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今季3位 試合動かず/東京六大学秋季フレッシュトーナメント
硬式野球 2023.11.03これまで、早大戦での惜敗、続く立教戦では最終回での勝ち越しとなかなか有利な試合運びができなかった明大。昨季のフレッシュトーナメント王者として、これ以上の敗戦は許されない状況にあった。先発マウンドを春季リーグ戦以降出番のなかった菱川一輝投手(文2=花巻東)に託し、打順を大幅に変更して試合に臨んだ。 (明)菱川、松本直、郷原、毛利―福原、中村(法)古川、針谷、永野―土肥【安】(明)7(法)8【二】(明)友納(1回)(法)佐藤拓(5回)、土肥(6回) ◇併殺2 ◇残塁8 ◇盗塁1 友納(4回) ◇犠打1 今井(3回) 初回のマウンドに上がった菱川は、146キロの直球で気迫を見せるも、変化球を捉えられ失点。1死満塁のピンチで2ボール1ストライクから犠飛を放たれ、痛い先制点を献上した。しかしその後は追加点を許さず、4回を投げ被安打4と球数は多いものの最小失点で投げ切り、後続の投手にマウンドを託した。 いきなり先制点を奪われ、明大打線も黙ってはいなかった。2回裏にすぐさま7番・岸本一心外野手(文1=横浜)、8番・瀨千皓外野手(営2=天理)、9番・福原聖矢捕手(国際1=東海大菅生)の3連続安打で好機を演出すると、2番・吉田匠吾内野手(文2=浦和学院)が同点に追いつく右前適時打を放つ。今大会全ての試合がビハインドゲームの中、試合を振り出しに戻した。 明大は4回表以降、1年生右腕の松本直投手(情コミ1=鎌倉学園)、早大戦でも登板した郷原怜大投手(文2=東京都市大付)、毛利海大投手(情コミ2=福岡大大濠)ら3人が1イニングずつの継投でつないだ。四球や安打などで得点圏に走者を抱えるも、要所をしっかりと抑え無失点。6回表に迎えた1死三塁の危機では、あわやセンター前の打球を友納周哉内野手(文1=福岡大大濠)がダイビングキャッチの美技を見せ脱出。相手の追加点を許せない状況でもバックに支えられながら、裏の攻撃に望みをつないだ。しかし6回裏、そして最終回となった7回裏の攻撃でも走者を生還させることはできず、2時間の制限時間を超過しコールドゲーム。両者一歩も譲らないまま試合が終了し、明大は今大会を3位の成績で終えることとなった。 [松下日軌]READ MORE -
鮮やかな逆転勝ちで立大に勝利/東京六大学秋季フレッシュトーナメント
硬式野球 2023.11.02第2戦は立大と対戦。3回裏に先制点を献上するも、次の回にすぐさま若狭遼之助外野手(商1=星稜)の適時打で追いつく。9回表、宮崎雄太外野手(営2=明治)の適時打と福原聖矢捕手(国際1=東海大菅生)の犠飛で勝ち越しに成功。投手は井上仁投手(政経2=明大中野八王子)、三浦心空投手(政経1=東邦)が立大を4安打に抑える好投で、流れを渡さなかった。(明)井上、○三浦―福原(立)佐山、加門、●平本―大山、北田大【安】(明)4(立)4【二】(明)今井(6回) ◇併殺2 ◇残塁9 ◇犠打1 福原(9回)◇失策0 先発した井上は好投を続けるも、3回裏に小原大毅内野手(立大)に安打を許すと、自らの暴投で痛い1点を献上した。「すぐに反撃をしよう」という声がグラウンドに響く中迎えた4回表。岸本一心外野手(文1=横浜)が四球で出塁し、反撃の糸口を手繰り寄せる。1死一塁で打席に入った吉田匠吾内野手(文2=浦和学院)は、9球粘った末に気迫の出塁。気迫でもぎ取った好機を、若狭の右前適時打でモノにした。投手は6回裏から三浦が登板。7回裏には先頭打者に安打を許すが、続く西川侑志外野手(立大)の打球を友納周哉内野手(文1=福岡大大濠)がダイビングキャッチし併殺を奪う。