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法大に完敗も来年度へ向け決意新たに/全日本学生王座決定戦
弓道 2023.11.24全日本学生選手権(以下、インカレ)で優勝しつかんだ全日本学生王座決定戦(以下、王座)の切符。全国各地の強豪が集う中、トーナメント初戦の相手は明大と同じリーグで優勝した法大だった。リーグ戦で唯一苦杯を喫した相手にリベンジとしたかったが、一度もリードを奪えぬまま敗北した。 ◆11・23~24 第71回全日本学生王座決定戦(伊勢神宮弓道場)▼男子団体明大――1回戦敗退 1立4人16射を前後3立、計8人96射で競う長丁場。前回大会王者の法大と今年度のインカレ王者の明大がいきなり対決と注目されたが、明大は序盤からペースをつかめなかった。「相手関係なしに自分たちが自滅して負けてしまったかなって」(若林優弥・農2=小笠)。チームの課題は1年を通して〝立ち上がり〟。伊勢神宮独特の雰囲気も相まってか、初立の前立から14中―11中と差をつけられる。その後も流れは法大のまま、2立目終了時点で9中にまで差が広がり、勝利が大きく遠のいていく。 なんとかインカレ王者の意地を見せたい明大は最終3立目。前立は4人全員がまず2本ずつを的中させ、いい滑り出しに。その勢いのまま中嶋航大(農1=帝京長岡)、伊山優樹主将(政経4=東北学院)が4射皆中。2人とも2立連続の皆中とし、この立で1中の差を縮めた。そして後立、斎藤正隆(理工4=福島県立福島)が途中出場。「今から引く四つ矢が学生弓道最後になるっていうのは分かって入ったので、最後の最後、皆中で締められたのはすごい良かった」。1本目で3人が外すも唯一耐え4射を皆中させ、晴れやかな表情で射場を去った。続くように他の3人も残りの矢を詰め13中で締めくくる。結果は74中―84中と大差だったが、ただでは終わらない底力を感じさせた。 それでも「個人個人の技量が相手よりも低い」(増田皓太・理工2=富士宮西)と選手たちは反省を込めて試合を振り返った。1人12射のうち、田中海斗(営1=国学院久我山)が11中、星山知慶(政経2=武雄)、中嶋、伊山が10中と個人単位だと一見安定しているように感じるが、試合結果からはチーム内でばらつきがあることがうかがえる。「(弓道は)団体競技ではあるがチームスポーツではない。あくまでも個人の競技の延長線上でしかないので、しっかりとした個の力をつけていかなければ」(増田)。来年度へ向け、今するべきことは何か。選手たちは自分に問いかけながら伊勢神宮を後にした。 [西田舞衣子] 試合後のコメント伊山――今大会を振り返っていかがですか。 「実力が出なかったなって思います。いつもならあと10本くらい中たるんですけど、ちょっと自滅みたいな形で選手全員がいつもの力を出せなかったのが悔しいなと思います」 斎藤――ご自身の4射皆中という結果はどのように受け止めますか。 「自分の力出し切れたか分からないですけど、運とか、今までのことも重なってちゃんと枠に入ってくれて、頑張ってきて続けてきて良かったなって思いましたし、なによりここまでこれたのは自分とか4年生ではなくてインカレで結果を残してくれた3年生以下全員のおかげだと思ってるので、連れてきてくれてありがとうなって思いました」 小林樹生(理工3=国学院)――来年度以降に向けて見つかった課題はありますか。 「課題しかなくて逆にありすぎてもう分からないです。挙げるとしたら(自分は)今までの活躍もあってチームの軸にならなきゃいけない存在だとは自分自身感じていて、そこで皆中が出せないっていうのは、上級生、チームを引っ張る側として駄目なのかなって思いました」 東郷博人(農3=網走南ヶ丘)――今大会を振り返っていかがですか。 「自分に負けたっていうのが率直な感想です。絶対に外してはいけないっていうのが心の中にあって、その上で練習通り平常心で試合に出ようって思ってたんですけど、実際に射位に立つと気持ちで負けてしまって(それが)今回外した原因かなと思います」 細川凌平(営3=秀岳館)――途中出場で最終立のみの出場になりました。 「(4射中)3中だったっていう反省は多く残るんですけど、今年1年間自分は試合に出ることができなくて。アスリートでいうイップス。弓道にもあって、矢が離せない状況になってしまって、もう正直部活もきついって思ってたんですけど。必死こいて練習して、全部引くことはできなかったんですけど、4本だけ引かせていただいて、自分なりの今年1年間を矢に乗せることはできたかなと思います」 星山――リーグ戦や王座はインカレと違って長丁場の試合です。 「リーグ戦など何本も引く試合が自分は苦手なんですけど、長丁場だと考えながら引くのではなく、この4本中てて帰るぞという気持ちで引いているので、体は疲れるんですけど、精神的な持久力の無さとかは無いです」 増田――見つかった課題はありますか。 「抽象的な課題しか思いついてないですけど、絶対的な個の力を付け直すというか。自分だけでも良くしていけばチームの雰囲気が良くなると思いますし、自分が強い個の力を持っていれば周りも安心してのびのびと引いてくれると思うので、次回のこういう試合の際にはもっと実力をつけなければいけないなというのが正直な感想です」 若林――今大会を振り返っていかがですか。 「自分がやりたいことができなくて外して負けたので悔しいです。大会の2週間ほど前に矢が試合に集まってて、1週間くらいで直したんですけど、本日の大会でその直した射ができなくて外したんで、まだ直しきれてなかったっていう悔しさがあります」 里見州平(理工1=北見北斗)――リーグ戦以降、どのような練習をしてきましたか。 