争がしっかりできて春も負けた試合はありましたが、いい課題を持って夏に臨めました。夏は体調不良者が出て合宿が厳しい状況での活動になりましたが、それでも活動を止めず協力しあって冬まで来られたので、層の厚さが明治の強みだと思いました。1年を通じていい感じできていると思います」 葛西――今年度最後の練習試合でしたが、特別に懸ける思いなどはありましたか。 「いつもこの時期の試合は、メンバーに絡んでいない4年生は最後の試合という位置付けで、そのような気持ちで臨んでいると思います。でも、僕自身としてはこれが最後の試合とは思っていなくて。僕はメンバーに絡んでいないですが、けが人が出たときや何かあったときに100パーセントの力が出せるように、この1年間の一つの試合としか思っていないです。残り3試合、試合に出る出ない関係なく、チーム全員で勝ちにいきたいです」 古庄――早大と戦ってみていかがですか。 「どのカテゴリーでもライバルはライバルなので、今日は勝って大学選手権につなげようとしていました。勝てたので、次の早稲田戦に向けてつなげられたと思います」 土肥――今試合を振り返ってみるといかがですか。「前半はやはり自分たちのいいアタックをして、ディフェンスに関しては少しスペースが空いてしまって良くない部分もありました。後半は入りが悪くて一時同点にされたのですが、最後4年生が入って4年生の意地というものを出せたと思います」 關根――今日の試合に込めた思いを教えてください。 「恐らくラストの試合になるだろうという感じだったので、もう4年間今までやってきたことを全て出すことです。4年生でメンバーを固めていただけたので、とにかく楽しもうと決めて、ラグビーを楽しむことも意識してやりました」 杉本――今試合の個人的なテーマを教えてください。 「もしかしたら僕のラグビー人生最後の試合かもしれないので『杉本大雅』を体現するというのを意識していました。具体的には流れをまず掴み僕が流れを作って会場を沸かす。あとは、細かいところを徹底するということです。ラグビーをやって培ってきたことを体現しようというのを意識して、今日は取り組みました」READ MORE -
9年ぶりの国立競技場開催 伝統の一戦で宿敵下す/関東大学対抗戦
ラグビー 2022.12.05関東大学対抗戦(以下、対抗戦)最終戦・早大戦が9年ぶりに国立競技場で行われた。試合序盤は明大が流れを引き寄せ、一気に3トライを奪う展開に。しかしその後、早大が粘りを見せ1トライ差で試合を折り返す。後半では苦しむ時間も多かったものの、明大の意地を見せて見事勝利。宿敵・早大を下し、伝統の一戦を制した。 ◆12・4 関東大学対抗戦Aグループ(国立競技場)▼対早大戦 ○明大35{21―14、14―7}21早大 9年ぶりに国立競技場で行われた伝統の一戦。会場には約3万5千人の観客が訪れ、試合に熱狂した。最初にゲームを動かしたのは明大。試合開始直後、ラック横からスクラムハーフ萩原周(商3=大阪桐蔭)が抜け出し、フッカー松下潤一郎(法3=筑紫)がさらに押し込む。最後はスタンドオフ伊藤耕太郎(商3=国学院栃木)のパスに反応した右センター齊藤誉哉(文4=桐生一)がそのままインゴールに入りグラウンディング。「(伊藤)耕太郎がいい仕掛けをしてくれた」(齊藤)。まずは副将が試合を盛り上げる。続いて前半7分、自陣22メートルラインで左ウイング石田吉平主将(文4=常翔学園)がジャッカルで反則を誘い敵陣に侵入する。明大ボールのラインアウトを起点にフェーズを重ねると最後は左センター廣瀬雄也(商3=東福岡)のパスを受けた取った石田がトライを演出した。「全員が前に出てくれて(得点を)取れた」(石田)。試合開始10分で一気に2トライを決め、試合の流れをつかむ。その後、25分にも伊藤耕が相手を引き付けスペースをつくると、フルバック安田昂平(商2=御所実)がボールを受け取り得点を重ねた。勢いに乗る明大だが、その後に早大が前半終了間際でトライを演出するなど粘りを見せ、21―14で試合を折り返す。 1トライ差で始まった後半。大事な最初の得点を決めたのは明大だった。後半開始3分、ハーフウエーライン付近で齊藤がインターセプトを決めると、そのまま一気にゴールラインへ走り込む。「ボールが浮いていたところにしっかりと入れて良かった」(齊藤)。しかし、簡単にはいかないのが明早戦。その後はミスが続き膠着(こうちゃく)状態が続く。そして早大に追加点を許し、28―21で迎えた32分。敵陣ゴール前での明大ボールラインアウトでチャンスをつくる。左に展開していき徐々に前へと進むと、最後は勢いよく走り込んだ池戸将太郎(政経3=東海大相模)がトライ。「あまりトライをするプレースタイルではないが、あの時は自分で行こうと思って行った」(池戸)。この得点が勝利を決定づける。その後、14人でのプレーとなる場面があったが「気合でやるしかない」(池戸)。必死のディフェンスで早大の勢いを食い止め、最後はターンオーバーしボールを蹴り出してノーサイド。終盤での苦しい戦いを制し、見事伝統の一戦で勝利をつかみ取った。 「自分たちの代の早明戦は特別なもので、勝ったことは誇らしい」(大賀宗志・営4=報徳学園)。今試合の結果により対抗戦2位となった明大。次戦には12月25日に行われる全国大学選手権準々決勝が控えており、東洋大と早大の勝者と対戦する。「次から負けられない戦いになるので一戦必勝で頑張りたい」(左プロップ中村公星・情コミ4=国学院栃木)。日本一まであと3戦。本番はまだまだこれからだ。 [安室帆海] 試合後のコメントまとめはこちら→①、②READ MORE
特集記事 SPECIAL
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【ラグビー部】ONE MEIJI
「日本一の集団を作る」(廣瀬雄也主将・商4=東福岡)。今年度、創部100周年を迎える明大ラグビー部。その大きな節目の年に、もう一度強い明治を体現し5年ぶりの王座を奪還すべく、掲げたスローガンは『ONE MEIJI』。選手、スタッフ、ファン全員が一つのチーム〝MEIJI〟となり日本一を目指す。本企画では廣瀬組の日本一までの軌跡を追っていく。READ MORE -
【ラグビー部】AHead
いざ、4年ぶりの王座奪還へ。昨年度の全国大学選手権では準優勝とあと一歩及ばなかった。「しっかりと頂点だけを見つめる」(石田吉平主将・文4=常翔学園)。掲げたスローガンは『AHead』。チーム一丸となり、もう一度大学日本一を取り戻す。本企画では石田組の優勝までの道のりを追っていく。READ MORE
アルバム ALBUM
部の紹介 INTRODUCTION
長きにわたって大学ラグビー界を牽引(けんいん)してきた名門。故・北島忠治監督が掲げた〝前へ〟を部訓とする。これまで〝重戦車〟と呼ばれる強力FW陣を武器に幾多の名勝負を繰り広げてきた。特に12月の第1日曜日に行われる対抗戦最終戦・早稲田戦は〝明早戦〟と呼ばれ、日本ラグビー界を代表する伝統の一戦とされる。1990年代まで12度の大学選手権優勝を果たすなど黄金期を築いた。しかし、北島監督が亡くなってからチームは低迷期を迎える。1997年シーズンを最後に日本一から遠ざかっていたが、2018年シーズンにようやく日本一を奪還。常勝軍団としての地位を取り戻した。