守備にも助けられ、法大打線を封じ込めた。 5回以降は走者が出ても本塁になかなか迎えられずにいた明大。1―1の均衡は、最終回に破れた。先頭打者の友納が安打で出塁すると、球場のボルテージが一気に高まる。続く八谷晟歩内野手(政経1=浦和学院)は初球で死球を食らうも、チャンスが広がったと拳を強く握った。無死一、二塁として代打・宮崎が右前に適時打を放つ。フレッシュトーナメントは学生コーチが監督を努めるのも特徴だが、〝監督〟の采配が見事に的中し、土壇場での勝ち越しに成功した。その後も福原の犠飛でさらに得点を重ね、3―1と点差を離しそのまま逃げ切った。 両チームに活気があふれ、ベンチからの盛んな掛け声や、スタンドから見守る上級生の声援が印象に残った。3チームが1勝1敗で並んだため、順位は総失点数で決められる。明大の総失点は2試合で6。立大の総失点5には一歩届かず、ブロック2位で次の3―4位決定戦に臨むことが決定した。紫紺の血を受け継ぐ者たちの新章はまだまだ続く。 [橘里多]READ MORE -
4点差惜敗 出塁17も実らず/東京六大学秋季フレッシュトーナメント
硬式野球 2023.10.31秋季リーグ戦、続いてドラフト会議が終了し、次世代の若猪たちの戦いが始まった。秋季リーグ戦でも活躍した吉田匠吾内野手(文2=浦和学院)、宮田和弥内野手(商2=横浜)らを筆頭に、試合は有利に進むかと思われた。しかし明大は9回を通じて、安打7本ながら得点はわずかに1。秋季リーグでは登板のなかった投手陣も連打を浴びるなど計5失点に終わり、1-5と秋季リーグ戦で勝ち点を奪った早大を相手に悔しい敗北を喫した。 (明)●毛利、郷原、三浦―中村(早)○宮城、伊藤裕、石田、倉光―吉田【安】(明)7(東)9【三】(明)友納(3回)【二】(明)三輪(6回)(早)田村(5回)、石郷岡(5回)、吉田(7回) ◇併殺1 ◇残塁13 ◇犠打1 宮田(4回)◇失策1 明大は毛利海大投手(情コミ2=福岡大大濠)が先発マウンドに上った。140キロ台前半の直球で打者を押し切り、内野ゴロとフライアウトで立ち上がりは上々。しかし打者が2巡目を迎えたあたりで直球が徐々に捉えられ始め、5回裏には1死から2本連続で二塁打を浴び失点。続く6回裏からは、5回3失点の毛利に代わって郷原怜大投手(文2=東京都市大付)が登板した。140キロの直球と130キロ台中盤の鋭い変化球、110キロの緩い変化球などで力投したが、死球から2連打で失点は2。走者を抱え厳しい状況ではあったものの、緩い変化球などを効果的に用いてなんとか危機を脱したかったところだ。最後となった8回裏の投球は三浦心空投手(政経1=東邦)が担った。140キロ台中盤の直球と変化球を武器に、打者の懐を果敢に攻める投球で明大投手陣の継投を締めた。 だが大局的に見て、変化球の制球の乱れから直球に狙いを絞られ、痛打を浴びる場面が散見された。直球で抑えられるポテンシャルを持つ投手がそろっているからこそ、直球を生かせる変化球の精度を高めていきたい。今大会を含め来春までの約半年間で、大きな成長を遂げた投手陣の姿に期待だ。 攻勢では、明大打線の前に1年生左腕・宮城誇南投手(早大)が立ちはだかった。四球などで度々攻撃の糸口をつかむも、外角からゾーンの外へと逃げる変化球に翻弄(ほんろう)され、打線の調子はいまひとつ。5回までで8残塁とチャンスをモノにできず悔しい状況が続いた。しかし6回表の攻撃、4番に座る瀨千皓外野手(営2=天理)が死球で出塁すると、5番・三輪拓未内野手(文2=常総学院)が左翼線を破る二塁適時打で辛くも初得点。今井英寿外野手(政経2=松商学園)が強烈な当たりを放つも、打球は三塁手のグラブへと収まった。以後、明大打線は得点圏に走者を送るもなかなか一本が出ず、試合を通じての得点はこの1点のみに終わった。 度々チャンスを演出するも、4点差を覆せず力尽きた明大。だがトーナメント優勝こそ遠のいたものの、優勝だけがチームの目標ではないことはもはや言うまでもない。限られたチャンスの中で選手それぞれが自身の課題を見つけ、来春のリーグ戦に向けて磨きをかけていきたい。 [松下日軌]READ MORE -