「射は大きく変えず、とにかく精度を上げる意識でやってたんですけど、本番は焦りとか緊張もあって、思うように自分のやりたいことができませんでした」 田中――今大会を振り返っていかがですか。 「『神宮という神聖な弓道場は魔物が出る』って言うほど、やっぱり本番でうまくいかない人が多いのが神宮系統の道場だと思いました。自分は本年初めて出た公式戦の全国大学選抜(明治神宮弓道場にて開催)であまり練習通りとはいかない結果を出してしまったので、それに比べると今回は完璧ではなかったものの、的中面で見たら1年通しての成長を感じられたのかなって思います」 中嶋――来年度以降につながる課題はありますか。 「自分だけでなく全体として立ち上がりが悪いので、限られた時間の中でいかにうまく調整するかっていうのを翌年の課題として、最初の立からうまく中てていく方法を見つけていければと思います」READ MORE -
1中の差が分けた明暗 涙の今シーズン最終戦/東京都学生女子部リーグ戦
弓道 2023.10.16全日本学生女子王座決定戦(以下、王座)への切符を懸けた大一番。80射で争うこの試合は最後まで競った展開となったが、明大は惜しくも1中差で敗北を喫した。 ◆9・17~10・22 東京都学生女子部リーグ戦(各大学弓道場)▼10・15 対桜美林大戦(東大本郷キャンパス弓道場)明大 60中―61中 桜美林大○ 雨が降る中始まった東京都学生女子部リーグ戦、最終戦。明大は悲願の王座出場を叶えるべく臨んだ。初立では大前・見米彩(理工3=文化学園大杉並)が安定した射で見事皆中した。2立目では野村真奈(営2=坂戸西)、加藤ほの美(政経1=前橋育英)の下級生2人が皆中。終わった時点で相手に2中差をつけ、順調な立ち上がりになった。 流れが変わったのは折り返しとなる3立目。桜美林大が16射で14中という驚異の的中数で一気に差をつけると、明大は食らいつくことができず1中差で4立目を迎えることになった。またしても先攻の桜美林大が13中と安定した射を見せるも、ここで明大が反撃に出る。3人が皆中し、15中。ここ一番での勝負強さが発揮された。 運命の最終5立目。明大は最低13中が勝利条件だった。1射目、2射目と全員が中ていい流れを作っていく。しかし、3射目で3人が外してしまう。最終4射目でも2中に終わってしまい、60中対61中とわずか1中の差で勝利を手にすることができなかった。 王座への挑戦は来シーズンに託された。今日の負けを糧にして、さらに強くなるこれからの明大に期待だ。 [入谷彩未]READ MORE -
男子団体、個人ともに悲願の優勝を果たす/全日本学生選手権
弓道 2023.08.24強豪・明大は再び大学弓道の頂点に立った。決勝では昨年敗れた因縁の相手・桜美林大を同中競射の末破り、8年ぶり10度目の優勝を果たした。個人では星山知慶(政経2=武雄)が優勝、増田皓太(理工2=富士宮西)が5位という好成績を残し、有終の美を飾った今大会。明大は11月に開催される伊勢神宮での全日本学生王座決定戦(以下、王座)への出場権を一番乗りで獲得することとなった。◆8・21~23 第71回全日本学生選手権(グリーンアリーナ神戸)▼男子団体 明大――優勝▼男子個人 星山――優勝 増田――5位 13中以上が決勝トーナメントに進むことができる予選を14中という結果で通過した明大。そんな中迎えた決勝トーナメント初戦は強豪・日大との対戦だったが、この一戦が明大に弾みをつけた。16中-12中で危なげなく勝利を飾った明大は、2回戦で18中、3回戦で19中という高い的中率で準決勝へと駒を進めた。 2日目初戦、準決勝の相手は大東文化大。前日同様の正確な射を見せるかと思われたが、相手が高的中をたたき出している中明大は16中で射を終える。相手が外さないと敗退が確定するという張り詰めた空間であったが、結果は16中-15中で明大の勝利。「正直ここまでかと思ったが、以前まで明治になかった粘り強さが今年はあって、それを生かすことができた」(星山)。この1本差での接戦で流れは明大に傾いた。 そして迎えた決勝戦。対戦相手である桜美林大は前年の同大会、全国大学選抜で連敗を喫し何度も悔しい思いをしてきた相手だ。相手は準決勝で18中と絶好調であり、厳しい戦いが予想された。予想通り両校とも互角の戦いを続け、結果は18中-18中。同中競射にもつれ込む激戦となった。同中競射では相手に2本差リードの中、唯一の3年生である落前・小林樹生(理工3=国学院)と、今大会で個人優勝という活躍を見せた落・星山がプレッシャーの中しっかり的中させ、10本皆中という結果で見事優勝を飾った。 今回、主将の伊山優樹(政経4=東北学院)がメンバーから退き、チーム最年長となったのは3年生である小林。小林は今大会直前に調子を落としたという。主将不在のチームでの責任感、そして大会直前に調子を崩した不安感は計り知れないものだが、それでも小林は決勝トーナメント初戦から決勝の同中競射まで1本も外すことなく全てを的中させ、チームに大きな貢献をもたらした。試合後小林は「自分の中で全国優勝が目標でずっと練習をやってきたので、その目標を達成できてうれしかった」と歓喜の涙を見せた。 9月からはリーグ戦が始まり、11月には今回の優勝で獲得した王座が待っている。現状に満足しない明大は、これから始まる秋の舞台でも必ずや頂点に立ってくれるだろう。 [下元天花] 試合後のコメント寺本裕明監督 ――今大会の振り返りをお願いします。 「今大会、主将の伊山が出場するという選択肢もあったのですが、自分が出るよりも若手を出した方が勝てると彼が踏んで出るのを自重してくれました。