上田、石原、村田が指名を受ける/プロ野球ドラフト会議
硬式野球 2023.10.26今年度も明大からプロ野球選手が誕生した。進路を決める運命のドラフト会議。上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)が千葉ロッテマリーンズから1位指名を受けた。これに続いて石原勇輝投手(商4=広陵)が東京ヤクルトスワローズから3位指名、村田賢一投手(商4=春日部共栄)も福岡ソフトバンクホークスから4位の指名。これで明大からのプロ入りは14年連続となり、史上最長記録を更新した。[松下日軌] ◆上田 希由翔(うえだ・きゅうと)国際4、愛産大三河、183センチ・93キロ◆石原 勇輝(いしはら・ゆうき)商4、広陵、180センチ・85キロ◆村田 賢一(むらた・けんいち)商4、春日部共栄、181センチ・90キロPowered by Froala EditorREAD MORE -
今季最終戦 4年エースの貫禄リレー/東京六大学秋季リーグ戦
硬式野球 2023.10.23法大に逆転勝ち。2点ビハインドの4回表に斉藤勇人外野手(文4=常総学院)、榊原七斗外野手(情コミ1=報徳学園)の適時打で同点とすると、7回裏にも2点を追加し逃げ切った。投げては6回表からリリーフした浅利太門投手(商3=興国)が今季2勝目。法大との対戦成績を2勝1敗とし、勝ち点を4に伸ばした。 (明)村田、◯浅利、蒔田、石原―菅原(法)吉鶴、武冨、丸山、●古川、尾﨑―吉安【安】(明)11(法)5【本】(法)中津(1回)【三】(明)上田(7回)【二】(明)宗山(7回)◇犠打2 木本(4回)、榊原(6回) ◇残塁8 ◇盗塁0 ◇失策1 前日の敗戦により優勝の可能性が完全に消滅した明大にとって、この日が今季ラストゲーム。3日後にドラフト会議を控える村田賢一投手(商4=春日部共栄)は5回2失点にまとめた。優勝の可能性が消えていることもあるが、初回に2番・中津大和外野手(法大)に先制のソロを浴びて以降目立ったのは大胆さ。例えば前回先発した慶大3回戦ではスライダー系を多用する慎重な配球に終始したのに対し、この試合では直球が生きた。球場表示で最速145キロまでスピードが戻った直球に110キロ台のカーブを合わせ、ゾーンの奥行きを使った。以前までの支配感はなくとも、今の状態でできるベストを尽くした村田。3回裏の1失点も味方のミスが絡んだものでやむを得ないだろう。 打線はチーム本来の形が最終戦にして見えた。同点の7回裏、2死から3番・宗山塁内野手(商3=広陵)が右翼線を破る二塁打で出塁すると、続く上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)の三塁打で宗山が生還。5番の木本圭一内野手(政経2=桐蔭学園)も続き2点を勝ち越した。中軸が今一つつながりを欠き、結果ロースコアの接戦が増えた今季。リーグ戦前半でこの状態に持っていきたかった。ただし3年の宗山、木本らは来季もチームに残る上、小島大河捕手(政経2=東海大相模)ら打線の構成は見通しが立つ。シーズンに向けたピークシフトが重要になるだろう。 この試合をもって秋季リーグ戦は終了。9勝4敗、勝ち点4。早慶戦を残すものの単独2位に浮上した。足の状態に不安がある上田や調子を落とす村田ら、ベストオーダーが組めないながらも満身創痍(そうい)で戦い抜いた。今後はリーグ戦終了後に行われる秋季フレッシュトーナメント終了の後、オフシーズンを迎える。 [上瀬拓海]READ MORE -
4連覇の夢、露と消える/東京六大学秋季リーグ戦
硬式野球 2023.10.23法大に敗れ、優勝の可能性が消滅した。打線は1回裏、打者一巡の猛攻で4得点を挙げ、試合の流れを一気に引き寄せる。投げては石原勇輝投手(商4=広陵)が順調な立ち上がりを見せるも、4回表に投手陣が捕まった。犠打を挟み7連打を浴び、石原はノックアウト。その後の投手陣は粘りの投球を見せるも、1回裏以降繋がらない打線が痛手となった。 (明)石原、●髙須、久野、大川、浅利、村田―小島河、菅原(法)尾﨑、武冨、○塙―吉安【安】(明)9(法)12【三】(法)武川(4回)【二】(明)木本(1回)、小島河(1回)、堀内(6回)(法)今泉(4回)、姫木(4回)、中津(8回) ◇犠打1 飯森(4回) ◇併殺1 ◇残塁8 ◇盗塁1 飯森(4回) 初回から試合が動く展開となった。1回表、四球から好機を広げると上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)、木本圭一内野手(政経2=桐蔭学園)、小島大河捕手(政経2=東海大相模)の3連続適時打で幸先よく先制。2回裏にも、堀内祐我内野手(文4=愛工大名電)、宗山塁内野手(商3=広陵)が安打を放つと、上田の内野ゴロの間に走者が生還し2回までに5得点。一方的な試合運びで、このまま明大が逃げ切るかと思われた。しかし、序盤は好投を続けていた石原が4回表にまさかの炎上。5連打を許し、3―5と2点差に迫られる。ここで明大は投手を髙須大雅投手(法2=静岡)にスイッチ。悪い流れを断ち切りたい所だったが、武川廉(法大)に左中間を深々と破る適時打を浴び、逆転を許した。法大打線は勢いが止まらず、1死三塁の状況で髙須に代えて久野悠斗投手(商2=報徳学園)が登板。中津大和(法大)に捉えられるも、打球は木本のグラブの中へ。窮地をバックに救われる形となり、この回を終えた。 反撃の機会を伺う明大。しかし、4回裏から登板した塙雄裕(法大)のさえわたる投球に阻まれ、なかなか好機を演出できない。8回裏には小島が遊撃手の暴投で出塁するも、代打・岸本一心外野手(文1=横浜)がピッチャーライナーの併殺に倒れた。6回表からは大川慈英投手(国際2=常総学院)が、奪った7つのアウトのうち5つは三振で抑える好投球を見せた。しかし8回表に登板した浅利太門投手(商3=興国)が四球からピンチを広げ3失点。優勝へのいちるの望みが遠のき、浅利は天を見上げた。最終回は満を持して登板した村田賢一投手(商4=春日部共栄)がマウンドに立つ。慶大戦で厳しい登板となった村田だが、1イニングを無失点に抑え復調の兆しを見せた。 優勝のためには法大戦での2連勝が絶対条件だった。負けてはいけない一戦を落とし、ナインには暗い雰囲気が漂っていた。試合後にはしばらく顔を落とし、うずくまる選手も。優勝への道のりは想像以上に険しく、課題が浮き彫りになった試合となった。 [橘里多]READ MORE -
攻撃の手緩めず9安打 優勝の望みつなぐ/東京六大学秋季リーグ戦
硬式野球 2023.10.211戦でも落とせば優勝の望みは霧散。首の皮一枚という緊張感の中、先発マウンドには蒔田稔投手(商4=九州学院)が上がった。6回92球を投げ、盤石の投球でリードを守った蒔田は2年生投手陣へとバトンパス。攻勢では2・4・6の偶数回にいずれも得点し、下位打線の演出力も目立った。5-2で法大1回戦を制した明大は、明日の第2戦に臨む。(明)○蒔田、久野、大川―小島河(法)●吉鶴、塙―吉安【安】(明)9(法)5【三】(明)飯森(6回)【二】(明)木本(7回)(法)武川(6回)、浦(9回) ◇残塁9 ◇犠打4 木本(2回)、小島河(2回)、蒔田(4回)、久野(8回) 法大の失策で2点を先制した明大は、4回表に再び追加点のチャンス。