そういう意味で言うとずっと固定したメンバーで来ていなくて、最終的にはこの形になりましたが、試合を重ねるごとに本来の強みと一体感が生まれてきて良かったなと思います。その中でやっぱり一番カギになるのは落ち前の小林が1本も抜かずに持ちこたえたことですね」 小林――今回インカレ優勝を達成するまでに大変だったことはありますか。 「インカレ直前にすごく調子を崩して、これ出られないなとみんな思っていたし自分も思っていました。けどそこから死ぬ気で練習して、徐々にですけど調子を上げていってメンバーに食い込めたことが良かったです」 田中海斗(営1=国学院久我山)――唯一の1年生での出場でしたがどのように感じましたか。 「練習で中っていても本番でうまくいかない人はそれぞれ原因があって、自分はその中でもなんとかしてくれるだろうという信頼をしていただけたことで、出していただけた。今大会で分かった課題を今後にもっと生かして練習に励みたいなという風に思いました」 増田皓太(理工2=富士宮西)――今回優勝を達成できた要因は何ですか。 「みんなが楽しんだからではないでしょうかね。緊張で何もできなくなるところに比べて、ニコニコできたことが優勝につながったと思います」 星山――個人戦を振り返っていかがでしたか。 「全関東学生選手権で以前準優勝させていただいたのですが、その時についた自分の引き方をよく思い出しました。それと今回介添にいてくださった細川(凌平・営3=秀岳館)さんもたくさんアドバイスをくださりました。いい調子で運も味方につけて勝てたので、すごくうれしかったです」 若林優弥(農2=小笠)――王座へ向けての意気込みをお願いします。 「今回の大会では1本外してしまいましたが、その1本で負けていた展開もあったかもしれないので、王座までに詰め切れるように努力して、1本も外さない選手になるというのが目標です」READ MORE -
中大戦インタビュー/全国大学選抜
弓道 2023.06.25昨日の男子に続き行われた全国大学選抜(以下、選抜)・女子団体戦。予選をトップスコアの15中で通過し挑んだ決勝トーナメント1回戦は、昨年度同大会で敗れた中大との一戦だった。同中競射でも勝敗はつかず勝負の行方は一本競射へ。しかし4中を決めた中大に対し明大は3中。勝利まであと一歩届かずまさかの1回戦で敗退となった。 ◆6・24〜25 第35回全国大学選抜(明治神宮弓道場)▼女子団体 明大――1回戦敗退 試合後のコメント三浦朋美コーチ――今日の試合を振り返っていかがですか。 「本当に残念な試合だったなという感じですね。予選で出せた的中が当たり前に出せるチームだと思っていたので。今のメンバーでは練習で見たことがないような的中が出たので、非常に残念な結果だったなというところです」 ――全国学生選手権(以下、インカレ)に向けての抱負を教えてください。 「インカレで優勝すると王座への出場権が得られるのですが、そこに出るというのは弓道部員たちの目標ですので、インカレは優勝狙いしかないです」 見米彩(理工3=文化学園大杉並)――今日の試合を振り返っていかがですか。 「昨年は決勝トーナメント1回戦目で負けてしまって悔しい思いをしたので、今年こそは優勝したいという気持ちだったのですが、予選から決勝トーナメントが始まるまでの空いた時間に、予選で良くなかったなと感じた部分で悩んでしまったというのが良くなかった、今日負けた大きな要因かなと思います」 ――今後の課題を教えてください。 「時間が空く、道場が変わる、去年も決勝トーナメント1回戦目で当たって負けた相手などという、外的要因を精神的に気負ってしまって射に影響が出るという結果だったので、そこに左右されない射を追求していくべきだと思います」 関根里沙(政経3=白河旭)――全関東学生選手権(以下、全関東)から力を入れていたことを教えてください。 「全関東も他の選手とは的中に差があったので、選抜は誰かを支えられるように、自分の射も悪いところを出さないようにと思っていました」 ――最後の一本勝負についてはいかがですか。 「やることは変わらないですし、自分が勝負を決めるポジションなのは分かっていましたが、いざ自分が抜いて負けとなった時にもっとやれることがあったのかなと思います」 野村真奈(営2=坂戸西)――全関東から力を入れていたことを教えてください。 「全関東の調子が自分的には良かったのでそれがずっと続いてくれれば、あの感覚が大会でまた出せればと思っていましたが、難しかったです」 ――インカレに向けての抱負を教えてください。 「やはり1位になりたいという気持ちは変わっていないですし、自分が中てなくてはいけないというのも分かっているので、次こそは勝てるように頑張ります」 加藤ほの美(政経1=前橋育英)――今日の試合を振り返っていかがですか。 「予選は感覚もかなり良くていいイメージを持ってやれましたが、対戦になってしまうと対戦相手もいたり射場も変わったり、周りの環境に左右されてしまって自分の射ができなかったなと思います」 ――インカレに向けての抱負を教えてください。 「今日の課題点でもある的中の不安定さをなくして、一定以上の的中が毎回必ず出せるようにしたいなと思います」READ MORE -
またもや強豪・桜美林大に悔しい敗戦 本領発揮ならずベスト8/全国大学選抜
弓道 2023.06.25優勝を目指して挑んだ全国学生選抜(以下、選抜)。予選を18中と全体1位の記録で通過し、決勝トーナメント1回戦でも18中の好的中で甲南大に快勝した。しかし、2回戦で強豪・桜美林大と戦い結果は16中。対する桜美林大は安定した射で18中を見せ明大は敗退。悔しさの残るベスト8で今大会を終えることとなった。 ◆6・24~25 第35回全国大学選抜(明治神宮弓道場)▼男子団体 明大――ベスト8 今回行われた選抜での明大の優勝は4年前が最後。以来優勝からは遠ざかり、決勝トーナメント初戦敗退が続いていた。「1回戦で負けてしまうのが3年連続続いている。今年はそんな醜態をさらすわけにはいかない。自分たち明大が全国で優勝するという目標でやっているので絶対に勝つつもりで臨んだ」(小林樹生・理工3=国学院)。今年度こそ選抜での勝利、そして優勝を。選手たちは並々ならぬ思いを胸に今大会に挑んだ。 予選では、5選手中4選手が皆中を見せるなど好的中を披露。予選の的中数トップタイの18中で決勝トーナメント進出を決めた。迎えた決勝トーナメント初戦の相手は甲南大。ここでも明大は安定した射で18中を決め危なげなく勝利。皆中の中嶋航太(農1=帝京長岡)は「落ち着いて冷静に自分のことを俯瞰(ふかん)して見ることができたので、緊張と挑戦の狭間のいい心のモチベーションで引けた」と自身を評価した。 決勝トーナメント2回戦の相手は、強豪・桜美林大。昨年度の全日本学生選手権(以下、インカレ)の明大戦で20射皆中という驚異的な結果をたたき出し、明大の勝利を阻んだ因縁の相手だ。明大は、当時の雪辱を果たすべく気合を入れて試合に挑んだ。しかし、絶対に決めたい初矢を外してしまうと、続く2本目も抜いてしまい序盤から緊張感漂う雰囲気に。その後3本目を中てるも的中は続かず4本目も外してしまう。未だ1本しか抜いていない桜美林大に対し明大はこの時点で3本外していた。「最初は相手の方が引いているスピードが速かったのに、1、2本目の後からどんどん引っ張られる形になり立のペースが速くなっていって自分たちの首を絞める形になってしまった」(中嶋)。また星山知慶(政経2=武雄)は「1本目から自分たちの弓道のペースを射場に作っていくことができなかった」。序盤は明大らしからぬ射で相手に差をつけられるも、後半は立て直し最後の一手は皆中を見せる。しかし的中数は16中。桜美林大は18中で、またしても辛酸を舐める結果に終わった。「去年20射皆中を出されて負けた相手なので、やり返してやるくらいの20射皆中をバンって出したかった」(小林)。 最終結果はベスト8。目指した優勝には届かなかった。試合後、小林は「全関東学生選手権(以下、全関東)で自分がふがいない結果を出して決勝で負けてしまったので、その反省を生かして2週間必死の思いで頑張ってきた。練習量も増やしたし、道具とかも見直して練習してきて優勝を狙っていた。本当に悔しい」と唇を噛んだ。次に見据える先は8月のインカレ。星山は「インカレ優勝に向けてチームの団結力と、気力と体力を充実させていきたい」。また若林優弥(農2=小笠)は「昨年度のインカレも桜美林大に負けて、今回の選抜も桜美林大に負けたので、今度こそ倒して日本一になりたい」と優勝への強い思いを見せた。目指し続けた日本一の壁。幾度となく立ちはだかる強豪の大きな壁を破るその日は、きっともうすぐに訪れるはずだ。 [布袋和音] 試合後のコメント寺本裕明監督――今日の試合の振り返りをお願いします。 「日大も敗れ、法大も敗れ、明大の位置としては非常に良くて、念願の優勝が目の前だったんだけど、若さが出てしまったというか、自滅してしまったという感じですね。どちらかというと自滅。18中、18中と中ててきたのに若さが出てしまいましたね」 田中海斗(営1=国学院久我山)――決勝トーナメントの振り返りをお願いします。 「はい、チーム全体の最初ということもあって、自分に無駄なプレッシャーというか、無駄な負荷をかけてしまって全体の流れも悪くなりましたし、それが敗因になったという風に思います」 中嶋――この大会にはどのような意気込みで臨みましたか。 「全関東の際に団体のメンバーに入っていなかったので、今回団体のメンバーに入って、絶対に中て抜いて今回の試合を勝つという気持ちで参加しました」 星山――今大会は全試合で皆中でした。全関東の個人戦でも準優勝でしたが、中て続ける秘訣のようなものはありますか。 「弓道というかスポーツは練習が目立っていてそれで勝ちに行くという感じなんですけど、自分は睡眠を多く取ったりとか、逆に引きすぎずに体を整える方向を特に大事にしていましたので、それで当日までに体力をつけて、気力も高めて、万全に挑めるようにしていることが大事だと思います」 若林――全関東が終わって2週間、何か力を入れて練習していたことはありますか。 「そうですね、それこそ全関東で1本外してしまった矢の原因をこの試合で出さないように意識付けをして、 その弱点を直すようにずっと練習していました」 小林――桜美林大戦、後半は立て直したように見えましたが、それについてはいかがですか。 「自分たち諦めたら、諦めたらというか、そこでもう負けたと思わないでそこから抜かない練習をしてきたんです。試合前の集合でも、途中経過で負けていても諦めないで、最後まで戦い抜いてこいという風に、介添えの池田(遥人・営4=厚木東)さんから言われていたのでそれを意識して最後までやり切りました」READ MORE -
同中競射の末……法大に一歩及ばず準優勝 個人は星山が準優勝/全関東学生選手権