6番・小島大河捕手(政経2=東海大相模)が変化球を捉え左翼へ安打を放つと、7番・斉藤勇人外野手(文4=常総学院)が打席で粘りを見せ安打で続く。1死一、二塁の好機で打席に入った8番・榊原七斗外野手(情コミ1=報徳学園)がこの日2本目となる安打を放ち、小島、斉藤、榊原の三連打によって3-0と点差をさらに拡大させた。 6回表、投手の好投に応えるように、この頃打率が伸び悩む2番・飯森太慈外野手(政経3=佼成学園)からうれしい一本が飛び出した。この回先頭の榊原が中堅に打球を弾き返し、3打数3安打の猛打賞でチャンスを演出。堀内祐我内野手(文4=愛工大名電)が冷静に四球を選び、2死一、二塁で打席には飯森。カウント2ボールから外角の変化球を振りぬき、打球は左翼線へ。快足を飛ばした勢いそのままに飯森は三塁へと突入し、今季の不調を払拭する2点適時三塁打を飾った。 投げては今季、1回戦での先発起用が初となる蒔田が好投を見せる。前節の慶大戦で不振に終わった村田賢一投手(商4=春日部共栄)に代わり、大事な一戦を任された。2回裏には西村友哉外野手(法大)の強烈なピッチャー返しでひやりとする場面もあったが、6回裏終了までに被安打3無失点と上々の内容。また2死球含む3四死球を記録も、打者のインコースを果敢に攻めつつ安定したマウンドさばきで、まさに〝蒔田らしい〟投球だったと言える。7回からは久野悠斗投手(商2=報徳学園)、9回は抑えとして大川慈英投手(国際2=常総学院)が登板。バッテリー間のミスなどで2失点を負うが、最終的には5-2と試合を締めくくった。 前節の慶大戦で勝ち点を落とし、自力での優勝は諦めざるを得なくなった明大だったが、リーグ戦4連覇に向けなんとか優勝の望みをつないだ。また昨季と比較し、今季の打撃面での戦術はやや控えめとも感じられる。〝MU砲〟という大きな戦力が不調の今、明大の『粘り強い野球』は最後に真価を発揮するだろうか。 [松下日軌]READ MORE -
自力V消滅 散発5安打力尽く/東京六大学秋季リーグ戦
硬式野球 2023.10.16慶大に完封負け。負ければリーグ戦4連覇絶望となる大一番、明大は中1日で村田賢一投手(商4=春日部共栄)を先発に立てたが初回に4点を献上。打線も5安打無得点と沈黙し、2回表以降は三塁すら踏めなかった。この結果明大の自力優勝が消滅。かろうじて他力での優勝の可能性をわずかに残すものの、リーグ戦制覇は大きく遠のいた。(明)●村田、石原、大川、久野―小島河(慶)○外丸―宮崎【安】(明)5(慶)9【二】(慶)宮崎(3回)、水鳥(5回) ◇残塁4 ◇犠打0 ◇失策0 両軍後がない3回戦。1回戦では3回5失点で降板した村田が再び先発した。初回、2死一、二塁から5番・宮崎恭輔捕手(慶大)に対して、内角のツーシームで追い込むも最後はわずか浮いた同じ球をレフト前に落とされ、これがそのまま決勝点に。打ち込まれた1回戦から配球を変え、上位に右打者が並ぶ慶大打線に対し外角のスライダー系を多用したが、好調時の制球力はなく結局1回4失点で降板。追い込む過程は悪くなく、最後の変化球は見逃せばボールとも見える球だったものの、打球がヒットゾーンに落ちたことに万策尽きた感があった。相手先発・外丸東眞投手(慶大)の存在を考えれば、8番の斎藤快太内野手(慶大)に浴びた4点目の適時打が痛かった。 打線は初回に失った4点を返せなかった。ロースコアの接戦が増えた今季。左打者を8人そろえた明大だが、外丸が投じる外角のツーシームと内角の直球のコンビネーションに最後まで苦戦。さらに内角に切れ込むスライダーを打たされ、球数を稼ぐこともできなかった。5点を追う8回表、走者を溜めたい終盤もたった5球で三者凡退。