弓道 2023.06.11 前回覇者として挑んだ全関東学生選手権(以下、全関東)。決勝トーナメント3回戦、強豪・日大との同中競射を12射皆中で制し勢いに乗るも、決勝では法大に同中競射の末敗れ準優勝。あと一歩届かず悔しさが残る結果となった。選手たちは、次なる全国選抜選手権(以下、選抜)での優勝を見据える。 ◆6・10~11 第53回全関東学生選手権(日本武道館)▼男子団体 明大――準優勝▼男子個人 星山――準優勝 中嶋――5位 若林――6位 小林――8位 「伊山(優樹主将・政経4=東北学院)さんが主将の時に絶対に優勝させてあげたい」(小林樹・理工3=国学院)。主将への思いを胸に全関東優勝を目指した。2回戦からとなった決勝トーナメント初戦は、21中と安定した射で東洋大に危なげなく勝利。3回戦へと駒を進めた。 迎えた3回戦の相手は強豪・日大。「やっぱり日大は毎年強い大学の一つ」(小林)。日大相手に緊張感ただよう空気感の中明大は集中した射を見せた。結果は20中-20中。勝敗はつかず同中競射にもつれ込むと、明大は地力の差を見せつけた。なんと12射皆中という驚異的な射で鮮やかに勝利。「緊張したが、競射になった時の練習をしていた。その成果が出せた」と小林は振り返った。 続く準決勝でも、筑波大の14中に対し明大は20中で快勝。見事決勝進出を決めてみせた。そして決勝戦、向かう相手は初戦を24射皆中で勝ち上がった法大。勝つには一本も抜くことはできない。そんな張り詰めた空気感の下、明大は優勝に挑んだ。「絶対に抜けない、抜いてはいけないと自分自身にプレッシャーをかけつつ、自分が中てて、明治を勝たせて優勝させてあげるくらいの気持ちで臨んだ」(小林)。的中のたびの大きな掛け声が明大と法大で交互に飛び交う。緊迫の試合結果はまたしても20中-20中。運命の同中競射で再び12射皆中を見せたい明大だったが、結果3本抜いてしまい、法大の12射皆中の前に屈した形となった。優勝まであと一歩惜しくも届かず結果は準優勝。今回チームを率いた伊山は、「下級生が頑張っているのに上級生が頑張れなくて悔しい」とした上で「(法大は)去年勝てた相手なのに今年勝てなかった。法大のレベルが上がってこっちが合わせられなかった」と悔しさをにじませた。 個人では、寺本裕明監督も「射型がきれい」と太鼓判を押す星山知慶(政経2=武雄)が準優勝。「自分の中ではできた方だったんですけど、ここまで来たらもう少しやれたのかな」(星山)。さらには5位に1年生の中嶋航大(農1=帝京長岡)が入賞。「周りの人たちのレベルが高校の時よりも段違いに高くてその背中を追いかけるのに必死だった」(中嶋)と先輩の背中を追いかけながら射技の向上を図る。本来なら試合に出られる実力の選手が多く控えている明大弓道部。「選抜は、本気で優勝を勝ち取りに行くだけで、僕個人的には優勝しなければ意味がないと思っている。しっかりと優勝して、みんなで楽しく試合を終わらせられたら」(増田皓太・理工2=富士宮西)。今回成し得なかった優勝を勝ち取る。その強い思いを胸に全国の舞台に挑む。 [布袋和音] 試合後のコメント寺本監督――団体戦を振り返っていかがですか。 「今までなかったプレリーグっていう秋のリーグ戦の前哨戦みたいな試合で男女ともに全勝して、そういった意味で言うと法大にも勝ったし練習試合でも何度も勝っていたけど、最後調整してきたのがやっぱりさすがだなという感じですね」 伊山――団体戦を振り返っていかがですか。 「前で引いていた2年生の3人は頑張っていたんですけど、後ろの3人の3年生と4年生が頑張れなくて負担を全部下級生に回してしまったので、上級生としてはふがいないなと思います」 小林――一般入部で活躍されていますが、その秘訣はありますか。 「スポーツ推薦と一般入部というだけで、若干自分の中でスポーツ推薦の方が上という固定観念が入部当初はあったんですけど、1年生の時とか最初は絶対に負けていたんですけど、絶対に追いつく、追いつくというか、あいつら全員ぶっ飛ばしてやるくらいの、もうほんとに全員に勝ってやるくらいの気持ちで練習して、しっかり食らいついて練習しています、もうそれしかないです。気合いです。彼ら本当にすごいです」 細川凌平(営3=秀岳館)――今回の良かった点と次につなげていきたい点を教えてください。 「日大戦の競射と、決勝戦の最後の矢を入れられたことが良かったと思います。2週間後に選抜があるんですけどそのメンバーに入れなかったので、この次のインターハイはまたアリーナであるので、今日のアリーナで得た感覚をしっかり帰ってからも反省して、詰められるようにしたいと思います」星山――選抜に向けての意気込みをお願いします。 「選手が絞られて人数が少なくなるので、レギュラー争いもそうですし、他の大学もレベルの高い選手だけが集まってくるので、もっと練習量を増やして精度を高めていきたいです」増田――今回20射中19中という結果でしたが調子はいかがでしたか。 「昨日の調子がとんでもなく悪くて、今日はどうなることかと思ったんですけど、昨日の自主練習とかだったり、今日の朝の自主練習でなんとなく感覚をつかめたのでそこで調整できて今日ぼちぼち中ったので、それは少し良かったのかなと思います」 若林優弥(農2=小笠)――団体戦を振り返っていかがですか。 「本当に大事なところで1本を抜いてしまって、その矢のせいで負けたと言っても過言ではない外し方でしたので、悔しさだけが残った試合でした」 中嶋――緊張などはありましたか。 「久しぶりに本当に大きい会場で引いて緊張もあったのですが、先輩たちの声掛けもあって緊張をプラスに変えられたので、むしろ緊張があって良かったなと思います」READ MORE -
涙のリーグ戦全敗 「主将を王座に連れていきたかった」/東京都学生リーグ戦