最終回の先頭・飯森太慈外野手(政経3=佼成学園)の四球も、この日二つ目となる併殺で生かせなかった。 勝ち点を落とした明大は次の法大戦で2連勝、なおかつ最終週の早慶戦で早大が2勝1敗で勝ち越した場合のみ優勝決定戦に臨めると極めて苦しい状況。ただし、この試合でも石原勇輝投手(商4=広陵)や3番手・大川慈英投手(国際2=常総学院)ら、いずれも強い直球を軸に試合を立て直したリリーフ陣は依然として安定しており、望みはまだある。法大戦ではやはり先取点がカギになるか。最終カードに全てを懸ける。 [上瀬拓海]READ MORE -
蒔田が、久野が、浅利が! 魂の完封リレーで窮地救った/東京六大学秋季リーグ戦
硬式野球 2023.10.16投手陣の奮闘が光った。先発の蒔田稔投手(商4=九州学院)が95球を熱投。続く久野悠斗投手(商2=報徳学園)と浅利太門投手(商3=興国)もピンチで粘りの投球を見せ、相手打線を封じた。岸本一心外野手(文1=横浜)の犠飛で奪った1点を守り切った明大は、カードを振り出しに戻した。(明)蒔田、○久野、浅利―小島河(慶)●竹内、谷村、森下―宮崎【安】(明)3(慶)10【二】(慶)斎藤快(4回) ◇残塁5 ◇犠打4 木本(2回、4回)、蒔田(3回)、岸本(4回) ◇失策1 負ければ優勝の可能性が消える正念場。打線は3安打と振るわなかったが、数少ない好機をモノにした。4回裏、先頭の宗山塁内野手(商3=広陵)がセンターへの強烈な安打で出塁すると、続く上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)は冷静に四球を選び、無死一、二塁の場面をつくる。後続の犠打と四球で1死満塁とし、打席にはルーキー・岸本。重圧に負けずきっちりと犠飛を放ち、貴重な先制点を奪った。先発の大役を託されたのは蒔田。序盤からピンチを招くも、緩急を駆使した投球で相手の得点を許さない。7安打を浴びながらも慶大の強打者・廣瀬隆太選手を3三振に封じ込めるなど、5回途中無失点6奪三振の粘投で自身の役割を果たした。 虎の子の1点を守りたい明大は、5回表、2死一、二塁の場面で久野を投入。追い込んだ後もゾーンでの勝負を選んだ久野は、力強い直球で空振り三振を奪い、ピンチを切り抜ける。6回表には走者を背負いながらも上位打線を打ち取り、勝利へのバトンをつなげた。7回表からマウンドに上がったのは浅利。8回表に1死一、二塁のピンチを迎えたが、吉川海斗選手(慶大)、廣瀬に対しフォークで連続三振に切って取ると、紫紺に染まる応援席のボルテージは最高潮に。9回表も粘られながら最後の打者を内野ゴロに打ち取り、ウイニングボールをつかんだ。 振り返ってみれば、この試合では毎回出塁を許し、得点圏のピンチを6度も迎えたが、投手陣がここぞの場面で踏ん張り切り、相手打線を15残塁に終わらせた。早大戦に続き、このカードでも1敗の劣勢から逆王手をかけた猪軍団。運命が決まる次戦の先発を予想されるのはやはりエース・村田賢一投手(商4=春日部共栄)だろう。早大3回戦での好投を再現し、大一番でリベンジを果たせるのか。[李翔恩]READ MORE -
村田まさかの炎上 背水の陣で2回戦に挑む/東京六大学秋季リーグ戦
硬式野球 2023.10.14絶対に負けられない首位攻防戦は、共にエースが先発。投手戦になるかと思われたが、初回に村田賢一投手(商4=春日部共栄)が打者一巡の猛攻を受け5失点。打線は小島大河捕手(政経2=東海大相模)、吉田匠吾内野手(文2=浦和学院)に適時打が出るも後続が続かず2得点にとどまった。(明)●村田、髙須、大川―小島河(慶)○外丸―宮崎【安】(明)7(慶)9【三】(明)吉田(7回)【二】(慶)栗林泰(1回)、水鳥(1回) ◇残塁5 ◇犠打2 村田(3回)、髙須(5回) ◇失策2 爽やかな秋晴れの下、優勝を懸けた運命のカードが始まった。今季一番ともいえる大入りの観衆が見守る中、登板したのは村田と外丸東眞投手(慶大)。外丸投手は持ち前のコントロールを活かし、初回をわずか6球で終わらせる完璧な立ち上がり。一方の村田には初回から試練が待っていた。先頭打者の吉川海斗選手(慶大)、2番・廣瀬隆太選手(慶大)に連打を許すと、ここまで打率トップの栗林泰三選手(慶大)に左中間を深く割る適時二塁打を浴び2点を失う。その後も後続を抑えることができず、この回一挙5失点の大崩れ。六大学トップのチーム打率を誇る慶大打線を止めることができなかった。 3回でマウンドを去ったエースに報いるため、打線は外丸の攻略が期待された。しかし序盤は緻密なコントロールに翻弄(ほんろう)され、全くと言っていいほど手が出ない。糸口を見いだしたのは4回表。上田希由翔主将(国際4=愛産大三河)が四球で出塁すると、今季初スタメンとなった木本圭一内野手(政経2=桐蔭学園)が一塁手を強襲する内野安打で打線をつなぐ。一瞬の綻びをついた明大は、小島の適時打で1点を返した。投手陣は髙須大雅投手(法2=静岡)、大川慈英投手(国際2=常総学院)が登板。髙須は失策で走者を背負うも、冷静な投球で3回を無安打無失点に封じた。速球派の大川は球速差を活かし3三振を奪う好投球。あとは味方の援護を待つだけとなった。追加点を奪ったのは7回表、二死一塁の場面で代打・吉田が適時三塁打を放ち3点差に詰め寄る。なんとか喰らいつきたい終盤だったが、相手バッテリーの術中にはまるばかりでチャンスは広がらず、最終的には完投勝利を献上する形になった。 打線は9安打を放つも、宗山塁内野手(商3=広陵)、上田の3番4番が無安打に倒れるなど、好機での一打に欠けた。リーグ優勝、そして日本一。全員が掲げる目標を達成するためには、次戦は絶対に負けられない。運命の一戦で明大打線は火を噴くだろうか。 [橘里多]READ MORE
特集記事 SPECIAL
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【硬式野球部】挑・超・頂
猪軍団が〝挑・超・頂〟のスローガンを胸に歩み出す。昨年度は春秋連覇、明治神宮大会優勝の3冠を達成。今年度のチームには優勝の喜びを肌で感じた選手が多く残り、リーグ戦3連覇に期待がかかる。そして主将には大学日本代表経験もあり明大打線の柱である上田希由翔(国際4=愛産大三河)が就任。5大学が〝打倒明治〟で迎え撃つ中、明大はどのような戦いを見せてくれるのか。本企画では、神宮へと挑む選手たちの1年間を追っていく。READ MORE -
【硬式野球部】頂戦
猪軍団が〝頂戦〟を胸に歩み出す。昨年度は春秋共に3位と優勝を逃してきた。今年度のチームには敗北の悔しさを肌で感じた選手が多く残る。さらに、4年生は〝頂〟の景色を知る最後の世代だ。主将には経験豊富な村松開人(情コミ4=静岡)が就任した。新体制で目指すのは6季ぶりのリーグ戦制覇。そしてその先にある日本一のみ。本企画では、神宮へと挑む選手たちの1年間を追っていく。READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
硬式野球部は1910年に創部された長い歴史と伝統を誇る部だ。故・星野仙一氏(昭44年政経卒)や広澤克実氏(昭60文卒)、野村祐輔選手(平24商卒・現広島東洋カープ)などプロ野球界にも名だたるOBを数多く輩出している。1952年に監督に就任した島岡吉郎氏(昭11政経卒)は〝人間力野球〟を掲げ戦後の黄金時代を築き上げた。偉大なる〝御大〟が37年に及ぶ任期中に残した明大ならではの野球スタイルは、今のチームにも根強く生き続けている。平成に入った現在も、2016年度に三冠を達成するなど新たな歴史を刻み続けている。