弓道 2022.10.02絶対に負けられない一戦だった。勝てなければ明大が所属する1部リーグの最下位となり、2部降格の入替戦を行うことになる。160射140中を目指したが、意気込み虚しく131中に終わった。対する早大は140中を決め、明大の1部リーグ最下位が決定した。 ◆9・11~10・15 東京都学生リーグ戦(各大学弓道場)▼10・1 対早大戦(明大弓道場) 明大 131中―140中 早大〇 「絶対に勝ちにいくという意気込みで臨んだ」(小林樹生・理工2=國學院)。ここまで勝ち星がなかった明大。1部残留のためにどうしても勝たなければならない早大戦だった。しかし、試合は終始相手にリードを許す展開に。16射皆中を2回、15中を3回みせた早大に対し、明大が15中以上を決めたのは最終5立目の1回のみ。明大らしい好的中をみせられないまま試合が進み、結果は131中に終わった。「練習から的中が良くなく、そのまま本番に臨んでしまったのが要因」と若林優弥(農1=小笠)は反省点を挙げた。 「主将を王座に連れて行きたかった」(細川凌平・営2=秀岳館)。キャプテンシ―あふれる姿勢で部をけん引してきた畠山祐輝主将(政経4=新屋)。精神的支柱として、試合中の緊張や不安から選手を何度も救った。「緊張した時は主将を見る。笑顔で『うんうん』『大丈夫、大丈夫』とうなずいてくれる。そのおかげで、外した時も中てた時も何も変わらずに行射することが出来た」(細川)。さらに「主将みたいにメンタルを安定させてくれる先輩になりたい」と来年度3年生になる小林は主将の背中を追う。主将をチームの軸に駆け抜けた1年。「絶対王座に連れて行くと約束していたのにそれが叶わなくてとても悔しい。せめてもの恩返しとして、1部残留でしっかり結果を残せたら」(細川)。主将への思いを胸に次戦の勝利を誓った。 今日の敗戦でリーグ戦は全敗。次戦の入替戦こそは絶対に負けられない。主将のためにも、チームのためにも、1部残留を懸け全力で戦い抜く。 [布袋和音] 試合後のコメント寺本裕明監督――今日の試合を振り返っていかがですか。 「いつも初矢から中てて、それを繰り返すというのを目標にしているのですが、今日は初矢は結構中っていたほうで、止め矢を抜き皆中を逃すのが多くてそれが結果に影響したのかなと思います。リーグ戦以外の試合で早大にはだいたい勝ってきていたので油断もあっただろうし、早大はここで勝たないとまた入替戦に突入してしまうので、勝たなきゃいけないという思いの強さがあったのかなと思います」 若林――今日見つかった課題はありますか。 「調子のピークを今日に持ってこられなかったことが反省点です。ずっと中て続けるのが理想ですが、それよりは中らないことがあっても、そこからどう持っていくかが大事だと思っていて、そういうふうに調整していきたいです」 小林――リーグ戦最終戦どのような意気込みで臨みましたか。 「ずっと負け続きだったので、さすがに今日負けたら入替戦まで落ちて、もしかすると2部降格までいってしまうかもしれないというのは心の中にありました。絶対勝たなきゃいけないということで緊張もあって、相手も結構中ててきたので流れもどんどん悪くなっていく一方でした」 ――来年度に向けてはいかがですか。 「来年度は、自分の力が本当にまだまだだと思うので、明大の精神的支柱になれればと思います。後輩も入ってきますし、頼りにされる先輩になりたいです。的中面や、全ての面において、信頼というか頼りがいのある先輩になれたらと思います」 細川――今日の試合を振り返っていかがですか。 「個人的には、自分の17中という結果が練習通りの結果なのかなというのはありますが、もう少し中てられたのではないかと思います。OBの方、監督、主将がおっしゃっていた『練習でしっかり取り組め』というのを自分なりに取り組んだ結果、昨日が14中で練習が9割にも満たない低い的中だったのですが、試合当日でそれなりの結果が出せたという面においては、練習からしっかり意識したのが生きたのかなという印象がありました」 READ MORE -
強豪・桜美林大に善戦 惜敗も次につながるベスト8/全日本学生選手権
弓道 2022.08.13強豪相手に惜しくも一歩届かなかった。目指すは日本一と乗り込んだ全国学生選手権(以下、インカレ)。安定した射でベスト8という結果を残すも、3回戦では強豪・桜美林大の20射皆中を前に苦杯を喫することとなった。また、女子団体は予選通過に奮闘したが、わずかの差で決勝トーナメントに進むことはできなかった。 ◆8・10~12 第70回全日本学生選手権(日本武道館)▼男子団体 明大――ベスト8▼男子個人 三田村――6位▼女子団体 明大――予選敗退 優勝を目指したインカレ初日は、不安の残るスタートを切った。10日の予選では13中─7中と、ぎりぎりでの決勝トーナメント進出。そんな中で、翌日の決勝トーナメントでは安定した射を披露した。初戦は19中を決めて鮮やかに勝利。その後の2回戦と3回戦もともに18中と、前日とは打って変わってハイレベルな試合を見せた。その背景にあったのは試合前の反省であると、予選で1中という悔しい思いをした細川凌平(営2=秀岳館)は話す。「昨日道場に戻って先輩方にいろいろ聞いて、いつもとここが違うといったことを教えてもらった。その反省が生きた」。試合前の入念な取り組みが、明大にベスト8という結果をもたらした。 2回戦の対戦相手は、昨年度のインカレ準決勝で惜しくも敗れた筑波大。「しっかり自分のやるべきことをやって悔いが残らないように全力で取り組んだ。負ける気はしなかった」と自信を見せた細川の言葉通り、臆することなく18中という結果をたたき出し、明大の地力を見せて勝利した。 3回戦は、緊迫した空気感の中で行われた。対戦相手の桜美林大は今大会の優勝チームで、予選を20射皆中で勝ち上がった正真正銘の実力校。試合中には、桜美林大の皆中を知らせる鳴りやまない拍手が明大の選手を襲った。序盤で2本抜いてしまった明大に対し、1本も外さない桜美林大。「頭の隅で『相手はまだ抜いていない、まだ詰めている』とプレッシャーを感じていた」と小林樹生(理工2=国学院)。また伊山優樹(政経3=東北学院)は「あまり緊張しないタイプだが相手が外さないので緊張した。ぐらぐら震えた」と緊張をうかがわせた。結果は明大が18中で、桜美林大が20射皆中。明大も敢闘したが、桜美林大の完璧な射の前に圧倒された形となった。 最終結果はベスト8。3回戦で敗退となったものの、1~3回戦を通じて明大は非常に安定した射を見せた。今回初めて大前を担った若林優弥(農1=小笠)は「全国大学選抜では試合に出ることができなくて悔しい思いをしたので、そこからはいつも以上に外さない意識を持って、誰よりも中てるという気持ちで練習をしてきた」と話す。その言葉通り、決勝トーナメントでは12射皆中と堂々たる射でチームの勝利に貢献した。レギュラー争いが加熱する明大弓道部であるだけに、これから始まるリーグ戦ではきっとさらなる飛躍が見られるであろう。今後の活躍に期待が高まるばかりだ。 [布袋和音] 試合後のコメント寺本裕明監督――今日の団体戦を振り返っていかがですか。 「不本意ながら予選ぎりぎりでなんとか決勝に残れました。それからすると(東京都学生連盟)1部リーグの明大の意地は見せられた試合だったと思います。私たちも9割中っていたので、明大が悪かったというより相手の桜美林大が良かったですね。スキがありませんでした」 畠山祐輝主将(政経4=新屋)――よく声かけをされていました。 「全て試合をしている本人の気持ち次第でどうにでもなると思っていたので、射のことに関しては一言も言わずに、抜いた人にはとりあえず『落ち着いて堂々と引いて』と声かけをしていました」 増田皓太(理工1=富士宮西)――決勝トーナメントは全体として安定していました。その要因はありますか。 「予選は的中自体が悪かったのですが、みんなの気持ちが入れ替わって決勝に臨めたことが安定につながったのかなと思います。また、決勝でどうにかするために、昨日の夜や今日の朝にみんなが一生懸命集中した練習が出来たからかなと思います」 若林――大前として初めてのインカレ。どのような意気込みでしたか。 「大前が流れを作る大事な役割だと思っているので、なるべく1本目からいい矢でいけるように集中して、しっかりやるぞという気持ちで臨みました」 小林――決勝トーナメントは1~3回戦まで12射皆中でした。 「今日は主将と、1本引き終わるごとに顔を見合わせて『グッジョブ』みたいな感じのことを初戦の1本目からできていたので、緊張が緩和されて、練習からやってきたことをしっかりと発揮できたのかなと思います」 細川――対桜美林大戦、両チームがハイレベルな試合をした中での敗退に悔しさはありますか。 「とても悔しいです。練習から常に緊張の状態、相手が全部詰めてきた状態のイメージトレーニングをしているのですが、それをする前に気付いたら負けてしまっていたという状況だったのでとても悔いが残りました。でもこれはリーグ戦に生きてくると思っています」 伊山――落を務めたことについてはいかがですか。 「落の役割は、勝負矢を決めることだと思うのですが、今回結構抜いてしまいそれがあまりできませんでした。そういうところが役が重かったかなという感じはしますね」READ MORE -
鹿児島大戦インタビュー/全国大学選抜
弓道 2022.06.26先日行われた全関東学生選手権(以下、全関東)で見事優勝を決めた明大。「目指すは全国制覇」と挑んだ今大会だったが、まさかの1回戦で敗退となった。◆6・25 第34回全国大学選抜(明治神宮弓道場)▼男子団体――1回戦敗退 明大 14中―15中 鹿児島大〇 寺本裕明監督――今日の試合を振り返っていかがですか。 「全関東で優勝した時は最初の一手が全員中って相手にプレッシャーをかけられたのですが、今回は予選でも大前から1本目を抜いて始まってしまいました。相手が楽に試合できる環境をつくってしまっていたかなと思います」 ――予選から的中が落ちたことに関してはいかがですか。 「14中だと7割しか中っていないということで、それだと優勝は厳しいです。全関東は試合の中で自分たちで対応して一試合一試合調子が上がっていったのですが、全然そのようなところに行くまでもなかったような感じです」 ――次は全日本学生選手権(以下、インカレ)です。 「大学が1番期待している大会なので、今一度メンバーや立つ順番等を含めて0から構築し直さないといけないのかなと思います。1本抜いてしまったけど残りは全部中てるとか、そういうレベルではトーナメントで勝てないので、基本は皆中できる人がいいですね」 畠山祐輝主将(政経4=新屋)――今日の試合を振り返っていかがですか。 「予選は昨日の練習通りなのかなという的中だったのですが、トーナメントに入ってから自分が失敗してしまってみんなには申し訳ない気持ちがあります。こうなるかもしれないというのを踏まえた上でこれからの練習に臨んでいければな、というふうに考えています」 ――予選についてはいかがですか。 「最初の1番と2番が1本目を連続して抜いてしまったというところから流れをうまくつくれなかったなと思います。例えば1番が抜いてしまったら2番がしっかり止めてあげるような、そういったささいな事が出来ていれば、本選でも違ったのかなと思います」 ――予選から決勝トーナメントに向けてはどのような意気込みで臨まれましたか。 「特にやるべきことは変わらないと思っていたので、相手が強いところであろうとそうでないところであろうと、自分のやるべきことをできればいいなという気持ちで臨んでいました」 ――インカレに向けての抱負を教えてください。 「今日みたいな結果ではなく、全部中てて、みんなに頼られるような主将になっていきたいと思います」 増田皓太(理工1=富士宮西)――今日の試合を振り返っていかがですか。 「チーム全体で勝ち切ることができなかったというのが1番にあります。自分が1番初めに引くにもかかわらず、1本目を両方とも外してしまったことが、後ろの人にも響いてしまったのかな、と感じました」 ――予選についてはいかがですか。 「まず予選から全て中てている人が1人しかいなくて、みんな1本ずつ外してしまっていました。それで自分だけかもしれないのですが、いつもと違うような雰囲気を感じました。この前の全関東からあまり調子が良くなくて、それが原因だったのかなと思います。予選に関して言えば、あまり良いものではなかったです」 ――インカレに向けての抱負を教えてください。 「今までの練習よりももっと詰めて、甘い1本が出ないような練習をし続けていきたいです。必ず日本一を取ると、そういう気持ちで臨んでいきたいと思います」 [西田舞衣子、布袋和音]READ MORE -
1年野村が個人戦準優勝 女子団体は悔しさ残るベスト8/全関東学生選手権
弓道 2022.06.13全関東学生選手権2日目は女子の団体戦と個人戦が行われた。シード校の明大は2回戦に国士大に勝利するも3回戦で強豪・桜美林大に惜しくも1中差で敗れ、ベスト8という結果に終わった。個人戦では野村真奈(営1=坂戸西)が活躍。八寸6本目までもつれ込む接戦を繰り広げ、準優勝という好成績を収めた。 ◆6・12 第52回全関東学生選手権(日本武道館)▼女子団体 明大――ベスト8▼女子個人 野村――準優勝 団体戦は予選を1位通過し、第1シードで今大会に臨んだ。明大の初戦の相手は国士大。見米彩(理工2=文化学園大杉並)が皆中するなど安定した射を見せ、明大は9中―4中で初戦を制した。3回戦の相手は桜美林大。1射目を終えた時点で明大は相手に1中差をつけられ、リードされる展開に。2射目、3射目では全員が的中させるが、差は縮まらない。見米、野村が皆中とするものの、「内容としては悪くはなかったが、それよりも桜美林大がしっかり的中を出してきた」(三浦朋美コーチ)。相手の正確な射に力及ばず、10中―11中で惜敗し3回戦敗退という悔しい結果に終わった。 個人戦は1本外せば敗退となる射詰形式を採り、会場には緊張が走った。団体戦から好調の見米と野村は順調に的中を重ねる。的が八寸と小さくなると、見米がこの日初めて矢を外して敗退となった。勝ち進んだ野村は優勝を争い坂本彩華(大東大)と一騎打ちになる。1年生同士の戦い。3射目、野村が放った矢が的に中り会場に音が響いた。しかし相手も意地を見せ勝負の行方は次の射に託された。続く4射目、5射目はどちらも外し試合は均衡状態が続く。勝敗を分けたのは八寸6本目であった。「自分が苦手としているところが出てしまい、抜いてしまった」(野村)。緊張した空気の中、思うような射ができず課題の残る準優勝となった。 次戦は全国大学選抜(以下、選抜)。「目標はもちろん優勝。そこで勢いをつけて全日本学生選手権に臨みたい」(見米)。今回の悔しさをバネに全員で頂点を目指して次戦に挑む。 [坂内咲月] 試合後のコメント三浦コーチ――去年はメンバーが固定されていましたが、今年はいかがですか。 「今年は競争が激しく、かなり実力が近い状態の人が複数人いるので、そこから一つ抜けてもらわないと固定するまでには至っていないです。少しの感覚の狂いで大きく的中が下がってしまうので『高い的中のまま少し崩れても大きく下がることはないところで止まってくれるといい』と思っています」 ――選抜へ向けての目標を教えてください。 「選抜は当然優勝を目指しますし、目指せるチームです。いい的中、いい射でしっかり選抜も勝っていけると思います」 大葉空乃(農4=赤穂)――今日の団体戦を振り返っていかがですか。 「最終的には自分が抜けて負けてしまったので、正直悔しい気持ちが1番大きいです」 ――選抜に向けての目標を教えてください。 「大きい大会での緊張感を味わえて、自分がどういうところができないというのが明確になったのでそこを詰めて選抜には間に合わせたいと思います」 見米――第1シードで臨んだ大会で、周りの期待も大きかったと思いますが、いかがですか。 「シードは予選も1位通過で『勝たなきゃ』と思っていた部分、背負っていた部分もありました。3回戦目の桜美林はシードではなくてもう2回も試合していてチームとしての流れができていたという差もあったと思います」 ――2回戦、3回戦とも射的数が安定していましたが、要因は何ですか。 「先々週から高い的中を維持できて練習で常に同じ射、同じ感覚で当て続け、ミスしても的の内側に収めるという高い水準で目標が達成できていました。『この射でいくぞ』というのが確立できていたので当て続けられたと思います」 野村――予選からどのような練習をしてきましたか。 「練習ではやはり波があって気持ちも揺さぶられてしまいなかなか的中が高く安定しませんでした。今日の団体戦では1本抜いてしまったのですが詰めることができてよかったです」 ――今回を通してどんな課題が見つかりましたか。 「緊張していると離れが出なかったりして変な離れをしてしまうことが多いので、ここまで緊張して練習はあまりできないと思うのですが、意識して練習したいです」READ MORE
部の紹介 INTRODUCTION
精神を統一し、的を射る弓道。的中数で勝負を決するが集中力や忍耐力も要求される。技術に加え礼儀、作法を重んじるその道は和を象徴する競技の一つといえる。 明治41年に創部され、100年以上の伝統を持つ明大弓道部。大学弓道界においても歴史は古く、古豪としての名をとどろかせてきた。生田キャンパスにある弓道場で日々鍛錬を積み重ね技術を磨いている。実力はもちろん弓を引く姿や所作が評価され、射道優秀賞の受賞経験もある。美しさと技術を兼ね備える弓道部が今後も長い歴史を紡いでいく。